酒井昭伸のレビュー一覧
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シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。
デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。
この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。
一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過程で以前の部下であったガーニーと再会する。
力をつけたポールは、皇帝との最終決戦へと突き進む。
有名な作品なのですでに知っている部分が多い。
ただ、絶大な人気を誇る古典なので、読んでおいてよかった。
1960年代はレイチェル・カーソンなどの影響で環境問題が盛り上がっていた時期であり、本書もその影響を受けているという。 -
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パート2の映画公開を控えて、気になっていた「デューン 砂の惑星」。アマプラで映画パート1(デビッドリンチ監督じゃない新しいほう)を観て、このダークさは原作でこそ味合わねばと思い手に取ってみました。
シリーズ化されているデューンですが、第一弾の「砂の惑星」の小説の発行が1965年と知って、こんな作品が自分が産まれる前に世に出ていたのかと、びっくりさせられました。
出てくるキャラクターは、救世主として覚醒していく(のであろう)主人公ポールと、「魔女」と呼ばれる母親、わかりやすい敵ハルコンネン男爵など、どいつもこいつもキャラが濃く、それぞれの事情と野望と愛憎を絡め合いながら、裏で“静かな”丁々発止の -
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映画『DUNE 砂の惑星』Part1を先に観ていたことが、原作のSF独特の世界観をイメージする手助けになって、思っていた以上に読みやすかった。映画を観たときにも感じたけれど、SFというよりもファンタジー的な要素も強くて、それがこの作品の魅力だと思える。
映画ではこの上巻よりももう少し先の話が描かれていたが、ポールの未来が視える存在としての覚醒は、映像ではわかりにくかった。ハルコンネンによる陰謀に巻き込まれたアトレイデス家の嫡男という感じで、まだその能力が、目に見える形では現れていない印象だったけれど、原作では明らかな覚醒が描かれていて、今後の展開に期待が高まる。
3/15にPart2公開予定な -
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フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編・下巻。
予知した悲劇的な未来に抗おうとするも、その"運命"から逃れる術が見出せず苦悩するポールに、旧勢力の策謀が迫り来る。その行き着く先は―――。
「悲劇の第二部」と呼ばれるに相応しい悲しく辛い物語。前作のようなスペクタクルな要素は無いに等しく、ひたすら為政者ポールの苦悩を描いた内容となる為、前作のような展開を期待するのはNG。
予知した悲劇的な未来に抗えず、次々と現実のものとなっていく中で現れる、予知には無かったいくつかの出来事。これらが未来を変える"希望"となるのか・・・。次作も -
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昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみることに。
『鏖戦』は、「これぞハードSF」と言わんばかりの高難度なファンタジーSF。姿形や社会構造が大きく変容した人類が、異星種族<セネクシ>との果てない戦いを繰り広げる世界が舞台。<セネクシ>を抹殺することだけを目的に育てられた、妖精のような姿をした少女・プルーフラックス。<セネクシ>の研究者で、人類のことを知ろう -
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フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画化作品の前編が公開され、後編が待ち遠しい今、「もしかしたら続編の新訳(or旧訳重版)が出るかも?」と期待していたら、やってくれました我らがハヤカワさん。ということで、読んでみることに。
前作で、精強な砂漠の民<フレメン>を率いてハルコンネン軍と皇帝直属の親衛軍<サーダカー>を打ち破り、皇帝の娘(プリンセス・イルーラン)を妃にして皇位の座に就いたポール・ムアッディブ。彼を伝承にある救世主<リサーン・アル=ガイブ>と妄信するフレメンは、聖職省から教導団を宇宙各地に派遣して聖戦を敢行、ポール帝の下に -
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「えっっ、ここで終わるの?!」
……と、誰もが思ったことと思う(笑)
主人公が宇宙を目指し、幾多の難関を乗り越えて、いま、まさに打ち上げられたその発射シーンで終わるのだから。
この続きは続刊を買ってねと言うことなのかな。
女性が地位向上を目指して奮闘する物語は、小説でも映画でも、なぜか小気味いい。架空の1950年代のロケット開発史を描いた本書も、ある意味で痛快なストーリーと言える。
しかしその一方で、「隕石を落として地球を住めなくする必要があったのか?」と、ずっと思う。まあ、難しいことを考えずに、女主人公の活躍を楽しめばいいのだと思うが。
あと、これ絶対に正史との対比年表があった方がいい! -
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人類が、正史よりもずっと早く宇宙に進出した、もう一つの歴史を描いた並行歴史もの。
正史では世界初の人工衛星スプートニク(ソ連)は1957年だが、この世界では1952年にアメリカはすでに人工衛星を打ち上げている。正史ではアポロ計画は1960年代に発動したが、この世界では1950年代にすでに月へ人間を送り込む計画がスタートしている。
この対比は面白い。この調子で正史よりずっと早く宇宙開発が進んだら、今頃どうなっていたか。
当時の技術では立ち向かうのが困難な問題に次々とぶつかり、いかに乗り越えて行くかと言うプロジェクトX的な物語を期待したのだか…
読み進めるうちに、これ、なんか違うと思った。主人公が