三浦綾子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
終戦後の日本がリアルに感じられる…これがジェネレーションギャップ。
旦那に靴下を履かせる!?
タコ部屋!?
見世物小屋!?
慣れないフレーズや文化が新鮮だった。
戦争と聞くと、悲惨な現場がイメージされやすいけど、啓造達のような、社会的な立場が高くて、ある程度裕福な家庭から見る戦後の日本というのが、私的に新しい視点だった。
物語としては、娘の死をきっかけに生じる家族の歪み…と一言で言えばそうなる。
ただ、その娘の死の背景には、夏枝と村井の逢い引き未満のやり取りだったり、殺人犯の男の境遇だったりと、犯罪という点では殺人犯がヒャクパー悪いのだが、結果的に怒ってしまったことへの因果は複雑なものが絡み合っている。
何をしなければ、何をしたら、娘は死なずに済んだのか。
娘が死んだのは、私のせいだ、いや、そもそも…。
娘の死への後悔から憎しみへ。
時間はどうやっても不可逆だが、複数の選択の有り得た未来を想像しては悔いてしまう。
ただ、その娘の死への後悔や復讐心が、紛れもない娘への愛からきているのは間違いない。
夏枝と啓造が、そこで娘への愛を共有して、隠し事をしないでいたら、また別の未来になっていたかもしれない。
人間の一生は、選択の連続であり、どの選択が1番正しいか証明することは不可能。
だからこそ、「かもしれない」の連続になってしまう。
過去の選択の末の「今」を受け入れるしかない。
それは、夏枝や啓造だけじゃなく、読者の私たちにも言えることだと思う。
…でも、親のことで子どもを悲しませるのはダメ絶対!…とりあえず村井が悪いよ、村井が(上巻を読んでの感想です)。 -
Posted by ブクログ
色んな要素がありすぎて頭ごちゃごちゃ…
とにかく北原は悲しすぎる
何してくれてんの達哉…危ない奴の車に乗っちゃいけないね
陽子はもう結婚とかしなくていいんじゃない
キリスト教が作品に深く根付いているところに少し抵抗があるんだよな…基本的にキリスト教の教えと相容れないのと、布教感を感じるので…
でもびっくりするくらいハッとさせられる言葉が多く、再読したい気持ち
印象に残った言葉など↓
村井に切れ味鋭い辰子
「あら、どうして口ひげなんかのばしたの。気障じゃない」
「あきれたねえ。だんなのるすをうかがうなんて、空巣ねらいじゃない?」
「救い難いのは、人の前にも、神の前にも何一つ悪いことをしていないと思っている人間だろうねえ」
夏枝は、村井の誘いに乗るかどうかちらちら辰子の顔を見たり、自分の頭で善悪の判断ができない人だなぁ。
やにを指に巻く遊び
指の先が、さなぎになりそうな感じ(夏枝) -
Posted by ブクログ
色んな要素がありすぎて頭ごちゃごちゃ…
とにかく北原は悲しすぎる
何してくれてんの達哉…危ない奴の車に乗っちゃいけないね
陽子はもう結婚とかしなくていいんじゃない
キリスト教が作品に深く根付いているところに少し抵抗があるんだよな…基本的にキリスト教の教えと相容れないのと、布教感を感じるので…
でもびっくりするくらいハッとさせられる言葉が多く、再読したい気持ち
印象に残った言葉など↓
村井に切れ味鋭い辰子
「あら、どうして口ひげなんかのばしたの。気障じゃない」
「あきれたねえ。だんなのるすをうかがうなんて、空巣ねらいじゃない?」
「救い難いのは、人の前にも、神の前にも何一つ悪いことをしていないと思っている人間だろうねえ」
夏枝は、村井の誘いに乗るかどうかちらちら辰子の顔を見たり、自分の頭で善悪の判断ができない人だなぁ。
やにを指に巻く遊び
指の先が、さなぎになりそうな感じ(夏枝) -
Posted by ブクログ
ある書評によると、この小説は、キリスト教で言うところの「原罪」がテーマ。原罪とは、平たく言うと“人が生まれながらに背負う罪”。陽子は、自分が無垢に純粋に正しく生きていても「実娘の殺人の娘」という事実によって「自分の存在そのもの」が周りを傷つけてしまう、生まれながらの原罪を持っていることに絶望するのです。この小説の主人公は、夏江でなく、陽子なのだ。‼️
氷点(下) なんか心持ち文体が固く?なった、(上)はなんとなく、動きがなく、夏江が陽子の正体を知ってしまって、夫が青函連絡船が座礁して、死海を彷徨う所で終わった。
陽子除く関係者全員、陽子の過去を知ってしまって、夏江は陽子を陰ながら、嫌がらせ行為するが、学生の陽子の親でありながら嫌がらせ出来るのだろうか?、啓造は、夏江が陽子に嫌がらせするの見て、陽子が不便だが対処出来ない。私小説のように、空想で物語が進んで、小説のキャストの実態を感じ無くてイマイチだ。
(夏枝さん。村井に引導を渡すのは、あんたが一番ふさわしいよ)
「何だ。そのオキュパイド・ジャパンってのは」 「ジャパンよ、汝は余の捕われ人だぞよっていう事だな」
(だが、おれのように、妻への憎しみのために、自分の子を殺した犯人の娘を引きとるなどという、たわけたやつはいないだろう)
十年前うかつにも啓造は、自分の手紙で夏枝に秘密を知られてしまった。そして、徹にも何年か前に、陽子の出生は知られてしまった。いままた、陽子はそれを知ったのではないかと、不安になった。
「でも自殺する人って、とにかくわがままですわ」 夏枝がくり返した。 「そうかも知れないね。自分の命をかけてまで、自己主張するというふうに考えればね。しかし、そうとばかりもいい切れないな」 「あなたは決して自殺なさらないでしょうね。いつも冷静でいらっしゃるから」
けれども、いま陽子は思います。一途に精いっぱい生きて来た陽子の心にも、氷点があったのだということを。
(おれも佐石も、夏枝も村井も、高木も、そして中川光夫も三井恵子も、みんなで陽子をここまで追いやったことになる)
-----------------------------|||-|----||
兄・徹の友人・北原と愛し合うようになった陽子。しかし母・夏枝は北原にゆがんだ愛情を持ち、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう……人間存在の根源に迫る不朽の名作。 -
Posted by ブクログ
ある書評によると、この小説は、キリスト教で言うところの「原罪」がテーマ。原罪とは、平たく言うと“人が生まれながらに背負う罪”。陽子は、自分が無垢に純粋に正しく生きていても「実娘の殺人の娘」という事実によって「自分の存在そのもの」が周りを傷つけてしまう、生まれながらの原罪を持っていることに絶望するのです。この小説の主人公は、夏江でなく、陽子なのだ。‼️
氷点(下) なんか心持ち文体が固く?なった、(上)はなんとなく、動きがなく、夏江が陽子の正体を知ってしまって、夫が青函連絡船が座礁して、死海を彷徨う所で終わった。
陽子除く関係者全員、陽子の過去を知ってしまって、夏江は陽子を陰ながら、嫌がらせ行為するが、学生の陽子の親でありながら嫌がらせ出来るのだろうか?、啓造は、夏江が陽子に嫌がらせするの見て、陽子が不便だが対処出来ない。私小説のように、空想で物語が進んで、小説のキャストの実態を感じ無くてイマイチだ。
(夏枝さん。村井に引導を渡すのは、あんたが一番ふさわしいよ)
「何だ。そのオキュパイド・ジャパンってのは」 「ジャパンよ、汝は余の捕われ人だぞよっていう事だな」
(だが、おれのように、妻への憎しみのために、自分の子を殺した犯人の娘を引きとるなどという、たわけたやつはいないだろう)
十年前うかつにも啓造は、自分の手紙で夏枝に秘密を知られてしまった。そして、徹にも何年か前に、陽子の出生は知られてしまった。いままた、陽子はそれを知ったのではないかと、不安になった。
「でも自殺する人って、とにかくわがままですわ」 夏枝がくり返した。 「そうかも知れないね。自分の命をかけてまで、自己主張するというふうに考えればね。しかし、そうとばかりもいい切れないな」 「あなたは決して自殺なさらないでしょうね。いつも冷静でいらっしゃるから」
けれども、いま陽子は思います。一途に精いっぱい生きて来た陽子の心にも、氷点があったのだということを。
(おれも佐石も、夏枝も村井も、高木も、そして中川光夫も三井恵子も、みんなで陽子をここまで追いやったことになる)
-----------------------------|||-|----||
兄・徹の友人・北原と愛し合うようになった陽子。しかし母・夏枝は北原にゆがんだ愛情を持ち、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう……人間存在の根源に迫る不朽の名作。 -
Posted by ブクログ
三浦綾子『塩狩峠』。
一度読まないと、と思っていた作品。
祖母・トセの影響からキリスト教嫌いだった永野信夫。トセから亡くなったと聞かされていた母・菊だったが、父・貞行が菊と別れることができず、別のところに家庭を設け、妹・待子も設けていた…
真実を知り、母・菊にもキリスト教にも反感を覚える信夫だったが…
小学生時代からの親友・吉川の住む札幌に移り住んで、吉川の妹・ふじ子と再会し、ふじ子が肺病とカリエスに侵されてながらも…
信夫は本当に純粋でまっすぐな人間だった。
祖母・トセの教えを守り、親友・吉川との約束を守り、お坊さんになろうとしたり、他人の給料を盗んだ同僚・三堀の救おうとしたり…
トセの教えも当時であれば間違いではないが…
キリスト教とは正反対の教えだった。
そんな信夫だからこそ、キリスト教や母・菊に反感を持ってしまうのも当然だろう。が、優しい人間だけにそれを言葉に出してしまえない。
苦しい時であったであろう。
ふじ子を待ち続ける信夫。
そこまでできるだろうか…
自らを犠牲にして、他の乗客を助けることができるだろうか…
それを目の当たりにした三堀の人間性まで変えてしまうのだから。
ふじ子が不憫でならない。お互い待ち続けたにもかかわらず、このような結末になって…
『塩狩峠』という題名にもかかわらず、『塩狩峠』の場面、信夫の決死の行動の記述は…
ちょっとがっかり。