三浦綾子のレビュー一覧
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ネタバレ三浦綾子の自伝第3部。前2作のような日々のエッセイというよりは、信仰の手引きのようなエッセイ。人間の原罪とは何か、虚無に陥るということ、祈るということ、など章立てで語られている。
人間はどうせ死んでしまうのだから全て無意味、というような虚無に人は陥ってしまうが、どうせ便として排泄されるのだから食べ物を直接トイレに流すのが間違いであるように、食べ物は食べて生きるエネルギーを得て残り滓を排泄するものであって、人生も死ぬ前にいかに人に光をもたらすような生き方ができるかが大事、というのがなるほどなと思った。どんな人間も自分に甘く他人に厳しく、他人がしたことを許すことは難しいし他人の悪口を言ったことのない人間もいない。そんな罪深い人間であることを自覚し、低く低く謙遜する者にこそ、神の偉大さがより分かる。私も人と比べて優越感を持てることを探したりしがちで、そうでないと自分を保てないような弱さを感じるから、そんな謙遜な人間になりたい。重病で点字訳の聖書を舌で読む人の顔が喜びに輝いていたり、苦労して育てた一人息子を殺された母がその犯人の受洗を喜んでいたり、客観的に見れば不幸に思われる境遇の人がそうしたことに幸せを感じる心のあり方って、どうしたらそうなれるんだろうか。 -
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手に取った動機は「同病相哀れむ」気持ちから。
そう。僕自身がつい最近、晩年の著者を苦しめた難病、パーキンソン病の診断を受けたことが大きい。同じ病と闘いながら、後世に「日記文学の名作」とも評される本書を遺した著者の足跡に惹かれ、一気に読み終えてしまった。
著者・三浦綾子の名と、彼女の出世作「氷点」のことは知ってはいたが、著作を読んだのは本書が初めてでは無かったか。そしてこれが驚くほど読み易い。それが、単に平易で簡明な文章であるからのみならず、著者の一貫した、決してブレることのない価値観(信仰と云ってもよい)と洞察に裏打ちされた、表裏の無い無垢な視座、心情から湧き出た文章であるから、ということをつくづく感じ入る。
そして感服するのが、本書に描かれる夫の妻への献身ぶり。誰が真似できようか。
冒頭から最終ページまで絶え間なく綴られるパーキンソン病の症状や苦しみ。当時から30年超を経た現在と比べれば、治療法の効果や選択肢も大きく異なり、患者の苦しみも如何ばかりだったか。それでもその病を決して苦にせず、神が与えた使命と受け止め前向きに生き続けようとする著者の姿勢、眼差しには、キリスト教とは全く無縁の自分でさえも、甚く感銘を受け、尊敬の念を禁じ得ない。
同病の一人として、大いに勇気と力を与えられた。 -
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手に取った動機は「同病相哀れむ」気持ちから。
そう。僕自身がつい最近、晩年の著者を苦しめた難病、パーキンソン病の診断を受けたことが大きい。同じ病と闘いながら、後世に「日記文学の名作」とも評される本書を遺した著者の足跡に惹かれ、一気に読み終えてしまった。
著者・三浦綾子の名と、彼女の出世作「氷点」のことは知ってはいたが、著作を読んだのは本書が初めてでは無かったか。そしてこれが驚くほど読み易い。それが、単に平易で簡明な文章であるからのみならず、著者の一貫した、決してブレることのない価値観(信仰と云ってもよい)と洞察に裏打ちされた、表裏の無い無垢な視座、心情から湧き出た文章であるから、ということをつくづく感じ入る。
そして感服するのが、本書に描かれる夫の妻への献身ぶり。誰が真似できようか。
冒頭から最終ページまで絶え間なく綴られるパーキンソン病の症状や苦しみ。当時から30年超を経た現在と比べれば、治療法の効果や選択肢も大きく異なり、患者の苦しみも如何ばかりだったか。それでもその病を決して苦にせず、神が与えた使命と受け止め前向きに生き続けようとする著者の姿勢、眼差しには、キリスト教とは全く無縁の自分でさえも、甚く感銘を受け、尊敬の念を禁じ得ない。
同病の一人として、大いに勇気と力を与えられた。 -
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ようやく読み終えた。
面白かったけど、なぜか、自分がこの世界からようやく解放されたという安堵に似たものすら感じた。
下巻でやっと陽子くんのターンになった、と思えるほど上巻では影が薄かった。
作中、一個一個のエピソードは小さなもので、でも人が体験や人とのコミニュケーションを通して少しずつ変化し、影響しあっていく様子を積み重ねるシステムが印象に残った。
下巻ではラストの盛り上がりシーン以外では、陽子の下宿生活や高木と啓造の京都旅行が読んでいて楽しかった。
しかしさあ。達雄やばいよね?
母親を偶像視している激しい青年、ってもうバケモノじゃないですか。
この子が物語を引っ掻き回さないと話が進まないから仕方ないけど、出るたびにヒヤヒヤしてストレスだったなあ。
イナズ⚪︎イレブンばりに交通事故の多い社会。
みんな、車には気をつけようね。
ラストに向けて、陽子が母親を許せるのか、というテーマは興味が持てたけど、どの男と結ばれるのかは、なんだか読んでいて不快だった。
別に陽子が必ずしも結婚する必要はなくない?←今の感覚ではこの感想になる。
夏枝が徹と陽子をくっつけたがっているのも気持ち悪い。
だって長く一緒の家に暮らした兄妹なのに恋愛感情を持つのも疑問だし(荻原規子かーい)、それを母親が応援するのが意味不明だ。
下巻で良かったことは
・由佳子が自力で新しい世界に行ったこと
・啓造が教会通いをはじめたこと
・あの終わり方
ですね。
悪役たる村井に特に罰がくだらないのはなんともイラっとするなあ。
順子、三井弥吉、それぞれに気づきと許しがある。この世はなんとも複雑。 -
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ようやく読み終えた。
面白かったけど、なぜか、自分がこの世界からようやく解放されたという安堵に似たものすら感じた。
下巻でやっと陽子くんのターンになった、と思えるほど上巻では影が薄かった。
作中、一個一個のエピソードは小さなもので、でも人が体験や人とのコミニュケーションを通して少しずつ変化し、影響しあっていく様子を積み重ねるシステムが印象に残った。
下巻ではラストの盛り上がりシーン以外では、陽子の下宿生活や高木と啓造の京都旅行が読んでいて楽しかった。
しかしさあ。達雄やばいよね?
母親を偶像視している激しい青年、ってもうバケモノじゃないですか。
この子が物語を引っ掻き回さないと話が進まないから仕方ないけど、出るたびにヒヤヒヤしてストレスだったなあ。
イナズ⚪︎イレブンばりに交通事故の多い社会。
みんな、車には気をつけようね。
ラストに向けて、陽子が母親を許せるのか、というテーマは興味が持てたけど、どの男と結ばれるのかは、なんだか読んでいて不快だった。
別に陽子が必ずしも結婚する必要はなくない?←今の感覚ではこの感想になる。
夏枝が徹と陽子をくっつけたがっているのも気持ち悪い。
だって長く一緒の家に暮らした兄妹なのに恋愛感情を持つのも疑問だし(荻原規子かーい)、それを母親が応援するのが意味不明だ。
下巻で良かったことは
・由佳子が自力で新しい世界に行ったこと
・啓造が教会通いをはじめたこと
・あの終わり方
ですね。
悪役たる村井に特に罰がくだらないのはなんともイラっとするなあ。
順子、三井弥吉、それぞれに気づきと許しがある。この世はなんとも複雑。 -
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陽子の自殺未遂で終わった前編からの続編。ストーリーや登場人物の大枠が固まっているためか、前編に比べて内面に迫る場面や会話が多いように感じ、読み応えがあった。
祖父の教え「一生を終えてのちに残るのは、集めたものではなく与えたもの」や、聖書からの引用の「罪のないものだけが石を投げよ」が特に心に響いた。
読み進めるうちに、無意識の罪、自覚的な罪、妬みや狡さ、などなど、「自分の中にもあるある」と自らを振り返らずにはいられなくなる。
最後に陽子が実母である恵子に電話をするに至るまでの心の動きが、必然性をもって迫ってきて、この結末は「こうなるべくしてなったもの」という納得感があった。
場面設定などは現代とはかけ離れたものも多いが、それ以上に、人間の性(さが) に深く迫る大作&名作だと思う。
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陽子の自殺未遂で終わった前編からの続編。ストーリーや登場人物の大枠が固まっているためか、前編に比べて内面に迫る場面や会話が多いように感じ、読み応えがあった。
祖父の教え「一生を終えてのちに残るのは、集めたものではなく与えたもの」や、聖書からの引用の「罪のないものだけが石を投げよ」が特に心に響いた。
読み進めるうちに、無意識の罪、自覚的な罪、妬みや狡さ、などなど、「自分の中にもあるある」と自らを振り返らずにはいられなくなる。
最後に陽子が実母である恵子に電話をするに至るまでの心の動きが、必然性をもって迫ってきて、この結末は「こうなるべくしてなったもの」という納得感があった。
場面設定などは現代とはかけ離れたものも多いが、それ以上に、人間の性(さが) に深く迫る大作&名作だと思う。
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ネタバレ「氷点」「続・氷点」と読みました。
「氷点」では、登場してくる人物達の傲慢さ、浅はかさ、幼さ、自分本意の行動など、驚きの連続で、単なるお騒がせ夫婦のとんでもない小説(←言い過ぎ…)と感じてしまった。
テーマは原罪…とのことだったが、思慮の浅い自分は過去に放送されていたような昼ドラのイメージで読んでしまっていた。
しかし、「続・氷点」では、もちろん浅はかな行動の徹、猪突猛進の達哉、相変わらずの夏枝、そんな夏枝を許せない啓造、空気の読めない村井の、自分達から敢えて辛い運命に寄せていってないか?と思うほどの思慮の浅い言動に驚きつつも、三浦綾子の訴える「赦し」というテーマにぐっと引きこまれた。
自分の周りにいる人達との関係性で思うところあり、胸に残る言葉が沢山ありました。
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ネタバレ「氷点」「続・氷点」と読みました。
「氷点」では、登場してくる人物達の傲慢さ、浅はかさ、幼さ、自分本意の行動など、驚きの連続で、単なるお騒がせ夫婦のとんでもない小説(←言い過ぎ…)と感じてしまった。
テーマは原罪…とのことだったが、思慮の浅い自分は過去に放送されていたような昼ドラのイメージで読んでしまっていた。
しかし、「続・氷点」では、もちろん浅はかな行動の徹、猪突猛進の達哉、相変わらずの夏枝、そんな夏枝を許せない啓造、空気の読めない村井の、自分達から敢えて辛い運命に寄せていってないか?と思うほどの思慮の浅い言動に驚きつつも、三浦綾子の訴える「赦し」というテーマにぐっと引きこまれた。
自分の周りにいる人達との関係性で思うところあり、胸に残る言葉が沢山ありました。