【感想・ネタバレ】ハイペリオンの没落(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ー “来世というものはあるのかしら。目が覚めてみたら、すべてが夢だったなんていうことがあるのかしら。きっとあるわよね、人間というものは、こんな苦しみを受けるために創られたんじゃないもの”

ああ、ファニー、きみは知らなかったんだ!人はまさに、そのような苦しみを受けるために生まれてきたことを。つまるところ、人が自意識と呼ぶものは、苦しみの波濤のあいまに生じる澄んだ潮だまりにすぎない。人はみな、みずからの苦しみに耐え、それを抱きしめるように創られている、運命づけられている。そう、狼の仔を腹に隠したスパルタ人の泥棒がその仔に腸を食いつくされるように。 ー

やっと4冊読み終わった。長かった…。

SFの全てが詰まっているとは、まさにその通りで、ありとあらゆるSFの構成要素がこの作品の中にあり、それでいてとっ散らかることもなく素晴らしい結末まで一気に読ませてくれる傑作。

もう、とにかくすごい!

300年後が舞台の『エンディミオン』と『エンディミオンの覚醒』全4冊が残っているのでまだまだ終わりそうにもないな…。
しばらく時間をおいて読むか。

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2020年02月10日

Posted by ブクログ

面白かった。これがネビュラ賞を取れてないなんてどうなっているのだろう。しかし、解説読んで、納得。非常に人気のある話しだった。しかも、このつぎのエンディミオンはもっとおもしろいらしい。楽しみ。
シーユー・レイター・アリゲーター、インナ・ホワイル・クロコダイル このセリフでほろりと来てしまうとは。思いもよらなかった。

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2018年11月12日

Posted by ブクログ

感動の面白さの続編、有り難い 
表紙   8点生籟 範義   酒井 昭信訳
展開   9点1990年著作
文章   8点
内容 895点
合計 920点

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2017年05月07日

Posted by ブクログ

宇宙の蛮族アウスターの侵攻を受ける辺境惑星ハイペリオン目指して、連邦軍FORCEの無敵艦隊が出撃していく。連邦の主星タウ・ケティ・センターからその光輝を見守るのは、超高度AI集合体<テクノコア>が19世紀の詩人ジョン・キーツに模して作り出した人造人間ジョゼフ・セヴァーン。自分がなぜこの世界に送り出されたのか理解できないまま、セヴァーンは連邦の最高権力者マイナ・グラッドストーンから謎めいた厚遇を受け、その傍で連邦内の混乱と権謀術数を観察していくことになる。
一方、惑星ハイペリオンにおいてようやく<時間の墓標>に辿り着いた6人の巡礼達は、激しい時潮と物資の欠乏に悩まされながら、一人また一人と不思議な現象に見舞われ、<苦痛の神>シュライクと対峙することになる。遂にシュライクに相見えた巡礼達が取った行動は?そして、惑星ハイペリオンの行く末は?

前作「ハイペリオン」上下巻に続いて、これで物語は一応の完結を見ます。といっても、物語の構成は「ハイペリオン」と本作とではかなり対照的。
巡礼達一人一人の個人的な体験談をじっくりと腰を据えて順番に描き出している「ハイペリオン」に対して、本作は連邦中枢部も巡礼達の動きも把握できる能力を持つジョゼフ・セヴァーンを狂言回しに据え、タウ・ケティ・センターもハイペリオンもその他の連邦内惑星も<テクノコア>の仮想空間も一緒くたにして、どんどん画面を切り替えつつ同時並行でストーリーを展開させるという、ものすごい情報量とスピード感溢れる構成。上巻ではまだ「バラバラな話が平行して進んでいる」感じで、この先どうまとめるのかちょっと不安になるぐらいなんですが(^_^;、下巻に入ってそれまでの話、未解決の謎が次々と一本のストーリーラインにしゅっとまとまり、怒濤の大団円に向かって猛スピードで突っ込んでいく様は、エンターテインメント作家ダン・シモンズの面目躍如。「ハイペリオン」上下巻も含めて、この物語世界で経過した時間を考えてみると、おそらく数週間、ひょっとしたら数日程度の出来事なんですよね。物語世界の密度の高さに、くらくらします。

鴨のイマジネーション不足もあって、正直なところ回収し切れていない謎やちょっと気になる展開もないわけではありません。重要なファクターの一つである「人間の理解を超えたAI」という設定が、昨年末に読んだ円城塔氏の作品とダブって既視感を覚えたりもしました。が、そんなことどうでもいいんだよ、だって面白いんだから!と声を大にしたくなる、圧倒的なスピード感とリーダビリティの高さ。前作同様、美しい情景描写も読みどころの一つです。
これ、もうちょっとストーリーをすっきりさせて、映画化したら面白いだろうなぁ。と考えたりもするんですが、じゃぁどこをすっきりさせるか、というと、どこも外せないというこのストーリーの濃さ(笑)いやいや、楽しませてもらいました。再読するにはかなりの体力が必要そうですが(^_^;

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2015年03月01日

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一体どんな結末になるのかはらはら、わくわくしながら、どんどん読みすすみました。
時間、空間、人間を超越した存在の行方、これだけ各登場人物の背景がしっかり書かれていて、そのどれもが見事に溶け合って一つの物語を紡いでいることに感動しました。

一番良かったのは、単なる宇宙戦争や、登場人物描写だけで終わっていないことです。根底には、人間がどこから来て、どこへ行くのか、という作者の問いかけが存在しています。私も、物語を読み進めていく中で、一緒に考えていました。

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2011年03月06日

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SFに関して詳しいわけではないが、SFの王道的展開になっていると思う。それでも引き込ませるプロット、そして訳は素晴らしい。ばらばらだった話が一本になっていく様は目を離せない。

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2011年02月06日

Posted by ブクログ

ハイペリオンシリーズは、「SFを読んできたご褒美」なのだという
そうかもしれない、ここに至ってやっとわかったよ、ものすごい傑作だわこれ
息もつかせぬ展開、こんなに面白い!とページをめくる手が止められなかったのは久しぶり!
むっちゃくっちゃ面白かった!
フィドマーン・カッサードが好きだなあ
テクノコアの陰謀、雲門、聖十字架、シュライク―苦痛の神、テイヤール的進化論(オメガ・ポイントへ)、優美きわまりないアウスター、苦悩するマイナ・グラッドストーン…
もう一回、この本を読んでなかった自分に戻ってわくわく感を味わいたいくらい

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2010年05月29日

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前作『ハイペリオン』で張られた多くの謎への回答が示される。既存のSF小説の中でもオールタイムベスト5に入る傑作。

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2009年10月04日

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何よりも冒頭にショックがある。前作「ハイペリオン」はこの書き手の夢の中でのことだというのだから。(同じレベルのショックを続編の冒頭でもやられる。しかし、まったく違う方法で。)
想像力、というもののすごさについて考え込んでしまう話だ。トールキンの「指輪物語」もすごいけれど、あれは歴史、言語に秀でた人による作品である。こちらは想像力に秀でた人による作品である。おかげで精霊のようなものもオークのようなものも登場するけれど、まったくその形が伝統的ではない。恐ろしい想像力だ。
翻訳の単行本が出る時はまだかまだかと思い、出版されるや続きを読んだ。今回は「続けて」読んだ。おかげで細部を忘れることなく読むことが出来た。すごい話だ。
とはいえ、現状の人類はたかだかこのレベルである。紛争のひとつも解決できない。もしもこんな人類がこの本に出てくるような事態に対処しなければならないとしたら、目も当てられないな、と思う。それだけは確かだ。
さて、文庫だからこそかもしれないが、続いて続編「ハイペリオン」に進みたい。ここで登場するヒロインが無茶苦茶キュートなのだ。しかも、前作からつながる重要な人物につながっているのだけれど。

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2009年10月04日

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 圧倒的なクライマックス。
 もうこれに尽きると思います。下巻のこのスケール感には終始圧倒されっぱなし。分厚い本ですが、あっと言う間に読み上げてしまいました。
 展開の面白さ、結末のスケール感。これほどの作品はそうそうありません。読み終わった後の余韻もたまらなく心地よいです。
 この後に『エンディミオン』と『エンディミオンの覚醒』という続編が続き、これにてハイペリオンシリーズはひとまず完結となるのですが、個人的にはこのハイペリオンの没落がシリーズでは一番好きですね。
 エンディミオンシリーズも面白くて好きではあるのですが^^;

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2009年10月04日

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だんだんと謎が解き明かされていきます。しかし銀河連邦は崩壊の危機に瀕していました。連邦崩壊を食い止められるのだろうか!

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

やられたなぁと思いました。これは文字じゃないと表現できないことが本当にぎっしり詰まった話ではないかなぁ・・・と思います。この後に2部続くので謎が謎のまま終わってしまう部分もあるにはあるんですが、個人的にはこの巻が一番好きです。終わりが近づいてくるに連れてどんどん引き込まれていきます。ソルとレイチェルの再会であり、別れのシーンに一番泣きました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

人工知能(AI)、宇宙航行、若返りを始めとして、ありとあらゆるSFネタが織り込まれている物語。
設定や伏線は相応に回収されていると思うが、こちらの『ハイペリオンの没落』の方は、他の方も書かれている通り、話を追うことの比重が高く、物語そのもののおもしろさは先の『ハイペリオン』には及ばないと思う。
最後、エピローグにページを割いて描いている点はよかった。ここから300年後の物語として『エンディミオン』があるとのことであるが、そのうち読んでみようか。

にわか知識として、キーツの著作に『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』『Lamia (レイミア)』『エンディミオン』がある(fromウィキペディア)。詩人キーツ、名前は知っていたが詩人としての評価はどういう位置づけなんでしょう?全然知らないもので。それがわかっていたらもう少し違った見方ができたかもしれない。

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2017年07月17日

Posted by ブクログ

SFという枠を超えた名作。『ハイペリオン』の枠構造物語で各人が語った物語で示された様々な謎と、その連関が人類最大の危機が到来する短い時間の中で一気に解決する緻密な構成と筆力に感嘆する。

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2013年05月04日

Posted by ブクログ

連邦ウェブの全面戦争を仕掛けたのはアウスターではなかった。詩人キーツが知るコアの真意。ハイペリオンで明かされる真相。生まれるのは人類の神か、人工知能たちの神・究極知性か。話が多岐にわたり読みにくいし、ロジックが強引すぎてわかりにくいのだが、最後まで読まざるを得ない緊張感。すごい筆力。

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2012年08月28日

Posted by ブクログ

壮大過ぎて頭がついていかなかった。
でも面白かったな〜。
エンディミオン、エンディミオンの覚醒も頑張って読んでみるか

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2018年11月25日

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