酒井昭伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「2001年宇宙の旅」の作者による独特の世界観のSF小説です。
面白くて一気に読んでしまいました。 荒廃し、砂漠で覆われた未来の地球。
そこに作られたシェルターに覆われた人口都市で 暮らす青年を主人公にした物語です。
青年は強い探究心を持って、外の世界への冒険を始めます。 人口都市の世界観や設定がとても細かく、
「もしかして遠い未来は本当にこうなってしまうのかな」と思えるレベルです。
単純に青年の冒険記としても面白いのですが、
SFの世界を通して我々が当たり前に宗教や哲学、社会システム、生活様式に
疑問符を与えるような内容になっています。
個人的には物語の終わりで語られる世界はまぁまぁあり -
Posted by ブクログ
テンポが速く、その展開に興味を覚える。
ホンコンからデンバーへ飛行中の大型旅客機から、
ロサンゼルス空港に緊急着陸の要請がはいった。
空中で異常事態が発生し、
多数の負傷者と死者が出たというのだ。
かろうじて着陸した旅客機の内部は、
壊滅的な惨状を呈していた。
シートはつぶれ、さけた天井のパネルからは
配線や断熱材がむき出しになっている。
一体、何がおこったのか?
事故機を生産したノートン社では、
緊急会議が招集され、
直ちに事故原因究明チームが結成された。
ボーイングやダグラスと並ぶ業界最大手のノートンでは
中国との大規模な契約が進行中だった。
ケイシー・シングルトン 品質保証部の事故 -
Posted by ブクログ
久しぶりに読み直してみて、改めて構想スケールの大きさと、語りの上手さに感嘆。最後の巡礼の夫々の物語が枠構造で(なおかつ、その中でさらに枠構造になっている物語も)語られ、それが辺境惑星ハイペリオンと人類の未来という外枠的物語にぴったりはまるパズルとなっているだけでなく、キーツの詩からとった表題を含めた文学的オマージュとも重層的に絡み合っていて、音楽でいえば、マーラーの交響曲のような重層的、構造的かつ後期ロマン主義的爛熟を醸し出している。でも忘れていたのは、ラストがオープン構造になっているということ。『ハイペリオンの没落』も読まなければ、、
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- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
日本企業のアメリカへの進出による、様々な問題。
遺伝子組み替え技術による、「恐竜の再生」という問題。
時代の風を読みながら、主張していく。
いくつかの多重格的な人間の登場。
今回のテーマは、「セクシャルハラスメント」;
それも、男が女にレイプされるという事件である。
ここに登場する、メディレス・ジョンソンは、
実に鮮やかに描かれている。
優秀な才能、柔軟な対応、相手が何を望んでいるか
を読みとる力を持っている。
女性だからこそ成し遂げる事ができる
いろいろな場面をくぐり抜けてきた。
1964年公民権法第7篇、
職場における性差別を違法としている。
平等雇用機会委員会(EEOC)が、
セ -
Posted by ブクログ
バイオテクノロジーの技術をどのように使うのか、
一体「何をターゲットにするのか?」
ということを考える時に、
クライトンの恐竜をターゲットにする
ということの想像力はすぐれたものをもっている。
クーロンするための「遺伝子源」を寒冷地にもとめること
コハクの中の「昆虫」の吸血性に注目して、
そこから「遺伝子源」をあつめること、
<恐竜の生態>
卵、ふ化、亜成体、成体ー草食性、肉食性、毒
「鳥」を始源とする。
クレイコンピーター、
DNAシークエンス、制限酵素→゛DNA解折と合成
「メス」だけにする。「リジン」要求性にする。
→性転換ー族の同族がすべて同性の場合、
それが刺激となって性転換が -
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Posted by ブクログ
ギリシャ神話?イリアス?シェイクスピア?全然知らないのに楽しめるのだろうか、という心配は杞憂だった。人間関係も、神様関係?もさっぱり知らなかったけれど、読んでいくうちにどんどんペースが上がり、結局下巻は上巻の半分くらいの時間で読んでしまった。この加速感があるので、海外SFはやめられない。
独立並行して進んでいた3つの登場人物の話が、少しずつ入り交じっていき、最終場面のカタルシスに向けて加速して…と思ったら、そこで終わっちゃうの!?それぞれの話は、いちおう決着をみていて、作品として一区切りついてはいるんだけど、とにかく謎が残りっぱなし。この先どうなるの?と気になる点もいっぱい。これは、続編の「 -
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