【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 氷点(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月04日

夫、啓造の嫉妬心。浮気した妻、夏枝への怒りと、復讐からとはいえ、実娘を殺した犯人の女の赤ちゃんを夏枝には、そのことは教えず育てさせる異常さ、設定が面白い。啓造も苦しむことになるのに。歪んでいる。最後、まさかの展開に。
下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2024年01月27日

もっと早く読めば私の頭の中、思考が変わっていたかも、と後悔しつつ、三浦綾子さんが43歳の時に書かれた氷点を同じ年齢で読むこの奇跡も不思議に感じた。
人の感情で1番不要な『嫉妬』『妬み』からの歪んだ心持ち。
誰もが自己中心で親の愛情を受けるべき子どもたちの苦悩。
啓三が上巻最後で命拾いし心改める、あぁ...続きを読む大人こそ日々成長していかなければ子どもたちに教育は出来ない。

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

いつかは読みたいと思っていた作品
聖人であろうとする思いと家族への憎悪との間の
生々しい葛藤がありのままに描かれている
善と偽善で揺れ動く心理描写が秀逸

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

出逢った小説が気に入って「同じ作者の別作品?」という興味が湧く場合が在る。最近はそういう具合に三浦綾子作品を少し読んでいる。読んでいる小説は何れも何十年か以前に初めて登場している作品ということになる。が、自身にとっては「今月の新刊」というようなモノと同列に愉しむことが出来る。と言うよりも、「読者に迫...続きを読むる力」の強い作品であれば、「読み継がれる古典」として眼前に在る筈で、そうなると小説が発表された年代は然程気にならないものだ。作中で、例えば「幼児が成人する迄」というような感じの少し長い時間でも経つなら、作品の一部がかなり古い時代のような様子であっても気にならない。また、作品世界そのものが「〇〇の時代」と設定が明確なら、或る意味で「時代モノ」的な感覚で接することもまた可能だ。
三浦綾子作品そのものに関して、長い間余り触れたこともない感じだった。美瑛を訪ねると、十勝岳の噴火に備えた防災工事という経過が在る旨の話しを訪ねる都度というように聞き、その中で「昔の大変な災害の頃の様子に題材を求めた小説『泥流地帯』」と耳にしていた。「機会が在れば」ということでも埒が明かないので「機会を設けてみよう!」と本を手にすると凄く興味深かった訳だ。
特段に「有名作家の作品であるから読む」ということを個人的にはしない。が、今般は偶々三浦綾子作品を幾つか続けて読んだというような様子になっている。そういうことを友人等との話しで話題にしてみると、「あの作家の作品なら…」と既読作品が話題に挙がる場合も意外に多い。中には「以前に何作品も続けて沢山読んで、自宅の本棚に未だ何冊も在る」というようなことを言っていた方も在った。
その三浦綾子作品として世に出た最初の作品で、この作家の作品の「代名詞」のような存在感を放ち、様々な形で小説を原案とする映像作品も色々と登場しているのが『氷点』だ。
本作は、「辻口家の人々の物語」ということになる。そして一家の“娘”である陽子がヒロインということになるであろう。
作中の辻口家の主である啓造は、旭川の街で少し知られた病院の院長である医師だ。辻口が学生時代に師事した教授の娘である夏枝が妻だ。2人の間には徹という息子とルリ子という娘が在った。
辻口家が住んでいるのは神楽の一軒家である。“見本林”―植樹をする樹木の種類を研究すべく、様々な種類の樹木を植えた林―の傍ということになっている。物語の主な舞台は、一家の住む神楽や、行動圏ということになる旭川の街ということになる。
「旭川市」に対して「神楽」は長く「隣りの集落」であった。「神楽」の一部を成していた「東神楽」は独立した村、やがて町となって現在に至るが、他は「神楽町」ということになっていた。旭川駅の南側に在る川を渡ったような辺りに広がるのが「神楽」である。この「神楽」は1968(昭和43)年に旭川市に編入されて現在に至っている。
物語は昭和21年頃に起こっている。そして物語終盤迄に時が流れ、初めて小説が発表されたような昭和30年代の最後頃に迄至る。作中、辻口家の住所に言及される場面では「旭川市外神楽町」と出て来る。作中の時代は未だ「旭川市」ではなく「神楽町」だった訳だ。
物語の最初の方で、夏枝は彼女に想いを寄せる辻口病院の医師である村井と自宅で会っている。そこに3歳の娘のルリ子が居て、外で遊んでいるようにと夏枝は言い、ルリ子は外に出ていた。
やがて「ルリ子が居ない?」という騒ぎになる。そして夜になり、明け方近くに近所の川原でルリ子の遺体が発見された。通りすがりに出くわした男、佐石が手に掛けてしまったのだった。旭川を離れて札幌に在った時に逮捕された佐石であったが、留置された施設内で首を吊って自殺してしまったのだという。
啓造は戦争末期に産まれたルリ子について、終戦を挟んで多忙を極めた時期に余り接する機会さえ設けられず、3年と数ヶ月で生命を喪う羽目に陥ったことを嘆いた。同時に、ルリ子が姿を消した時の情況から夏枝を心の底で憎むようにもなっていた。
そういう中、夏枝は女の子を引き取って育てたいと言い出した。啓造は少し思うところが在った。そして学生時代からの友人で、札幌で身寄りのない乳児を預かる乳児院の仕事に携わる医師の高木に相談し、或る女児を引き取ることを決める。
夏枝が産んだということにして引き取った女児は陽子と名付けられ、辻口家に入って育てられることになったのだ。
上巻は事の起こり、陽子の登場とその成長を軸に、啓造や夏枝の複雑な想いが絡まる。「この一家?如何なって行く?」と気になり、本の頁を繰る手が停められなくなる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月15日

難しい言葉があまり使われていないので読み進めやすいです。氷点という題名は、水になるのか凍るのか、登場人物達の曖昧な心情を表しているのかなと思いました。

【読み終わって感じたこと】
辻口家の夫は妻の裏切りに気付き、その痛みが復讐心に変わってしまいました。妻と向き合い、その問題を話し合う勇気が夫にあれ...続きを読むば、辻口家はより生きやすかったと思います。

ある事件が起きますが、誰かを悪者に出来ない曖昧さの中で、怒りの矛先が何も悪くない、養女の陽子に向いてしまう事が残酷です。しかし、両親にどんなに冷たい態度を取られても、苦しい中に楽しさを見つけられる陽子は強いなと思います。

主人公が1人に対して、父、母という登場人物が現れる作品が多い中、それぞれ一人一人の人間にスポットが当たってる作品です。

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Posted by ブクログ 2023年06月09日

デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ

「原罪」というテーマは重くても、
テンポ良く滑らかに展開するストーリーは昼ドラのように読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。

若者特有の、社会に対する欺瞞や矛盾を許さない目線と、
宗教...続きを読む者の俗世に対する目線が合わさったような、潔癖とも言える目線が、非常に鋭く表現されていて、それが断罪と赦しのテーマに繋がっている感じがお見事。

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Posted by ブクログ 2023年05月31日

面白い。一気に読みながら流れるように下巻へと突入してしまった。(本の詳しい感想は下巻で。)
文庫本裏に記載されているあらすじが物語の8割ネタバレなのは残念だった…(最後の展開だけは書いてないけれども…)。

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Posted by ブクログ 2023年05月06日

前々から読んでみたかった本。
なるほど。皆さんが言うようにこれは面白い。
早く下巻が読みたい。物語を読み終えるまでは本当の感想は書けなさそうだ。

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購入済み

2023年04月10日

気品と泥臭い雰囲気が漂う物語だった。夏枝、啓造、村井はどこまでも自己中。子供の気持ちはまるで無視という感じがしてイライラした。
それがこの話を面白くさせているのだけれど。敵を愛するということは、正直難しい。自分の子供を殺されたとしたら犯人を愛するとか赦すとかはまぁ無理だろうなぁ。陽子や徹がどのように...続きを読む真実を知って生きていくのか、下巻を読むのが楽しみ。

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Posted by ブクログ 2023年03月10日

たいへん面白かった。主な登場人物全員の心理描写があり、どの人物にも感情移入できました。
妻への復讐のために娘を殺した犯人の娘を養子にとるが、どう考えても復讐になっておらず、特大ブーメランとなって辻口自身が苦しむことになる。
個人的には啓造にシンパシーを感じて読み進みました。
陽子の出自を知った夏枝は...続きを読む、これまで目に入れても痛くないというほど可愛がってきた陽子への愛情を失い、疎ましく思うようになり嫌がらせをするが、子供ながらよく出来た陽子は人を悪くいうことがない。そのことがよりいっそう夏枝を刺激し嫌がらせが執拗になっていく。
特に思春期を迎えた陽子の初恋を邪魔する夏枝の底憎らしさは圧巻で読み応えがありました。読者の多くは陽子がんばれで終盤を迎えると思います。
この救いのない物語はドッキリカメラもびっくするような結末に至りますが、とにかく面白かったです。
後で知りましたが、この話はキリスト教で言うところの原罪(生まれながらに背負った罪)がテーマなんだそうです。陽子=原罪という解釈でしょうかね。いつしか父・啓造は陽子を愛おしく思うようになり、兄・徹に至っては陽子に惚れてしまう始末。美人というのは罪深いもんです。

作者の三浦綾子氏は旭川出身で、この小説も旭川が舞台。情景描写がリアルなのはそれ故かと合点がいきました。いつか旭川に行く機会があれば三浦綾子記念文学館にも行ってみたい。

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Posted by ブクログ 2022年12月13日

嫌な気持ちになるのに、読み進めるのを止められない悪い薬みたいな本です。
主な登場人物全員が嫌な奴で、読んでいて最低だと感じることが多々あります。でも多かれ少なかれ、自分の中にもその片鱗があると気付いてつらくなる。でも読みたくなります。人間の業が本当にうまく詰まっています。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月22日

病院長夫人が青年医師と逢い引きしている間に娘が殺害されるところから話が展開していきます。
妻への憎しみから、妻に内緒で自分の娘を殺した犯人の娘を養子に迎える狂気じみた夫、養子が殺人犯の娘であることに気づき、養子に冷たい仕打ちをする妻など、憎しみ、怒り、嫉妬といった激しい負の感情が事細かに描かれていま...続きを読むす。しかし、夫も妻もそのことを表に出すことはなく、側からは誰もが羨むような家庭を築いているように見えます。幸せに見える家庭の中で人間の持つ生々しい感情が渦巻く歪さに不気味さを感じます。
一方、養子である陽子は芯が強くどんな逆境にもへこたれずに立ち向かっていきます。ふとしたことから自らが実の娘でないことに気づきますが、それでも前向きに生きようとする姿に心が洗われます。最後は純潔すぎるが故の陽子の決断に目頭が熱くなりました。

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Posted by ブクログ 2022年01月02日

ずっと大好きな本。人間の心情やその変化が些細な部分まで描かれていることが好きな理由だと思う。
いつか氷点を持って旭川に行って、美瑛川が見たい。

この本が好きな人になかなか出会えず悲しい。。

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Posted by ブクログ 2021年10月28日

SNSで見かけて読んでみた。なんだろう。誰も救えない気がするのは、私だけだろうか。特に不貞行為を悔いることなく、むしろ肯定する夏枝に吐き気がする。後半がある意味、読むのが怖い。

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Posted by ブクログ 2021年10月21日

友人からのおすすめの本でした。
とても、面白く、すぐに、続きを、読もうとおもってます。三浦綾子さん、他の本も、本棚に、並んでいます。
ハマりそうです!楽しみ!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月29日

湊かなえさんのエッセイに出てきて気になっていたもの。三浦綾子さんは初めて読んだ。とても引き込まれて先が気になる物語。

話は辻口病院の院長啓造とその妻夏枝の3歳の娘・ルリ子が殺されたことに端を発する。当時の夏枝の行動が許せない啓造が、夏枝に秘密でルリ子殺しの犯人の子供を引き取る。それを7年後にたまた...続きを読むま知ってしまった夏枝が、今度は啓造を陥れたいと目論み始める。上巻は本州の学会に出席しようとひとりで船に乗った啓造が、台風に巻き込まれ難破しながらもなんとか生き延びたところまで。

愛し合い慈しみあうはずの夫婦が、お互いを裏切り貶めようとする様、またどこか相手のことを思い違いしてすれ違っている様に、人間のやるせない性を感じた。ドロドロとした人間臭さがある。
下巻でどういう結末になるのか気になる。

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Posted by ブクログ 2024年03月14日

北海道の旭川を舞台にした医師の家族の愛憎劇。
敬虔なキリスト教徒であった著者の思想が深淵として低調に流れていました。

人間は本当に不完全なもので、社会的地位が高い医師の家庭でも人間の底は醜く自己中心的なものなのか…と大人たちの世界を見ながら思いつつも子供たちの純粋無垢な言動に心がむしろ痛みました。...続きを読む

場面展開もムダがなく、心苦しいシーンばかり続くのだけれどユルユルと話の流れに乗って読み進めてしまう。
心が傷ついて自分がイヤな人間かもしれない…と感じている人には人間大人になれば誰だって闇を背負っているのだと思える作品だと思いました。

一方、やはり絶対的に神の世界を信じている著者とそうでない自分との間に大人とこどものような心理的ズレを感じることも付記しておきます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月14日

昭和57年に書かれた作品で、一部表現が古かったり、今は差別用語とされている言葉が出てきたものの、読んでいて風景が目に浮かぶような描写で、とても読みやすかったです。

特に人物の心理描写が素晴らしかったです。
人は何か考える時でもああでもないこうでもないと揺れ動くものだと思うのですが、まさにその通りに...続きを読む書かれていて、どういう考えをもった人なのかがリアルに感じられました。

夫であり医者の啓造の真面目な、でも思った事をなかなか口に出来ない性格。
そして人に良く見られたいと思ってしまう虚栄心。
妻に内緒で娘を殺した殺人犯の子を引き取るという残酷さ。
人間は見る人接する人によって性格は違って感じるもので、それをうまく表現されていました。
また妻の夏枝は美しく、一見主張しない性格。
でも芯は強く、一度決めたことは曲げない。
子を愛する気持ちがとても強いからこそ、夫の裏切りを知った時には絶望して、陽子にもつらく当たってしまう。
村井に揺らいだ自分をどうにか正当化しようとしてしまう自分可愛さも、とても人間らしかったです。

最後、啓造が船の事故に巻き込まれ、生死をさまよい、家族の元に帰ろうかというシーンで終わりますが、村井と夏枝の事や、陽子のこと、息子の徹がどうなっているかを考えると、読むのが楽しみにである一方、恐ろしくも思ってしまいます。

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Posted by ブクログ 2023年08月02日

登場人物全員が様々な闇を抱えていて、人間味があり良い。どの人物の気持ちもわかる。
夏枝に関しては母であり女である点。村井と逢引中に我が子のルリ子に邪魔をされ、外に追いやるところとかも同じ女性として分からなくもない。
あとは啓造の夏枝の浮気に対して愛が憎しみに変わり復讐する点など。
昭和に刊行されたも...続きを読むのらしいが色褪せない。
所々の描写や表現に時代は感じるが、ある意味時代を感じさせない。人の本質的なものは変わらないのだと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月15日

上下で長いかなと思ったけどスラスラ読めました。面白かった。ただただ陽子が可哀想で夏枝が気持ち悪い…陽子が幸せになってほしい。

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Posted by ブクログ 2023年06月08日

なにかの読んでよかったランキングに載っていたので読んでみた本。最初は少し入り込みづらく、数ページずつちょこちょこ読み進めていたが、半分くらいから一気に読み終えた。自分の娘を殺した男の娘を知らずに大切に大切に育てていたという事実をわたしだったらどう受け止めるか。犯人の娘という事実だけで嫌悪感がどうして...続きを読むも湧いてしまうのはやっぱりわたしの中で血のつながりを重要視しているのかなって思った。下の話がどう進むのか楽しみ。

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Posted by ブクログ 2023年03月15日

旭川にて三浦綾子記念文学館に立ち寄った際、購入した。
そのため、市内の町や見本林などの情景を思い出しながら読むことができた。
内容的には憎しみがテーマになっているためか、ひどく重くて暗い話のように感じた。

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Posted by ブクログ 2023年02月19日

辻口病院長夫人の夏枝が医師村井と逢引している時、3歳の娘ルリ子は母がそとで遊びにいってらっしゃいと言われ外へ行き、誘拐され殺害されてしまうところから始まる。小学生の頃、ドラマで見たことがあったがほとんどストーリーは覚えていなかった。病院長の辻口啓造は浮気をしていた妻の夏枝が許せず、そのために死んだル...続きを読むリ子が不憫で、ルリ子を殺した犯人の娘を養女として引き取る。娘を殺した犯人の子を知らずに育てていた夏枝の驚きと哀しみ。陽子を妹だと思い愛情を注ぐ長男の辻口徹など、登場人物の感情が生き生きと描かれ、人間の持つ良心とか悪意が、自分も同じ立場ならと考えさられます。この作品は朝日新聞に1964年に連載された作品ということだが、60年近く前の作品とは思えない。下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2023年01月21日

嫉妬深い啓造がネチっこすぎる。
みんな人間味溢れていて憎めない。
後半展開が面白くて一気読み!
下巻につづく。。。

1964年から1年間、朝日新聞の朝刊に連載される。
1966年には連続ドラマ化。
平均30%以上の視聴率を記録して、
最終回は42.7%という大ヒット作。
(Wikipediaより)...続きを読む

こんな話が新聞に連載されていたら
続きが気になって毎日早起きするだろう。
そして次の朝が楽しみで早く寝るだろう。
私なら夜中新聞配達員を待って寝不足決定!

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Posted by ブクログ 2022年09月30日

あーーーー。
人間の醜さ、罪深さを改めて考えさせられた。
イエスキリストの贖いによって生かされている

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月30日

物語に入り込んでいける面白さはあったけど、胸糞の悪い話。
何の罪もないルリ子と陽子が欺瞞に満ちた大人たちの犠牲になり、とても残酷。
自惚れの強い夏枝の浅はかな言動には終始嫌悪感を感じる。しかし例えそんな女性でも、娘を殺害した犯人の子を育てさせられるほどの罪はない。
自分の妻に面と向き合って話せず逃げ...続きを読むている小心者の辻口が一番許せない。「汝の敵を愛せよ」を大義名分にした行為は、夏枝どころか1人の罪のない子どもを追い詰めることになるとは想像できなかったのか。ご都合主義で意味を履き違えています。
夏枝に問い詰めていれば陽子は復讐とは無縁に愛されて育ったのに。
救いのあるラストでよかったです。  

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Posted by ブクログ 2022年07月16日

登場人物たちの想いが屈折した行動にあわられることでシーソーのように交互に物語の重さをかける先が変わっていく。

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Posted by ブクログ 2021年11月09日

10年前に挫折して再読したらページを捲る手が止まらない。古い文体だがそれが余計に色気を増している。
美しく浅はかで二面性のある夏枝
汝の敵を愛せよを地で行き自ら首を締め続ける啓造
対照的に無垢で朗らかな子どもたち
今後の展開が気になる

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Posted by ブクログ 2021年10月07日

あるサイトの無料キャンペーン中だったので、読んでみました。有名な作品だったので、やはり期待通りです。心理描写が素晴らしく内容も良いです、早く後編が読みたいです。

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Posted by ブクログ 2021年09月08日

越谷支店 井芹さんお勧め本

あらすじ
自分が辻口家を不幸にした殺人犯の子であるとして、自殺をはかった陽子。一命をとりとめ、父・啓造や母・夏枝からすべてを謝罪されたが、自分が不倫の末の子であったという事実は潔癖な陽子を苦しめた。陽子は実母・恵子への憎しみを募らせていく。一方、兄・徹はその恵子に会い、...続きを読む彼女なりの苦しみを知ることになる―。大ベストセラー『氷点』のその後、“真実”を前に苦悩する人々を描いた珠玉のドラマ。
感想
続編も最高、旭川に行った時には三浦綾子記念文学館へ寄る事。

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Posted by ブクログ 2021年12月19日

医者の父に美しい母、5歳の息子と3歳の娘という、一見すると羨ましいほど幸せそうな家庭。そんな家庭がルリ子の死によって壊れていく。

人間の闇や嫉妬、身勝手さなどの醜い面が描かれていて、夏枝や啓造の言動にイライラさせられる場面もあった。このドロドロした人間関係に加え、上下に分かれた長い分量に最初は嫌気...続きを読むがさして読みきれないかもしれないとよぎったが、読み進めていくうちに物語に引き込まれてあっという間に読み終わっていた。

陽子はとても強く、優しく、芯のある子だと思った。どんなに意地悪されても負けないでまっすぐ育ってほしい。

下巻も楽しみ。

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