三浦綾子のレビュー一覧
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愛するとは、ゆるすこと。一度や二度でなく、ゆるし続けること。相手を生かすということ。
序盤の、耕介の言葉を聞いて、なるほどと理解したつもりだったけど、最後まで読んだら、自分の考えている『ゆるす』ことがとても浅く狭いものだと痛切に突きつけられた気がした。
自分だったら、許せるだろうか。
相手を許せないという強く根深い感情を抱いた時、
それを手放せるだろうか。
キリスト教が多く引用される本書だが、
単に宗教のストーリーでは決してない。
人と生きるということ。
許すということの本当の意味を考えさせられる。
また歳を重ねてから読みたい。
その時の自分はどう思うか。
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小林多喜二の生涯、人間性を母からの目線で書かれている小説です。
同時に母の生涯も描かれています。
お母さんがインタビューを受けているように書かれていて、東北なまりのしゃべり言葉が温かみを感じます。
まず、お母さんの人柄が良すぎます!
明るくて、優しくて、働き者。
このお母さんにかかれば、どんな人もいい人になってしまうのではないかな〜。
周りを明るく優しく包みこんでくれる存在なんです。
多喜二もこの親にしてこの子というような、親思い、兄弟思いなんです。
初任給で音楽好きの弟のためにバイオリンを買ってきたエピソードには泣けました…。(のちに弟はバイオリン奏者に)
そして、本当に平等を目指してい -
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小林多喜二の生涯、人間性を母からの目線で書かれている小説です。
同時に母の生涯も描かれています。
お母さんがインタビューを受けているように書かれていて、東北なまりのしゃべり言葉が温かみを感じます。
まず、お母さんの人柄が良すぎます!
明るくて、優しくて、働き者。
このお母さんにかかれば、どんな人もいい人になってしまうのではないかな〜。
周りを明るく優しく包みこんでくれる存在なんです。
多喜二もこの親にしてこの子というような、親思い、兄弟思いなんです。
初任給で音楽好きの弟のためにバイオリンを買ってきたエピソードには泣けました…。(のちに弟はバイオリン奏者に)
そして、本当に平等を目指してい -
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あぁあぁ…。
救いようのない結末。
残るのは「悲しみ」と「人間の醜さ」。
上下巻ともに、登場人物の想いが揺れ動いて、あっちに行ったりこっちに行ったり…。
憎しみの感情に支配されたかと思いきや、ダラダラと普通の日常を過ごしてみたり。
途中で、同じような内容(心の動き)が続くから中弛みするような感覚に陥るけど、でも人間の気持ちって行ったり来たりするから、それはそれでリアリティがある気もした。
夏枝の精神年齢の低さにはイライラしたが。
解説にあった、原罪がベースにあることを知って、納得。
どんな人間でも清らかな人はいないと感じさせてくれる生々しい本だった。
陽子ですら実際に罪を犯していなくて -
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あぁあぁ…。
救いようのない結末。
残るのは「悲しみ」と「人間の醜さ」。
上下巻ともに、登場人物の想いが揺れ動いて、あっちに行ったりこっちに行ったり…。
憎しみの感情に支配されたかと思いきや、ダラダラと普通の日常を過ごしてみたり。
途中で、同じような内容(心の動き)が続くから中弛みするような感覚に陥るけど、でも人間の気持ちって行ったり来たりするから、それはそれでリアリティがある気もした。
夏枝の精神年齢の低さにはイライラしたが。
解説にあった、原罪がベースにあることを知って、納得。
どんな人間でも清らかな人はいないと感じさせてくれる生々しい本だった。
陽子ですら実際に罪を犯していなくて