酒井昭伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
バトルランナーの改訂版。
西暦2025年、アメリカは巨大な管理国家と化し、都市には失業者があふれていた。貧困にあえぐベン・リチャーズは人気を誇るゲーム番組『ランニング・マン』に出場することに。逃げ切れば大金、捕まれば即死。30日間逃げ切れるのか…。
大好きなキングのリチャード・バックマン名義で発表していた初期の代表作とあって、復刊に歓喜です。
リチャーズは逃げ切れるのか、ハラハラする展開も見所ですが、リチャーズの心境の変化が面白かった。
最初は娘の病気の治療費を稼ぐためゲームに参加しましたが、ゲーム中に出会う人と接していくうちに、メディアに支配された社会に対する怒りが増長していく様を丁寧に描いています。
2026年に映画が公開されるので、映画と原作の違いを楽しみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
スパイ小説の大家、ジョン・ル・カレの息子という紹介はもうニック・ハーカウェイにはいらないと本作『タイタン・ノワール』を読んで確信した。
2015年に読んだ『エンジェル・メイカー』が大傑作だったので、本作『タイタン・ノワール』も期待していた。それにしても『エンジェル・メイカー』から大分、時間空いたな、翻訳されてないのかな、なんて思っていたらこの人、エイダン・トゥルーヘンって名義変えて『七人の暗殺者』って作品が出てた。そういうの気が付かないからやめてよ笑
本作『タイタン・ノワール』はハードボイルドSFといったタイプの作品。
探偵兼警察のコンサルタントをしているキャル・サウンダーは高級アパートメントに住む研究者であるロディ・デイビットの死体の調査を依頼される。ロディは年齢は90代を超えていながら若々しい肉体を保っており、タイタン化の薬物投与を受けていたことがわかる。
タイタン化は薬物投与によって身体の若返りを得られる技術だ。受けることで驚くべき治癒力を得られるが、身体が成長し、巨人化する。複数回投与すればほとんど死を克服することが出来る。
しかし、タイタン化にはあまりにも莫大なお金がかかるため超超超富裕層か、タイタン技術を牛耳るトンファミカスカ・ファミリーの関係者かに限られていた。
キャルはロディの死の調査をする上で当然トンファミカスカ・ファミリーに行き着く。しかし、キャル自身もトンファミカスカ・ファミリーと浅からぬ関係があった。ある事情で別れたかつての恋人アテナがトンファミカスカ・ファミリーの娘で次のトンファミカスカを引き継ぐ有力者だった。
アテナの協力を得てトンファミカスカ内部を探るキャル。
更に裏社会の顔役であるライマン・ニュージェントなる人物からの接触も測られ、事件は意外な展開を見せていく。
プロットのイメージほど文章は重くなくて、リーダビリティが高くて切れ味が良い。500ページ近い本ではあるのだが、かなり読みやすかった。
事件自体はプロットは二転三転するが、意外とシンプルな結末に落ち着く感じはある。だがそこまで出会うキャラクターたちがタイタン含め魅力的なので、個人的にはかなり満足できた。
特にライマン・ニュージェントは一体どんな外見しているのか見てみたくなった。
タイタンという技術は一見良いことずくめに見えるのだが、複数回の投与をすることで人間から神的存在に近づいていくような、人間性が失われていく部分もあるのだが、そういうアイデアも含めて面白かった。
主人公の結末的にこれなら続編が読みたいなって思ってたら、2025年の春に続編が刊行されているらしい。こちらも評判が良いので今から楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画とは結末がかなり異なる。
映画では、弁護士が真っ先に捕食されるが、弁護士は生き残り、映画では生き残っていた、数学者、創業者が亡くなる。
特に創業者の人柄がかなり悪く(全てを従業員など他人のせいにする)最後は無惨な最期を迎える。
数学者は、映画では生き残り、その後のシリーズでも活躍する重要人物だから、亡くなったのは衝撃的。
また、遺伝学者のウーも映画では、その後のシリーズに登場するが、本書ではラプトルに殺されてしまう。
物語の終盤、ラプトルの卵の数を数えに行ったシーンは必要だったのか疑問。
そして、著者は女の子の子どもが嫌いなのかと勘ぐってしまうほど、本書の女の子の描かれた方が酷い。
対して、男の子の方は頭が良くて、本書終盤で大人たちのピンチを救うなど大活躍をする。
前半ではティラノサウルスが暴れまわったが、後半ではラプトルたちに追い詰められる。
映画は単なるパニック映画だったが、原作は、人間が神のように、生物の生き死にをコントロールすること、自然への敬意を忘却していることへの警鐘、科学者、技術者たちへの批判に焦点があてられていた。