酒井昭伸のレビュー一覧
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購入済み
氷と炎の歌、その前日譚をとある歴史学者の独り言のような形式で語っている内容です。
これらはあくまであり得たかもしれない内容であって、本当にあった真実とは異なる場合もあると思って読まなければならないです。 -
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SFハードボイルドミステリとでも言うべきか。背景にSF設定があるのだ。この物語世界は、薬物によるタイタン(巨人化)化技術により、ひとにぎりの人間だけが長寿を享受できる世界である。タイタン化すると、身体が若返り、成長が止まらないので巨大化する。この技術は、もともと不治の病や瀕死の重傷の治療のために開発された。この技術を独占する〈トンファミカスカ・カンパニー〉の血縁者やコネのあるものだけが、タイタン化しているのだ。
物語は、近未来の架空の都市が舞台。ロディ・デビットという生物学者が、彼のアパートで遺体で発見されるところから始まる。頭部への銃撃の跡があり、他殺か、自殺か、あるいは事故なのか。警 -
Posted by ブクログ
科学の進歩で人類は確かな発展を遂げてきた。一方で生活が豊かになったとは言い難い。産業革命以降労働時間は増加し、効率を求めて24時間シフト制が導入され、競争社会により過酷な労働環境が形成されている。
また科学の進歩によって生み出した、「地球温暖化や核兵器」は地球の危機と言われている。が、それは違うと思った。環境破壊によって人類が絶滅しようと生命は進化を遂げ、地球は新たな生態系を作るだけである。今まで地球がそうしてきたように。
大事なのは「人類」にとってサステイナブルな環境を作る事だと思った。科学をお金儲けや名声のために濫用するのではなく、自己規制力のもと科学を進歩させ、利用していく事だ。 -
Posted by ブクログ
7人の巡礼が「時間の墓標」を目指して辺境の惑星「ハイペリオン」を旅するが、その旅の合間に1人1人が語る自らの過去から、次第に物語の全体像が明らかになっていく、という構成になっているようだ。ただ、各人の語りは個別に行われるので、どうしても本作全体の設定は掴みづらいように思われる。時代設定はどうやら28世紀のようなのだが、現代とのつながりはもはや感じられないので、SFというよりはファンタジーという印象を受けた。
物語全編を通じて登場する「怪物」が重要な意味を持ってくることが示唆されるが、上巻を読んだだけではまだ全体像が掴めない。下巻を通読してようやく本作の感想を述べられるように思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレポール・アトレイデスの一代記は、前作「砂漠の救世主」で完結した、と思っていました。
この「デューン」シリーズ3作目である本作を読んで最も驚いたのは、ポールが生きていたこと。
そして、最も心に沁みたのは、敗残者として描かれていること。
ポールとチェイニーの遺児・双子のレトとガニーマは姿はまだ子供ながら大人を遥かに凌駕する知性と、クイサッツ・ハデラッハたるポールの子として、過去の祖先全ての記憶を胎内にいた頃から有していました。
それが故に、周囲から畏怖されると同時に恐怖され、自我を支配しようとする過去の祖先たちの”声”とも闘い続け、その闘いに勝った二人が得たものは、正直言って誰がどう見ても恐ろし -
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Posted by ブクログ
ネタバレデューン三部作完結編。レトは未来視の能力を駆使し、行き着くべき未来へと向かって行動を続ける。
これって、攻略本でこの先の展開とストーリーがすべてわかった状態でゲームするのと同じだ。要所要所でプレイヤーが努力する必要はあるものの、その先の展開はわかっている状態。レトもチートキャラ化するし、なんか、攻略本持って、キャラの性能書き換えてゲームやっている気分になる。
最終的には大団円を迎えるのだが、フランク・ハーバートが神権政治、というより神政治を解として示したのはちょっと意外。第二部では英雄を崇拝することの危険性が描かれていたのに。 -
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