酒井昭伸のレビュー一覧
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ネタバレ作者がER緊急救命室(著/5人のカルテ)の映画製作中に友達のスティーブンスピルバーグにこの執筆中のジュラシックパークの内容を話したことで映画化し、ER映画化は中止になりドラマになった、というエピソードを知ってから読んだのでより小説と映画に齟齬があまりなく鮮明なことを改めて実感した。
上下巻あって長さも充分あるのに、どの話も全く不必要じゃなくスラスラ読める。映画を見てからだとは思うけども。
甦らせ、管理し、運営している、ところの説得力が無茶ない納得のさせ方で感動した。
順を追ってやってくる異変や予測できない天候なども、恐竜に襲われるまでをしっかり演出していて本当に面白い。未知の生き物に襲われた -
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ネタバレ銀河を覆う転移ネットワーク“ウェブ”が支配され、200以上の惑星が次々と崩壊していく。宇宙の命運を懸けた戦争は、ついに終盤へ──シリーズ第4作目。
これまでの旅で出会った数々の星が、無惨に滅びていく光景は胸を打ちます。それでも巡礼者たちは、人類のためではなく、友のためにそれぞれの道を選び、時間・宇宙・データの彼方を駆け抜けながら、自分なりのやり方で宇宙を救っていく。その姿は、まさに彼らの旅の集大成と呼ぶにふさわしいものでした。
特に鮮烈だったのは、AI=テクノコアの正体と陰謀です。彼らのサーバー(本体)は“ウェブ”そのものであり、転移ゲート間の隙間に隠されていた。そしてゲートを通過する人間 -
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銀河連邦と蛮族アウスターの戦争がついに本格化し、舞台は人類最後の未踏地・ハイペリオンへ。壮大な銀河叙事詩も第3作目に突入します。
本巻では、巡礼者たちと未来から送り込まれた怪物シュライクとの対峙が描かれ、シリーズ全体の大きな転換点となります。
科学が頂点に達した末に、衰退の道を辿る人類。蛮族と蔑んできたアウスターにさえ後れを取り、滅びへと傾いていく人類ですが、そんな中で社会に居場所を失った巡礼者たちが、人類最後の切り札として世界を駆けてゆく。銀河連邦と巡礼者、マクロとミクロの視点を往還させながら描かれる衰退と再起の構図が、強く胸を打ちました。
そして、連邦CEOが巡礼者達の故郷を次々にワープ -
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★5 SF、ミステリー、ハードボイルドの良いとこ取りをしたエグ味のある優秀作 #タイタン・ノワール
■あらすじ
近未来の大都市が舞台、私立探偵キャルは警察から依頼されて殺人事件を追っていた。その遺体は大柄の男で年齢は40代にしか見えない、しかし年齢は90歳を超えていたのだ。
「タイタン」と呼ばれている彼らは、富裕層が永遠の命を手に入れるために薬剤を開発した結果であり、そのひとりだった。キャルは誰が殺害したのか捜査するうち暗黒街の闇にのみ込まれていく…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 これまたスゴイ小説を読んだ。まさにタイトルとおりの「タイタン」と「ノワール」な物語。
金持ちが不死身 -
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「読むのが早すぎた」という感想に尽きる。自分には、本作を味わえるだけの文学的教養が足りなさすぎた。しかしそれは、以後再読した時により解像度を上げて物語を味わえるという楽しみが残されているということでもあるので、悲観しないようにしようと思う。
ネタバレが絶対にイヤだという人にはおすすめしないが、上巻を読み始める前に、下巻の物語完結後に収録されている「訳者の物語:時の過ぎゆくままに」を読むことを強く勧めたい。その方が挫折する危険性が少ないと思うからだ。設定をある程度理解できていないと物語に入り込む前に匙を投げたくなる、というのはSF小説あるあるだと思っているが、私としては本作もそのカテゴリー -
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いよいよ反撃開始!おもしろい~!惑星アラキスの周りの宇宙空間には大艦隊が集結!地上では決着をつける戦いがはじまります。よッ!元祖スターウォーズ!
そんななかで予知能力をもつポールは、帝国宇宙全体を巻き込む破滅的な「聖戦」を避ける道を探ります。
物語は、今から約8000年先の未来が舞台ですが、そこから更にちょっと未来の歴史家が振り返る、という構図です。だから未来のお話でありながら、歴史ものになっています。
その、歴史の振り返りが、上中下通して各場面の冒頭に書かれている歴史書からの引用です。そして、その歴史書を書いたのがプリンセス・イルーランなのです。
プリンセス・イルーラン、どんだけ -
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「神はアラキスを創りたもうた―――信仰厚き者どもを鍛えるために。―――プリンセス・イルーラン『ムアッディブの英知』より(中巻P253から引用)
上巻で、わたしはアトレイデス家の家臣として鍛えられ、中巻ではポールやジェシカとともに、砂漠の民フレメンに鍛えられました。とってもおもしろいです。
上巻では不可解な言葉・人名に困りました。助けとなったのは下巻の附録と用語集、映画などのネタバレサイトでした。
特に下巻の「附録Ⅳ アルマナーク・エン=アシュラーフ(王侯貴族名鑑より抜粋)」は、物語の全体像を把握するのに役立ちました。
最初に引用させていただいた文のなかにある人名「プリンセス・イルー -
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非常~におもしろかったです!とびっきりのSF&ファンタジーで楽しかったです。
kuma0504さんの下巻レビューを読ませていただいて、選びました。ありがとうございます。kumaさんレビューで、上中下の下巻に用語集があると知り、3冊を用意して年末年始に読みました。
kumaさんレビューで興味を持ったのは「香料」と「演算能力者」です。kumaさんによれば香料は「麻薬みたい」で「摂取すると超人的な能力が持てる」ようです。原著では「スパイス」と書かれています。なぜ「ドラッグ」ではないのか不思議におもいました。
とても読みやすい翻訳本でした。でも読みやすいのと、内容を理解できるかどう -
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やっと読み終えた。新作映画鑑賞から約半年、当初の予定からは遅れたが、とっても満足した。映画を見た人は原作も読んだ方がいい。マイオールタイムベストファンタジーである「指輪物語」に匹敵するSF小説になった。
(中)で延々と描かれるハルコンネン家の権力争いは、単なる前振りに過ぎなかった。映画のクライマックスで描かれる戦いの場面はほとんど無視される。重要な人物の死も活躍も、尺の関係か映画では描かれていない。映画は素晴らしかったが、なんかもう、もう一度映画化してもらいたいとさえ思う程、原作には未だ映像では描かれていない多くの要素がある。全然詳しく描かれてはないけれども、この9800年間に及ぶ(地球発祥 -
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今出ているデューンシリーズの中で新訳の日本語翻訳版はこれが最後。読み切ってしまうことに切なさを覚えながらも展開が早くて面白いので一気に読めた。
伝道者の大衆に訴える力や、レトが”黄金の道”に進んでいく勇気には少し怖さをも覚えるけれど、その分魅力的に思えて、支配するもの、統治する者のそういった側面で大衆は惹かれがち、信じてしまいがちなのでは?と思ったり、物語自体は面白いが、一国の統治といった現実問題に照らしてみるとすこし恐怖を感じたりと、考えさせられたりもする。
あとはダンカンやガーニーなどお馴染みのアトレイデス家の臣下たちが活躍するのもとっても感動するし、ファラッディーンや双子(レトとガニ -
Posted by ブクログ
ついにデューンシリーズの第3部まで来てしまった。前作に比べるとまたファンタジーの世界に戻って展開するストーリーに没入できる感じで面白かった。しかし用語や難しい描写?の部分もあった。
登場人物の会話が多いこと、スティルガーやダンカンなどのキャラクターと皇帝ポールの血を引くアリアや双子などそれぞれが帝国を統治する上で担う役割や、価値観の違いなどによって、結局帝国は誰の手に収まることになるのか気になりながら読める。
”上”ではジェシカやアリアが関わるシーンが特に見どころ。
初めて読んだデューンを読んだ時のワクワクをもう一度味わえるような感じ。 -
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