酒井昭伸のレビュー一覧
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上巻に引き続き惑星ハイぺリオンの<時間の墓標>を目指す七人の巡礼者の身の上話。
今回語られるのは、学者と探偵、そして領事の物語である。
どの話も小説一本分に相当する内容の濃さであると思う。
娘を愛する親のストーリーには涙を禁じ得ないし世界の根幹を揺るがすミステリーには手に汗を握る。
そして世代を経て社会の歪みに立ち向かってゆく姿には心を打たれる。
本当にダン・シモンズという作家は、どんなジャンルでもこなす力量を持っているんだなと驚くばかりである。
これら巡礼者の語る物語によりこのハイぺリオンの世界を理解した読者に待っているのが本格的にドラマが動き出す「ハイぺリオンの没落」である。
是非こちらも -
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稀有壮大な銀河叙事詩が今始まる!
宇宙の辺境にある惑星ハイぺリオン。
その地にある不可思議な遺跡<時間の墓標>、そして不死身の怪物<シュライク>。
その謎を解明すべく様々な経歴を持つ七人の男女がかの惑星へ旅立った。
このハイぺリオンだけでも十分過ぎるほどボリュームがあるのだが、物語としては「ハイぺリオン」と「ハイぺリオンの没落」のセットで一つの物語を成しており圧倒的なボリュームの物語である。
しかし、物語のテンポと読者を惹きつけて放さないストーリーの魅力により全然長く感じない。
ハイぺリオンでは七人の男女がなぜこの探索行に加わることになったのかその経緯が各人の口から語られる。
この巻では -
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氷と炎の歌シリーズ1~3部と夢中になって読み進めてきた、
今のところ小説の中で一番好きな作品です。
第4部でまるっと訳者が酒井氏に変わり
登場人物の台詞にかなりの違和感を感じました。
全体的に以前よりわざとらしく、軽妙な言い回しも無くなっていて自分の中で確立していたイメージとのブレがあり
そこに気をとられて作品にのめりこめません。
酒井氏訳、同著者ジョージ・R・R・マーティン「タフの方舟」も
面白さを見出せなかったので自分には残念ながらこの訳者さんはあわないのだと思います。
ストーリーの流れは文句無く面白いけれど続きを読むのが少ししんどい。 -
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期待して読んだ新世代SFだったけど、正直、膨大なガジェットと複雑なプロットに振りまわされ、取っ付きにくくて面白さがわかるまでに至らなかった。残念。(と、突き放したくないような、期待感の残滓をずっと引きずってしまう、珍しいSFでした。)
と、ここで終わるかと思いきや、驚きは最後に来た。
メインプロットが終わったあと、最後にひっそりと付け加えられていた「幕間」の章にビックリ。面白い。というか、これこれ!これだよ!これの続きが読みたい!と思った。
そして思い出した。SFM2012年12月号の同作者の短編「奉仕者と龍」(面白かった!)に、この幕間の話はつながっているのだ。
というわけで、最後の最後に、 -
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先日読んだ、同じくグレッグ・ベアの「天空の劫火」「天界の殺戮」に引き続きスケールのでかい話。壊滅的な打撃から復興している最中の地球、時間を超えてやってきた未来人の都市<冠毛>、並行世界?の「ガイア」が、無限につながる超空間通廊<道>を通してつながっていく。そしてその先には異種生命体「ジャルト」との戦いが…というような、「コテコテ」なSF的舞台設定。
ただ、前述のSF的舞台設定のほとんどが、前作で登場していたもので、今作で掘り下げられていたのは異種生命体「ジャルト」についてのみとなっており、その一方、登場人物(前作より引き続き)の、ドラマ部分に主軸が置かれている。この作品、単体で成立している「続 -
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単行本が出たのは1997年。記憶になかったので全くの新刊だと思って買ったんですが、やっぱり騒がれるほどの作品じゃなかったからチェックしなかっただけだったんだなぁ(笑)。
作者はあの「ジェラシック・パーク」の作者です。あの小説自体はなかなか面白く読めました。なんと言っても設定とかディテールがいいですよね。映画ももちろん良かったですけどね。
この作品は名前の通り航空機事故を取り扱った作品です。事故に対する航空機メーカーの対応や事故を扱うマスコミの姿が描かれています。例えば、事故原因を究明する技術的な部分とか航空機メーカーの内側とか、そういう細部は書きこまれていて興味があれば面白く読めるし、