あらすじ
良心とは何か?主人公を襲う家庭の崩壊から、どのように心を持つべきかを問う問題作。
女性を妊娠させ自殺に追いやる兄、体面だけを気にする教育者の父、何を考えているかわからない母―。そして、その間で悩む主人公・真木弘子。真木家と自殺した女性の西井家を襲う不安と不信が家庭崩壊を起こしていく。
醜悪な人間関係の中で良心のあり方、愛することの重みを綴っていく。
1973年(昭和48年)にテレビドラマ化され話題となった。
「三浦綾子電子全集」付録として、三浦綾子記念文学館初代館長・高野斗志美氏の評論「弘子――『残像』」を収録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
三浦綾子に多い、原罪をテーマにした小説。
彼女の本を読む度に、はっと気付かされる。
どんなに自分が正しいと思っても、自分が間違っているってなる見方が必ずあって、その見方がどいうものかはなかなか分からないけれど、それでも、そういった見方がこの世のどこかに存在する限り、決して驕ってはいけない、謙虚に慎ましく、常に自分の良識に対して懐疑的に生きなきゃいけないって思う。
それに気付かされるだけでも十分読む価値あるけど、プラス、面白い!話の展開がちょっとした推理小説みたいになってて、読んでてドキドキワクワクしました。
久しぶりに、人間の本質に!
どうにもならない、本性が
描きぬかれて、人は、生かされているのだろう…自分の意思に関係なく生まれた時から、個性を、持って、それは変わらない!
深く考えさせられました!
Posted by ブクログ
栄介の酷さはともかく、洋吉も大概である。弘子は「一生をまじめに生きてきた父」と言っているが、果たしてそうなんだろうか?そして、自分は「栄介ひでぇ!」「洋吉、お前もな!」と言えるんだろうか?と感じました。