酒井昭伸のレビュー一覧
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ついに旅立った火星探検隊。クルー間で孤立するエルマは、火災や感染症など次々に発生する困難に立ち向かうが……。
果たして無事に火星にたどり着けるのか?が全体の筋のはずだが、宇宙に出て新たな意識に覚醒……することもなく、結局これ人権がテーマなの?と思うほど、宇宙飛行士どうしでの醜い争いが発生する。地上から引きずってきた性差別と人種差別が火種である。人間関係の軋轢に加えて、宇宙飛行上の物理的トラブルも多発するなか、ついに最悪の事態が……。
EVA(宇宙船外活動)の緊張感は宇宙飛行ものならでは。次々と襲い来る宇宙でのトラブルはドラマを盛り上げる。人的トラブルも多くは結論が出ない人権問題で、エルマの -
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ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞。宇宙飛行士を目指す女性科学者・パイロットの姿を描いた歴史改変SF。
ハードSFの難解さはなく、サイエンス部分があまり理解できなくても人間ドラマとして楽しめる本作。
後半に入り、自らの弱点との戦いや宿敵パーカーとの対立が深化し、宇宙飛行士への思いがさらに強まっていく。
様々な困難のなかで、夫婦の絆やパイロット仲間たちとの関係が深まっていく姿は感動的だ。
ロケットの打ち上げや軍用ジェット機発進の描写は迫力があり、これは本物の宇宙飛行士やパイロットの助力があるという。また本作では、計算者をフィーチャーするため、IBM機の性能が低く見積もられているのも面白いと -
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House of the Dragonの原作だけど、この本自体は歴史学者(大学匠:アーチメイスター)が書いてGRRMが訳した(体裁の)ウェスタロスの歴史書(the World of Ice and Fire)(のターガリエン朝部分)だから「伝聞」や「残された記録」での構成で、真実かどうかはわからない部分もあるし、ドラマが原作にないその真実を描いてるのか、大河ドラマみたいに「史実ではないフィクション」なのか?が入れ替わってておもしろい。
人の話や書いたものを後世の人がまとめた文書を、さらに現代の人が訳した形の小説…ウンベルト・エーコの『前日島』とか夢野久作『ドグラマグラ』とかみたいで好き。
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長門有希が読んでたやつ。枠物語の古典『カンタベリー物語』風の体裁をとっているが、中身は極めて濃厚なSF。
28世紀の宇宙時代、巡礼という名目で7人の男女が旅をしながらそれぞれの物語を語っていく。この説明だけ見ると未来版もしくはSF版『カンタベリー物語』的なものを想像してしまう。そういった趣きもあるにはあるが、中世の多様なドラマが収録されていたかの古典に比べると、本作はガッツリとした一つの大きな物語が設定されていて、やや面食らった。枠物語の「枠」の部分――世界観のキーとなるシュライクの謎――が思いのほか濃厚で、長大なSF巨編ともいえる展開を広げるのだ。そのあたり、実質的には短篇集だった『デカメ -
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その時、エルマとナサニエルの夫婦は、忙しい仕事から逃れて待望の休暇を取って、ナサニエルが父親から相続した山荘にいた。1953年3月3日、午前9時53分。外界がまばゆい光に包まれたのだった。とっさに二人は、ワシントンD.C.に核爆発があったと考えた。しかしラジオからはそのまま音楽が流れ続けている。ということは、電磁インパルスが発生していないということだ。核爆発じゃない。それならなんだろうか。音はまだ届かない。あれほど眩かったのに。ということはとてつもない大きさの爆発だということだ。流星体が落下したのかも…。元WASP(Women's Airforce Service Pilots)で物
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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画(Part1)を観て、どうしても読みたくなって買い求めた。思った通りだった。私の生涯ベストの一つである「指輪物語」に追いつかの如くの「ファンタジー」だったのである。
私がファンタジーに求めるものは二つ。物語の最初から、既に「世界」は完璧に出来上がっていていなくてはならない、というのが一つ。もう一つは、物語の奥の奥に、必ず答えの決まらない「問いかけ」が用意されていること。そしてラストに、ファンタジーだからこそ許される答えを僅かに提示すること。まだ3部作の最初を読んだだけだけど、一つ目は見事にクリアした。
時は、地球の西暦で教えられる。標準年10191年。0を一つ