【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

清く正しく美しい心を輝かせていた陽子が
世の中の澱みや人間の歪みを知り変化していく
母夏枝の無邪気さと父啓造の気持ちの変化が
物語を結末へと繋げていく

0
2023年11月18日

Posted by ブクログ

小説を愉しんだ後に思う場合が在る。作中の最終盤辺りの経過の後、「如何いうようになってしまう?」ということが凄く気になる場合が在って、「こういうように?」と勝手に考えを巡らせてしまう場合も在る。
『氷点』という小説を読んだ。不幸な事件が契機で、一家は重大な秘密を密かに抱え込んでしまう。その秘密に関るヒロインは、その秘密を突き付けられる羽目に陥り、最終盤で騒動を起こしてしまう。やがて一家の秘密の真相を知る人物が、その真相を伝える。そういう具合で「ヒロインの陽子は如何なる?」という場面で物語が幕を引くのが『氷点』であった。
作者の三浦綾子の中で、『氷点』は発表されている「ヒロインの陽子は如何なる?」という場面で完結していたようである。が、小説が大好評を博し、三浦綾子が次々と作品を発表するようになって行く中で「『氷点』の陽子のその後?」という声は高まったようである。色々な人達が随分と、その件を話題にしていたらしい。
そういうことで、取材を重ねた上で登場した「続篇」である。
『氷点』は「昭和30年代の終盤頃」という時期迄の物語である。対して『続 氷点』は「昭和40年代前半頃」という時期の物語である。
『氷点』に登場の啓造、夏枝、徹、陽子という「辻口家の人達」は『続 氷点』でも引き続き主要な人物達ということになる。そして『氷点』に登場した、辻口家の人達と交流が在る人達も引き続き登場する。その他方で、『続 氷点』には新たな人物達も登場する。
上巻は、『氷点』の最終盤での騒動の直後という情況から物語が起こる。そして時間が少し経過し、『続 氷点』の鍵になる「三井家の人達」が登場するようになる。
下巻では、血の繋がらない兄の徹と、兄の友人ということで知り合って親しくなった北原との間で揺れていた陽子、そして「三井家の人達」を巡る挿話が多くなる。
『氷点』は陽子が成長する過程の子ども時代が相当に入るのに対し、『続 氷点』は陽子が既に高校生や高校卒業後、或いは大学生である。それ故に「陽子の目線」という部分が多い。
『氷点』の最終盤で陽子は高校2年であるが、『続 氷点』の中では大学生になっている。数年経っているということになる。そういった事情を踏まえ、<見本林>が在って、辻口邸が建っていることになっている神楽や旭川の街での挿話に加え、札幌での挿話も少し多くなり、加えて作中人物達が旅行に出るような場面も在る。

0
2023年11月08日

Posted by ブクログ

早く読みたかった続編。
前回に比べると緩い感じではあるが一気に辻口家に氷点の世界へと引き込まれていく。
下巻も楽しみですp(^^)q

0
2023年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである】(ジェラールシャンドリエ)(陽子の茅ヶ崎のおじいさん)
続編があってよかった!一命をとりとめた陽子がどう自分の生い立ちを顧みて悩んでいくか、そして気になっていった元病院事務職員の松崎由香子はどうなったんだろうか

0
2021年08月29日

Posted by ブクログ

学生以来、2度目の読破。今になって良くわかる心理描写が多く、人の生きる姿勢についてあらためて考えさせられる。「一生を終えてのちに残るのは、集めたものではなくて、与えたものである」はこの小説により刻まれた言葉だったんだ。生きる目的、死、憎悪、罪、愛について、胸に響く内容。

0
2015年08月04日

Posted by ブクログ

とても面白かった。

血のつながりのない親子が中心となるストーリーは、川端康成の名著「山の音」に近い印象を受ける。
しかし、山の音に比べると、よりドロっとした人間関係が描かれていて、濃厚な味わいとなっている。
それでいて、修辞法が少ないシンプルな文章なので、ストーリーを純粋に楽しみながら、テンポよく読み進められる。

著者は敬虔なプロテスタントらしいが、例えば遠藤周作のように、明らかに宗教をテーマに持ってきているわけではない。
それでいて、原罪というものを考えさせられる内容になっている辺りは、著者の高い筆力が伺い知れる。

冒頭部分に、一気に中心人物が登場するので、そこはゆっくり読み進めた方がいいかも知れない。
ここで人間関係を十分に把握しておくことが、この著作を心ゆくまで堪能することにつながると思う。

0
2014年08月02日

Posted by ブクログ

相変わらず、読み始めたら止まらない。
一つ一つの表現がよい。展開も突拍子なくもなく、予想通りでもなく続きがきになる。
孤児院とか、今まで読んだものでもよくでてきたけど、どこか違う世界だった。豊かな家庭に育った養女だとまた現実味をもって考えさせられる。

0
2013年07月25日

Posted by ブクログ

余韻を残して終わった『氷点』の続編。
自殺未遂を起こした陽子ちゃんが助かり、特に後遺症もなく暮らしていくなかで、より著者のキリスト教的な視点が強く表現されていく作品でした。

キリスト教における「原罪」と「許し」をティーンエイジャーの陽子ちゃんがどう自分のなかで消化(昇華)していくのかのお話。

子ちゃんが我が子を殺した犯人の子ではないと知ってもお母さんは未熟な人間のまま。これは一生変わらなさそう。
医師のお父さんも良い人であろうとし過ぎていくつになっても迷いっぱなし。

そこに暴動機関車のような陽子ちゃんの実の弟などが出てきて、とにかくお話としては飽きさせませんでした。
ただ、陽子ちゃんまでぐじぐじし始めてスッキリする感じはないお話ですね。

0
2024年03月17日

Posted by ブクログ

誰の中にも存在する罪を的確に書いている。人は愛とか憎しみといった感情を飼い慣らせないのに、愛と憎しみに好き勝手に振り回されてるている。

0
2024年02月13日

Posted by ブクログ

ちょっと長い気もするけど氷点のエピローグのような、原罪というよりも赦しがテーマの話し。

芸術性としては氷点のみでも良かった気もするが、
「続」によって赦しと救いのある話しになっているので、三浦綾子さんの優しさを感じる。

0
2023年07月04日

Posted by ブクログ

心を入れ替えよう!と思っても、ちょっとしたことですぐ気持ちが変わってしまう描写が多く、人間ってほんとにそうだよなあ......。と思います。するとテーマである「原罪」が脳裏にちらつき、三浦綾子ってすごい、と感じました。

0
2022年12月13日

Posted by ブクログ

んーーだんだん面白くなってきましたよ!
下巻が楽しみです。
やっと読みましたーー(^^)
でも下巻に行く前に違う作品読んでからにします。
なんかその方が楽しめそう(^^)
明日は気合い入れて読書三昧しまーーす(o^^o)

0
2022年09月25日

Posted by ブクログ

越谷支店 井芹さんお勧め本

あらすじ
昭和21年(1946年)、旭川市在住の医師辻口啓造は、妻の夏枝が村井靖夫と密会中に、佐石土雄によって3歳の娘ルリ子を殺される不幸に遭う。 ... ルリ子の代わりに女の子が欲しいとねだる夏枝に対し、啓造はそれとは知らせずに殺人犯佐石の娘とされる幼い女の子を引き取る。
感想
素晴らしい小説でした。

0
2021年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

氷点が良かったので続編。
氷点の細かい部分忘れていた所もあったけど、冒頭の方を読むことで思い出すことができた。
自殺未遂をした陽子が、また日々の生活に戻るまで。
周りでも村井は妻と子に出て行かれ、高木はまさかの結婚。失踪していた松崎由香子は失明した状態で見つかる。村井と夏枝はまた何だか嫌な感じだなー

「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」というジェラール・シャンドリの言葉が出てきて、とても印象的だった。

0
2021年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

陽子はルリ子を殺害した殺人犯の
娘ではないことが判明した。

だが、陽子はあまり嬉しくなかった。

自分が不倫の末に生まれ捨てられた子供だった
と知ったからである。

陽子は生みの母親を憎み、
育ての母親の夏枝に対しても少し憎しみを抱く。

そして、陽子は北原とも連絡をほとんどとらなくなる。

しばらく失踪していた松崎由香子が見つかる。
目が見えなくなっていた由香子を
辰子が引き取った。

啓蔵は由香子のことが気になりだす。

進学を躊躇っていた陽子だったが、
やがて徹とおなじ北大を目指す。
-------

村井の嫌味がさらに増してきた。
嫌な奴すぎる。

夏枝も相変わらずだし、
啓蔵も今度は由香子かぃ!呆れるー。

陽子は変わらずに清い心を持っているなぁと
つくづく思う。。

0
2021年05月10日

Posted by ブクログ

家族なんだし、内に秘めたものを表に出せたらこんなにみんな窮屈な思いをしないで済んだんじゃないかなぁ。人の感情って難しい

0
2021年02月17日

Posted by ブクログ

衝撃的な内容…。
暗く重い雰囲気や、なんとも遣る瀬無い雰囲気も漂う。
それなのにどんどん読めてしまう。

0
2019年09月26日

Posted by ブクログ

内面が深く描かれていて、引き込まれます。人の心は多面的だとつくづく感じる。

本編(?)とは違い、「続」では段々と家族が平穏に戻っていくような感じがするが…果たして?下巻が楽しみ。

0
2016年06月19日

Posted by ブクログ

ーー真の意味で自分を大事にすることを知らない者は、他の人をも大事にすることを知らない
前編とは変わって希望を失った陽子の姿は読んでいて痛々しい。けれども、周囲の人は何を考えて生きているのかにも興味を持った陽子は更に深みが増したようにも感じた。

0
2014年07月27日

Posted by ブクログ

2大ナルシスト、夏枝と村井健在。
無垢で良い子ちゃんだった陽子までもアンニュイになってしまい(そらそうだ)、どんよりした空気を払拭してくれるのは最早辰子さんのみ。
さてどうなるか。下巻へ続く。

0
2014年01月20日

Posted by ブクログ

ドロドロな人間関係
医者の啓造と妻の夏枝
夏枝が啓造の同僚(性格終わってる)といるときに3歳の娘を殺されてブチギレた啓造が娘を殺した男の娘(陽子)を夏枝に育てさせようとする

みんな登場人物自分勝手なのがリアル

0
2023年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一生を終えてのち残るのは、我々が集めたものではなくて、我々が、与えたものである。(ジェラール シャンドリ)
「おもしろいものだね。あくせくして集めた金や財産は、誰の心にも残らない。しかし、かくれた
ほどこし、真実な忠告、あたたかい励ましの言葉などは、いつまでも、残るのだ。」

夏枝が、「生きてる、って、寂しいわね」って、ラストに言ってる…。
それに、対して、啓造が、つぶやいた、
「そうか、夏枝も、淋しいのだ。
その寂しい者どおし、なんで、つまらない争いを繰り返すのか。淋しければ、肩をよせあって、仲良く生きるべきなのだ。」
当たり前かも、知れないけれど、なかなか、
出来ない事。
しみじみと、夫婦とは?家族とは?何か、考えさせられました。

0
2022年03月05日

Posted by ブクログ

『氷点』の続編。この家族には幸せになってほしいと思いつつ読んだ…悩みながら、苦しみながら、家族に戻っていく。

0
2020年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 氷点の続編だ。陽子が助かり、それからまた、苦悩の日々が始まる。死ぬよりも生きることの方が困難なときもある。それでも陽子は名前のごとく、明るく生きようと頑張る。人間の幸福は、結局は自分自身の内部の問題だ。生きる意義や目的がつかめないうちは、空虚であり、虚無的である。満たされないということだり、幸福感が無いのである。ただ、不幸を知らない人には真の幸せは来ない。幸福が人間の内面の問題だとしたら、どんな事情の人であれ、幸福の可能性はあるのだ。

 自分ひとりぐらい死んでも構わないとは思ってはいけない。その一人ぐらいと思っている自分に、たくさんの人がかかわっている。ある一人がでたらめに生きると、その人間の一生に出会う人全てが不快になったり、迷惑をこうむったりする。そして不幸にもなる。真の意味で自分を大事にすることを知らないものは、他の人をも大事にすることを知らない。

 極道者や大悪人はいちばん救いやすい。自分で本当に極道者と思い込んでいれば、神様の前に頭が上がらない。これは、一番手がかからない。手のかかるのは、人の前にも、神の前にも、何一つ悪いことをしていないと思っている人間だ。

 一生を終えて後に残るのは、我々が集めたものではなく、我々が与えたものである。と、ジェラール・シャンドリという人が言った。あくせくして集めた金や財産は誰の心にも残らない。しかし、かくれた施し、真実な忠告、温かい励ましの言葉などは、いつまでも残る。

 続編では、許す、とはどういうことか、という話が中心になる。罪は、自分が考えているよりももっと深く、大きい。たとえ、人間の命をもってしても根本的に償い得ない。だから、罪は許される以外にどうしようもないのだ。罪をはっきり許す権威が必要なのだ。本書では、ありえないような偶然が重なり、そんなことはありえないだろう、と思うが、著者は読者にそのような物語として本書を書き記したのではないであろう。そのストーリーから浮かび上がる、人間の内面の問題や人間関係が引き起こす問題、嫉妬や欲望など、人間はわがままで身勝手で、自己中心的なものであると、語りかけている。

 全2巻。続々編を期待したいような終わり方でもあった。

0
2018年02月08日

Posted by ブクログ

2014.10.05

続氷点の上巻は、氷点下巻の怒涛の展開と比べて、やや落ち着いた流れで進みます。でもページをめくる手は相変わらず止まりません。

続氷点では『原罪』から『赦し』をテーマに登場人物たちの揺れ動く心情が上手に描かれています。
陽子ちゃんと夏枝さんと村井さんはいったいどれほど美しい方なのか、ものすごく気になりながら読んでいます。
そして真実が明かされた今、殺人犯、佐石の子供はどこでどうしているのか…下巻には登場するのでしょうか。

0
2014年10月11日

Posted by ブクログ

正直、勢いは落ちた。陽子、相変わらずウザい。いつまでもウダウダ悩んでんな!そもそも、何に悩んでるのか既にぼんやり。犯人の子じゃないのに。お前と同じ境遇の子供達はどーなるんだよ?!と引っ叩きたい。

0
2012年10月05日

「小説」ランキング