三浦綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中高では毎朝礼拝をし、讃美歌を歌い、聖書の一節を読み、授業にも聖書の時間があったのにそこから何も感じなかったあの頃の自分。。。
こうやって三浦綾子さんの文章に触れてみて初めて、その奥深さに気づかされる。
常にベッドに臥せっている病人でありながら、多くの人を慰め、力づけた睦子さんの話、見ず知らずの異国の人を助けるために自らの救命道具を譲り、亡くなっていった外国人宣教師たちの話、事故を食い止めるため自らの体をクッションにし、列車の暴走を止めて亡くなった「塩狩峠」のモデル:長野青年の話、女手一つで育て上げたひとり息子を殺され、長い苦悩の末その犯人を許した津田さんの話。
信仰によって人を許し、愛し、自らも救われた人々のお話は衝撃ですらある。
久しぶりに讃美歌歌いたいなぁ。 -
Posted by ブクログ
作家三浦綾子さんの人生について。病床で洗礼を受け、クリスチャンになった後のお話。
綾子37歳、三浦35歳での結婚。肺結核と脊椎カリエスを併発し13年臥せていた綾子を病気から治るまで5年待ち続けた三浦。どこに出張する際にも常に綾子の写真を携え、いつか共に来れますようにと祈り続けた三浦。そうしてようやく夫婦になれた二人。
たったひと間の小さな新居を、どこにいてもお互いの声が聞こえると喜び、一緒にいられるだけで幸せを感じる三浦夫妻。
最近イライラ気味で色々なことに不満が先立って、感謝を忘れていたけどそれを恥じるような気持ちに。心が洗われるような本。
洗礼も受けていない無宗教の私だけどプロテスタント系の学校に通い、六年間毎朝礼拝をしていたので覚えのある聖書の言葉も幾つか。読み返すと深い言葉ばかり。
夫妻に神父が贈る「結婚したからといって、翌日からすぐに夫婦になったといえるものではない。わたしたちが真の夫婦になるためには、一生の努力が必要である 」という言葉や、
(人にはできないことも、神にはできる ) という聖書の一節、
病弱な二人の結婚を批判されたときも「万一、誰も祝福してくれないとしても神様だけは祝福してくれる 」
そして( 許すということは、相手が過失を犯した時でなければできない、人を許し受け入れること、結婚とは許し合うこと) という悟り、
『 石にかじりついても、ひねくれまいとして生きて来た 』という三浦の妹の言葉にも胸を打たれる。
充分すぎるほど恵まれているのに、ひねくれてなどいられない。
また幸せ絶頂の際に二人が心に刻んだ
「人間は恵まれる時は一番警戒を要する時です。益々己れをむなしゅうして主にご信頼なさるように。お得意にならないようにしてください 」という牧師からのメッセージ。
( 親孝行の金は神がくださる ) という三浦の考えや
『なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう 』
祈ったら、あとはもう神様にまかせておきなさい。旧約聖書のヨブ記を読みなさい。何か辛いことがあっても、「
吾々は神から幸を受けるのだから、災をも受けるべきではないか 」。というクリスチャンとしての生き方、思い。
吾々は土から作られた、土の器にすぎない。この土の器をも、神が用いようとし給う時は必ず用いてくださる。
この一節はタイトルにつながる。
思い悩んだときに読み返したい本。 -
Posted by ブクログ
自伝最終章。
僕は信仰とは縁のない人間だけど、信仰に対する考え方はこれらの本を通じてガラリと変わりました。
『自分の子供を殺されたクリスチャンの母親がいた。その母親は「許せない、絶対に許さない、でも許さなければ」という心の葛藤を何年も何年も繰り返し、ついに犯人を許した。そして刑務所で文通をするようになり、出所して3年経てその犯人が洗礼(クリスチャンになる儀式)を受けた。その時に母親生まれた感情は、ただただ溢れんばかりの嬉しさだった』
…どうやったらそんな境地になれるのか。他にも普通に生きているだけでは信じられないようなエピソードがたくさんあり、「信仰」というものについてもっと知りたいなと強く感じました。
この人の本はもっともっと読みたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦中、旭川の質屋の長男として生まれた、主人公。
質屋という商売だったが、人情にあふれる恵まれた環境で育つ。
戦中の理不尽な天皇崇拝の教育で、唯一の小学校の時の担任だった恩師は
納得できる思想・生き方、何が大事か?を教えられ、
主人公は憧れて教師を目指す。
とは言え、主人公は戦時教育に反していたわけではなく、
根本には天皇を崇拝する心は、多くの当時の国民と同じように持っていた。
まっすぐな心そのまま、教師になったが、
思想統制の波にかかり、どん底に落ちていく。
当時の思想統制の怖さと、今の自由さを実感させられ、
本当に今に生まれてよかったと思います。
主人公は当時の数ある事件の一人の話に過ぎず、
同じ境遇の、またそれ以上に不幸な目にあった人が
たくさんいるとなると、本当に暗い時代です。
そんな中でも主人公とその恩師は
差別のない人としての生き方を通していきます。
確かにこんな先生は今の時代でもいないと思います。
人を差別するには理由があり、止むをえないこともあると思います。
しかし、理由のない差別や、理由にならない差別もたくさんあります。
それが横行していた時代。人間の理性とは本当に怖いものです。
後半は軍隊に配属され、その中でもまた、
当時の思想の中でも、たくさんの種類の人間がいたことがわかります。
日本がした酷いこと、された酷いこと。
どっちも鮮明に書かれている部分があります。
とても辛い話なのに、人間はまだ戦争してると思うと、
とても悲しいことです。
思想は制限できない。というのも理解できる内容。
この話は子供と子持ちの親に読んで欲しいと思った。
生き方の本質というか、子供に教えることが、目先のことばかりに
ならないようにしたい、と思えるから。
新年一発目から戦争ものでした。
上下巻で内容もさることながら、ページ数もヘビーです。