アーサー・コナン・ドイルのレビュー一覧
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シャーロック・ホームズの著作で有名な著者の「ロスト・ワールド」もの。冒険に至るまでに全体の1/3もページ数を割いており、はじめは少し焦ったく感じます。その分、冒険に参加する四人の性格が丁寧に書かれているので、物語が進むほどにキャラの発言や行動が際立っていき、気が付けば夢中になって読んでいました。
内容としては、恐竜以外の展開が多かった気がするので、もう少し恐竜の話しが充実していたらなという思いは残りました。しかし、恐竜の生息域にいた猿人の存在とその終局を思う時、現代にホモ属がホモ・サピエンスしか残っていない理由を垣間見た気がして興味深かったです。
ところで、意外に思ったのが「地図上に大きな空白地帯が皆無の現代において冒険譚が、生まれる余地はないのだよ」という語り手の新聞記者の上司の言葉。この作品が発表された1912年当時、すでにこのような認識が持たれていたことに驚きを感じました。
ちなみに、この作品の40年前に、ジュール・ヴェルヌが『八十日間世界一周』を発表しています。少なくとも、明治維新の頃には自由に世界を行き来できていたので、本作発表当時の人々にとって「人跡未踏の地など無い」という考え方が一般的だったのでしょう。そういう考えを伏線として利用してこの冒険譚が書かれており、最後にはきちんと回収されているのがいいですね。 -
ネタバレ 購入済み
赤毛連盟の正体は!?
不朽の名作ホームズシリーズの一編。昔の作品なのに、文章表現が大変豊かで驚かされる。
赤毛連盟は子供の頃にも一度読んだが、今一度読み返してみると、間違えて記憶していた部分もあり感慨深かった。
青空文庫版の翻訳者にも感謝です。それにしても、一発も撃たせず犯人二名を捕まえたホームズの手並みは見事。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生の頃に子ども向けの作品は読んだことがあったものの、どんな話だったのかを忘れていたのと『新訳版』だったために購入。
作品が書かれた当時、種として認定された恐竜は少なかったためか、登場する恐竜は少なめ(イグアノドン、ステゴサウルス、謎の肉食恐竜)で、のろまなトカゲであると書かれているのが、当時の認識であることが分かり、面白い。
(イグアノドンに至っては家畜扱いもされていた。)
物語は読んでいて子ども心を思い起こさせるワクワクするものであった。
SF小説の始まりとも言える作品であり、これからもたくさんの人を魅了し続ける作品にもなると感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシャーロックホームズシリーズの2作目の作品。
1作目と比べるとホームズの人となりが多少違って見えた。
1作目では文芸などの知識はないと表記されていたが、当時の文学作品を引用する場面があった上、変装や料理が得意な描写もあり万能人間のように描かれていた。
その反面、冒頭からコカインを使用しており、解き明かす謎がないと廃人然になる情緒不安定な姿も描かれている。
内容としては1作目の作品同様見事な推理の上、犯人を追い詰める場面では緊張感溢れる水上チェイスを繰り広げている。
推理と冒険が混同したようなドキドキワクワクする作品となっている。
個人的には最後に描かれているワトソンが結婚するとホームズに報告したやりとりが好みだ。
素直に祝福できないホームズにワトソンとの関係が垣間見れてつい笑いが溢れてしまう。
1作目と多少毛色が異なるが、十分に楽しめる作品だ。 -
Posted by ブクログ
ミステリ史上に輝く古典名作です。
世界でもっとも有名な探偵、シャーロック・ホームズのデビュー作で、オーギュスト・デュパンから始まる探偵小説という分野を一躍有名・人気ジャンルにした作品でもあります。
初めてであった相手の職業を一目見ただけであてることのできる優れた観察眼と推理力、音楽やスポーツ・医学などの様々な分野にまたがる深い知識、警察をはるかにしのぐ事件への洞察に、助手(相棒)のワトスンとの軽快な駆け引き。
1887年に発表されてから130年以上が経過していますが、「シャーロキアン」と呼ばれる熱烈なファンがいるその人気ぶりにも納得です。
「初の探偵小説」であったポーの「モルグ街の殺人」にくらべて、「初の長編探偵小説」である「緋色の習作(緋色の研究)」は、犯人の動機もしっかりと描かれていますし、事件解決にあたってのホームズが辿った思考回路も順を追って描写され、読者が納得できる形で結末を迎えています。
河出書房新社の新訳版でしたが、訳文は読みやすく、巻末の注釈も充実していて、作品全体の理解がしやすい印象でした。
しっかりと腰をすえてホームズの作品を読んだのは初めてでしたが、その魅力に触れ、他のシリーズ作品も手に取りたくなりました。
少し調べてみたところ、次に読むべき作品は、順番としては「四つの署名」になるようです。時間を作って読んでみたいと思います。