三浦綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読後、「なんてこった!」と神の仕打ちにしばらく放心してしまった。
親の不在や貧しい暮らしでも、人格者の祖父母に育てられた拓一と耕作の、性格対比にも取れる心の成長を見守るように読みました。
いろんな人間がいろんな思いで生きていることを登場人物たちの言動から、立ち止まって考えるきっかけにもなります。
それにしても、耕作は真面目で頭のいい、良い子なんだけど恋愛に関しては、どうも野暮天。告白されて動揺するシーンはちょっと笑いました。
働き手となる馬の青が、家族同然に扱われているとわかるシーンでは涙を誘います。
働き者で善人で誠実に生きている者へ容赦ない試練が襲いかかる運命に、神様はあんまりだと思ってしまう。これじゃヨブ記じゃないか!と思って、はっと我に帰る。あーそう言うことか!と。
後半は外出先で読まないことをおすすめします。
泣いちゃうかもだから!
続編があるので、その後の人生がどうなるのかを気にかけながら読みます。 -
Posted by ブクログ
え、これそんなに古い小説なの?
と思うくらいとても面白くてびっくりした。
「最後に残るのは集めてきたものじゃなく
与えてきた物 自分以外のために」
好きな曲の歌詞にそうあってある日「この歌詞の曲名なんだっけ?」と思って調べたところこの作品を知る。
もしかしたらあの曲をかいたアーティストも読んだのではないか?と思い読み始めたらグイグイ引き込まれる展開にびっくり。
もともと小説はミステリとかサスペンスが好きなのだが漂うサスペンス味がたまらん。
先が気になりすぎて一気に読みました。
半分くらい読んでから、「ああこの小説のタイトルは人の心が凍ったきっかけをテーマにしてるんだな」と気づくとなおのこと面白い気がした。
そのあとで陽子(だったよな?)から私の心が凍ったという話があって伏線回収かのような気持ちよさ。
あらゆる人の思惑と、ちょっとの下心と、執着が、巡り巡って関係ないはずの他者を傷つけ、関係を壊してゆく。
氷点とは本当によく表現したものだとおもう。
運命の悪戯はちょっと神秘的だが、かくも冷たいもので、そして一点にとどまらず広がってしまう。
すごく嫌いだ、と思う登場人物も出て来るが
なぜか全体を通して人の美しさや儚さを知る…そんな作品だった。
内容を忘れた頃にもう一度読みたい。 -
Posted by ブクログ
え、これそんなに古い小説なの?
と思うくらいとても面白くてびっくりした。
「最後に残るのは集めてきたものじゃなく
与えてきた物 自分以外のために」
好きな曲の歌詞にそうあってある日「この歌詞の曲名なんだっけ?」と思って調べたところこの作品を知る。
もしかしたらあの曲をかいたアーティストも読んだのではないか?と思い読み始めたらグイグイ引き込まれる展開にびっくり。
もともと小説はミステリとかサスペンスが好きなのだが漂うサスペンス味がたまらん。
先が気になりすぎて一気に読みました。
半分くらい読んでから、「ああこの小説のタイトルは人の心が凍ったきっかけをテーマにしてるんだな」と気づくとなおのこと面白い気がした。
そのあとで陽子(だったよな?)から私の心が凍ったという話があって伏線回収かのような気持ちよさ。
あらゆる人の思惑と、ちょっとの下心と、執着が、巡り巡って関係ないはずの他者を傷つけ、関係を壊してゆく。
氷点とは本当によく表現したものだとおもう。
運命の悪戯はちょっと神秘的だが、かくも冷たいもので、そして一点にとどまらず広がってしまう。
すごく嫌いだ、と思う登場人物も出て来るが
なぜか全体を通して人の美しさや儚さを知る…そんな作品だった。
内容を忘れた頃にもう一度読みたい。 -
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ネタバレ前作で提示された人の原罪について、理解が深まった。
存在そのものの罪は前作で言う陽子のように、親の不義・犯罪行為によって生じるもので、たいていの人には生じないものであると考えていたが、今作を読んで、あらゆる人に生じるものだと理解することができた。
生きているだけで、意図せず、しかも自分が認識していないところで他人を傷つける可能性がある。
例えば、誰かを愛し、愛されることは、また誰かを深く傷つけることになる。陽子が自分を愛してくれた徹を意図せず深く傷つけたように。
世界は無数の因果関係で結ばれている。自分の存在・言動が自分の糸や認識範囲を超えて、他人を傷つける可能性は常に存在している。であれば、自分には罪は一切ないと言い切れる人は存在し得ようか。
「罪のない者だけが石を投げよ」とイエスは言った。罪を裁くことのできる者は
罪を犯したことのない者だけだと。どんな人でも罪を犯す可能性から逃れられない。
罪を裁くことのできる人など存在しない。であれな、罪は赦すしかないものなのだろうか。
戦争時に妊婦と胎児を殺した弥吉が、妻の不貞を赦したように。
そして、実の弟や徹を深く傷つけた陽子が、自分を不貞行為で産み、捨てた実の母を赦したように。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作で提示された人の原罪について、理解が深まった。
存在そのものの罪は前作で言う陽子のように、親の不義・犯罪行為によって生じるもので、たいていの人には生じないものであると考えていたが、今作を読んで、あらゆる人に生じるものだと理解することができた。
生きているだけで、意図せず、しかも自分が認識していないところで他人を傷つける可能性がある。
例えば、誰かを愛し、愛されることは、また誰かを深く傷つけることになる。陽子が自分を愛してくれた徹を意図せず深く傷つけたように。
世界は無数の因果関係で結ばれている。自分の存在・言動が自分の糸や認識範囲を超えて、他人を傷つける可能性は常に存在している。であれば、自分には罪は一切ないと言い切れる人は存在し得ようか。
「罪のない者だけが石を投げよ」とイエスは言った。罪を裁くことのできる者は
罪を犯したことのない者だけだと。どんな人でも罪を犯す可能性から逃れられない。
罪を裁くことのできる人など存在しない。であれな、罪は赦すしかないものなのだろうか。
戦争時に妊婦と胎児を殺した弥吉が、妻の不貞を赦したように。
そして、実の弟や徹を深く傷つけた陽子が、自分を不貞行為で産み、捨てた実の母を赦したように。