酒井昭伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画(前編)を見た後に読み始めた下巻。
下巻は上中巻に比べて展開がダイナミックで読みスピードも自然と早まった。大きく期待を裏切られるような結末ではないが、細かく描かれた世界観にひたってストーリーを追うことや、生態系や権力闘争や宗教に想いを馳せるのを楽しむような作品だなと思った。
上中巻で登場するもあまり正体が明らかにされていなかった人物たちを知っていくのが面白いし、散り散りになったアトレイデス家に属する人々の今も知れて、特にモヤっとする点が残るようなことはなかった。最後の付録も、ストーリーの中では盛り込めなかったであろう背景や用語を説明していて、読みがいがある。
ようやくポールと皇帝が同じ -
Posted by ブクログ
アメリカ主要SF3賞受賞作。1950年代のアメリカが舞台。恐竜を絶滅させたのと似た規模の隕石衝突があり、近い将来居住不可能になる地球から脱出すべく宇宙開発を進めなくてはならないという歴史のifを考えるSF。主要なテーマは宇宙開発そのものよりも、女性差別や人種差別、そして宇宙飛行士を目指す女性主人公がパニック障害の性質も持っているという形で、差別や多様性が軸となっており非常に現代的。「地球の限界」を社会や私たちが一律に一丸となっては受け止めないのではという点は現代への風刺とも取れるし、緊迫した場面の描写もうまく、コンピュータの発展前なので計算者などの改変歴史ならではの職業による味付けが程良いこと
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Posted by ブクログ
ネタバレ巨大隕石が落下したことによって温暖化が起こり、地球は人類が住めない星になる。
そうなる前に人類は宇宙に移住先を探し、コロニーの建設をしなければいけない。
という背景は、この下巻では随分薄まっていて、ひたすら主人公のエルマが宇宙飛行士を目指す話に終始してしまった。
それというのも、解説によればこれは、エルマを主人公にしたシリーズ物というか、年代記なのだ。
翻訳された作品が少ないのが難だけど、既にエルマが火星に行った作品もあるらしい。
その中でこの作品は、宇宙飛行士を目指す女性として、能力を訓練しつつ、世間の偏見と闘うところに特化したものとなっている。
まず、女性には閉じられていた宇宙飛行士と -
Posted by ブクログ
ネタバレそもそもこの本が目に留まったのはタイトル『宇宙(そら)へ』
竹宮惠子の絵が、ダ・カーポの歌声が、瞬時にして脳内で再生されたわけよ。
『地球(テラ)へ…』
よく考えたら、方向逆だけどね。
巨大隕石が地球に落下。
地球に到達するまで気づけなかったの?
ミサイルか何かで隕石のルートを変更させるとか、粉々にするとか、できなかったの?
って思ったのですが、舞台は1950年代のアメリカなのでした。
つまりアポロ計画の前なのです。
IBM(つまりコンピュータ)がないわけではないのですが、巨大すぎるしそもそも使える人がほとんどいない状況で、難しい計算は、人が計算尺を使って計算していた時代です。
でも、隕 -
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Posted by ブクログ
2022/04/11〜2022/07/07
いつも小説を読むときは文字情報を追いかけるだけだが、映画を観たことで各キャラのビジュアルイメージが鮮明に刻み込まれているだけに非常に画が浮かぶ作品だった。
最も複雑なボードゲームと称された囲碁ですら人間の最上位の碁打ちをAIが打ち負かす現代においては、人間が機械に勝るという思考そのものが失われている。
しかし本作の1作目が発表されたのは1965年。
メンタートや教母など、人間という存在が担うには余りにも大きすぎる情報の処理を担わせているところに時代感を味わうことができる。
同時に、現代に生きる僕にとって本作は「人間讃歌」の風合いを強く感じた。