【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 生きること思うこと わたしの信仰雑話のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年01月17日

『塩狩峠』や『氷点』などの評判が高い著者が夫婦の信仰生活を綴ったエッセイ。
旭川の山奥で暮らしていることもあって、特に前半部分の頑固な時代批評にはやや隔世的なものを感じてしまうが、読み進めていくうちにそれらは鳴りを潜めて穏やかな文になってゆく。中盤で著者が自らの生活を省みたときにふと思い至ったことと...続きを読むして、「思い立ってすぐ実行に移す人間は必ずしも実行力があるとはいえず、むしろ意志薄弱型の人間なのだ。本当の実行力とは一つのことを実行に移すにあたって綿密な計画と周到な準備をもってなされるものでなければならない。」と書いているが、この部分には大いに同意させられた。
敬虔なクリスチャンである著者とその夫が日々の生活を実直に送り、しばしば自身の信仰について真摯に省みる様子は一種の美しささえ感じられた。

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