出口治明のレビュー一覧
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日本生命に30年以上勤め、その後ライフネット生命初代CEOとしてその創業に携わった生命保険の専門家による生命保険の話。公表されていない情報を含め、なにかとわかりにくい生命保険について詳しく解説している。記述が正確で、かつ、わかりやすい。勉強になった。
「生命保険料の上限は、毎月の手取り収入の3~5%の間にとどめておいた方が良い」p13
「生命保険は、その利用者は中間層が中心になります。そもそも、貧しい人々には民間の生命保険料は払えないのです」p23
「(生活保護の4条件)①資産の活用(預貯金や生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等して生活費に充てる必要がある)、②能力の活用(働くことが可能な人は、その能力に応じて働かなければならない)、③あらゆるものの活用(年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用する)、④扶養義務者の扶養(親族などから援助を受けることができる場合は、援助を受ける必要がある)」p44
「(生活保護費は、最低生活費から他の収入を差し引いたもの)標準三人世帯の最低生活費:(東京都世田谷区(1級地1))最大22万3660円、(地方郡部(3級地2))最大17万5720円」p45
「個人がお金を増やすには、長期にドルコスト平均法で投資を継続することが一番妙味があると考えています」p95
「生命保険による貯蓄は預貯金の本質である流動性を満たしていない」p98
「1989年の世界の保険料ランキングでは、首位・日本生命、第2位に第一生命、第4位に住友生命、第7位に明治生命が入っていますから、アメリカと並ぶ世界一の生命保険大国になったことが読み取れます(2013年は、第3位にかんぽ生命が入っているのみ)」p116
「(有料でFPに相談する)弁護士に相談するのと同じで、本当に良い情報を得ようと思うなら、きちんと対価を支払わなくてはなりません」p150
「セールスの問題点は、専門用語では「一社専属制」といいますが、そのセールスが所属している生命保険会社の商品しか買えない点にあります」p155
「(ベストアドバイスとベストコミッション)ショップにはベストアドバイスをしてほしい、あるいは、監督官庁はベストアドバイス義務をショップに課してほしいと思っているのです。ところが、セールスはコミッションの厚い商品をたくさん売りたいという方向に向きがちです」p156 -
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◎メモ
・ずっと右肩上がりで経済が成長し続けること自体が異常なこと。
・国や将来のことを不安に思って考えすぎても、自分でコントロールできないことなので悩んでもいいことがない。
→年金システムがどうとか、考えても意味がない。それよりも自分がどうできるか考える方が有益。
・お金そのものに価値があるのでなく、何かと交換して初めて意味が出てくる。
・自分がワクワクすることにお金を存分に使い、ワクワクしない出費は徹底的に削る。このオールオアナッシングのメリハリがお金の使い方においてとても大事。
→お金の使い方を理解することは、自己理解をすることや価値観を知る、どんな人間になりたいかを知ることになる
・同じ金額のお金でも、若い時と年取った時では金額で得られる価値が変わってくるから、若いうちにできることは若いうちにした方が良い。
・同一商品や同等サービスは、しっかり比較検討して安い方を選ぶこと。比較検討して考えることを怠らない。
・いくら貯めるかよりも、毎月お金が入ってくるフロー状態を死ぬまで作っていく方が大事。何かのための生活防衛資金がありフロー状態であれば、家計が破綻することはない。
→定年退職の概念をなくせば、フロー状態が維持できるので、老後の不安は軽減される。
・生活防衛資金を貯めたら、積極的に自己投資で自分を磨いていく。自分の好きなことや心から学びたいことに投資しよう。
・これから労働人口が減っていくということは、それだけ人手不足であり、仕事にあぶれることはほぼない。人気な職種や会社は違うけど。
◎アクション
・メディアは不安を煽ることが商売になるから、メディアの情報を信用せずに自分で国などの信頼できるエビデンスをもとに具体的に考えて判断することが大事。
→メディアの情報に接するときには「これで儲かるのは誰だろう?」と背景を考える癖を身につける
→一次情報を見て数字やファクトを確認して自分の頭で考えること
→クリティカルシンキングを活用して批判的に捉える
◎参考になるページ
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本書では、仕事と人生、そしてお金との向き合い方を、合理性と実践性の両面から説いている。著者は元APU学長でもあり、経営者・教育者としての豊富な経験と膨大な読書をもとに、年齢や立場に応じた「働き方」の哲学を分かりやすく提示している。ただ、ライターの仕事による部分が大きい。
本書の冒頭で提示されるのは、「人生とは悔いを残さず使い切るものであり、遺産を残すことではない」という価値観である。人間の寿命には限りがある。ならば、失敗を恐れずチャレンジを重ね、持ち時間を最大限に活かすことが大切だと説く。お金も時間も「貯める」より「使う」ことに意味がある。
第1章では、人生は「失敗の連続」であるという前提からスタートする。人間はワインのように時間とともに熟成する存在であり、完璧や成功を求めすぎることに意味はない。むしろ、人生とはトレードオフ(何かを得るために何かを捨てる)であり、「何を選ぶか」より「何を捨てるか」が重要だと指摘される。選択に迷ったときには、「本当にやりたいこと」「やらなくて後悔しそうなこと」を優先すべきであり、他人の期待ではなく、自分自身の納得感を軸に行動することが奨励される。
第2章では仕事と人生の関係に焦点が当てられる。仕事は人生の一部に過ぎず、それ自体が目的ではない。人生を豊かにする「手段」としての仕事を、どのように選び、どう関わるかが問われている。「楽しさ」を重視する姿勢を勧めており、自分が楽しめる仕事こそが成果を生み出し、結果として他者への貢献にもつながるという好循環を生む。人生全体のバランスの中で、仕事の位置づけを冷静に見直す視点が必要である。
第3章では20代に向けたメッセージが語られる。この時期の最大の学びは「自立」であり、一人で完結できる仕事を身につけることが鍵となる。「やりたいことが見つからない」という悩みに対しては、そもそも「やりたいことは死ぬまで見つからない」と明快に答え、現時点での興味や相性を基準に選択すればよいと説く。また、思考力を鍛えることと、インプットをただ蓄積するのではなく、小さなアウトプットを積み上げる姿勢も重要視されている。
第4章では30~40代の働き方に注目する。この年代はマネジメントや組織運営に関わることが多くなるため、「人間のリアリティを知る」ことが必要不可欠である。人は基本的に怠け者であり、すべての部下が理想的に動くわけではないという前提に立ち、制度や仕組みによって行動を促す視点が求められる。また、過去の成功や得意領域に固執せず、変化に応じて柔軟に学び続けることもこの時期の課題である。
第5章では50代の働き方について論じられる。出口はこの年代を「遺書を書く世代」と位置づけ、自分の知識・経験を次世代に伝えること、そして社会へ還元する視点を強調する。また、新たな挑戦を始める時期としてもふさわしく、起業などに踏み出すことも推奨されている。その際には、情熱(好きという気持ち)と合理性(数字や論理)を両立させる必要があるとされ、「算数と熱意」のバランスが鍵になる。
終章では、これからの時代が年齢フリー社会へと進んでいくことが示唆される。人生100年時代においては、年齢によってキャリアを終える必要はなく、自身の経験や知見をどう活かすかが問われる時代である。働き方は一つではなく、変化に応じて柔軟に組み替えていく力が、これからの生存戦略となる。
本書は、年齢ごとに人生と仕事の意味を問い直しながら、自分なりの軸を持ち、行動することの大切さを教えている。働き方は「こうあるべき」ではなく、「どう生きたいか」から逆算して決めるべきものだという一貫したメッセージが通底している。そして、どの年代においても、思考を止めず、失敗を恐れず、楽しみながら行動することが、悔いのない人生につながっていくと述べている。 -
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思い込みではなく、ファクトに基づく思考力を身につけることを提唱する本。現在、思考停止状態の人が多くいることに警鐘を鳴らしいている。ファクト(情報)の取り方として、信頼性のある国際機関が出したIMFや OECDデータ(一時データ)を使用すると説明する点はそうだなと感じた。自分の適性がわからないまま死んでいく人が多いのだから、数字、ファクト、ロジックを松明にやりたいことを試す、目の前のやることを一生懸命やるべき、との言葉はその通りだと思うし、わたしは判断にロジックが抜けがちだからそこを強化しないといけないなと感じた。働き方改革を促し、その空いた時間で男女が飲み会などで出会う場になり婚姻率があがるというようなことを説明しているが、婚姻率が低いのはそんな単純な話ではないと感じた。
英語の必要性についても説明している。今後の業務に直接起因する可能性は低いが、グローバルな人材と働く可能性が高い中やはりTOEICは必要はな力だと感じた。日常生活でイエスノーゲーム(p146)を取り入れていきたいと思った。世の中の選択は全てトレードオフという考えはその通りと思うし、選択を後悔するようなことはしたくないと思った。インプット(本)の仕方について色々とオススメの本が載っていて参考になった。人間は基本的にそんなにかしこくない(ちょぼちょぼ)、だから仕組みづくりが大切だということも同感。
選択を後悔しないこと、失敗しても前向きに捉えること、どうせやるなら楽しむこと、ここらへんは自分でも無意識にもできてるなと感じた。
私に今必要なのは正しくインプットしそれをアウトプットする力!夫に語りかけてアウトプットさせる! -
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現在の世界情勢を知る上で必要な知識・背景を宗教を切り口にしてわかりやすく教えてくれる。
例えば、第2章 宗教がアメリカの政治で絶大な影響力を持つわけとは?で、
2023年10月にイスラエルを攻撃したハマス。積年の恨みが限界に達したこうした事象を紀元前597年に始まるバビロン捕囚からユダヤ人の歴史を紐解いてくれる。まさに「歴史」だ。
いつも思うのだが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であるエルサレム。この地帯は歴史的に地球上でも独特な磁力があるように思えてならない。遠く東洋の島国に育った日本人にとって、中東という空気を感じなければなかなかユダヤ教などの宗教の本質を理解することは難しいように思える。
第7章 中国共産党と儒教の関係とは?では、秦の始皇帝時代の「焚書坑儒」。これは、儒教をはじめとする諸子百家の書物が焼かれ、学者が迫害されたのだが、出口さんは、事実とは異なるのではないかと疑問を投げかけている。これは墨家を狙い撃ちにした反体制思想抹殺プロジェクトではないかと。
そういう見方もできるんだなあと面白く感じた。
2019年出版の出口さんの著書『哲学と宗教全史』と併せて読むことお勧め。 -
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この著者の本は最近何種類も発行されて、さすがに乱発しすぎじゃないのと思っていたが、とてもいい本でした。池上ナントカさんの本は企画者が適当に編集している感があるけれど、この本はこの著者の意見や発想が随所に出てきて、今までよくわからなかったことを丁寧に教えてくれる。たとえば「最後の審判」ってよくわからないし、なんでこんなこと信じているんだろうと不思議に思っていたのですが、ゾロアスター教まで遡ると全能の神がこの世界を造ったのになんで悪が蔓延るのか、その原点がわかります。神が造ったのだからはじめがあるし、終わりもある。終わるときには最後の審判が行われるんだという理屈らしい。この考え方に対し、インドで生まれた輪廻転生という考え方は、人は他の生物に生まれ変わって生きるということなので時間の経過が直線的ではなく、世界の終わりという発想もないということになる。世界に終わりがあるのだからそのときには審判があるのだということらしいのだ。
日本にいるとなぜこれほど宗教が影響力を持つのかわからないのだが、世界的に無宗教者は11億人しかいないのだ。そしてキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教以外の「その他の宗教」は世界に5,800万人しかいないというのだから驚いた。世界中の人々は殆どメジャーな宗教で色分けされているという事なのだ。やはり宗教がわからないと世界はわからないのだ。 -
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●2025年5月30日、チャットGPTに質問「あなたがすすめてくれたマキャベリズムの本だけど、同じタイトルないのよ?王様(男性向け)じゃなくて、私がめざしてるところに役立つ女王様向けの本は?」と話しかけてたら、「「どんなに偉い男でも『それがどうしたの?』で突き返せる強い女性」、「優秀な男たちが幕い、死後も花を捧げに来る ような人生」、「ホステス的ではなく、女王的」といった姿に近づくために、女性としての知性・戦略・威厳を養うのに役立つ本を選び直しました。以下にご提案いたします」といわれ、これらの本をおすすめされた。
『野心のすすめ』林真理子 (講談社)
・社会的成功と自己実現を、あくまで「女性の言葉」で語ったロングセラー。
・「好かれようとするな。尊敬される女になれ」という姿勢に通じます。
・あなたの"野心"を言語化し、自信へと昇華する一助に。
『女帝エカテリーナ』佐藤賢一 (文襲春秋)*小説
・ロシアの伝説的女帝、知性と愛と政治力で男たちを従わせた実在の女性。
・戦略家としても、恋愛面でも、非常にあなたの理想像に近いです。
・フィクションながら史実に忠実で、女王としての器を養う教養小説。
『なぜ女は男のように自信をもてないのか』カティ・ケイ&クレア・シップマン (講談社)
・男社会で「堂々とすること」が求められる場面に不安を感じる女性のための戦略本。
・自信を論理的に鍛えることが可能であるという視点は、まさにマキャベリズム的実践に通じます。
『ロジカル・シンキング for Women』出口治明 (PHP)
・「情緒的」であることを美徳とされがちな女性に、論理思考で"格上"を取る力を授けます。
・相手の権威や肩書にひるまず、「それがどうしたの?」と言える土台に。
▶こんな本存在してなくて出口治明のどの本と間違えたのか?とたずねたら「『本物の思考力』この書籍では、「数字・ファクト· ロ・ジック」を基にした思考法を提唱しており、論理的思考(ロジカル・シンキング)の重要性が強調されています。特に、先入観や固定観念にとらわれず、自らの頭で考える力を養うことの大切さが述ベられています。女性向けに特化した内容ではありませんが、性別を問わず論理的思考力を高めたい方にとって有益な一冊です。」
『クレオパトラーエジプト最後の女王』(ステイシー・シフ/白水社)
・実在した伝説の「女王」クレオパトラを、媚びではなく政治家・知識人として描いた名作。
・真の教養と威厳を備えた女性像に触れたい方におすすめ。
『Lean In (リーンイン) 一女性、仕事、リーダーへの意欲』(シェリル・サンドバーグ/村井章子) (日経ビジネス人文庫)
・Faceb0okのCO0であるシェリル・サンドバーグ氏が、女性がリーダーシップを発揮するための障壁と、それを乗り越える方法について述べています。「Lean In」というフレーズは、女性が積極的にキャリアを追求することを奨励するムーブメントとなりました。職場での性差別やバイアスに対処するための具体的な戦略が 紹介されています。 -
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やっぱり出口先生の歴史解説は、読みやすくて分かりやすい。転換点において日本史を形作った10人として、自分の知ってる歴史像と、これまでの出口先生の著書を合わせると、概ね予測通りのメンバーだったけど、「藤原良房」が入っていたのは、意外だった(藤原北家が摂関家として君臨する時代を開いた、という意味合いで取り上げられており、その時代の少し細かい事情まで知れて、面白かった)。
10人の選出の仕方として、世界的な広い視野・経済重視の姿勢・リーダーとしての手腕、の3つに重点を置いているのも、良いと思った。
信長が大量に茶器を買い漁ったのは、単に趣味や権威の誇示だと思っていたけど、マネーサプライ(通貨供給量)を考慮して、手元に溜まった金銀を世の中に放出することで市場を活性化させる意図があった可能性があり、戦国時代の日本でそこまでの経済感覚を持っていた事は、凄まじい事だと思った。
大久保利通について、「仕事の失敗ということがほとんどなく、これだけ有能な人は藤原不比等以来じゃないかと、ひそかに考えている」と評しており、出口さんにとって古代から明治まで(現代まで?)の政治家トップ2が、藤原不比等と大久保利通になるのも、新鮮だった(大久保は何となく分かるが、不比等がそこまで凄いのか…)。
最近読んだ「超凝縮 人類と経済学全体史」にも通じる事だが、歴史全体を通して見ると、交易を推進した方が栄えるんだと思う。特に日本においてだが、世界全体にも当てはまるのだろう。現在のトランプ米大統領の交易を抑制するやり方は、世界に対してもアメリカ自身に対しても益なき事と思うが、それに対して日本がどう振る舞うべきか。それでも日本はアメリカと友好を保つしかない状況と書いてあった。