三浦綾子のレビュー一覧

  • 氷点(上)

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    タイトルのとおり、温度感がビシビシ伝わってくる作品。
    まず、やたら植物の名前が出てくるのが印象的。
    ナナカマド、北米や欧州原産の松、それから樹氷etc...、
    風や気温、雪の描写も多い。
    私も西の雪国出身なので冬モチーフにはあかるい方だと思っていたけど、やっぱ北海道は生態系も気候も違うわと思い知らされた。

    それでいて装い関連では、セルの着物とか丹前とかバーバリーコートとか、暖かい印象を受けるものが際立つんだよな。
    ペチカや火鉢もそう。
    なんなんだこの没入感。
    ページをめくる手が止まらない。
    下巻も楽しみ。

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    2025年04月23日
  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)

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    『氷点』の続編。辻口夫婦の嫉妬や憎悪のような負の感情の動きに注目すると人の根本は変わらないと感じるも、娘の陽子の変化は予想がつかない。「死」という一つのキーワードが人間関係と絡むと、人間の思考が変わるものなのか。
    「許し」もこの物語において重要な要素であるが、許す行為を人間が行う時、大なり小なり「死」について考えているのかもしれない。

    「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」
    この言葉(名言)が続編下に繋がっていそう。

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    2025年04月21日
  • 続 氷点(上)

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    『氷点』の続編。辻口夫婦の嫉妬や憎悪のような負の感情の動きに注目すると人の根本は変わらないと感じるも、娘の陽子の変化は予想がつかない。「死」という一つのキーワードが人間関係と絡むと、人間の思考が変わるものなのか。
    「許し」もこの物語において重要な要素であるが、許す行為を人間が行う時、大なり小なり「死」について考えているのかもしれない。

    「一生を終えてのちに残るのは、われわれが集めたものではなくて、われわれが与えたものである」
    この言葉(名言)が続編下に繋がっていそう。

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    2025年04月21日
  • 三浦綾子 電子全集 細川ガラシャ夫人(上)

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    自分が歴史小説の文体に慣れていないのもあり、登場人物が混乱することもあったが、夫人の視点から時代を見ることができ、面白かった。

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    2025年04月14日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(下)

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    許すとはなんだろう。愛とはなんだろう。様々な問いが残った。誰が善で、誰が悪なのか、何が善で、何が悪なのかわからない。
    文通でのやり取りといった昭和を感じる描写が描かれているけれど、読んでいると行動より感情に意識が向くので違和感なく読めた。人の感情や心の動き方は、昭和であれ令和であれ、変わらないのだろう。
    あの時あぁしていれば…が積み重なって、取り返しがつかないことになる前に、信頼・嫉妬・思い込みに惑わられないように、真実は自分の目で確かめたい。

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    2025年04月01日
  • 氷点(下)

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    許すとはなんだろう。愛とはなんだろう。様々な問いが残った。誰が善で、誰が悪なのか、何が善で、何が悪なのかわからない。
    文通でのやり取りといった昭和を感じる描写が描かれているけれど、読んでいると行動より感情に意識が向くので違和感なく読めた。人の感情や心の動き方は、昭和であれ令和であれ、変わらないのだろう。
    あの時あぁしていれば…が積み重なって、取り返しがつかないことになる前に、信頼・嫉妬・思い込みに惑わられないように、真実は自分の目で確かめたい。

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    2025年04月01日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

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    平成以降の小説を読むことが多いため、昭和時代の読み物を読めるか心配だったが、ページを捲る手が止まらなかった。宮部みゆきさんと成田悠輔さんの対談をYouTubeで観て、「最近の子も氷点を読んでる」と宮部さんが話しており、気になって読んでみた。″最近の子″がなぜこの作品を好んで読むのか言語化できないけれど、物語に引き込まれてしまう感覚はなんとなくわかる。夫婦の水面下で行われる歪み合いの話かと思いきや、最後はどんでん返しの″愛″を感じた。続きが気になる…!

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    2025年03月25日
  • 氷点(上)

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    平成以降の小説を読むことが多いため、昭和時代の読み物を読めるか心配だったが、ページを捲る手が止まらなかった。宮部みゆきさんと成田悠輔さんの対談をYouTubeで観て、「最近の子も氷点を読んでる」と宮部さんが話しており、気になって読んでみた。″最近の子″がなぜこの作品を好んで読むのか言語化できないけれど、物語に引き込まれてしまう感覚はなんとなくわかる。夫婦の水面下で行われる歪み合いの話かと思いきや、最後はどんでん返しの″愛″を感じた。続きが気になる…!

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    2025年03月25日
  • 三浦綾子 電子全集 ひつじが丘

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    愛するとは、ゆるすこと。一度や二度でなく、ゆるし続けること。相手を生かすということ。

    序盤の、耕介の言葉を聞いて、なるほどと理解したつもりだったけど、最後まで読んだら、自分の考えている『ゆるす』ことがとても浅く狭いものだと痛切に突きつけられた気がした。

    自分だったら、許せるだろうか。
    相手を許せないという強く根深い感情を抱いた時、
    それを手放せるだろうか。
    キリスト教が多く引用される本書だが、
    単に宗教のストーリーでは決してない。

    人と生きるということ。
    許すということの本当の意味を考えさせられる。

    また歳を重ねてから読みたい。
    その時の自分はどう思うか。

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    2025年03月19日
  • 氷点(上)

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    ネタバレ

    久しぶりに一気読みした。内容はもちろんのこと、文章が美しい。言葉のひらきと閉じが使い分けられていて、読んでいて心地よい。また、心情の描写が深く、読んでいて引き込まれる。夫婦のすれ違いや、陽子と徹の気持ち、誰にも共感できるからこそ辛い。下巻も大切に読もう。

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    2025年03月18日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

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    ネタバレ

    久しぶりに一気読みした。内容はもちろんのこと、文章が美しい。言葉のひらきと閉じが使い分けられていて、読んでいて心地よい。また、心情の描写が深く、読んでいて引き込まれる。夫婦のすれ違いや、陽子と徹の気持ち、誰にも共感できるからこそ辛い。下巻も大切に読もう。

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    2025年03月18日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(下)

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     環境によって人は左右されるとも思えたし、環境が変わったところで、結局自分は自分でしかなくて、どんな環境に置かれようと同じような結末を迎えるのかもしれないとも思えた。

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    2025年01月26日
  • 氷点(下)

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     環境によって人は左右されるとも思えたし、環境が変わったところで、結局自分は自分でしかなくて、どんな環境に置かれようと同じような結末を迎えるのかもしれないとも思えた。

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    2025年01月26日
  • 氷点(上)

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     愛と憎しみの違いがわからなくなる話だった。でも、そのことを私は前から知っていたような感覚もした。
     愛しているけれど、愛しているからこそ憎しみも強くなって、でも愛しているが故にそのことに対して罪悪感も生まれて、ちょっとしたことで全てを許したいと思えたり、一生許さないと誓ったり。

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    2025年01月25日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

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     愛と憎しみの違いがわからなくなる話だった。でも、そのことを私は前から知っていたような感覚もした。
     愛しているけれど、愛しているからこそ憎しみも強くなって、でも愛しているが故にそのことに対して罪悪感も生まれて、ちょっとしたことで全てを許したいと思えたり、一生許さないと誓ったり。

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    2025年01月25日
  • 三浦綾子 電子全集 ひつじが丘

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    またまた引き込まれる三浦綾子ワールド!
    クズとか世間ズレだとかカテゴライズは簡単だが
    一人ひとりの背景や心情を理解しようとすると
    他人にはわからない世界があるんだと気づく
    凡人の私にはムリかもだけど忘れたくない視点

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    2025年01月23日
  • 母

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    小林多喜二の生涯、人間性を母からの目線で書かれている小説です。
    同時に母の生涯も描かれています。
    お母さんがインタビューを受けているように書かれていて、東北なまりのしゃべり言葉が温かみを感じます。

    まず、お母さんの人柄が良すぎます!
    明るくて、優しくて、働き者。
    このお母さんにかかれば、どんな人もいい人になってしまうのではないかな〜。
    周りを明るく優しく包みこんでくれる存在なんです。

    多喜二もこの親にしてこの子というような、親思い、兄弟思いなんです。
    初任給で音楽好きの弟のためにバイオリンを買ってきたエピソードには泣けました…。(のちに弟はバイオリン奏者に)
    そして、本当に平等を目指してい

    0
    2025年01月20日
  • 三浦綾子 電子全集 母

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    小林多喜二の生涯、人間性を母からの目線で書かれている小説です。
    同時に母の生涯も描かれています。
    お母さんがインタビューを受けているように書かれていて、東北なまりのしゃべり言葉が温かみを感じます。

    まず、お母さんの人柄が良すぎます!
    明るくて、優しくて、働き者。
    このお母さんにかかれば、どんな人もいい人になってしまうのではないかな〜。
    周りを明るく優しく包みこんでくれる存在なんです。

    多喜二もこの親にしてこの子というような、親思い、兄弟思いなんです。
    初任給で音楽好きの弟のためにバイオリンを買ってきたエピソードには泣けました…。(のちに弟はバイオリン奏者に)
    そして、本当に平等を目指してい

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    2025年01月20日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(下)

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    あぁあぁ…。
    救いようのない結末。
    残るのは「悲しみ」と「人間の醜さ」。

    上下巻ともに、登場人物の想いが揺れ動いて、あっちに行ったりこっちに行ったり…。
    憎しみの感情に支配されたかと思いきや、ダラダラと普通の日常を過ごしてみたり。

    途中で、同じような内容(心の動き)が続くから中弛みするような感覚に陥るけど、でも人間の気持ちって行ったり来たりするから、それはそれでリアリティがある気もした。

    夏枝の精神年齢の低さにはイライラしたが。

    解説にあった、原罪がベースにあることを知って、納得。
    どんな人間でも清らかな人はいないと感じさせてくれる生々しい本だった。
    陽子ですら実際に罪を犯していなくて

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    2025年01月08日
  • 氷点(下)

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    あぁあぁ…。
    救いようのない結末。
    残るのは「悲しみ」と「人間の醜さ」。

    上下巻ともに、登場人物の想いが揺れ動いて、あっちに行ったりこっちに行ったり…。
    憎しみの感情に支配されたかと思いきや、ダラダラと普通の日常を過ごしてみたり。

    途中で、同じような内容(心の動き)が続くから中弛みするような感覚に陥るけど、でも人間の気持ちって行ったり来たりするから、それはそれでリアリティがある気もした。

    夏枝の精神年齢の低さにはイライラしたが。

    解説にあった、原罪がベースにあることを知って、納得。
    どんな人間でも清らかな人はいないと感じさせてくれる生々しい本だった。
    陽子ですら実際に罪を犯していなくて

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    2025年01月08日