酒井昭伸のレビュー一覧

  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 中

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    デューン新装版の2巻。フレメンってベドウィンなんだろうな。宗教的熱狂を利用しつつも、その暴走に常に危惧を抱くあたりがいい。

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    2024年09月22日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上

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    新装版が出たこともあり再読。今から(2024年)約60年前の作品だが、色褪せない魅力がある。基本的には貴種流離譚だが、超絶思考力とかはレンズマンや非Aを彷彿とさせるし、計画的優成種はこちらもレンズマンを想起させる。

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    2024年09月22日
  • デューン 砂丘の子供たち〔新訳版〕 下

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    人類補完計画でした(笑)
    ファースト(ポール)、セカンド(アリア)が失敗し、サードチルドレンのレトが成し遂げるみたいな。ゼーレはもちろんベネ・ゲセリット。

    それにしてもこの一連の作品群、女性の扱いがなんだかなあ。ジェシカ、アリア、イルーラン、ガニーマ。主役悪役に関わらず、役割が中途半端。作者って女性不信だったのかしら。

    ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画では21世紀のポリティカルコレクトを踏まえて、ジェシカとチェイニーを活躍させていた。DUNE3でアリアをどう描くのか興味津々。

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    2024年08月20日
  • 都市と星(新訳版)

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    スケールも設定も壮大なのに話としてまとまっているのが凄いなと感じた。
    何百億年という歳月で起こる宇宙規模の変化に、ダイアスパーという不死を実現させた超科学のユートピア…。
    主人公アルヴィンの冒険譚としてもとても面白く、たくさんのロマンが詰まってるなと感じた。
    特に好きだった描写は人間のいない惑星で植物が独自の進化を遂げている描写が凄く禍々しくて想像が膨らんでわくわくした。
    また、子どもほどの精神年齢の知的生命体ヴァナモンドも印象に残った。
    「幼年期の終わり」でもそうだったが、クラークは幼稚な知的生命体描くのが上手だなと思った。
    あと訳者のセンスなのかとても文章が読みやすい。

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    2024年07月21日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上

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    デューン初期三部作の第二部。
    第一部の広大な世界観や英雄譚は鳴りをひそめ、権謀術数の渦巻く淡々とした展開が続くばかり。冒頭の著者ご子息による前書きのせいもあり(正直、あの前書きはいらなかったなぁ。。)、なんだか読むモチベーションが上がらず、上巻は割りと読むのがキツかったです。ただ、下巻に入ってからは、鬱々とした雰囲気こそ変わりませんが、話がトントンと進んでいき、終盤の手に汗握る展開には、流石!と感嘆するばかり。

    予知とは運命のようなもの。望まない予知、逃れられない運命に悩むポールの苦悩や計り知れず。しかし、最後にみた予知と異なる出来事は、ある意味ではポールの役割に終止符を打ちましたが、彼を運命の束縛から解き放ったのもまた事実。第一部から続く彼の苦しみは救われたと思うと、読み終えた意味はあったと思います。
    どうやらこの二部は第三部へと続く、架け橋的な扱いとのこと。うーむ、読まねば。

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    2024年07月14日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上

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    映画化もされている「デューン 砂の惑星」最初のシリーズが展開があり、世界観に惹き込まれる要素がたくさんあって面白かった分、その続編である「砂漠の救世主」上巻は、帝座についた主人公ポールの葛藤、ポールに対し謀をめぐらす関係者たちの会話や心情など展開はゆっくりでそれぞれの心情や状況にフォーカスをあてている。

    ポール側にとっての行く末が明るくないことへの描写も多く少し暗い。前作のほうが変な高揚感があって読む手が止まらない感覚があった。

    しかし前作でまだ生まれていなかったアリア(ポールの妹)が出てくること、そして思い出のダンカンが偶人(クローンという理解でいいのだろうか)として出てくること、前作では見ていない別の能力をもつキャラクターが登場したりと、飽きることはない。

    自分はこのSF大作のなにが好きなんだろう?
    まずは、DUNEの世界での宗教がイスラームを彷彿とさせること。使われる単語しかり、信者の行動パターンしかり、著者はアメリカ人のようだがイスラームへの畏怖なのか描写がすごく緻密で面白い。そして"預言者"が皇帝となるところまでは一旦、サクセスストーリーなのだから、西洋人がこれを描いているのが少し不思議にも思える。そして皇帝になったと同時に"預言者"でもあるポール(ムアッディブ)という人物によって宗教と政治が関係する中での統治がなされているのも面白い。

    あとは、前作の感想でも描いたようにアラキスという過酷な環境をもつ惑星の中で水がいかに貴重か(今作では帝国の大天守?に水がいかに使われているか=贅沢、富の象徴)、植物をどうやって育てるか(今作では植物の栽培に少しずつ成功してるように見えた)、そして相変わらずスパイスが全てを動かす貴重なリソースであることなど、その世界の中で国の統治、権力を持つものに必須となる素材がどう影響していくのか、といった、深めていけそうな要素もたくさんある。そこは少し世界史で学んできた論理をファンタジー世界に当てはめながら考える感じで楽しい。

    下巻は展開がもう少し進むのか?積読してある本を開くのが楽しみ。

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    2024年07月08日
  • ハイペリオンの没落(下)

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    ネタバレ

    ハイペリオンシリーズは、最近出会った中では珍しく最初だけ面白い尻窄み作品に該当しない作品のようだ。
    レビューで絶賛されているのに釣られつい大人買いしてしまい、最初は良くても巻が進むにつれ面白さが減っていき大人買いを後悔する、というパターンが続いていたので嬉しい限り。

    『ハイペリオン』の続編。と言うより、『ハイペリオンの没落』でもって初めて物語が完結するので、実質一作品だ。
    『ハイペリオン』は巡礼者が一人一人物語を語るオムニバスのような作りだったが、本作ではそれをベースに前作では背景だった現在の時間軸でのストーリーが大きく動き出す。
    『ハイペリオン』で別々に語られた物語が同じ世界の中で重なり合っていき、相互の関連が判明していく構成は、よく考えられているなあと素直に感心する。伏線回収と言ってもいいかもしれない。本作を読み終え、もう一度前作を読み返し細々とした部分を確認したくなる。

    惜しむらくは、結局シュライク:苦悩の神とは何だったのか、ソルとサライが見た夢はどんな意味があったのか、なぜシュライクはレイチェルを連れて行ったのか、カッサードの前でモニータがシュライクに変貌したのは何故か、今一つ判然としなかったこと。前作では緻密な引用でそのよく練られた作り込みに感嘆したが、今作は広げた風呂敷の回収に若干の杜撰さを感じてしまった。
    それとやはりカッサードのカルマが、自分的には、他の巡礼者が背負っているものから若干見劣りしてしまうのだよな。前作ではそういうのもあっていいかな、と思ったのだが。
    さらに書くと、中でサイリーナスだったか誰だったかも言っていたが、一人また一人といなくなるのが何となく。物語上必要だったんだろうけれど。
    そんなこんなで★3

    また、これは多くの読者もそうだったのではと想像するが、途中でモニータ=レイチェルであること、敵はコア、というクライマックスはなんとなくわかってしまった。
    それも残念。
    まあこれは作者のせいではないだろうな。メタ的視点をつい持ってしまう自分が悪い。

    続編は、多分読む。
    ネガティブなことも書いたが、トータルとしては面白く密度の高い物語であることは間違いがない。

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    2024年06月30日
  • デューン 砂丘の子供たち〔新訳版〕 下

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    上巻は星5つ付けたけど、下巻はレト(主人公の双子の男の子のほう)が“あんなふう”になった場面から一気にドン引きしてしまった。それを差し引いたらおもしろかったんだけど、それだけがどうしても受け入れられず、あぁ、そうですか、なるほど、はい、って感じで終わってしまった。このあとも続編があるけど、しばらく読まないでおこうかなと。

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    2024年06月20日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 下

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    派手な戦闘シーンは、ない(あのシーンは戦闘ではなかろう)。幻視により「既知」である最悪の未来に向けて進む主人公の皇帝と、その血を狙う魑魅魍魎な組織を代表する面々のやり取りを楽しめるかどうか。上巻を無事読め切れたら、下巻はかなり読みやすくなると思う。映像的には見栄えがほぼしないので映画DUNE2の続編としては厳しそう(このままでは)だけど。

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    2024年05月30日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上

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    DUNE 砂の惑星の続編上巻。冒頭にいきなり作者の息子さんの言い訳的な解説文が入っていて面食らった。発表当初(1969年!)、この続編は英雄譚を望むファンの期待を裏切って大批判を浴びたそうだ。が、ちゃんと読んだらそんなに悪いもんではないんですよ、と息子が言っているわけだ。
    実際読んでみると、息子の序文は全くの蛇足であるとわかるのだけど、確かにポール・ムアディップの帝位継承から12年後の物語は、帝位をめぐる権謀術数が主な場面であり、ほぼほぼ密室で会話する人々の裏の読み合いでページが埋められていて、映画で言えば5分くらいではないかと思われるシーンに、上巻の1/5くらいが使われる心の中の声のしつこい描写に、当時のファンのがっかり感もわからいでもない。が、帝国の興亡史として捉えるなら、ヒーローから皇帝になってしまったポールのウジウジもまた一興だろう。

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    2024年05月26日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 下

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    シリーズはまだまだ続くが、「砂の惑星」としては最終巻。

    デヴィッド・リンチ版、ヴィルヌーヴ版の映画で散々観ているので、プロットに関してはすでに知っている。

    この巻でハルコンネン男爵の甥であるフェイド=ラウサが登場する。
    一方ポールは、フレメンの宗教的指導者となっていく。その過程で以前の部下であったガーニーと再会する。
    力をつけたポールは、皇帝との最終決戦へと突き進む。

    有名な作品なのですでに知っている部分が多い。
    ただ、絶大な人気を誇る古典なので、読んでおいてよかった。
    1960年代はレイチェル・カーソンなどの影響で環境問題が盛り上がっていた時期であり、本書もその影響を受けているという。

    この状況は現在も似ている。地球温暖化や緑化活動といった課題は、主にビジネス方面のトレンドではあるのだが、とにかく、キーワードではある。
    映画はそれほど環境問題については強調していなかったが、それでも砂漠の惑星が舞台で、「水は大切だ」といったことを再三にわたって言うのだから、無関心ではないだろう。
    このあたりの状況も、このタイミングで映画化を進めた一つのポイントかもしれない。

    小説としてはSFでありながら、さまざまな要素を詰め込んでいるのがおもしろい。なによりも、子どもの頃から知っていながら、いまだに読み通していなかった作品をようやく読み終えたということで、個人的な満足感がある。

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    2024年04月20日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上

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    パート2の映画公開を控えて、気になっていた「デューン 砂の惑星」。アマプラで映画パート1(デビッドリンチ監督じゃない新しいほう)を観て、このダークさは原作でこそ味合わねばと思い手に取ってみました。
    シリーズ化されているデューンですが、第一弾の「砂の惑星」の小説の発行が1965年と知って、こんな作品が自分が産まれる前に世に出ていたのかと、びっくりさせられました。
    出てくるキャラクターは、救世主として覚醒していく(のであろう)主人公ポールと、「魔女」と呼ばれる母親、わかりやすい敵ハルコンネン男爵など、どいつもこいつもキャラが濃く、それぞれの事情と野望と愛憎を絡め合いながら、裏で“静かな”丁々発止のやりとりを繰り広げていきます。
    すごい世界観なのに、派手なシーンが少なく、確かにこれは映画にしにくいと思うけど、スターウォーズなどに影響を与えたのもよく理解できました。
    強烈に面白い!というわけではないですが、気になる世界観ではあります。
    とりあえず次、中巻読んで、映画のパート2を観てみたいと思います(逆がいいのかな?)。

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    2024年03月15日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 中

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    地形や機械のなどについて描写が細かいが、頭の中でそのイメージを掴むことが難しい。SF小説でもあるので、生態系についての詳しい解説も中々頭に入ってこない。

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    2024年03月06日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上

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    映画『DUNE 砂の惑星』Part1を先に観ていたことが、原作のSF独特の世界観をイメージする手助けになって、思っていた以上に読みやすかった。映画を観たときにも感じたけれど、SFというよりもファンタジー的な要素も強くて、それがこの作品の魅力だと思える。
    映画ではこの上巻よりももう少し先の話が描かれていたが、ポールの未来が視える存在としての覚醒は、映像ではわかりにくかった。ハルコンネンによる陰謀に巻き込まれたアトレイデス家の嫡男という感じで、まだその能力が、目に見える形では現れていない印象だったけれど、原作では明らかな覚醒が描かれていて、今後の展開に期待が高まる。
    3/15にPart2公開予定なので、月末までに残りの中巻、下巻を読み終えてから、映画を観に行きたいと思っている。
    原作も映画もとても楽しみだ。

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    2024年03月23日
  • 書架の探偵

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     蔵者って、どんな感じなのだろう?蔵者が探偵という発想がおもしろく、読んでゆくうちに、本の背骨が最後に残る を思い出した。

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    2024年01月13日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 下

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    フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編・下巻。

    予知した悲劇的な未来に抗おうとするも、その"運命"から逃れる術が見出せず苦悩するポールに、旧勢力の策謀が迫り来る。その行き着く先は―――。

    「悲劇の第二部」と呼ばれるに相応しい悲しく辛い物語。前作のようなスペクタクルな要素は無いに等しく、ひたすら為政者ポールの苦悩を描いた内容となる為、前作のような展開を期待するのはNG。

    予知した悲劇的な未来に抗えず、次々と現実のものとなっていく中で現れる、予知には無かったいくつかの出来事。これらが未来を変える"希望"となるのか・・・。次作も新訳刊行予定とのことで、映画と併せて待ち遠しい限り。

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    2023年12月09日
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 中

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    映画に合わせて読みました。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のDUNE2に合わせて見たが、壮大なスケールで固有名詞も多くあるので、映画観た後に読むとすんなり入った。

    やはりSFは情景説明が多いので、読むのに時間がかかる 

    でも親子との会話など楽しいところも多くあった。
    チェニーとカインズは親子?

    映画では分からない部分も補えたので良かった。

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    2025年12月04日
  • 鏖戦【おうせん】/凍月【いてづき】

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    昨年秋(2022年11月)に亡くなったSF作家、グレッグ・ベアの代表中編、『鏖戦(原題:Hardfought)』(ネビュラ賞受賞)と『凍月(原題:Heads)』(星雲賞受賞)を収録した一冊。以前読んだ同著者の『ブラッド・ミュージック』がとても面白かったので、本新訳を手に取ってみることに。

    『鏖戦』は、「これぞハードSF」と言わんばかりの高難度なファンタジーSF。姿形や社会構造が大きく変容した人類が、異星種族<セネクシ>との果てない戦いを繰り広げる世界が舞台。<セネクシ>を抹殺することだけを目的に育てられた、妖精のような姿をした少女・プルーフラックス。<セネクシ>の研究者で、人類のことを知ろうとする阿頼厨(アライズ)。両者の視点を中心に描かれるSFファンタジー。
    設定や用語がかなり特殊で、誰の視点・会話なのかを把握するのもなかなかに難しいため、整理しながら読み進めないと訳が分からなくなること請け合い。その難解なテキストに酔いしれることが出来れば、内容をしっかりと理解出来なくても楽しめることが出来ると思うが、そうでない人には苦痛で仕方がないかと。間違いなく人を選ぶ作品。

    『凍月』は、『鏖戦』とは対称的で、比較的読み進め易い近未来SF。人類が地球から月や火星に植民した世界が舞台で、地球から冷凍保存された人間の頭部410個を月に持ち込み、その記憶を甦らせるプロジェクトを巡る物語。
    絶対零度を実現するという研究内容や、ラストの展開をちゃんと説明しろと言われると難しいが、物語の展開と結末を大枠で理解することは、テキストを追っていれば十分可能な内容となっている。

    "The Hard SF"な『鏖戦』も嫌いではないが、個人的には読み易さのバランスが取れた『凍月』の方が好みだったかな。

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    2023年11月12日
  • デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上

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    フランク・ハーバートによるSF大河、『デューン 砂の惑星』の続編。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画化作品の前編が公開され、後編が待ち遠しい今、「もしかしたら続編の新訳(or旧訳重版)が出るかも?」と期待していたら、やってくれました我らがハヤカワさん。ということで、読んでみることに。

    前作で、精強な砂漠の民<フレメン>を率いてハルコンネン軍と皇帝直属の親衛軍<サーダカー>を打ち破り、皇帝の娘(プリンセス・イルーラン)を妃にして皇位の座に就いたポール・ムアッディブ。彼を伝承にある救世主<リサーン・アル=ガイブ>と妄信するフレメンは、聖職省から教導団を宇宙各地に派遣して聖戦を敢行、ポール帝の下に人類を一つにした。
    そんな圧倒的支配の中、ポール帝によってその権力を奪われた旧勢力(ベネ・ゲセリット、航宙ギルド、ベネ・トレイラクス)と、皇位の座に就くための道具としか扱われず、忸怩たる日々を過ごすポールの正妃イルーランは、ポール帝に対する陰謀を企てていた―――。

    前作で<クウィサッツ・ハデラック>の力で「アトレイデス家を旗印に、狂信的で戦火と流血に塗れた宇宙規模の"聖戦"が繰り広げられる未来」を"視た"ポール。その未来予知のとおり行われる、フレメンによる聖戦。ポールには、まだ血に塗れた未来しか"視えない"。
    そんな中、航宙ギルドから偶人<ゴウラ(=本人の死体から復活させられた存在)>が献上される。その姿形と言動は、先の戦いで命を落としたアトレイデス家の家臣で、ポールの剣術指南役であったダンカン・アイダホそのものであった。何かの策謀だと理解しつつも、ポールはこの"旧友"の姿をした<ゴウラ>を受け入れる。揺れ動くポール、そして妹のアリア。この選択がどのような結末を辿ることになるのか―――(後編へ)。

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    2023年10月22日
  • 鏖戦【おうせん】/凍月【いてづき】

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    SF。中編2作。
    「凍月」はハヤカワ文庫にて既読のためスルー。
    「鏖戦」だけ読む。
    かなりハード。以前読んだ著者の作品の中でも一番難しい。
    独自の造語が説明もなしに多用。世界観の説明も少ない。
    遠未来の宇宙を舞台に、人間と異星種族との戦争を描く。
    が、コンタクト的な要素も、恋愛小説的な要素もある。
    ビジョンは美しいが、細部は全然理解できてないと思う。
    好きな作家なので、古い作品を綺麗な本で読めるのがとても嬉しい。

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    2023年09月26日