ギリシャ神話?イリアス?シェイクスピア?全然知らないのに楽しめるのだろうか、という心配は杞憂だった。人間関係も、神様関係?もさっぱり知らなかったけれど、読んでいくうちにどんどんペースが上がり、結局下巻は上巻の半分くらいの時間で読んでしまった。この加速感があるので、海外SFはやめられない。
独立並行して進んでいた3つの登場人物の話が、少しずつ入り交じっていき、最終場面のカタルシスに向けて加速して…と思ったら、そこで終わっちゃうの!?それぞれの話は、いちおう決着をみていて、作品として一区切りついてはいるんだけど、とにかく謎が残りっぱなし。この先どうなるの?と気になる点もいっぱい。これは、続編の「オリュンポス」全3巻も合わせて読まないと欲求不満になるなぁ。
【同じ作者の「ハイペリオン」との比較】
同じように、並行して進む複数のストーリーが、最後に合流していくのだけど、「イリアム」では、ストーリーの数を7つ→3つに絞っている分,一つ一つの書き込みは深くなっている。けど、冗長と感じるかもしれない。
また、「ハイペリオン」は、話に1つずつ区切りをつけてから、次の話に進む形式だった(ドラクエ4だな)けど、「イリアム」では、3つのストーリーがクルクル細切れで入れ替わる構成になっている。7つのストーリーでコレをやると、話が破綻しちゃうだろうし、3つのストーリーを、完全に分けてしまうと飽きてしまうだろうから、どちらも、話の構成と進め方は、よく考えられて、適した方法が選ばれていると思う。
どっちの話も、先が気になって仕方ない!最終的に、これほどの分厚いシリーズを読み切らせてしまう、ダン・シモンズの力量は、やっぱりすごい。今度は、超長編だけでなく、短中編の方にも手を出してみようかな…。
【より楽しむにあたって】
ギリシャ神話、シェイクスピア、「イリアム」を読むのに予備知識は要らないけれど、でも、「イリアム」を読んだ後では、読みたくなってしまう…。きっと、予備知識があると、もっと楽しめるんだろうなぁ。その分の余地も残して、ということで、4点/5点満点。