レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
五人の児童文学作家の届ける、競作リレー小説です。
この本屋さんにやってくる人たちには共通点があります。
「ぎりぎり」
どの人もみんな「ぎりぎり」状態のせっぱつまった人ばかり。
店員は小学五年生くらいにみえるけど「300年くらいやってます」と
...続きを読む笑って答える男の子。
ごく普通の子どもの世界だけど、ちょっと異世界ファンタジー的な要素があります。
そして、各お話の作家さんは違いますが、全部ひとつづきのお話です。
小学五年生だけど、初恋あり、友情あり、いじめあり、別れあり。
最後の『桜の守の狐』に出てくるこりんに、健介くんは、もう一度会えたのかが気になりました。
以下プロローグより抜粋
この本屋のことなら町のほとんどの人は知っていることでしょう。ずっとずっと前からここにあるお店ですから。でも実際に中に入ったことのある人は少ないはず。みんな通りすがりにちらっと見るのがせいぜいです。
それなのになぜかつぶれない。崖っぷちまで追いつめられながらも、ぎりぎりのところで、踏ん張りつづけている。そんな本屋です。
だからでしょうか。ここに来るお客さんはいろいろとわけありの人ばかり。だからぼくもね、一人一人にあわせて、きちんと対応しなくてはならないわけです。
お葬式に行く人には減災の本をすすめたり、無理をして自分を見失いかけている人には、ちょっと危険だけどためになる本を渡したり。せっぱつまっている人にはもちろんおトイレだって貸してあげます。
え?ぼくは誰かって?
それはまあ、今はどうでもいいことです。
とにかく、入っていらっしゃい。
本屋は今日も開店中です。