酒井昭伸のレビュー一覧
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「永劫」の続編。
<道>が閉鎖され、地球が荒廃してから40年が経っていた。
地球は<ストーン>の援助のおかげで全滅を免れており、その代わり<ストーン>の技術・物資にそのすべてを依存するようになってきていた。
「永劫」で地球に残ることを選んだギャリーや、彼らを導いたオルミイなどが再登場する。
そしてもうひとつの地球・ガイアに「永劫」のラストシーンで降りたってしまった天才科学者パトリシアのその後も描かれる。
パトリシアの孫娘、リタがもう一人の主人公として、祖母の「戦争のない地球に帰りたい」という願いをかなえることになるのだ。
ただし今回はなんだか<道>についての物語がひどく精神世界に偏りがちで、少し小難しい。
前作のような圧倒的なスピードで進んでいく物語とは少し違っているので、少し拍子抜け。
それでも「永劫」を読んだかたは是非こちらもよんでみて欲しい。 -
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時は28世紀、転移システムとホーキング航法の確立により銀河系内に系図を拡大した人類は連邦政府を設立し、支配する宙域を<ウェブ>と名付け、巨大なAI複合体<テクノコア>との共生関係の下に繁栄を謳歌していた。しかし、<テクノコア>でさえも把握することのできない不確定要素とされる惑星ハイペリオンでは、謎の遺跡<時間の墓標>が開き時空を超えた破壊者シュライクが解き放たれたとの噂が流れ、大混乱に陥っていた。
時は折しも、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオン目指して侵攻を開始する。辺境の一惑星に過ぎないハイペリオンを狙うアウスターの目的は、<時間の墓標>と関係するらしい。アウスターよりも早く<時間の墓標>に到達して混乱を最小限に抑えるべく、連邦政府は7人の男女をハイペリオンへと送り出す。急速に崩壊していくハイペリオン社会を目の当たりにしつつ、様々な困難をくぐり抜けて<時間の墓標>に近づいていく7人の運命は・・・?
この作品、分厚い文庫本2冊組に生頼範義画伯の気合い入りまくったカバーアートがバーン!といった感じで見るからに押し出しが強いんですが(笑)、構成は<時間の墓標>を目指す男女の巡礼7人が語る各々の身の上話が中心となっており、実質的に中編6本+インターリンクの連作集となっています。見た目から受けるイメージよりもサクサク読み進められます。
読んでみて意外だったのは、作者ダン・シモンズのSFに対する理解と思い入れの強さ。ホラー作家だと思い込んで読み始めた点も影響してるんですが、予想以上に「ちゃんとSF」していて、かつ幅が広いことに驚きました。巡礼の身の上話6編は、それぞれにサブジャンルの異なるSFとして成立しており、「司祭の物語」はSFホラー、「戦士の物語」は戦争SF、「学者の物語」はちょっとセンチメンタルな時間SF、「探偵の物語」はサイバーパンク・・・と、SFショーケースの如き様相を呈しています。こなれたSF者なら「あぁ、これはあの作品当たりからインスパイアされてるな」とにやりとしながら読み進められますし、SF初心者なら正に万華鏡を覗くように様々なSFサブジャンルの「いいとこ取り」を体験できるはず。
そしてなによりも、リーダビリティが高い!舞台となる未来社会の強固な構築ぶり、主要キャラの際立って個性的な造形、歴史から社会構成まで計算された各植民惑星の緻密な描写。愚直なSF作家なら、これらの舞台設定を描写するだけでいっぱいいっぱいで生硬な話になりそうですが、そんな「いっぱいいっぱい感」を微塵も感じさせない職人芸的筆運びが素晴らしい。ストーリー展開と平行して時折登場する、はっとするほど美しい情景描写も見ものです。冒頭の<聖樹船>の幻想的な描写を読んだだけで、「あぁ、このSFは面白いぞ!」と確信できましたもんね。絢爛華麗で外連味たっぷり、躍動感溢れる酒井氏の訳文の力も大きいですね。 -
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いじめっ子は一度いじめられる経験をしたほうがいい、そうすれば他者への思いやりの心が生まれる
それを人類全体に拡大したのが
この本のラストに起きたことだ
レイプされる人間とする人間等々、あらゆる人々の精神がつながって究極の共感感覚が訪れる、
そして人類はあらたなステージへと進化する
本当にそうだろうか
人は自転車に乗ったり車に乗ったりする
自転車に乗っているときは車に対して
車に乗っているときは自転車に対して思いやりがない
簡単に書くと「邪魔だ」と思いながら双方運転している
この心境の変化は乗り物を乗り換えた瞬間におとづれる
立場が変わった人の心理は変化する
過去の経験は一瞬で忘れ去られる -
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いじめっ子は一度いじめられる経験をしたほうがいい、そうすれば他者への思いやりの心が生まれる
それを人類全体に拡大したのが
この本のラストに起きたことだ
レイプされる人間とする人間等々、あらゆる人々の精神がつながって究極の共感感覚が訪れる、
そして人類はあらたなステージへと進化する
本当にそうだろうか
人は自転車に乗ったり車に乗ったりする
自転車に乗っているときは車に対して
車に乗っているときは自転車に対して思いやりがない
簡単に書くと「邪魔だ」と思いながら双方運転している
この心境の変化は乗り物を乗り換えた瞬間におとづれる
立場が変わった人の心理は変化する
過去の経験は一瞬で忘れ去られる -
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怒涛の異世界ファンタジー巨編。
今(2014年)出ている中ではシリーズ最新作。
そして、この先を読むのは何年後になるのやら?
自分が続きを読むときに、忘れすぎてるかも?とちょっと、メモなど。
さすがに話は進み、えっここで終わるの?と悲鳴~~というところで以下次号!
絶句しつつも、まあお約束なので。
女王デーナリスは打ち続く混乱を沈めるために、地元の大貴族との結婚を決意する。
不本意ながら祝賀のために闘技場を再会。
そこへ現れたのは‥?!
ここまでイライラさせられる展開だったのが変わったけど、これまた先は読めない‥
母国を逃れ出て、今は奴隷として転々とする身のティリオン。
機転を利かせて、ついに抜け出す‥?
雪に閉ざされたウィンターフェル城に、北の注目は集まる。
亡き王ロバートの弟スタニスが進軍するが、吹雪に埋もれて動きが取れなくなる。
ウィンターフェル城のスターク家を滅亡に導いた「返り忠(裏切り者)」は、最悪な主に仕える道化となっていた。
主とスターク家の姫アリア(ということになっている娘)との婚儀がおこなわれるが‥
北の壁を守るナイトウォッチの総帥ジョンは、スタニスの王妃一行を砦に迎えている。
人手が足りない窮地に、野人を味方につける方策をとる。
異母妹アリアが婚儀を挙げるとの報も気になっていたが‥
まさかの展開?
本物のアリアは遠く離れた地にいて、遠い将来には復讐をと思いつつも、異文化の中での精進を続けている。
異常な成り行きではありますが、ある意味、この着実なたくましさは救いですね。
都では宗教団体が勢力を持つようになり、太后サーセイは罪に問われて尋問を受ける。
罪を浄化する償いの行進というのは、中世の歴史上あったことがもとになっているとか。
作者はテレビの脚本を書いていた時期に、あまりにも制約が多いことに悩んだそうで、そのストレスがどうやら生々しい葛藤があふれ出るリアルな描写になっているらしい‥
アメリカは子供に見せてはいけないようなシーンは日本より自主規制がうるさいんだそうですが。
どんだけストレスだったんだっていう(苦笑)
今ではこのシリーズ、テレビドラマ化されているので、時代が変わったのか、マーティンの勝利?
それだけ、面白いってことですね☆ -
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「氷と炎の歌」第5部3巻本の2冊目。
迫力の歴史ファンタジー巨編です。
この巻では、王都や王族はほとんど出てきません。
太后サーセイの弟ティリオン・ラニスターは謎の騎士に捕らえられ、身元を隠して移動中。
小人と侮られ、思わぬ敵に狙われ、船酔いに悩まされつつも、流転の道を陽気にたくましく生き延びています。
前の王家ターガリエンの遺児デナーリスはミーリーンの女王となっていますが、勢力はこう着状態。
地元の有力貴族と結婚せざるを得なくなります。
デナーリスは心がけの良いけなげな美女なのだが、周りにまともな味方がいない。男を見る目もない?
これで、どうするのか‥
ついに訪れた長い冬。
北の盟主スターク家は滅亡したとみなされていますが、実はほとんど生きています。
まったく別な道をたどっている彼らが、いつかどこかで出会うのか?
体が不自由な跡取りの少年ブランは大男ホーダーと共に移動し、森の奥深く、滅びつつある民と出会います。
北の<壁>の黒い城(カースル・ブラック)で異形人の襲来を防ごうとしている総帥のジョン・スノウは、スターク家の庶子。
異母妹アリアがとんでもない男ラムジー・ボルトン公と政略結婚させられると聞きますが、家族を捨てた誓いに縛られ、身動きは取れない。
インターフェル城へ進軍したスタニス(ロバート王の弟)は雪に阻まれてしまう。
女祭司メリサンドルは、ジョンの妹が助けを求めているという幻視を見るのだが。
そのアリアというのは‥
別な土地にいるアリアがどうなるか、気になる~! あまり好きじゃないけど、この書き方じゃサンサも気になるじゃないの!
波乱の物語!
とはいえ、進み方が遅い‥
登場人物が長編一作でなく数作分ぐらい多くて世界中に散らばってるので、仕方がないところもありますが‥
でも、プロ作家としては、この1冊の中でどこか一部でも、もっと大きく動かすべきなのでは。伏線らしい動きはあるので~3冊目に期待!
シリーズ全体に読む価値はあるので、読み続けます!けどね☆ -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1部から言われ続けていた「冬来る」が、ついに現実のものとなった第5部2巻です。
物語は北のウィンターフェルを巡る各々の思惑が交差する中、冬の到来により、極寒と飢餓に苦しめられつつある様子が描かれています。
今回は、リバーランド付近の物語が少なかったので、南部の状態は分からないのですが、戦争で収穫前の畑を焼け野原に変えて来たツケは、今後の展開で回ってきそうな予感がします。
一方、海の向こうの土地では、デナーリスのミーリンに向けて、登場人物が集合しつつあります。
政略結婚と恋愛の間でうだうだしているデナーリス・パートですが、うだうだの合間に裏切りがあったり、ある人物と顔を合わせたり、バリスタンの重要なセリフがさりげなく入っていたり、所々にはアクセントがあります。
ティリオンの旅も、まさか?の道連れが出来、今後の展開が気になります。
重苦しい展開の中で、アリアパートは清涼剤的存在です。
どんな境遇にあっても、決してめげず、折れず、諦めず、自分の糧として成長するアリアの姿は、読んでいてホッとさせられます。
登場人物のほぼ全員が「え?ここからどうするんだ?」という状況なので、続きが気になります。 -
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ネタバレ非常に長らく待たされた第5部。4部と同じ時系列なのですが、うっかり忘れていて、ジョン・パートにジリとサムがいたりマエスター・エーモンが生きていてびっくりでした。
そして、もう大物は登場すまい‥‥と、思っていたんですが、ここに来てまさかの超大物新登場!しかも1部からの登場人物に絡んで来ております。
前巻の「乱鴉」が権力を手に入れてそれを振りかざす事により破滅するサーセイの物語ならば、本巻は権力を手中にしたばかりに権力者故の孤独と為政者としての苦悩に苛まれるジョンやデナーリスの物語として、対照的に描かれております。
権力を持つ者と、それを巡る様々な思惑が二重三重に絡む様子が描かれているので、本巻ではその全容がまだ掴み切れません。
内容は各キャラの顔見せとポジション確認位です。
次巻以降の展開に期待しております!
それにしてもやたら難しい漢字を使い過ぎてるような‥‥食べ物の名前とか、昆虫とか、カナでもいいと思うんですが。
あと、「大兵肥満」はやり過ぎでは?
原文ではシンプルに「Big Man」なんだから「大男」や「巨漢」程度でよかったと思います。 -
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アメリカでは大人気でドラマ化も評判になっているシリーズ「氷と炎の歌」その第5部です。
ドラマチックな歴史物のような異世界ファンタジーで、シリーズ全体としては★5つの作品です。
きらきらと個性的な登場人物が波乱の運命に投げ込まれ、せめぎあう様子がいきいきと描かれています。
読み応えのある長編がお好きな方はぜひ。
「竜との舞踏」というのは、このシリーズにしてはシンプルな題ですね。
これまでが
「七王国の玉座」
「王狼たちの戦旗」
「剣嵐の大地」
「乱鴉の饗宴 」ですからね♪
第5部が3分冊になる1冊目。
という状態なので~登場人物の運命はこれ一作だけ読んでも何ともいいがたいところが‥
4作目の「乱鴉の饗宴」ではごひいきキャラのデナーリス、ジョン、ティリオンが3人とも出てこなくて、大不満でしたから、今回はデナーリス表紙なのが嬉しい。
楽しみにしていました。
以下、ややネタばれ↓
デナーリスはミーリーンの女王として奴隷を解放し、闘技場での殺し合いも禁止。
だが抵抗勢力は根強く、解放奴隷が狙われて暗殺される事態に。
政権を安定させるために良い夫を選ぶようまわりにも勧められ、自薦他薦の夫候補が群がってくる。
デナーリスが孵化させた3頭の竜は大きく育ち、次第に制御が難しくなって来ていた‥
タイウィン公を殺して飛び出したティリオン。
美貌を誇るラニスター家にあって、矮小な体躯で生まれ小鬼と疎まれながらも、知力を尽くして働いてきた男。
今や徒手空拳の身だが援助者を得て、身を潜めてデナーリスの元へ向かおうとしている。
七王国の先の王ターガリエン家の遺児であるデナーリスの軍師となるために。
スターク家の庶子ジョン・スノウは、黒の城でナイツウォッチの総帥となっている。
ロバート王の弟スタニス・バラシオンが軍を率いて滞在、何かと頭の痛い存在になっていた。
北の壁の危機を信じて行動してくれた人物ではあるが、王の座を狙うには戦況はかなり不利なのだ。
亡きロバート王のまだ幼い息子トメンが今の王で、太后サーセイが実権を握っているが‥
ジョンの異母弟のブラン・スタークは、不自由な身体だが生き延びて、大男ホーダーの肩に乗って移動している。
北の王だったスターク家は一家散り散りですが、何人かは生きているんですよね~!
4作目で翻訳者が交代し、大幅に登場人物の名前などを変更するという事件があったのです。
カタカナにもイメージがあるのに。
馴染んできた読者にとってはショックなことでした。
批判を受けて説明を加え、少し戻したり?したため、ものによってはいっとき3種類の訳語があったんじゃないですか。
文庫も最初から「乱鴉」まで改訂版で出しなおしたようです。
今度の翻訳自体がまずいとは言いませんが‥
前の名前と両方が思い浮かぶのがツライ。
原作が長々しくなっているのと、中世的な戦国状態でしんどいシーンが多いという読み難さがあるため、最初の頃ほど熱意を持っておすすめ出来なくなってしまったのが残念。
キャラは立っているんですけどねえ。
冒険物ファンタジーがお好きな方~今後、竜や、壁の向こうの存在が迫ってくるので、その要素は強くなってくるはずです。
これから文庫で読む人のほうが混乱がなくて~いっそ幸運かも! -
Posted by ブクログ
そういや、昨日ダン・シモンズの「ハイペリオン」読み終わったわ。
あんな内容やってんねぇ
これと続編のタイトルから、勝手にハイペリオンって銀河帝国(かその主星)の興亡史かと思ってたわ
ジョン・キーツって早世した不遇の詩人に同名の未完詩があって、それをモチーフにした作品なんやってねぇ。
キーツは本編でもたびたび出てきます。
全然、知らんかったわ、有名なの??
<以下、チョイネタバレ>
実際、本作はハイペリオンにある時の墓標をめざす、7人の巡礼者が一人ひとり、旅をするにいたった理由を語るというスタイルなのね
で、いよいよ時の墓標というところで、つづきは続編の「ハイペリオンの没落」に続くと…
非常に面白かったんですが、期待値が高すぎたせいか、「すぐに続編よみたいっ!」というほどには盛り上がってない俺ガイル。
訳文はいかにもなSF翻訳本的で、非常に読みやすかったんですが、原文はもっと叙情詩的だったんじゃないのかしらと思ったり(わからんけど)…
J.G.バラードの翻訳みたいに、もそっと飲み込みにくいこねくり回した表現のが雰囲気でたような気もいたします。
まぁ実際そう書かれてたら途中でなげだしてそでもありますが…
とりあえず、続編「~の没落」も下巻だけ古本屋の特価本コーナーで入手しておりますので、記憶がなくならないうちに上巻も入手したいと思います。
こちらからは以上です