あらすじ
連邦崩壊の三百年後、人類はカトリック教会、パクスの神権政治に支配されていた。惑星ハイペリオンの青年エンディミオンは老詩人サイリーナスから〈時間の墓標〉に現われる少女アイネイアーの護衛を依頼される。彼女こそパクスを打倒し宇宙に光をもたらす救世主だというのだが……ハイペリオン・シリーズ第三部
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Posted by ブクログ
惑星間を転位ゲートで繋げるテテュス河を舞台に過酷な逃亡劇が続くなか、意外な味方と恐るべき敵が現れる……。
イカダで逃亡しつつ各惑星を冒険する主人公たちと、ジャンプごとに死亡と復活を要求される最速の宇宙船で追跡する神父大佐たちの対比、この絵面が何よりも面白い。
神話の類型を彷彿とさせる現地種族チチャタクと賢者的な神父との出会いが冒険を盛り上げる。さらに深まるシュライクの謎、そして現れる脅威が、読者を怒涛のラストに引きずり込んでいく。
いくつもの危機を乗り越えていくたびに深まっていく主人公たちの絆。ヒロインが12歳の少女であるため、本作の段階では恋愛まで深まらないが、暗示的な描写が続編に期待をもたせる。シリーズ全四部作の中で、三作目である本作が最も好きだという人がいるのもわかる気がする。(四作目はまだ未読だが)本作は王道SFアドベンチャーとしての魅力が凝縮されている、シリーズ最高傑作だろう。