【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 生きること思うこと わたしの信仰雑話のレビュー

あらすじ

何気ない普段の生活の中で嬉しかったこと、失敗したことなどを謙虚な姿勢で綴ったエッセイ集。

「わたしたちは、きわめてわずかな行為で、恩を返したかのごとくに錯覚し、恩人の前に、いや神の前にさえ自分を上位に置いてしまうことが多いのではないだろうか。」「友人とは何か。わたしの場合、お互いに何を祈ってほしいのか、わかっている間柄の人たちだと思っている。お互いの祈りの課題、それは、真の心の底を見せることであり、弱さを見せることだと思う。」「噂という字は口へんに尊いと書く。もしかしたら、噂とは本来は人を尊んでほめることをさしたものではないか。今や噂は口へんに悪と書くべき時代ではないか。」――私たちが当たり前に見ていたり、疎ましく思っていた出来事を著者はさりげなくただしてくれる好エッセイ集。

「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏によるコラム「妻を語る」を収録。

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Posted by ブクログ

『塩狩峠』や『氷点』などの評判が高い著者が夫婦の信仰生活を綴ったエッセイ。
旭川の山奥で暮らしていることもあって、特に前半部分の頑固な時代批評にはやや隔世的なものを感じてしまうが、読み進めていくうちにそれらは鳴りを潜めて穏やかな文になってゆく。中盤で著者が自らの生活を省みたときにふと思い至ったこととして、「思い立ってすぐ実行に移す人間は必ずしも実行力があるとはいえず、むしろ意志薄弱型の人間なのだ。本当の実行力とは一つのことを実行に移すにあたって綿密な計画と周到な準備をもってなされるものでなければならない。」と書いているが、この部分には大いに同意させられた。
敬虔なクリスチャンである著者とその夫が日々の生活を実直に送り、しばしば自身の信仰について真摯に省みる様子は一種の美しささえ感じられた。

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2014年01月17日

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