アーサー・コナン・ドイルのレビュー一覧

  • シャーロック・ホームズ全集1 緋色の習作

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    世代を受け継がれて読まれるだけあって、テンポもいいし、第一部と第二部の雰囲気の変わりかた、論理的推理、さすがです

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    2016年05月13日
  • シャーロック・ホームズ全集9 シャーロック・ホームズの事件簿

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    「見たまえ、ワトスン、カンバーバッチ氏が結婚すると新聞の私事広告欄に出ているよ」
    「ああ、君の役をやった俳優さんだね」
    「僕は新聞広告欄はすべて見ているからね。しかしこの『事件簿』には電話が登場するんだよ。日ごろ役に立たないと言っているホームズ全集の注釈だがね、今回はなかなか役に立ったね。ロンドンに最初に電話が敷かれたのは1876年のことだそうだ」
    「すると君と出会う前からロンドンにはもう電話はあったわけだ」
    「ドイル氏が自分の便箋に電話番号を入れたのが1908年のことだそうだから、電話が一般にどれだけ普及したかということとはギャップがあるのだろうがね」
    「僕らの場合、遠距離の連絡はもっぱら電

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    2016年02月12日
  • シャーロック・ホームズ全集8 シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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     人気ドラマだったら、映画版が3本作られ、テレビ・シリーズが3シーズン。それでいったん途切れて、ときどきスペシャル番組が単発で放映されたのをまとめたのが本書というところ。その間に4つめの映画版、すなわち『恐怖の谷』が製作されているわけだが。
     ほぼ毎月連載された『冒険』『回想』『帰還』所収の短編と違って、本書の短編は趣向が凝らされているといっていいだろう。「ウィステリア荘」「ブルース−パティントン設計図」はもっとも長い短編に属する。
     これまでホームズはワトスンを置いて捜査に行ってしまい、夜遅くに帰ってきても何も言わず、推理が組み立てられてから披露するといった展開が多かったが、ここでは捜査の過

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    2016年02月12日
  • シャーロック・ホームズ全集6 シャーロック・ホームズの帰還

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     英語は「リターン」だから『シャーロック・ホームズの帰還』でいいのだが、死にかかったんじゃないかというと『生還』と言って喜びたいし、いやいったんは完全に殺されてしまったんだから『復活』というのもむべなるかな。ウルトラマン派なら『帰ってきたシャーロック・ホームズ』、ゴジラ派なら『シャーロック・ホームズの逆襲』、なんとでも訳すべし。
     たといホームズがモリアーティ教授とともにライヘンバッハの滝に落ちようとも、その場を目撃する者とてなく、死体も確認されていないとあっては「復活」、いやさ「帰還」させるのは簡単と「空き家の冒険」。かくて、ドイルのシャーロック・ホームズ謀殺の嫌疑は晴れたが、そのかわりに彼

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    2016年02月12日
  • シャーロック・ホームズ全集4 シャーロック・ホームズの思い出

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    「ねえ、ワトスン、ここがどこかわかるかい」
    「いや、どこなんだ」
    「極東の一小国のようだよ」
    「極東といったら、支那かね」
    「支那を小国とは言わないだろう。大国としてのふるまいをいまだ知らないようではあるがね。ほら、ぼくらの喋っているのは日本語だろう。日本語が公用語なのは、日本国しかないよ。しかもぼくらの時代から100年以上も先だ」
    「100年だって。それはどういうことなんだ」
    「ここはネットのサイトだからね。ネットというものができるのは100年もあとなんだ」
    「何のことかよくわからないが」
    「君は常々、ぼくの捜査記録を発表してくれているじゃないか。そのおかげで、たくさんのパスティッシュが生ま

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    2016年02月12日
  • シャーロック・ホームズ全集3 シャーロック・ホームズの冒険

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     コナン・ドイルは自身の本領を歴史小説とみて、ホームズ譚が受けるのを嫌がったというのは有名な話だ。『緋色の習作』も『四つのサイン』も犯人が復讐を誓う動機となった昔話が長々と語られるが、それが歴史小説家の矜恃なのであろう。しかしシャーロック・ホームズというキャラクターが生きるのはもっと直截なストーリーテリングなのであって、2つの長編のあと、ドイルがホームズもの短編を連載したのが、ホームズ人気に火をつけたのは当然のことと言える。
     そうしてまとめられたのが『シャーロック・ホームズの冒険』である。「ボヘミアの醜聞」「赤毛連盟」「まだらの紐」「ぶな屋敷」など名高い作品が並ぶ1ダース。日本語の「冒険」は

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    2016年02月12日
  • シャーロック・ホームズ全集2 四つのサイン

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     『四つのサイン』? 『四つの署名』でしょうといいたくなるが、これも字の書けない3人が署名代わりに×印という記号を書いているという両義性をとって、サインとカタカナにしたという。

     無聊をかこち、コカインを注射して過ごす探偵(当時は合法麻薬だった)。そこに現れる美しい依頼者。依頼者の開陳する謎めいた話。そして殺人事件が起こる。現場を検分して早々にほぼ全貌がわかったと述べる探偵。
     名探偵の情景がもうこの第2作目で広がっている。
     他方、ワトスンがホームズの緻密な捜査を見て、この才能を法律を守るためでなく、破るために使ったらと考えるという場面がもうすでに出てくるが、この時点でモリアーティ教授の登

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    2016年02月12日
  • 緋色の研究【深町眞理子訳】

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    読み終わりました。実はホームズの長編は初めてでした。
    言わずとしれたホームズ初登場の作品です。
    21年に及ぶ復讐劇。そしてその背景は成立してまだ60年ほどのモルモン教。
    前半で事件解決までを描き。後半で事件の背景となるモルモン教の一夫多妻制にまつわる悲劇が語られます。そして、最後にホームズによる種明かしという章だて。事件の背景の長い物語が後半に語られるという構成は『砂の器』なんかに影響を与えているかも知れません。
    21年も恨みを晴らすためだけに生きてきた男って凄まじいですね。
    それにしても、ホームズもワトソンも悪く言えばフリーター。当時のイギリスにはそんな人が一杯いたんかね?暇でしょうがなかっ

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    2019年05月03日
  • シャーロック・ホームズ全集4 シャーロック・ホームズの思い出

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    「白銀号事件」
    キングス・パイランドの名馬がいなくなり、その調教師が荒地で死んでいた。事件の解決に向かったホームズが見破った事件の真相はーー?
    足を引きずる羊、死んだ調教師が持っていた華奢なナイフ、事件前夜に訪れた怪しい男。

    「ボール箱」
    クロインドンのクロス街に住むミス・スーザン・クッシングの元に、粗塩と二つの耳が入った小包が届いた。スーザンは全く心当たりがないという。ホームズは小包の結び目が特殊なことに気づき、また、スーザンには二人の妹がいることを知ったーー。

    「黄色い顔」
    ホームズの元に、とある男が妻が怪しいと依頼を持ってきた。どうやら引っ越してきたばかりの隣人と妻が関係があるらしい

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    2015年06月20日
  • シャーロック・ホームズ全集6 シャーロック・ホームズの帰還

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    「空家の冒険」

    「ノーウッドの建築士」
    ワトソンがベイカー街に戻ってきた。小さな医院を高値で買い取ってくれた若い医師ーー実は金を払ったのはホームズだったらしい。ホームズ……orz

    「孤独な自転車乗り」
    ヴァイオレット・スミス嬢がピアノの家庭教師をしている家から最寄駅まで自転車で走っていると、後から一定区間を自転車でついてくる男がいる。その正体を突き止めてくれという依頼。

    「踊る人形」

    「プライオリ学校」
    閣僚の息子が寄宿学校から姿を消した。同時にドイツ人教師も自転車ごと姿を消した。寄宿学校の校長に依頼され、ホームズは調査を始める。
    だが、閣僚とその秘書はあまり乗り気ではなかった。

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    2015年06月02日
  • シャーロックホームズの冒険

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    ネタバレ

    『ボヘミア国王の醜聞』

    『赤毛連盟』

    『消えた花婿

    『ボスコム渓谷の謎』

    『五つのオレンジの種』

    『唇のねじれた男』

    『青いガーネット』

    『まだらの紐』

    『技師の親指』

    『未婚の貴族』

    『緑柱石の宝冠』

    『椈の木荘』

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    2015年05月13日
  • 恐怖の谷

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    映画「ダークナイト」。その面白さがココにはあります。
    1917年にイギリスで書かれた小説に、これだけ面白いと思えるのは、読書の快楽そのものですね。

    シャーロック・ホームズ・シリーズは、僕が読んでいる光文社の新訳シリーズに則って言いますと。

    ①緋色の研究(長編)-1887
    ②四つの署名(長編)-1890
    ③シャーロック・ホームズの冒険(短編集)-1892
    ④シャーロック・ホームズの回想(短編集)-1894
    ⑤パスカヴィル家の犬(長編)-1902
    ⑥シャーロック・ホームズの生還(短編集)-1905
    ⑦恐怖の谷(長編)-1915
    ⑧シャーロック・ホームズ最後の挨拶(短編集)-1917
    ⑨シャーロ

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    2015年01月24日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶【深町眞理子訳】

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    やはりホームズは短編のほうが圧倒的に面白いなぁ。

    おおよそ100年前の作品ではありますが、登場人物の描写や言動などに流石に時代がかった部分を感じるものの、魅力は十二分に伝わってくるのが凄い。

    そして最後のエピソード「シャーロックホームズ最後の挨拶」。時代の風は不穏ながらも、この二人の男にとってはとても幸福な時間を描いているよう思えました。しかし当時からファンサービスって概念はあったんですね。

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    2014年12月04日
  • シャーロック・ホームズ全集5 バスカヴィル家の犬

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    やはりこの詳しい注は助かる。初読の時は必要ないだろうが、何回も読んでいる身としては新しい発見があって楽しい。
    この版での特徴は解説とあとがき。どちらも力作です。知らなかったことがたくさんあった。
    何よりすばらしいのは初出の挿絵が全点載っていること。

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    2014年04月21日
  • 踊る人形

    ホームズものベスト10圏内確実

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    2013年12月22日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    今回も面白かった。
    ホームズでも毎回毎回すらすらと事件を解決できるわけではないんだなぁ。
    でも、さすがのホームズでした。
    最後の犯人を追いかけるシーンは手に汗握る感じでいいですね。

    そしてワトソンとメアリーの出会いも注目するところですよね。
    あ こんなすぐ結婚するんだ…とちょっとびっくりしたのと、最後ホームズが寂しそうだったのが印象深いです。
    相棒が突然結婚宣言して出てっちゃうと思うとまぁ切ないですよね…。
    主治医が側にいてくれないと薬物に溺れすぎないかが心配…

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    2013年09月21日
  • 四つの署名

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    ネタバレ

    ワトスンとの2つ目の事件。
    ショルトー少佐の息子殺人事件。残された四つの署名。叛乱が起きたインドでの宝をめぐる裏切り。
    ワトスンとメアリー・モースタン嬢との結婚。

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    2013年08月28日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    ネタバレ

    ドラキュラ、這う男など、オカルト色の強い作品が多く、推理ものとしてだけでなく楽しむことができた。個人的には「ソア橋」が正統派推理小説として読め、オススメだ。

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    2015年01月11日
  • 恐怖の谷

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    シャーロック・ホームズシリーズ最後の長編。
    他の長編もそうであるように二部構成で、第一部は暗号解読にはじまり、密室殺人事件の捜査といかにもミステリっぽい。
    第二部は舞台をアメリカに移して、殺人事件の原因となった犯罪組織が巣食う“恐怖の谷”の話。
    第二部の舞台がアメリカで第一部の事件のいきさつが語られる点では『緋色の研究』と同じだけれど、第一部のラストのどんでん返しに負けぬ意外な結末が、第二部にも用意されている。

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    2013年05月15日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

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    ホームズ視点で語られる「白面の兵士」、「ライオンのたてがみ」。
    犯人の発砲により怪我を負ったワトスンにめずらしく取り乱すホームズが見られる「三人のガリデブ」。
    自分が襲われ大怪我を負いながらそれを利用して犯人を追いつめる「高名な依頼人」。
    「マザリンの宝石」のラストでホームズがする“悪ふざけ”は彼らしくて好き。

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    2013年05月06日