酒井昭伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ダン・シモンズの中編集です。
全体的に面白い作品ですが、「カナカレデスとK2に登る」が中でも最高でした。登山家3人が、どうしたわけかカマキリに似た宇宙人カナカレデスと共にK2に登ることになる、という作品なのですが、これが、熱い!終盤は思わず涙腺を直撃されました。SFとしても、冒険小説としてもオススメです。
その他に収録されているのはファンタジー作品の「ケリー・ダールを探して」、ハイペリオン4部作の世界の物語「へリックスの孤児」、「アヴの月、9日」、映像化を目指して書かれた「重力の終わり」です。いずれも作者自身の序文がついていますが、これがダン・シモンズ自身のエッセイとしても非常に面白く仕 -
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Posted by ブクログ
何よりも冒頭にショックがある。前作「ハイペリオン」はこの書き手の夢の中でのことだというのだから。(同じレベルのショックを続編の冒頭でもやられる。しかし、まったく違う方法で。)
想像力、というもののすごさについて考え込んでしまう話だ。トールキンの「指輪物語」もすごいけれど、あれは歴史、言語に秀でた人による作品である。こちらは想像力に秀でた人による作品である。おかげで精霊のようなものもオークのようなものも登場するけれど、まったくその形が伝統的ではない。恐ろしい想像力だ。
翻訳の単行本が出る時はまだかまだかと思い、出版されるや続きを読んだ。今回は「続けて」読んだ。おかげで細部を忘れることなく読むこと -
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Posted by ブクログ
ネタバレ逃げ切れば賞金10億ドル、捕まれば死。
そんなイカれたデスゲーム番組に出場したリチャーズ。
ゲーム開始までの120頁のせいで、じわじわと増していく恐怖感を彼と共に味わう事になった。
息をもつかせぬ逃走劇や密かに手助けしてくれる人達の存在に胸が熱くなるけど、やっぱりラストシーンがピカイチなんだよねえ。
下品な表現で申し訳ないけど、“クソみたいな社会に一矢報いてやった感”が最高なんです。
失業者があふれた都市では貧者が命を賭けたゲームで一攫千金を狙い、その様子をテレビで楽しむ富裕層がいる。
こんな世界が舞台のディストピア小説だけど、それほど暗い気持ちにならないうえに面白かった。