伊岡瞬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ話が薄口なので半日で読めた。なんとなくレビューが書きにくくて溜めてしまった。時間を返してほしい作品
ふつうは先に読む解説も、のらなくて読むのが遅くなったが、杉江松恋さんの解説ならとページを開いたら 開口一番(??)こう来た
男は愚かである。
ある登場人物の言葉を借りれば「中年男の鈍感さは、それだけで犯罪」なのかもしれない。
と。
作品は確信犯なのか、実力なのか、レビューも迷う所だった。
製薬業界では大手の企業に勤めていたが、表沙汰になった得意先への贈賄の罪をなすり付けられた。品行の悪い会長の息子である常務の甘言に騙され、短期の約束で東北に飛ばされた。地方の系列企業で、いわば置き薬屋だった。
今時子供だましのプレゼントをつけても、近郊型の大手薬チェーンの陰で経営はじり貧状態。毎日ノルマ解消の家庭訪問で泣き落とし作戦も成績は最低。上司は地方の店を預かるひがみもあってじわじわと皮肉る。
それでも家族のためと歯を食いしばり、一年か半年で呼び戻されると耐えている、実に愚かな世間知らずの男。
こういう貶められるケースは、上手く書き込めば半沢直樹風にカタルシスを感じるところで拍手なのだが。
彼も花の時代があり周りで美人といわれる同期の女性と結婚した。女好きの常務が目をつけていたとも知らず。
気立てのいい妻は今では認知症が進んだ母親を介護してくれている。
その妻から、家計の都合もあるし無理をして帰省しなくてもいいと言って来た。娘の合格祝いに帰っても、床で手を伸ばすと邪険に跳ね返された。妻の態度に習ったように娘までよそよそしくなった。
突然メールが来た。内容が意味不明でどうにも腑に落ちない。警察に行くと書いてあった。
驚いて帰省してみると、家の周りは物々しく警察官が取り巻き、事件調査中で入れない、妻に面会もできない。聞くところ妻は殺人の疑いで拘留されているらしい。その上覚悟の犯行で罪を認めているそうだ。
最短でも起訴までは接見はできないでしょう。あまり動くと殺人教唆を疑われますよ。
なぜ、誰を殺したのか。腑に落ちないがどうしようもない。
近所に住む姉の優子が何くれとなく面倒を見てくれる。彼女は一段と美人で独身。相談相手にもなる。
娘から妻の妊娠を知らされる。
優子に確かめると常務の子らしい。それをこっそり処理したようだ。慌てて産婦人科医院を訪ねてみる。詳細は教えられないがというが写真を見せると、その人だったようだという。
こんなことになったのは自分のせいだろうか。殺人まで。
しかし妻を支えられるのは自分だけだ。
ところが認知症の母が「私が殴って殺した」と言い出す。
裁判の傍聴中に娘までが「私が殴りました」と叫ぶ。
本庁から応援に来ていた刑事が、「奥さんはまだ重荷を下ろしてませんね」などと意味深なことを言う。
(ちょっと顔を出すこの真壁という刑事は他のシリーズでいい仕事をしているらしい)
だから最後までちょこちょこ顔を出していいことをいうのね、ダメ男を鼓舞するような。ここで彼に一票。
話は浅瀬を歩いているように、薄い伏線と混乱の極みで、時間が過ぎ…。ついに彼は家族のために知恵を絞り行動に移すのです。窮すれば通ず(今時流行らないかもこの一言)
認知症の母はまた頭が混乱し、娘の叫びは傍聴人の興奮したヤジだと弁護士は軽く受け止めているが。
なにもかもさらさらと進んで、実はという結果になって終わる。努力が実を結ぶのか。
家族のためにと耐えている男の悲しさを前面に出してはいるが、今時のミステリは暴力的なまで活躍する主人公が多いだけに軽くみえるので、これが現実に近いのかもしれない。しかし作り話は派手な方が身が入る。
登場人物は何かありそうでいて、いつかそれなりに表から消え。最後になってそういうことだったんですと罪を認める。
読みが浅かったのかもしれないが。なんだやはりそういうことだったのか、と軽い読後感だった。 -
Posted by ブクログ
四十七歳になる大槻敏明は妻の香苗と反抗期の息子の幹人の三人で東京の西の外れにある団地に住んでいた。
同じ市内には八十歳になる父親の武が一人で暮らしていた。
大槻家は旧家で 武は校長職を経て教職を退いた後 市民講座で講師をつとめる地元の名士だった。
もともと頑迷な性格だった武に半年ほど前から“ある症状”が現れだした。
武の車に傷が増え、敏明が免許返納を勧めているなか近隣で轢き逃げ事件が発生した──。
高齢者の免許返納問題を主軸としたサスペンス。
西尾千代子の一件は本当にこんなこと可能かなぁ〜 と思いながら夢中になって読んでしまった。
読み終えて思ったのは、認知機能が衰えて それを自覚して備忘録ノートまでつけていた武には息子の敏明のことがちゃんと見えていたのに、敏明は息子の幹人のことを全く見ようともしなかったということ。
武の事件は確かに大きなきっかけだったのかもしれないが、ひとつのきっかけに過ぎなかったと思う。
事件後 敏明のおかれた境遇は多少同情の余地はあるけど 自業自得だったんじゃないかな。
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Posted by ブクログ
ずいぶん前にドラマで代償を観た時の記憶は、あまりにも嫌なイメージで、最後の最後まで辛くて、終わってもすっきりしない感じがしていたような。だから、Audibleでオススメに出てきても、ずっとスルーしていたのだけれど、「痣」が面白かったし、伊岡瞬さんの代表作っと書かれているし、再びチャレンジしてしまった。
半分以上、やっぱりやめとけばよかったと思い続け、やはりイメージ通りの終わり方をするのかと思ったら、ドラマの記憶違いなのか、ドラマと原作が違ったのかは定かではないが、いい終わり方だった。
あの心がぐちゃぐちゃにされるイメージのまま終わらなくてよかった。「代償」にふさわしい終わり方でよかった。 -
Posted by ブクログ
犯人はクズ!
表題の「仮面」通り、それぞれの登場人物の仮面、その真相という物語です。
登場人物ごとに章立てされていて、ストーリが語られていきます。
本作では、「読字障害=ディスクレシア」という障害が出てきます。
初めて知りました。
そんな障害(本書の中では特性)をもち、アメリカ留学後、作家・評論家として活躍中の三条。
その三条がTV出演するときに一緒にカンペの内容を伝える早希。
三条のマネージャのような役割の久保川。
カンペ読んで、伝えるためだけに女性って必要?
イヤフォンで伝えればいいんじゃないの?
って思いますが、とりあえず、その設定は受けいれて...
しかし、TVの世界の中で、ついこの間リアルに事件になった内容が思い出されます。
そんなか、様々な女性たちが登場しますが、まともな女生徒は思えない。その女性たちが殺害されたり行方不明になったり..
これまた、どういうことになっていくの?
って思っていたら、ようやく後半に全体像が分かってきました。
そんな事件を追う女性刑事の小野田、その部下の宮下。
小野田の行動もちょっと違和感あって、読み進めていくと、ようやく最後の最後でそうなのね!!って納得しました。
しかし、犯人はクズ中のクズって感じ(笑)
急に描かれる犯人側のストーリと人物描写は、いきなりで違和感ありました。
まさに帯にコメントされている「衝撃の怪物」
最後の最後で救われた物語でした。 -
Posted by ブクログ
序盤はとんでもない胸糞なので要注意。
展開がしんどすぎて火事くらいで読み進めるか考え、一旦手を止めた。結局、このまま終わる方が気持ちが暗くなりそうだから、物語が好転するまで読むことに。予想以上にまだまだ地獄の状況になってメンタルが燃え尽きる。でも、逆に何としてもスッキリする展開が見たくて、そこからノンストップで読み切った。
虐待や性加害など達也に同情できる要素があるのに、全く同情できないほど非道。すでに今世だけでは償いきれない代償を背負ってると思う。
夢中で読んだのに、面白いの一言では表せない作品。まだ重さを引きづってるから、次は優しい作品を読んで気持ちを浄化したい。