三砂ちづるのレビュー一覧

  • 気はやさしくて力持ち

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    ちょっと難しかった。でも身近に置いておいて、また読み返したいと思わせてくれる本だった。お二人が話す内容は、本当にとっちらかっていて、子育てに関係ない話も多いのだけれど、特に内田さんのお話は結構哲学的な本質をついている内容なのに、なぜかさらさらと読める文章で、なるほどなあ、そうかもしれないなあと思うことが多かったように感じる。完璧な大人、完璧な親であることはあり得ないし、また完璧でないことが子どもにとっては必要、と言われている気がして心が楽になる本だった。

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    2024年09月03日
  • 頭上運搬を追って~失われゆく身体技法~

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    主に日本国内の頭上運搬の「最後の世代」をいくつか紹介しつつ、共通事項と、いままでの頭上運搬に関する研究を結びつけている。頭上運搬の謎がはっきりするわけでもなければ、日本の生活に馴染む身体技法について広く知ることができるわけでもないが、過酷で良い評価をすることが現代では困難ながらも、その身体性との連続に感動する筆者の熱が伝わり、面白く読んだ。

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    2024年06月16日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    (2022/1/8)
    2020年、まだコロナ第2波くらい、オリンピック延期、という段階で書かれたアンソロジー。

    日本の知性が集結している。多くの方が参加している。

    読み始めたとき、それぞれのお名前の横に簡単な肩書しか書かれておらず、

    もう少し人物紹介すればいいのに、、、と思ったのだが、巻末にまとめて紹介されていた。

    この本は中高生向きなので、それぞれの著者を知らない可能性が高く、人物紹介が長いとかえって予断を持って読み始めてしまうので、避けたのかな、と推察。

    私は彼らの著作を結構読んでいるので、背景を知って読むとより立体的に読めた気がする。

    一つ一つのコラムにコメントをするのは野暮

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    2024年05月21日
  • 気はやさしくて力持ち

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    子育ての言葉にしにくい複雑さが二人の往復書簡から伝わってきました。その中でも、子どもを愛するのでは足りず、子どもを傷つけないことを優先すること、子どもに敬意を払うこと、イノセンスがある=人に自分を委ねられるだけの信頼感が育っていることであり、そのために子どもを見守ることが子育ての大事な部分である、など時折ハッとさせられる言葉に出会えました。

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    2024年03月22日
  • 撤退論

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    現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
    コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。

    撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを

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    2023年05月03日
  • 撤退論

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    「まえがき」の内田樹の文章の衝撃たるや。
    21世紀末には、総務省の中位推定で、日本の人口は4700万人に。7000万人も減るという。
    そして、この事実を国は知ってはいるが、「このシナリオを国民に対して開示する気がない」にっちもさっちもいかなくなってから、我々に、さて、「日本は沈みつつありますが、生き延びる手立てはもうこれしかありませんと手の内を明かす」だろうと。
    その時には「強者にすべての資源を集中し、弱者は見捨てる」というシナリオは出来上がっている…。

    そうだろうと思う。そうなのだ。たぶんもう出来上がっているのだ。我々庶民はうかうかしてこれからだまされるのだ。

    この「まえがき」と白井聡と

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    2022年06月01日
  • 撤退論

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    涙あり、衝撃あり。15通りのメガネをかけさせてくれる、とても有意義な一冊。
    一人ひとりの論考をじっくり味わいたい、でも面白すぎるし文章の量も程良いのでもう1人読みたい、もしくはこの人の別の著書を早く読みたい、そんな気持ちになった。
    新しい時代がそこまで来ている、そんな予感がしてくる。

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    2022年05月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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     内田樹さんんが呼びかけて「中高生向き」に書いてもらった,オムニバス本。わたしが知っていた人は6~7人だが,それぞれの呼びかけが面白かった。
     本書のメッセージは,30代~70代の年代別に分かれていて,70代なんて,中高生が大人になった頃はほとんど現役ではないわけで,だからこそ,なにを呼びかけているのかが,気になる。
     新型コロナによって暴き出された現代社会の矛盾は,コロナ禍が過ぎ去ったとしても,なんらかの修正を迫られるはずだ。会社に行かなくても仕事ができる…と分かったからには,満員電車に乗って会社へ行くこと自体が,すでに「必要なこと」ではなくなってしまった。密を避けることは,過疎地域では当た

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    2022年01月10日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    高校3年生の私でも分かりやすい文章が多かった。新型コロナによって振り回される私たちの未来を前向きに考えていこうと思った。まずは正しい知識を得ること。そしてタテ、ヨコ、算数(本書より)の多角的視点から問題をみつめる。これから大学に進学する上で役立ちそうな知恵を得ることができた。

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    2021年02月19日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    色んな立場における識者の手による、今の時代ならではのアンソロジー。内田樹編ってところで、それなりのバイアスがかかっていることは間違いないけど、氏の慧眼に心酔している身としては、その選択には疑念の余地なし。通読した後も、その気持ちに変わりはなかった。いくら博覧強記でも、単著では、その言論にそれなりの限界があるものだと思うけど、その点本作は、根っこの部分でのブレをほとんど感じさせることなく、だけどそれぞれに違った見地からの論旨が展開されていて、感じ入ることしきりだった。

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    2020年12月14日
  • 被抑圧者の教育学――50周年記念版

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     生徒に主体性を持ってもらったり、対話的な授業作りを目指している人にはぜひ読んで欲しいですし、様々な人と読んだ感想を語り合いたいと思いました。
     教師だけでなく、様々な専門家は、意識的・無意識的に、自分よりも「無能な人々」や「劣った人々」をイメージして、教え込んだり、抑圧したり、教化しようとしてしまう場合があります。(もちろん、良かれと思って。子供の成長や将来の成功を願って。)
     たぶん、それは、一斉授業をしていようが、(一見すると)対話的な授業をしていようが、プロジェクト学習的な学習をしていようが、同じことが起こるのだと思います。
     でも、そういった授業の根底にある優劣・上下の能力観から解放

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    2019年03月11日
  • 死にゆく人のかたわらで ガンの夫を家で看取った二年二カ月

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    愛する夫をきちんと我が家で看取ったプロセスを爽やかなタッチで論理的に綴った素晴らしい本でした(感謝)。
    第1話 家での看取り
    第2話 最後の半日
    第3話 晴天の霹靂?
    第4話 いちばん怖かったこと
    第3話 お金の問題
    第4話 痛み
    第4話 延命治療
    第5話 家族の場所
    あとがき

    あとがきの最期の文章を紹介します。
     私は自分の本が役に立つように、とは、いままであまりおもったことがない。
     しかしこの本だけは誰かの役に立って欲しい。
     自宅で死にたい、自宅で家族を看取りたい、という人への励ましになってほしい。
     それが私たち夫婦がもたらすことのできるなにかではないか、夫の生きた証ではないか、と

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    2018年12月23日
  • 不機嫌な夫婦 なぜ女たちは「本能」を忘れたのか

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    さすが三砂先生、非常に面白かった。自分が2012年に第一子を産んでから世の風潮が子供ではなく「母」主体となりがちで気になっていた。端的に言うと、母になったら制限される事が多いのは当たり前で、子と共に母は変わるのは当然である、ということ。自分もフルタイムで働いており、間違った認識のまま進むところだったので、ヒヤッとした。会社での評価や出世よりも大事な事は沢山ある。週末は家族で畑に行こう、と思えた。「オニババ化〜」の際もハッとさせられた。また三砂先生の著作を読み返したい。

    一方、読み易さ重視のためか冗長になり、「うーん」と思う箇所もある。内容も重複箇所が多いし、最後はほぼAppendix 的なメ

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    2017年06月16日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    内田先生と「オニババ化する女たち」の著書で何年か前に物議を巻き起こした⁉︎三砂ちづる先生の対談集です。
    内田先生は日本古来の武道の心得と主夫体験から、三砂先生はお産の体験の重要性を説く立場からお二人とも、身体を通して得られる知性、知恵を語ってくれます。これまでのお二人の意図する考えが随所に出てきます。
    その中でも‥人間関係で傷つくのは、生命力を奪ってしまうようなタイプの人がそばにいるからとか自分の人間的成長を大事にしていない人、自分を解決できていない人は地位があって仕事をしていても人間として尊敬されない。‥歳の取り方が下手になってきた。無惨な老人が増えている。「枯れ方」がわからない。‥など思い

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    2015年06月20日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    はぁ、内田樹はよいですね。
    身体感覚に興味があり、読みました。
    「オニババ化する女たち」三砂さんと内田樹さんの対談。女性の性・出産を軸に、身体感覚と個人の生き方、社会、組織のあり方についての対談。

    目からウロコ。
    ▼コミュニケーションと身体感覚について。
    余白、ノイズ、それを感じる、受け止める、待つ感性。

    ビジネスの現場では、費用対効果(費用は時間的コスト)を考えて、「結論から先に、論点をまとめて、決めない会議は必要ない」などと言われたりするもの。
    それを否定はしないし、チームのメンバーがそうした配慮をすることはお互いの時間と、仕事の先にあるお客さんを大切にすることになる。

    なんでもシス

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    2014年03月30日
  • 不機嫌な夫婦 なぜ女たちは「本能」を忘れたのか

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    内容自体は、多分☆3くらいなもんでしょう。
    ただ、我が家にはきついわ。


    嫁はんの枕元に、サンタさんが置いてくれていったら良いね。


    20年前に。

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    2013年12月09日
  • 不完全燃焼、ベギーバギー、そして暴力の萌芽について

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    そんなふうにして、さかのぼってみるとすると、十代前には千二十四人の人がいる、ということになる。十代前って、だいたい千七00年ころでしょうかねえ。ちょっとややこしいけど、その人たちを全部足してみます。そうすると、自分の親から、十代前の千二十四人まで、二千四十六人の人たちが関わっているんですよ。二千四十六人。そして当然のことですけど、その半分が母親です。千二十三人が母親。みんな、女、です。その女たちのひとりでも、気を変えてこの子を産むのをやめよう、とおもったら、あなたにはつながっていなかった。そしてね、ひとりひとりが、若いころがあり、親との葛藤があり、恋があり、悩みがあったんだ。あなたのお母さんは

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    2012年06月16日
  • 月の小屋

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    忙しいとか、忙しくない、とかそういうことは別にして、時間というのは空くときには空く、つまり、空けようと思うときにはいつでも空くのだ。「どうしても時間が空けられないのですが」と断る、というのは、結局のところ、「時間を空ける気がない」ということなのだ。あたりまえだけれども。






    もしも、もしも中絶や流産をすることがあったら、絶対にまたこの本を読もう。



    糖尿病の人が使う八十キロカロリー一点表




    実話?
    先生がきいたお話、という感じ
    なんかよかった

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    2012年05月20日
  • 身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる

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    読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
    身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
    あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。

    親子関係のところは特に面白い。
    自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
    父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。

    私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測

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    2012年05月14日
  • 不完全燃焼、ベギーバギー、そして暴力の萌芽について

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    この人の小説?はそこはかとなく面白い。
    ジャンルはなんなんだろう。
    身体って不思議だ。そう思う。

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    2011年09月06日