酒井昭伸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「えっっ、ここで終わるの?!」
……と、誰もが思ったことと思う(笑)
主人公が宇宙を目指し、幾多の難関を乗り越えて、いま、まさに打ち上げられたその発射シーンで終わるのだから。
この続きは続刊を買ってねと言うことなのかな。
女性が地位向上を目指して奮闘する物語は、小説でも映画でも、なぜか小気味いい。架空の1950年代のロケット開発史を描いた本書も、ある意味で痛快なストーリーと言える。
しかしその一方で、「隕石を落として地球を住めなくする必要があったのか?」と、ずっと思う。まあ、難しいことを考えずに、女主人公の活躍を楽しめばいいのだと思うが。
あと、これ絶対に正史との対比年表があった方がいい!
巻末の解説にでも載せてくれればいいのに。
-
Posted by ブクログ
人類が、正史よりもずっと早く宇宙に進出した、もう一つの歴史を描いた並行歴史もの。
正史では世界初の人工衛星スプートニク(ソ連)は1957年だが、この世界では1952年にアメリカはすでに人工衛星を打ち上げている。正史ではアポロ計画は1960年代に発動したが、この世界では1950年代にすでに月へ人間を送り込む計画がスタートしている。
この対比は面白い。この調子で正史よりずっと早く宇宙開発が進んだら、今頃どうなっていたか。
当時の技術では立ち向かうのが困難な問題に次々とぶつかり、いかに乗り越えて行くかと言うプロジェクトX的な物語を期待したのだか…
読み進めるうちに、これ、なんか違うと思った。主人公がぶつかるのは当時の男性優位社会の壁。それをいかに乗り越えて女性宇宙飛行士になるか、と言う物語らしい。
これ、わざわざ並行歴史SFでやりますか?(笑)
しかも、宇宙開発を加速させるきっかけになったのが「巨大隕石」の衝突による地球環境の破壊。この設定いる?!
「きっかけ」として扱うには、重いのだけど。これだけで本一冊書けるくらいです。
女性の地位向上ものなら、架空の世界の話ではなく、現実の世界の話として書くべきかと。物語の中でどんなに成功したとしても、結局は架空の世界の話で終わってしまうから。
但し、あえて並行歴史の世界の話として書くことで検証したかったテーマがあるのかもしれない。この調子で正史よりずっと早く男女平等社会が実現していたら、今頃どうなっていたか、とか?
いずれにしても、まだ上巻なので。
読みやすい文章で読むのに苦労することない。下巻に期待したいです。
-
Posted by ブクログ
フランク・ハーバートによるSF大河、第3巻(最終巻)。
預言者"ムアッディブ"として全フレメンの中心的地位を確立したポールは、ハルコンネン男爵家、そして皇帝家へ決戦を挑むための最後の地固めを行う。それは、フレメンの一員として認めてもらうための通過儀礼として、"産砂(サンドワーム)"を操る技を身に着けること、そして、「決闘による一方の"死"によって部族のトップを一人と決める」というフレメンの因習を打破して、フレメン軍の強さを確固たるものにすることであった。"決戦"がいよいよ幕を上げる――――。
・・・なんともモヤモヤが残るラスト。テキストとしての締めは尻切れ蜻蛉感が強く、作中通して命題となっていた「いかに"聖戦"が繰り広げられる未来を阻止できるか」に対する解も、「え、それだけ?」と唖然としてしまうもの。続編のあるシリーズ作品なので仕方のないことなのかもしれないが、本作は本作で綺麗に締めて欲しかったように思う。
評価に違わない壮大なSF大河で、存分に楽しむことはできたのだが、なんとも読後感がイマイチな結果となってしまって残念至極。 -
Posted by ブクログ
2022/01/08〜4/10
ゆっくり読み進めてたら3カ月もかかっていた……笑
劇場版を観て読み始めた。
映画の持つ空気感はドゥニ・ヴェルヌーヴ監督の作家性に拠る所も大きいが原作の持つ空気感を割と忠実に再現していたのだなと言う気付きがあった。
機械の有用性が人々に理解されはじめ、機械が生活を豊かにする時代の曙に作られたSF作品。そんな時代感を宿す作品だからこそ、本作では人の持つ可能性を描いている。
STAR WARSが本作をイメージソースにしているというのは読めば納得。
また、海を感じさせる砂漠の描写の数々は『サイボーグクロちゃん』第五巻「異世界サバイバル編」を想起させてならない。