【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 草のうたのレビュー

あらすじ

生きること、死ぬこととは何か、三浦綾子の原点を描く幼少期の自伝的小説。

1922(大正11)年、7人きょうだいの次女として旭川で生まれた綾子は、生来体が弱く臆病な子供だった。のちに綾子を献身的に支える前川正の妹・美喜子に誘われ、教会のクリスマスに参加したが、教会よりも寺に興味を持ち、禅寺の日曜学校に通うようになる。5年生になり、異性への憧れにも目覚めた綾子は、ふたつの人の死に遭遇するが、悲しいという感情の不確かさを思い、死や大人になることについて考えるようになる。三浦綾子の原点である幼少期(小学校6年生まで)を綴った自伝的小説。

「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」と、3歳ころの写真を収録!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

氷点の作者の自叙伝
作者の捉え方、感じ方が伝わる。
温かい気持ちになる。
周りのみんなも温かい。
昭和初期の暮らしの様子も分かる。
こんな暮らしだったんだなあと感じる。

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2022年09月10日

Posted by ブクログ

三浦さんの幼年期・少女期がつづられた自伝的小説
虚弱な体質で臆病だった彼女。でも昔から持っていたのは平たい心。
普通なら嫉妬の炎を燃やす場面でも彼女は賞賛を浴びせ
いいものを自分に取り入れる。
お風呂屋さんから布をまいて裸に近いかっこうで帰ったエピソードや
淡い初恋のエピソードなどが楽しい。
氷点に登場する「陽子」は6年と2日でこの世を去った彼女の妹の名だった。

いろんな別れが彼女を大人にする。
同年代の頃の自分を思うと,大人と子どもぐらいの開きがある。

0
2019年01月05日

Posted by ブクログ

作者の作品は、氷点や塩狩峠といった代表作を知りつつも、これまで読んだことが無かった。
メジャーなところにはいかず、ボリュームが少なそうなこの作品を全く事前情報なしで読んでみたのだが、作者自身の幼年期を振り返るものだったので、少し驚いた。(これもまた小説というのだと思うけれど、よく考えるとここまで自分自身を振り返っている作品は初めて読んだように思われる。)

冬の北海道の厳しさと当時の世相、その中で育つ子供の強さと普通さを感じることができた。よくこんなに自分の昔のことを覚えているなあと純粋な感心もあった。

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2014年01月05日

Posted by ブクログ

誕生から小学校卒業までの記憶を、一本の筋があるストーリーではなく、日記のようなエッセイのような断片的な小話で構成されています。

よくこんなに覚えているなと感心するほど、細かい逸話がたくさんあり、三浦綾子が性格形成された幼少期の経験と感受性を知る事が出来ます。

現代の社会ではほとんど経験出来ないような、身近な人の死や、教育や教師に対する思い、戦前戦中戦後を通して経験したお話しはとても勉強になりました。

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2024年09月04日

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