三浦綾子のレビュー一覧

  • 母

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    ネタバレ

    朗読会の作品として取り上げられていたため、読んでみたかった。
    三浦綾子作品はほぼ読んだつもりだったが、知らなかった。
    蟹工船の作者である小林多喜二の母セキの物語。
    セキが自分語りをする中で浮かび上がる、貧しさと明るさ、清らかさ。
    7人産み3人が亡くなる。そのうちの一人が次男である多喜二。多喜二が身請けしたタミちゃんのこと。

    日本一の小説家でなくていいから、朝晩のごはん、冗談を言い蓄音機を聞きぐっすり眠る、そんな夢も叶わなかった

    もちろん時代も違うけど幸せの基本はここにあると痛感する。多喜二が警察で拷問を受け亡くなったとき、
    私は多喜二だけの母親ではない、と生き続けたこと。
    産んだ子を失う

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    2023年09月20日
  • 三浦綾子 電子全集 忘れえぬ言葉―私の赤い手帖から

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    三浦綾子さんにハマってしまいました
    旭川に記念館があるのも知らず、今までとても無知な私でした
    去年で生誕100周年とのこと!機会があれば行きたいです!

    三浦さんの本を読んでいると、人としての根本の部分に着目させられます
    奉仕の心、謙虚であること、それを実践している人たちの言動

    簡単にできることではないですが、出てくる人たちで偉ぶっている人は一人もいません

    謙虚で居続ける大切さを学びました

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    2023年09月03日
  • 三浦綾子 電子全集 この土の器をも ―道ありき 第二部 結婚編

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    30代後半で初めて結婚して小さい家に住むことになった2人の幸福感あふれる日々が、読者にも平安な気持ちをもたらしてくれる。幸福感とは、甘い新婚生活ではない、2人とも病弱でしかも、経済的に貧しい中での、日々の神への祈りと感謝に満ちた生活である。いろいろな幸福とは言えない人生へ歩んでしまっている知人との再会が、著者にとっても心の痛みになっているが、「結婚」に対する誤った姿勢がそのことを招いていることを著者ははっきりと感じている。後段は雑貨店を始めるに至った経緯、そしていよいよ朝日新聞懸賞小説への応募と1964年7月10日の1位入選発表への劇的なクライマックスへ。そこでの夫・光世氏の冷静な感謝の姿勢と

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    2023年08月19日
  • 銃口 下

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    治安維持法による数ヶ月の拘束。釈放後の保護監察による監視、赤紙による召集により満州関東軍へ、軍隊内の暴力、敗戦と帰国など、暗い展開のなか、主人公の周りには、人の心を持った善人が多くいる。
    ストーリー展開されるので、大戦の年譜が頭に入りやすい。
    1941.12真珠湾
    1942夏くらいから、敗戦続き
    1945.8原発2発で、敗戦。
    配色濃厚の状態から、よく3年も戦争を継続したと思った。。

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    2023年08月11日
  • 続 氷点(上)

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    ちょっと長い気もするけど氷点のエピローグのような、原罪というよりも赦しがテーマの話し。

    芸術性としては氷点のみでも良かった気もするが、
    「続」によって赦しと救いのある話しになっているので、三浦綾子さんの優しさを感じる。

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    2023年07月04日
  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)

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    ちょっと長い気もするけど氷点のエピローグのような、原罪というよりも赦しがテーマの話し。

    芸術性としては氷点のみでも良かった気もするが、
    「続」によって赦しと救いのある話しになっているので、三浦綾子さんの優しさを感じる。

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    2023年07月04日
  • 三浦綾子 電子全集 岩に立つ

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    塩狩峠記念館の受付の方にすすめられて読みました。同じ著者の作品で「母」という作品もあるのですが、この「岩に立つ」と同様に、主人公本人に語らせるような表現がとても読みやすく、作品に入り込めるような印象でした。

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    2023年07月01日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    ヨブ記を題材とした、正しく生きるとは、善く生きるとは何か(=信じるとは何か)を苦難を通して表現した作品。

    ヒューマンドラマの形式で、
    信仰心(正しく生きる)とは何かを、寓意的に読者にわかりやすく説明していく。

    「善因善果・悪因悪果の否定」という構造で非常に分かりやすく信仰心を理解できる一方で、物語全体が善行善果になってしまっているのも否めない。

    本家の「ヨブ記」自体も同じ構造になっているので、本当の意味での信仰の深さや神秘性を、言葉や物語を通して表現する事に限界があるのかなと感じました。

    一般大衆向けに書かれていると思うのでしょうがないですが、ニーチェが言うところのルサンチマンに陥って

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    2023年11月07日
  • 三浦綾子 電子全集 銃口 (上)

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    戦中〜戦後の時代背景で正誤の倫理観の揺らぎや、
    正しく生きるとは、というテーマも分かりやすく深く描かれています。

    ただ上巻から下巻の中盤くらいまではグイグイ読ませる勢いがありましたが、ラストに近づくにつれて、ストーリーの綿密さ弱くなり、ご都合主義的な印象を感じました。

    もしかしたら、もうその時はだいぶ体調を崩されていたのかな。

    とはいえ代表作というのも理解出来る、重要な作品だと思います。

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    2023年06月28日
  • 三浦綾子 電子全集 続 泥流地帯

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    どんな理不尽が襲い掛かってきても、真面目に生きることで道は開けることを証明して見せた続編。
    拓一・耕作兄弟は、祖父母、姉、妹、田畑を失った。それでも折れず、先祖が汗水流して開拓した土地をまた作物が育つような田畑にしたいという一心で、真っ直ぐ生きる彼らに勇気をもらった。
    前作とは違い、拓一・耕作兄弟にとって唯一の近くにいる身内といってもよい修平叔父が出てくるたびに息が詰まる思いだった。
    「因果応報は人間の理想だよな」耕作の放ったこの言葉がこの作品の最大のテーマと言ってもいいと思う。

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    2023年05月11日
  • 三浦綾子 電子全集 私にとって書くということ

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    自らが書かれた作品に対しての思いとか、考え方なんかが書かれていて、楽しく読めました。ただ、短編集「病める時も」に収録されている『奈落の声』が「割合おほめの言葉を頂いた作品」と書かれていたのに驚いた。考えさせられはしたけど。

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    2023年05月06日
  • 三浦綾子 電子全集 細川ガラシャ夫人(下)

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     本巻では、本能寺の変直前から細川ガラシャが没する関ケ原の戦い直前までを描く。
     細川ガラシャという人物はキリスト教の教えに従い天寿を全うした印象が強いが、キリスト教の洗礼を受けたのは死の約10年前と割と短め。それでも洗礼を受ける前からキリスト教思想の影響を受けていたことが伺える。
     周りの人への慈愛と信仰に則った凛とした姿勢に思わず感嘆してしまう。

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    2023年05月06日
  • 三浦綾子 電子全集 細川ガラシャ夫人(上)

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     キリスト教信仰に生きた細川ガラシャの生涯を描く著者初の歴史小説。
     日本史上最大の謀反とも言われる本能寺の変で、主君織田信長を倒した明智光秀。その子として生まれたが故に、悲劇的な生涯を送ることになった玉子(後のガラシャ)。
     この上巻では、玉子の誕生から本能寺の変直前までの流れが描かれている。まだ玉子はキリスト教に帰依しておらず、信仰に纏わる話はほとんど出てこない。政争の道具として扱われた当時の女性の様子と、信長の性格とそれを取り巻く人間模様が中心に描かれている。
     大河ドラマを読んでいるようで、とても興味深く、面白い。歴史ものなので登場人物は多いが、文章の内容が分かりやすいので、人物関係に

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    2023年05月05日
  • 一日の苦労は、その日だけで十分です

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    木内綾さん
    「流氷」の優佳良織を織るために実際に流氷を見に行き、ずっと立ち尽くす話
    福井達雨さん
     止揚学園の園長。「ためにでなく共に生きる」大学生の時に影響を受けた人と三浦さんがつながっていた喜び。
    アンネの日記
     人間は気高く慈悲深く
     善良であれ
     ただこれだけが
     私たちの知っているすべての存在と
     人間とを区別するものだから
    アンネの姉マルゴットのノートより ゲーテの言葉

    今日を命日だと思って生きよう!
     

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    2023年05月04日
  • 三浦綾子 電子全集 天北原野(下)

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    泥流地帯が良かったので、全くあらすじを知らないまま手に取った。舞台こそ戦前の樺太と北海道で三浦綾子の世界観だが、登場人物たちの複雑に絡み合った愛憎の人間関係は現代の昼ドラでもこうはいかないだろうというほど。
    神は登場人物全員に過酷すぎる運命を与えるのだが、主人公の貴乃は身を捩りながらただひたすら耐える。耐えて、耐えて、耐えた最後に戦争はさらに試練を与えていく。人間にとって耐えるということはーー。
    2023/03

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    2023年03月21日
  • 三浦綾子 電子全集 細川ガラシャ夫人(上)

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    後半は、光秀のことが書かれていて、本能寺の変に至る心理面の状況が興味深く面白く読みました。この父親像を詳細に記してこその、細川ガラシャなのだと思うと、下巻が楽しみです。

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    2023年03月18日
  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(下)

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    古さを感じる事なく、それぞれに感情が付いていきながら完読した。
    正しいと思う事自体が、裁きになっている。
    「罪」を深く考えさせられます。。。

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    2023年03月08日
  • 続 氷点(下)

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    古さを感じる事なく、それぞれに感情が付いていきながら完読した。
    正しいと思う事自体が、裁きになっている。
    「罪」を深く考えさせられます。。。

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    2023年03月08日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    久しぶりに三浦綾子氏の作品に手を出してみる。
    作品を通底している北の大地と貧困と愚直さ。
    いくら理不尽であっても真面目に生きようとする姿に胸を打たれる。
    現代でいうと3.11の津波を彷彿とさせる災害の中でもがく姿は、目を背けたくなるが直視しなくてはならぬ厳しさを伝えてくる。
    続泥流地帯も是非読みたい。
    2023/02

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    2023年02月26日
  • 三浦綾子 電子全集 ひつじが丘

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    【恋とは。夫婦の愛とは。ゆるすこととは。】

    青春から、
    憧れから、
    理解不能な、
    また自分の辞書をひいてもわからないことに
    惹かれ、
    知りたいと思い、
    やがて真実を知り、
    酸いも甘いも噛み分けて、
    許し、
    許され、
    生きていく。

    良一のように、悔い改めるというのは稀だと思う。
    そして奈緒美のように
    葛藤をしながらもゆるし続けることは
    相当に気力の要ること。
    守るべき弱き者の存在があれば
    なおのことゆるさない選択だってあるだろう。

    ひつじが丘は美しい。
    現実はそんな画になるようなことばかりではないけど
    そのような関係もあるんだろうな
    あってほしいなと思った。

    許すことは難しい。
    気づくこ

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    2023年02月04日