酒井昭伸のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ー リイ、タラとプリンデナスといっしょに、演説の草稿を書いてくれー全〈ウェブ〉向けの警告と宣戦布告、両方のだ。四十五分以内にたのむ。
簡潔に、明快に。チャーチルとストルデンスキーの資料を参考にするといい。現実的だが挑戦的に、楽観的だが決死の覚悟を感じさせる方向でな。ニキ、統合参謀本部の動向をリアルタイムでモニターする必要上、わたし専用の司令マップ・ディスプレイを用意してほしいーインプラント経由でデータを読むタイプだ。CEO以外には読めないようにしておくこと。
バーブラは上院におけるわたしの手足となってくれ。上院に常駐して、状況を把握し、操れる者は操り、脅しをかけ、甘言を弄し、今後三、四回の -
Posted by ブクログ
ー 人間の経験の本質は、華々しい経験、たとえば結婚式がそのいい例だが、カレンダーの日付につけた赤丸のように、記憶にくっきりと残る華やかなできごとにではなく、明確に意識されない瑣末事の連続のほうにあるのであり、一例をあげれば、家族のひとりひとりが各自の関心事に夢中になっている週末の午後の、さりげない接触や交流、すぐにわすれられてしまう他愛ない会話.…というよりも、そういう時間の集積が創りだす共同作用こそが重要であり、永遠のものなのだ。 ー
まじか!こんないいところで終わってしまうのか!
というのも、『ハイペリオン(上)(下)』はほんの序章に過ぎず、全体の四部の一でしかないのだからしょうがないの -
Posted by ブクログ
ー 教会が滅びるつもりなら、それもまたよし。ただしその死は、キリスト再臨の知識に満ち、栄光に輝くものでなければならぬ。進んで減びるのではないにせよ、暗黒のなかに歩みいるのであれば、毅然とー雄々しく、たしかな信仰心をもって進まねばならぬ。
死の収容所のなかで、核の炎のなかで、癌病棟で、ユダヤ人大虐殺のさなかで、孤独な静寂につつまれ、何世代も何世代ものあいだ、死に直面しながらも信仰心を失わず、希望こそいだかぬにせよ、これらのすべてにはなんらかの理由があるのだ、これほどの苦しみを味わい、これほどの犠牲をはらうだけの意味があるのだと祈りながら、暗黒を見すえつつそのあぎとへと歩んでいった、何百万もの先 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今日一日を人生最後の日のような気持ちで過ごせたら、きっと毎日が最良の日になるだろう。アイネイアーのように生きたい、彼女のような勇気を持って死ぬまで全力で過ごしたい、そんなことをこの本を読んで感じた。
誰しもあのような最期を迎えるわけではないが、未来において必ず死ぬという点では同じだ。いずれ訪れるその日まで、どのように過ごすかは自分で選ぶことができる。そういうアイネイアーからのメッセージを多くの人が共有して世界が変わっていったのだろう。
幼年期の終わりでは個が消えて全てが共有された形として人類は進化するが、彼らの世界もいずれそうなるのかもしれない…続きがあるとすればだが。 -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレやばい、切ない物語ばっかりなんだけど。
だけれども、謎は次の作品に持ち越しね。
(ちなみに残り3シリーズあります。
大ボリューム注意)
どの物語も切ないのよ。
ちゃんと物語の終わりにはアウスターのスパイは
判明することになります。
だけれども、一人の人物の消息に関しては
謎に包まれたまま…だから謎を…
探偵の物語が切ないんだよなぁ。
ちょっと特殊な身分の男性の
死のいきさつを調査する以来なんだけど
どうもそれはとんでもない秘密が絡んでいて
方々の敵から狙われるのね。
その男勝りの探偵は
その依頼人と恋におちるんだけど…
依頼人は悲しいことに殺されてしまいます。
だけれどもある手段によって -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく分厚くて最初は読むのを躊躇していたのですが、いざ読んでみると非常に読みやすく、独創性があって、恋愛やサスペンス要素もあるので、気付いた時には時間も忘れどっぷりとハイペリオンの世界にはまり込んでしまっていました。非常に面白かったです。
本書ではハイペリオンという辺境の惑星に集った7人の男女の身の上話が語られていくのですが、登場人物のエピソード毎に話が分かれているため、まるで別の本を読んでいる感覚です。特に気に入ったのは学者の物語「忘却の川の水は苦く」と領事の物語「思い出のシリ」。どちらも情感豊かで色鮮やかな画面が浮かんで来るようでした。
ただ惜しむらくはこのハイペリオン上・下だけで -
-
-
-