【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 氷点(上)のレビュー

550円 (税込)
385円 (税込) 6月25日まで

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あらすじ

北海道旭川市を舞台に人間の「原罪」をテーマにした著者のデビュー作であり、代表作。

ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を引き取ることにする。事実を知らない夏枝はその娘に陽子と名付け、失った娘の代わりにかわいがる。夏枝や兄の徹らの愛情に包まれて明るく素直な娘に成長していく陽子だったが、いつしか家族に暗い影が忍び寄る―。

三浦綾子の朝日新聞の懸賞小説当選作であり、デビュー作。

そして、1969年(昭和44年)、1970年(昭和45年)、1981年(昭和56年)、2006年(平成18年)と昭和から平成にかけて4度にもわたりテレビドラマ化された、空前の名作である。

「三浦綾子電子全集」付録として、懸賞小説の当選発表記事や受賞の言葉などを収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和に発売された本だけあって、時代背景や言い回しが古いが、内容はスッと読める。医師で院長の辻口の嫁である夏枝が、夫の勤める病院の眼科医である村井に自宅で言い寄られる。夏枝も多少の好意があったため、村井ともう少し一緒にいたいと思い、帰宅したら3歳の娘ルリ子を蔑ろにする。ルリ子は遊んでもらえずに外に出るが、その最中に殺害された。

夫はその事実を知り、村井と夏枝に憤怒する。その後犯人が捕まり、夏枝は病に伏せる。病状が治った後、ルリ子の代わりとなる女の赤ん坊が欲しいと夫に頼む。夫は、村井と夏枝が会っていたことでルリ子が亡くなったことを恨んでおり、夏枝に秘密でルリ子を殺した犯人の娘を養女として引き取る。

陽子と名付けられた養女は、7歳までは夏枝に大切に育てられるが、ふとしたきっかけで夏枝は陽子がルリ子殺害の犯人である事を知る。夏枝は陽子を咄嗟に殺害しようとしたが、未遂に終わる。陽子はその事を公言はしなかった。その後も一緒に暮らしてはいるが、次第に夏枝は陽子に冷たくなる。そんな様子を、ルリ子の兄にあたる徹は不憫に思いながら、陽子を可愛がる。

そして、結核の治療のため遠方で療養していた村井が、再び病院に帰ってくることになる。夏枝は肌の手入れをし、新調した服を身に纏って心待ちにするが、帰ってきた村井は、ふくよかな身体になり見窄らしかった。夏枝はそのことにひどく落胆する。

そして上巻の最後には、夫の辻口が学会に出るために乗船した船が台風で転覆し、乗っていた人の生存は絶望的だというニュースが夏枝の耳に入る。しかし、多くの人が亡くなった中で、辻口は奇跡的に生存を果たす。治療を終えて、その日帰る事を夏枝には知らせぬまま、辻口が自宅に向かうシーンで物語は終わる。

所感としては、夏枝のあまりにも身勝手な振る舞いに、なぜこれほど多くの人は巻き込まれて、それでも夏枝からの愛を求めるのだろうと腹立たしい気持ちになる。夏枝は誰もが振り返るほどの美人で、醜いものを嫌い、美しいものを好む。欲しいものを手に入れるために、周りにある大切な人を蔑ろにする。そんな人間臭い人物であるが、いかんせん周囲の人が善人であるため、この人物への違和感が募った。

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2026年03月23日

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