酒井昭伸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マイケル・クライトンの凄いところは、SFであっても発想は実際の科学やテクノロジーの限界からくる危機に着目しているところからスタートするからリアルにぞっとする。
「アンドロメダ病原体」も、アポロ宇宙計画が始まったタイミングで、宇宙飛行士の検疫をどうするかという課題に立脚している。もし、宇宙や月に未知の病原体がいて宇宙飛行士が地球に持ちこむ可能性はゼロなのか?持ち込んでしまったらどうなる?という一般には知れ渡っていないけれども、最新の科学と事実から導き出された恐怖を構築していくのだ。それは、海賊の物語でも同じで、当時の海賊の生活や国との関係の知られていない事実を積み上げていくから、読むものは驚くし -
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Posted by ブクログ
タイトルからして
「司書 兼 探偵なのかな?」とか
「急に体が小さくなって、たまたまそばの本棚にあった本の作者の名前をつけて探偵をする小学生かな?」とか
色々と想像してましたが、あらすじを
読んで驚く。
SF作品である。
主人公は書架に収められた「蔵書」
ならぬ「蔵者」
生前(?)は推理作家だった男のリクローン
ある女性に10日間借りられて
彼女の殺された兄と
父親から残された"謎の本"についての事件を追うことになる。
死んだ作家のリクローン(蔵者)として生きることの微妙な制約など(純正の人間達からは下に見られている)を挟みつつ、そんなに悩んでる感じも出さず、事件の -
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Posted by ブクログ
ネタバレ唯一無二の独創的な未来史「人類補完機構シリーズ」を描き出して右に出る者のいない、コードウェイナー・スミス。本邦では長いこと絶版状態が続いていましたが、2016年以降ハヤカワ文庫から彼の全短編を訳出する試みが続いており、3冊目のこの本をもって全短編の訳出が完了となります。といっても、鴨は80年代に一度ハヤカワ文庫で出版された「鼠と竜のゲーム」「シェイヨルという名の星」「第81Q戦争」の3冊を全て持っているので、この旧3冊にも収録されなかったキャッシャー・オニール・シリーズ目当てで、「三惑星の探求」のみ購入いたしました。
で、キャッシャー・オニール・シリーズについて。
このシリーズは、「人類補完 -