伊岡瞬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初見の作家さん。
読み始めは主人公がなかなかのクズっぷりを発揮してくれてまして、
面白いのかなコレ・・・と思いながら読んでました。
もう一人の主人公が現れてからもよくわからないままで、
何の話かと思ってたのですが主人公たちが交錯しだしてから、
だんだん読みやすくなってきましたね。
ファンタジーなのかなんなのかわからないままではありますが、
人物がよくかかれててよかったです。
そして一見いい人そうな人間がなかなか醜悪なのですが、
そういう人物ほどこの作家さんは書くのがうまいですね。
で、最後まで読んだわけですが、これはファンタジーなのかSFなのか・・・!?
なんと言えばいいのやら…(笑)
読者にゆだねられた形になってまして、
人によってどうとでも捉えられるようなラストになってました。
この本は実は選択によって様々な世界線があって、
私が読んだのは、いわば不幸編。
そして最後に見せられたのは不幸編とは違う選択をした場合の
幸福編の一旦だと私は解釈しました。
だって明確に都合よくタイムリープしたようには
書かれてませんもの。
面白かったー!!って作品ではありませんが、
考えさせられることもある作品です。
この作家さん実はミステリーの方がお得意らしいので、
またそちらも手に取ってみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幸田陽介
第一志望の大学に合格。ホームセンター『ルソラル』でアルバイトをしている。
堀部一平
陽介とは中学時代からの友人。ホームセンター『ルソラル』でアルバイトをしている。浪人生。
葛城直之
ルソラルの園芸売り場担当。六十七歳。胃けいれんでバイト先で倒れた。ひこばえ荘一〇三号室。妻は二年ほど前に、全身に転移したがんで死亡した。元弁護士。
添野聡子
ルソラルのチーフマネージャーの一人。
衣田晴子
葛城の隣人。色白で、目や鼻や口がどれも小ぶりな造り。和風ラテン系。
天野夏樹
葛城の隣人。三十歳くらい。肩より少し長めの髪を、無造作にポニーテールにまとめたいる。猫を連想させる目が印象的。美貌の暗殺者というイメージ。
香山多恵
葛城の隣人。ショートボブほどの長さの髪。怯えた草食動物を連想させる顔立ち。二十歳。
冬馬
小学五年生。
吉井恭一
政治家の息子。黎明レジデンスとああ、不動産の開発販売を行うか会社に籍を置いている。大手デベロッパー、黎明不動産の子会社。
中西広菜
私大の三年生。恭一の勤め先が開いたパーティーに、コンパニオンとして派遣されて知り合った。
北川芽美子
恭一の勤め先が開いたパーティーに、コンパニオンとして派遣されて知り合った。
吉井正隆
恭一の父。衆議院議員。旧通産省、現経産省のキャリア出身で、連続当選六回を数え、党三役はもちろん経産大臣の経歴もある政界の実力者。地盤は奈良県。
堀部克己
一平の父。都庁の都市開発整備課課長。
堀部久子
一平の母。
森田
ルソラルの男性社員。
春山塊太
正隆の講演会長。森林地帯が広がる広大な中南部一帯を本拠地にして、林業、建設業から不動産まで手を広げている『春山綜合開発』の会長。
志津子
正隆の妻で恭一にとっての母親。
敏嗣
三歳離れた恭一の弟。三歳のときに、自宅の庭に置いたビニールなプールで遊んでいて、母親がわずかに目を離したすきに、敏嗣は溺れて死んでしまった。
丸山果歩
クラブで働く。
古賀成昌
『古賀内科医院』の医院長。葛城とは高校時代からの友人。
堂原賢吉
吉井正隆が旧通産省のキャリアの椅子を捨て、秘書に就いた大物議員。
堂原保雄
賢吉の秘書。賢吉の歳の離れた弟の次男で、当時二十三歳だった。
須賀圭一
佐藤探偵事務所。元警視庁特殊部隊のエリート。
石川
須賀の相棒でもあり部下でもある。元警察。
川内
経産省の政務官。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ話が薄口なので半日で読めた。なんとなくレビューが書きにくくて溜めてしまった。時間を返してほしい作品
ふつうは先に読む解説も、のらなくて読むのが遅くなったが、杉江松恋さんの解説ならとページを開いたら 開口一番(??)こう来た
男は愚かである。
ある登場人物の言葉を借りれば「中年男の鈍感さは、それだけで犯罪」なのかもしれない。
と。
作品は確信犯なのか、実力なのか、レビューも迷う所だった。
製薬業界では大手の企業に勤めていたが、表沙汰になった得意先への贈賄の罪をなすり付けられた。品行の悪い会長の息子である常務の甘言に騙され、短期の約束で東北に飛ばされた。地方の系列企業で、いわば置き薬屋だった。
今時子供だましのプレゼントをつけても、近郊型の大手薬チェーンの陰で経営はじり貧状態。毎日ノルマ解消の家庭訪問で泣き落とし作戦も成績は最低。上司は地方の店を預かるひがみもあってじわじわと皮肉る。
それでも家族のためと歯を食いしばり、一年か半年で呼び戻されると耐えている、実に愚かな世間知らずの男。
こういう貶められるケースは、上手く書き込めば半沢直樹風にカタルシスを感じるところで拍手なのだが。
彼も花の時代があり周りで美人といわれる同期の女性と結婚した。女好きの常務が目をつけていたとも知らず。
気立てのいい妻は今では認知症が進んだ母親を介護してくれている。
その妻から、家計の都合もあるし無理をして帰省しなくてもいいと言って来た。娘の合格祝いに帰っても、床で手を伸ばすと邪険に跳ね返された。妻の態度に習ったように娘までよそよそしくなった。
突然メールが来た。内容が意味不明でどうにも腑に落ちない。警察に行くと書いてあった。
驚いて帰省してみると、家の周りは物々しく警察官が取り巻き、事件調査中で入れない、妻に面会もできない。聞くところ妻は殺人の疑いで拘留されているらしい。その上覚悟の犯行で罪を認めているそうだ。
最短でも起訴までは接見はできないでしょう。あまり動くと殺人教唆を疑われますよ。
なぜ、誰を殺したのか。腑に落ちないがどうしようもない。
近所に住む姉の優子が何くれとなく面倒を見てくれる。彼女は一段と美人で独身。相談相手にもなる。
娘から妻の妊娠を知らされる。
優子に確かめると常務の子らしい。それをこっそり処理したようだ。慌てて産婦人科医院を訪ねてみる。詳細は教えられないがというが写真を見せると、その人だったようだという。
こんなことになったのは自分のせいだろうか。殺人まで。
しかし妻を支えられるのは自分だけだ。
ところが認知症の母が「私が殴って殺した」と言い出す。
裁判の傍聴中に娘までが「私が殴りました」と叫ぶ。
本庁から応援に来ていた刑事が、「奥さんはまだ重荷を下ろしてませんね」などと意味深なことを言う。
(ちょっと顔を出すこの真壁という刑事は他のシリーズでいい仕事をしているらしい)
だから最後までちょこちょこ顔を出していいことをいうのね、ダメ男を鼓舞するような。ここで彼に一票。
話は浅瀬を歩いているように、薄い伏線と混乱の極みで、時間が過ぎ…。ついに彼は家族のために知恵を絞り行動に移すのです。窮すれば通ず(今時流行らないかもこの一言)
認知症の母はまた頭が混乱し、娘の叫びは傍聴人の興奮したヤジだと弁護士は軽く受け止めているが。
なにもかもさらさらと進んで、実はという結果になって終わる。努力が実を結ぶのか。
家族のためにと耐えている男の悲しさを前面に出してはいるが、今時のミステリは暴力的なまで活躍する主人公が多いだけに軽くみえるので、これが現実に近いのかもしれない。しかし作り話は派手な方が身が入る。
登場人物は何かありそうでいて、いつかそれなりに表から消え。最後になってそういうことだったんですと罪を認める。
読みが浅かったのかもしれないが。なんだやはりそういうことだったのか、と軽い読後感だった。 -
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四十七歳になる大槻敏明は妻の香苗と反抗期の息子の幹人の三人で東京の西の外れにある団地に住んでいた。
同じ市内には八十歳になる父親の武が一人で暮らしていた。
大槻家は旧家で 武は校長職を経て教職を退いた後 市民講座で講師をつとめる地元の名士だった。
もともと頑迷な性格だった武に半年ほど前から“ある症状”が現れだした。
武の車に傷が増え、敏明が免許返納を勧めているなか近隣で轢き逃げ事件が発生した──。
高齢者の免許返納問題を主軸としたサスペンス。
西尾千代子の一件は本当にこんなこと可能かなぁ〜 と思いながら夢中になって読んでしまった。
読み終えて思ったのは、認知機能が衰えて それを自覚して備忘録ノートまでつけていた武には息子の敏明のことがちゃんと見えていたのに、敏明は息子の幹人のことを全く見ようともしなかったということ。
武の事件は確かに大きなきっかけだったのかもしれないが、ひとつのきっかけに過ぎなかったと思う。
事件後 敏明のおかれた境遇は多少同情の余地はあるけど 自業自得だったんじゃないかな。
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ずいぶん前にドラマで代償を観た時の記憶は、あまりにも嫌なイメージで、最後の最後まで辛くて、終わってもすっきりしない感じがしていたような。だから、Audibleでオススメに出てきても、ずっとスルーしていたのだけれど、「痣」が面白かったし、伊岡瞬さんの代表作っと書かれているし、再びチャレンジしてしまった。
半分以上、やっぱりやめとけばよかったと思い続け、やはりイメージ通りの終わり方をするのかと思ったら、ドラマの記憶違いなのか、ドラマと原作が違ったのかは定かではないが、いい終わり方だった。
あの心がぐちゃぐちゃにされるイメージのまま終わらなくてよかった。「代償」にふさわしい終わり方でよかった。 -
Posted by ブクログ
犯人はクズ!
表題の「仮面」通り、それぞれの登場人物の仮面、その真相という物語です。
登場人物ごとに章立てされていて、ストーリが語られていきます。
本作では、「読字障害=ディスクレシア」という障害が出てきます。
初めて知りました。
そんな障害(本書の中では特性)をもち、アメリカ留学後、作家・評論家として活躍中の三条。
その三条がTV出演するときに一緒にカンペの内容を伝える早希。
三条のマネージャのような役割の久保川。
カンペ読んで、伝えるためだけに女性って必要?
イヤフォンで伝えればいいんじゃないの?
って思いますが、とりあえず、その設定は受けいれて...
しかし、TVの世界の中で、ついこの間リアルに事件になった内容が思い出されます。
そんなか、様々な女性たちが登場しますが、まともな女生徒は思えない。その女性たちが殺害されたり行方不明になったり..
これまた、どういうことになっていくの?
って思っていたら、ようやく後半に全体像が分かってきました。
そんな事件を追う女性刑事の小野田、その部下の宮下。
小野田の行動もちょっと違和感あって、読み進めていくと、ようやく最後の最後でそうなのね!!って納得しました。
しかし、犯人はクズ中のクズって感じ(笑)
急に描かれる犯人側のストーリと人物描写は、いきなりで違和感ありました。
まさに帯にコメントされている「衝撃の怪物」
最後の最後で救われた物語でした。 -
Posted by ブクログ
序盤はとんでもない胸糞なので要注意。
展開がしんどすぎて火事くらいで読み進めるか考え、一旦手を止めた。結局、このまま終わる方が気持ちが暗くなりそうだから、物語が好転するまで読むことに。予想以上にまだまだ地獄の状況になってメンタルが燃え尽きる。でも、逆に何としてもスッキリする展開が見たくて、そこからノンストップで読み切った。
虐待や性加害など達也に同情できる要素があるのに、全く同情できないほど非道。すでに今世だけでは償いきれない代償を背負ってると思う。
夢中で読んだのに、面白いの一言では表せない作品。まだ重さを引きづってるから、次は優しい作品を読んで気持ちを浄化したい。