酒井昭伸のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
電子書籍が普及する昨今、かつてのハヤカワSFシリーズの復刻というべき体裁のビニールカヴァー付ソフト・カヴァー、小口塗り、やや黄色い紙の手に馴染む「紙の本」を出す早川書房の心意気をまず称えておきたい。3年後には文庫化する商売っ気も称えておくが。
しかし中身は旬の作家たちのSFで、バチカルピだの、このライアニエミだのエキゾティックな名前も並ぶ。ライアニエミはフィンランドからイギリスに渡った人。
ニュー・スペースオペラと評される本作は、まずは人間の精神のソフトウェア化が済んだ未来の太陽系が舞台となっており、一応、肉体に宿っている人間の他、どうやらオンライン・ゲーマーの末裔と思われる、オンライ -
Posted by ブクログ
ワイドスクリーン・バロックなる術語はブライアン・オールディスがそのSF史書『十億年の宴』でチャールズ・L・ハーネスの作品を評して作り出した言葉だが、件のハーネスがほとんど訳されないまま、この術語が日本では一人歩きして、やれこれはWSBだ、いやそうじゃない、といったことになっている。
ここでオールディスがバロックという言葉を使ったところがミソで、17世紀の芸術をロココの時代の人々が、悪趣味、品がない、装飾過多、複雑で難解、節度がないと腐したのがバロックなる言葉なのだ。
で、ワイドスクリーンのほうは、地球から事象の地平線まで、宇宙開闢から終焉まで、とにかく大広敷を広げたといった意味で、大長編 -
Posted by ブクログ
3作品の映画にもなって、今夏最新作である「ジュラシック・ワールド」が公開されるわけですから、知らない人はいないよね。
物語的にどうだろうと、個人的に大好きな作品。周りの評価がどうだろうと、胸を張って、大好きだと公言する作品。恐竜好きの自分としては、外せない逸品。最上級の娯楽エンターテイメント小説。
上下巻で結構長い物語ですが、展開スピードが早くて気になりません。若干技術的な話や事件が起こるまでの運びが退屈かもしれませんけど。現代に恐竜がよみがえったら、こんなトラブルが起こりえるんだなぁ、と思いながら興味津々に読み進められました。
まぁ、小説を読むのは今さらだなーと感じるなら、映画をご覧く -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
宇宙の蛮族アウスターの侵攻を受ける辺境惑星ハイペリオン目指して、連邦軍FORCEの無敵艦隊が出撃していく。連邦の主星タウ・ケティ・センターからその光輝を見守るのは、超高度AI集合体<テクノコア>が19世紀の詩人ジョン・キーツに模して作り出した人造人間ジョゼフ・セヴァーン。自分がなぜこの世界に送り出されたのか理解できないまま、セヴァーンは連邦の最高権力者マイナ・グラッドストーンから謎めいた厚遇を受け、その傍で連邦内の混乱と権謀術数を観察していくことになる。
一方、惑星ハイペリオンにおいてようやく<時間の墓標>に辿り着いた6人の巡礼達は、激しい時潮と物資の欠乏に悩まされながら、一人また一人と不思議 -
Posted by ブクログ
週刊少年ジャンプか~い!ってくらいの引きの強さ。
だけど次巻刊行まで何年待たねばならないの?
作者は来年末には第6部を刊行したいと言っているみたいだけど、それでも日本語版はさらに1年は待たないとならないわけで…。
ジョンはどうなる!?
デナーリスは?
ティリオンは?
巻末の人物紹介を読むと、思った以上に行方不明者と「死んだことになっている」人が多いので、まだまだ二転三転四転五転しそうです。
氷はジョンで、炎はデナーリスなので、氷と炎の対決か、氷と炎の融合なのだと思っていたのですが、作者が最後に残るのはひとりと言っているそうなので、もう誰が王になるのかわからない。
氷と炎が融合したら水にな -
Posted by ブクログ
全7部のうち、第5部の中盤に来てようやく物語の向かう方向が見えてきたように思う。
国取りについてはまだ、どの国が七王国を統べるのかが全くわからないが。
とにかく陰謀、裏切り、無知、傲慢。油断をすると、たちまち足を掬われてしまう。油断をしていなくたって、あっさり命は喪われる。
ジョン、ブラン、アリアを見れば、スターク家の子どもたちは、それぞれに使命をもって生まれてきたことがわかる。ということは、サンサとリコンにも使命が?
サンサは見つかったようなので、今度はダヴォスがリコンを見つける番だ。
それまでに、あと幾つ裏切りが行われ、人の命が喪われてしまうのか。
そして、ドラゴンはいつ活躍するのだ -
Posted by ブクログ
最初のほうこそ、それまでのストーリーや登場人物をすっかり忘れ、Wikipediaであらすじを確認し、人物紹介や地図などを何度も何度も確認しながら読んでいたので、全然読み進められませんでしたが、ある程度まで進んだらもう、加速がついて止まりません。
あ~、面白かった~。
あらすじを読んでも全然イメージがつかめないでしょうし、面白くないと思いますが、初期のグインサーガを面白く読めた人なら絶対楽しめます。
騎士と魔法と権謀術数の世界。
横文字が苦手でなければ、歴史小説や大河小説の好きな人もぜひ。
やっぱりこの本、単行本で揃えよう。
だって復習しないと。第6部がいつ出るのかわからないけど、最初から読 -
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
再読ですが、忘れかけていた部分もちらほらとあって、
新鮮な気持ちで読み進める事ができました(笑)
権力を持った者は、堕ちるのも早い。
周りに諫言してくれる者がいれば良いのだけれど、
サーセイには誰一人としていない…
常に顔色をうかがって媚びへつらう取り巻き、
国の富より懐を増やす事を考えている連中、、、
さらに唯一の味方であった弟の裏切り(!?)。絶体絶命。
ジェイミーとブライエニーは共に身体の一部を失ったが、
二人とも以前よりもさらに存在感が増してきているように思えます。
お互いに一目置いているというようなこの関係、好きです。
そして最大の驚きは、死んだと思ったあの人の復活。
復活なの -
Posted by ブクログ
何てところで終わるんだ!…定番のツッコミ。次は何年先だろう。
今回の主役はジョンとダニー。ジョンはまさかの退○!?いやいや、シオンだってしぶとく生きてたから。大丈夫だと願う。章ごとに時差があるから、シオンサイドの動きが気になります。あの手紙は本当なのかハッタリなのか…。
ダニーはとうとうウェスタロスを目指す準備が整いましたが…一番真面目な君主してる気がするのは気のせいか。なんだか各陣営でダニー争奪戦を繰り広げていて、もう何処がくるかさっぱり予想がつきません。早々にドーン陣営終了のお知らせに、やっぱりかと思いつつ、ちょっと唖然でしたが。某王子のおかげで立ち位置弱くなってしまいましたものね。ついで -
Posted by ブクログ
クライトンが航空ものを書いている!
たまたまF・ポール・ウィルスンの『体内兇器』の巻末広告で発見し、
さっそく飛びつきましたね。
彼の作品を読むのはジュラシック・パーク関連以来だろうか。
ずいぶんと久しぶり。
わしは航空ものにやたらめったら弱い。
ヨワいったらヨワい。
デジカメを初めて買ったころは、
空港や米軍基地へ行って飛行機の写真を撮りまくったものだ。
現在はどういうわけかプロレスばかり撮っているが……。
話がそれた。
さすがクライトンの小説だけあって、
2冊分をあっという間に読めてしまった。
止められない止まらない!
航空業界の暗部をえぐるだけでなく、
視聴率が命の傲慢でえげつないマ -
Posted by ブクログ
再読。
最初に読んだ時は、訳者が代わった事によって
固有名詞も大幅に変更になり戸惑ったものでしたが、、、
過去作品も改訂新版にて読み直したので、
ようやく違和感なく読めるようになりました^^;
上巻だけで並みの文庫本2冊以上の分厚さですが、やはり面白さは半端ない!
この巻では、クイーン・サーセイの視点から描かれているのが新鮮です。
スターク家に肩入れしているであろう大半の読者にとっては、
とにかくこの世界から退場して欲しい人物の一人ではあるんですが。
弟ジェイミーは自分から離れていくし、息子のトメンは憎い嫁にとられるし、
さらに敬愛する父もいなくなり、ティリオンにはしてやられるし。
なんてい