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Posted by ブクログ
「読むのが早すぎた」という感想に尽きる。自分には、本作を味わえるだけの文学的教養が足りなさすぎた。しかしそれは、以後再読した時により解像度を上げて物語を味わえるという楽しみが残されているということでもあるので、悲観しないようにしようと思う。
ネタバレが絶対にイヤだという人にはおすすめしないが、上巻を読み始める前に、下巻の物語完結後に収録されている「訳者の物語:時の過ぎゆくままに」を読むことを強く勧めたい。その方が挫折する危険性が少ないと思うからだ。設定をある程度理解できていないと物語に入り込む前に匙を投げたくなる、というのはSF小説あるあるだと思っているが、私としては本作もそのカテゴリーに属する作品と言わざるをえない。しかも、本作の場合、大抵のSF小説では作品の骨格を成すSF的設定は物語全体の中核にはなっていないからそれがまたややこしい。逆に、そうしたSF的設定を気にせず、入れ子構造で語られる登場人物たちの個々の物語を純粋に楽しむという姿勢で読んだ方が楽しめるのかもしれない。しかるに、どのような「態度」で読めば本作を楽しめるのか、という部分で「解」を見出せなかったことに、私自身が本作を心から楽しめたという気分になれなかった要因があったと自己分析している。読み進めても物語の全体像がなかなか把握できないからなのかもしれないが、全体としてはSFというよりファンタジーの要素が強いように感じた。映像化に関してはアニメ向きなのかもしれない。
また、1つの作品の中に多種多様な文章スタイルやジャンルがごった煮にされているところも、自分が物語に入り込めなかった要因だったように思う。著者シモンズのこのやり方が面白いと思えるのであれば話は別なのかもしれないが。
上記のように不満点を書き連ねつつも、本作の評価は個人的には低くはない。好みの問題はあると思うが、登場人物たる巡礼たちが語る個々の物語はそれぞれ面白いからだ。不思議と、思い出してつまらなかったと感じた物語は1つも無かった。とりわけ、「学者の物語」「探偵の物語」そしてラストを飾る「領事の物語」はそれぞれ胸に迫るものがあった。しかし、個々人のミクロ的視点から語られる物語からは本作の全体像は依然として明らかにならない。それは続編の『ハイペリオンの没落』における俯瞰的視点によって明らかになるようだ。少し時間を置いてから、続編に挑みたいと思う。
Posted by ブクログ
ー 人間の経験の本質は、華々しい経験、たとえば結婚式がそのいい例だが、カレンダーの日付につけた赤丸のように、記憶にくっきりと残る華やかなできごとにではなく、明確に意識されない瑣末事の連続のほうにあるのであり、一例をあげれば、家族のひとりひとりが各自の関心事に夢中になっている週末の午後の、さりげない接触や交流、すぐにわすれられてしまう他愛ない会話.…というよりも、そういう時間の集積が創りだす共同作用こそが重要であり、永遠のものなのだ。 ー
まじか!こんないいところで終わってしまうのか!
というのも、『ハイペリオン(上)(下)』はほんの序章に過ぎず、全体の四部の一でしかないのだからしょうがないのだが、それにしてもある程度この作品だけで完結してくれると思ったら、一番いいところで終わってしまうなんて…。
とある事情でハイペリオン巡礼に参加した7人の男女。
旅の道中、到着するまでに各自、自己紹介がてらこの巡礼の背景と目的を順番に語り合うのだが、まさに自己紹介が終わったところで物語終了だなんて(笑)
とにかく各自の自己紹介エピソードが面白く、あらゆるSFの要素を盛り込んだ非常に贅沢な作品。
こんな傑作を今まで知らなかったなんて!!
とにかく面白い。早く続きが読みたいなぁ〜。
Posted by ブクログ
表紙は領事とソル、それからマスティーン?
当作品はローカス誌オールタイム・ベスト2012年、1998年でランクインしている。
他にヒューゴー賞も受賞、とのことで期待大。
ただ賞は所詮は他人が選んだもので、必ずしも名作/自分の好みというわけではないい。
のため4部作と知っていたがまずは本上下巻。
『ミレニアム』は一度に買って失敗したし。
そんな警戒をよそに、神父の話で早速心を掴まれた。
まあ怖いし濃い。
こんな濃い話を最初に持ってきて大丈夫なのかという心配もよぎったが、杞憂だった。大きなストーリーの中に関連したオムニバス形式のストーリーが展開していく。その一つ一つのストーリーがよくできていて、いちいち感情移入をしてしまう。
上巻はそれでも全体のストーリーは各ストーリーを進めるための仕掛けくらいに考えていたのだが、徐々にそれぞれの話が関連していることに気づく。
よく構成が練られているなあ、という感想。
もう一度読み直して色々確認したい。
だけではなく、自分が無知のため全く気づいていなかったのだが、さまざまな引用や名前一つ一つに意味があることを巻末の解説によって知る。これに気づくと気づかないでは、あるいは知っていると知らないのでは、物語に感じる厚みが全く異なると思う。知らなくても充分楽しめその出来に感嘆することはできるが、知っていれば言葉が出てくるたびに膝を打ったであろうと思うと、自分の無知さが残念でならない。
まずはジョンキーツの詩集を読むことから答え合わせをしてみようか。
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小説・文芸
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