三浦綾子のレビュー一覧
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人間の本質に迫る三浦文学の最高傑作と言われている『銃口』。久方ぶりに再読している。
「どうしたらいいかわからん時は、自分が損になる方を選ぶといい。」
担任の坂部先生は温かい心にふれて、主人公竜太は教師を志す。
日中戦争が始まった昭和12年、竜太は旭川でなく炭鉱の町の小学校へ赴任する。純粋な彼は、先輩の木下先生にも教師としての憧れを抱きつつ、真っ直ぐに教育の道を突き進む。音楽の備品が整わない中行った研究授業は、まさに目から鱗の授業だった。しかし、綴り方教育に力を入れている彼に特高の影がちらつき始める。
戦争が激化し、物資が減り、それとともに思想が統制されていく。表現の自由がせばめられていく環境の -
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高三の時担任から勧められたのがキッカケで読んだ本。久しぶりに再読。一番好きな小説かも。めっちゃ悲しくなるけど。
18歳の俺よりも29歳の俺の方が思うことはやや多かった気がするけど、芯にある感情は全く同じだったと思う。終盤の主人公のような人間になりたいって強く思う、キリスト教への信仰関係なく。やっぱ筋通ってる人間ってカッコいいんだよなとにかく。
別の本で「『信仰』の信仰」って概念出てきて、俺は結構それを支持してる。信仰ってなにも宗教に限らないと思ってて、自分が思う正しいことに邁進できる人生を送りたいと常日頃多少思ってるし、この本を読んでその気持ちを強く思い出した。ただ隣人愛ってほんと難しいな、今 -
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高三の時担任から勧められたのがキッカケで読んだ本。久しぶりに再読。一番好きな小説かも。めっちゃ悲しくなるけど。
18歳の俺よりも29歳の俺の方が思うことはやや多かった気がするけど、芯にある感情は全く同じだったと思う。終盤の主人公のような人間になりたいって強く思う、キリスト教への信仰関係なく。やっぱ筋通ってる人間ってカッコいいんだよなとにかく。
別の本で「『信仰』の信仰」って概念出てきて、俺は結構それを支持してる。信仰ってなにも宗教に限らないと思ってて、自分が思う正しいことに邁進できる人生を送りたいと常日頃多少思ってるし、この本を読んでその気持ちを強く思い出した。ただ隣人愛ってほんと難しいな、今 -
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自己愛と罪悪感と償い
ひどく冷たく愚かな人間は人を愛せるのか
罪への自覚から愛を芽生えさせることはできるのか
私はいつか必ず死ぬ、という当たり前のことに
久しぶりに思い当たった
小さな頃から、おばあちゃんになったら
木造の平屋で猫を1匹膝にのせて
本に囲まれて死にたいと思ってた
さて、そんな呑気なことを言ってる場合なのか?
今日から生活を変えねば、と思うほどに
氷点は私の心に深く根づいた
—————————————————
p219 赤い花
正木が自殺しても、彼がいうところの、個人の存在価値はこの世において無に等しいと感じさせることの解決にはならない。社会が複雑になればなるほど、個人 -
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自己愛と罪悪感と償い
ひどく冷たく愚かな人間は人を愛せるのか
罪への自覚から愛を芽生えさせることはできるのか
私はいつか必ず死ぬ、という当たり前のことに
久しぶりに思い当たった
小さな頃から、おばあちゃんになったら
木造の平屋で猫を1匹膝にのせて
本に囲まれて死にたいと思ってた
さて、そんな呑気なことを言ってる場合なのか?
今日から生活を変えねば、と思うほどに
氷点は私の心に深く根づいた
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p219 赤い花
正木が自殺しても、彼がいうところの、個人の存在価値はこの世において無に等しいと感じさせることの解決にはならない。社会が複雑になればなるほど、個人