酒井昭伸のレビュー一覧

  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上

    Posted by ブクログ

    「DUNE 砂の惑星〔新訳版〕」(フランク・ハーバート : 酒井昭伸 訳)〔上〕〔中〕〔下〕を読んだ。
    ハヤカワ文庫さん、新訳版を出すのであれば、新作映画特需の為でなく、「砂漠の救世主」「砂丘の子供たち」までは続けて出して欲しい。
    矢野徹版を何度も何度も繰り返し読んだファンとしてのお願い。

    0
    2021年09月09日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 中

    Posted by ブクログ

    いよいよ砂漠の冒険が始まる。最初は惑星アラキスという未知に溢れた惑星に翻弄されながらも果てしない砂漠を突き進んでいく。道中でさまざまな自然の猛威に襲われつつも、フレメンと交流し、ベネゲセリットの力についての知識も深められていく。哲学的かつ言い表せない不思議な雰囲気を醸し出すSF。とにかく魅力的な物語。ここからどのようにして最終局面にもつれ込むのか楽しみです。

    0
    2021年09月08日
  • 都市と星(新訳版)

    Posted by ブクログ

    銀河宇宙に進出した人類はその後滅びの道をたどり、地球にただひとつ自己完結型のユートピア都市を建設してその殻に閉じこもった。十億年の停滞を経た後、未知への探究心をおさえられない一人の若者が、ついに外の世界への扉を開く。
    冒頭からVRゲーム?が出てきて面食らった。唯一都市の設定が面白く、人間のデジタル化、千年の寿命、心象の視覚化システム、オンライン通話などなど、これが1956年の小説であることに驚くばかり。地球全土は砂漠化しており、都市の外には何があるのか。主人公に共感して興味がおさえられないまま物語は引っ張られていく。探索の舞台はやがて星々の世界に広がり、人類の精神性とその進化にまで言及される。

    0
    2021年07月16日
  • アンドロメダ病原体-変異- 下

    Posted by ブクログ

    SF。下巻。前作未読。
    上巻の展開や、読む前のパンデミックものというイメージとは全く違った作品でした。
    非常にスケールの大きな内容で、良い意味で予想外。
    個人的には、上巻よりも下巻の方が、格段に面白いと感じた。
    ストーリー的にも、ビジュアル的にも、映像化向きの作品のように思う。

    0
    2021年06月27日
  • ハイペリオン(上)

    Posted by ブクログ

    20代中盤に夏休みで3週間ほどローマを中心としたイタリア旅行に行けることになり、その時ちょうど読みはじめていたハイペリオンをシリーズまるごと詰め込んでいった。
    難解だし繋がりもわからぬままだし、きっと旅行中には読み終わるまいと思っていたのだけど、あまりの面白さに最初の10日で読み終わってしまい、その旅の間ずっと気に入ったシーンや繋がりを繰り返し読み続けていた。

    当初知らなかった、ローマに生きた詩人ジョンキーツやサンタンジェロ城の登場に素晴らしい縁を感じて旅がより楽しくなった。登場人物達がここにいたのかもしれないと思うと独り嬉しくなった。

    長編SFを読むのがはじめてだったので、途中で投げてし

    0
    2021年06月21日
  • 炎と血 II

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    Ⅰではドラゴン無双なところがあったターガリアンだけどターガリアンの中で争いが起こった為にドラゴン同士の戦いに…。映像化されるとドラゴンが傷付くシーンで絶対しんどくなるなと思いながらも大迫力のシーンになることは必須なので楽しみでもある。ただゲースロでもドラゴン贔屓だったのでやはりしんどい。
    この本を読むキッカケとも言えるデーモン・ターガリアンがなかなかのクズ男(嫁を蔑ろにする、姪に手を出す、娼館通いはする、親子ほど年の離れた女にも手を出すなどなど)ではあるものの戦士として戦略家としては優秀であり、ゲーム・オブ・スローンズシリーズにも関わらず割といい死に方をしているので映像化も期待が大きい。
    本編

    0
    2021年06月18日
  • 炎と血 I

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドラマ化予定のHouse of Dragonの原作であり好きな俳優がかなり大事な役を貰ったのもあって読むことに。ウェスタロスに降り立ったターガリアン一族の歴史書風小説。あの世界の歴史書を原作者であるマーティンが翻訳した形。多くはジェへアリーズ一世とその王妃アリサンの記録。初夜権を廃止したアリサンのシーンはとても好き。ゲーム・オブ・スローンズのシリーズは中世くらいをモデルにしているせいか女性が政治の道具であったり力任せに男に乱暴されたりもするが、アリサン妃のようにな女性が描かれることで決して古い価値観だけで描かれていないのが分かって好感度が高い。
    因みにこの頃に盗まれたドラゴンの卵が3個である事

    0
    2021年06月18日
  • 宇宙【そら】へ 下

    Posted by ブクログ

    訳者が書いてるけど歴史改変SFでパンチカードパンク?というジャンルらしい。
    ハードSFとかファンタジーとかは全くない。
    現実的な問題に向き合いながら宇宙を目指していく話だけど、こんなに要素を詰め込みながらも冗長にもならずまとめ上げてるのは結構凄いなと思いました。
    個人的には最後めちゃくちゃかっこいいなってなってそのままこの感想書いてるので高評価です。

    0
    2021年05月29日
  • 炎と血 I

    Posted by ブクログ

    新刊情報を追っていられなくなっていたので、アプリの発売な通知で始めて知って、ポチッと注文できた。
    発売日より早く通知してくれれば予約ができたのにー
    早く本を手にしたいよ、読みたいよー

    面白いけど
    こーゆーのは本編が完結してからにして!

    0
    2021年01月27日
  • 宇宙【そら】へ 下

    Posted by ブクログ

    なるほど~。こういうお話だったのですね。
    隕石の墜落から始まるので、パニック小説系のお話かと思ったら、歴史改変ものの女性宇宙飛行士誕生物語でした。

    この『宇宙へ』は著者の『レディ・アストロノーツ』の前日譚ということで、これからこのシリーズがどんどん発刊されていくのでしょ。

    本書の内容としては非常に興味深かったですね。
    1950年代、実際のアポロ計画が終了せずに、もし人間を宇宙へ送る必然性があった場合、宇宙開発はどのように進んでいっただろうかということを史実とできるだけ合わせながらリアルに描いています。

    黒人差別や女性蔑視が当たり前だった時代。
    このような時代にもし女性たちが真剣に宇宙飛行

    0
    2020年10月04日
  • 宇宙【そら】へ 上

    Posted by ブクログ

    歴史改変もののSF。
    もし1950年代に巨大隕石が地球に落下し、アメリカの東海岸が全滅したら・・・というお話。

    1950年代というと、米ソが宇宙競争をしている状況であるが、本書ではまだアポロ計画にのっとった月への到達がなさ得れていないという状況である。

    本書では、元女性パイロットの天才数学者の女性が主人公であり、コンピューターが未だ発達していない状況で、「計算者」として、それこそ「人間コンピューター」として働く物語である。

    話はSFであるが、1950年代当時のアメリカをリアルに映し出し、黒人差別、女性蔑視等が激しい時代の状況を克明に反映させている。

    巨大隕石による気候変動のため、地球か

    0
    2020年09月27日
  • 宇宙【そら】へ 下

    Posted by ブクログ

    隕石落下から4年が経過し、宇宙開発が一気に進展する中、主人公エルマは「レディ・アストロノート」として子供向けの科学番組に出演し、多くの子ども(特に女の子)に宇宙飛行士になるという夢を与えつつ、自身も女性宇宙飛行士を目指す。

    上巻で強調されていた地球環境の激変という背景が薄くなり、宇宙進出に焦点が当てられるため、危機感的なものは感じられなくなるのがちょっと残念。

    本作を通じて出てくるテーマである性差別・人種差別についてはいろいろと考えさせられる。

    0
    2020年09月14日
  • 宇宙【そら】へ 上

    Posted by ブクログ

    舞台は1950年代のアメリカ。地球に大型隕石が衝突したことにより将来的に大幅な気候変動が起こることが分かり、第二次大戦に従軍した元パイロットであり天才的な数学者でもある女性・エルマとその夫であるナサニエルは人類の生き残りをかけた宇宙開発に奮闘する…という歴史改変SF。

    性差別や人種差別が顕著だった時代背景、強さと弱さを併せ持つ主人公など、一筋縄ではいかないストーリー展開はページを繰る手を止めさせない。SFを読み慣れてない人でもサクサクと読めるはず。

    0
    2020年09月14日
  • 宇宙【そら】へ 上

    Posted by ブクログ

    シンプルで素朴なSFだからこそ面白くて、考えさせる事も多い。

    隕石の衝突と人類滅亡という、オールドファッションな題材を、1950年代というオールドファッションドな舞台で語られる。

    科学は未だ素朴であって、大量生産・大量消費というway of life の時代。

    科学はまだ手の届く範囲にあって、最新技術がIBM(パンチカード式計算機)だった時代だ。

    科学者は皆、暗算か筆算で計算するのが主だった。

    軌道計算も手計算がメインで計算機はサブに過ぎない。

    思えば実際の歴史でもよくこんな時代に宇宙開発なんてものに手を出したなぁという驚愕と共に、科学と科学者たちの苦労、アイデアがいまの時代につな

    1
    2020年08月30日
  • タンジェント

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    20世紀SF(80年代)にも掲載された『姉妹たち』と表題作の『タンジェント』が大変気に入りました。『タンジェント』の、音楽を媒介に4次元人が3次元に気付いて・・・という展開には驚かされました。

    0
    2020年07月26日
  • アンドロメダ病原体-変異- 上

    Posted by ブクログ

    続編、しかも第三者による作品が前作を凌駕するという稀有な例。第一作が生物学の実験室の中で展開されたスリラーとすれば、本作はロボット工学と宇宙科学を駆使したスケールの大きな冒険サスペンスに昇華している。

    0
    2020年07月13日
  • アンドロメダ病原体-変異- 下

    Posted by ブクログ

    こないだ読んだ『アンドロメダ病原体』の続編。ダニエル・H・ウィルソンがマイクル・クライトンの遺族の承認を得て書きました。コロナの流行に乗って書かれたのではなく、アメリカでは2019年の11月出版、日本語訳は2020年5月出版です。
    最初から最後まで予想外の展開の連続。SFって本当に楽しいなあと思える小説です。

    0
    2020年06月28日
  • 都市と星(新訳版)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     12年振りのアーサー・C・クラーク。コロナの影響でどこにも行けないゴールデンウィークだからこそ、ハードSFでどっぷりと世界観に漬かりたいと思い読むことにした。
     タイトルからは内容の想像が湧かないが、主人公である少年、アルヴィンの冒険譚といったところ。ただし、少年の冒険とそれを通じた成長を描くだけではなく、物語は人類の今後と宇宙の終焉まで見据えた壮大な物語へと発展してゆく。そのダイナミズムに圧倒される上に、人生の歩み方に関する哲学的な問いまで吹っ掛けられる心地にもなり、視覚的にも精神的にもガンガン揺さぶりをかけてくる、長期休暇に持って来いの小説だった。

     この物語の舞台は、超絶凄いコンピュ

    0
    2020年05月09日
  • 都市と星(新訳版)

    Posted by ブクログ

    NHKの100分de名著で取り上げられるということで、積読を消化したのですが、予想以上の面白さにビックリしました。古典SFって思索的なイメージが強かったのですが、この作品はそのイメージにプラスして、冒険小説のようなワクワク感があるのです。

    物語の舞台となるのはダイアスパーという都市。そこでは人間の誕生や死の概念すらも、現代とは全く違います。生まれてくる人間は、始めから成人の身体。不老不死となった人間は、死のタイミングも自ら選ぶようになり、その記憶はメモリーバンクに保存され、新しい身体へ移されます。そして、その記憶は概ね20才前後で蘇る。

    そんな人間の誕生から、都市のシステムまで全て管理して

    0
    2020年03月16日
  • ハイペリオンの没落(下)

    Posted by ブクログ

    ー “来世というものはあるのかしら。目が覚めてみたら、すべてが夢だったなんていうことがあるのかしら。きっとあるわよね、人間というものは、こんな苦しみを受けるために創られたんじゃないもの”

    ああ、ファニー、きみは知らなかったんだ!人はまさに、そのような苦しみを受けるために生まれてきたことを。つまるところ、人が自意識と呼ぶものは、苦しみの波濤のあいまに生じる澄んだ潮だまりにすぎない。人はみな、みずからの苦しみに耐え、それを抱きしめるように創られている、運命づけられている。そう、狼の仔を腹に隠したスパルタ人の泥棒がその仔に腸を食いつくされるように。 ー

    やっと4冊読み終わった。長かった…。

    S

    0
    2020年02月10日