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Posted by ブクログ
さて、ここまでで沙維・江南・巨山、それぞれの国の事情が分かったところで第4巻に入る。
そこで本作では、江南が未曽有の大嵐に見舞われ、その復興を巡って色々な思惑が交錯する。
図らずも江南の王宮に、クワン王子はもとより、その妹リアン王女を訪ねたソニン、江南の状況を確認する役割になったイウォル王子、巨山からの使者イェラ王女が勢揃い。
クワン王子vsイェラ王女はまさに竜虎相打つ(本の中では虎と狼だが…)。
どちらも国を思い民を護らんとする気持ちは強く、しかし立場は異なるが故のぶつかり合いだけに、なかなかの見物だが、事情は違えど身を置く立ち位置や複雑な心境は似た者同士ってところがミソ。
間に立つソニンとイウォル王子も含めて駆け引きの中で4人の心が動いていく様が今回の読みどころになって、早く彼らの時代になり3つの国が仲良く発展していくようになったら良いと思わせた。
Posted by ブクログ
やっと四巻が文庫に!早速購入して、すぐ読みました。
いよいよ三人の王子と姫が出会って、ソニンとともに江南に集いました。
イェラは、前回ソニンに出会って、色々思い切ることができたようで、一皮剥けた感じですね。柔軟になりました。
その反面、クワンはイェラに対しては同族嫌悪もあるのか、キーキーしてますな…嫌悪感むき出しで子供みたいですな。
ぶっちゃけイウォルが空気すぎで哀れです。イェラとクワンが全部持ってっちゃう人なので、仕方ないですが…。
私がソニンなら、断然イェラにくっついてくと思うのだけど…。彼女の器はでかすぎる。三人の中ではダントツで一番大器ですよ。三国統一しても驚きませんよ。
でも、そんなイェラもクワンも、イウォルは言うも及ばずですが、ソニンに影響を受けてるよねぇ。巫女として12年下界に触れなかったからか、彼女は本当に真っさらで、どんなことにも、なぜ?どうして?と疑問を投げかける。それが、そんなこと当たり前だと諦めていた心に、一石投じるのだと思います。
凝り固まった権勢欲の世界で生きてきた三人にとっては、ソニンはとても眩しい存在なのではないかな。だから、みんな彼女が欲しくなるのでしょう。
次は本編の最終巻かな。あとは外伝が2冊ですか。楽しみですね。早く文庫になってー。
Posted by ブクログ
この第4作は秀逸でした。
イウォル、クワン、イェラ。
三つの国の命運を握るこの3人が
初めて一堂に会し、三国の未来を
決めてしまいかねない大事を
収めてしまう。それぞれの正しさと
それぞれの欲望の狭間で揺れながらも。
彼らの心を救った者はやはり、ソニン。
策謀を自ら引き上げて戻ったイェラは
父王に問い詰められる。
「お前はあの娘といると自分らしくない
行動をとる。あの娘が持つ、おまえや
わたしにはないものとは何だ?」
イェラは
『ソニンには確かに何かがある。しかし
それは何なのかわからない…』
と逡巡する。
ソニンが天山の巫女であったことの
重要な意味が、わかったような気がする。
ソニンは何かを持っているのではない。
欲望を持たないのだ。
欲望は時に人の感情にさざ波を立て
さらに大波となって自らを翻弄しさえする。
ソニンにはそれがない。だから彼女の
判断はいつもその時に応じて
最良のものになる。しかもそれは
人間として生まれ、王族として生き、
多くの人々の欲望にまみれた生き様に
触れ続けてきた3人には決して
たどり着けない判断なのだろう。
真の聡明さ。
欲望に裏打ちされることのない判断が
できるとしたら、ソニンが持つものを
言葉にすればそれなのかもしれない。
感情も欲望も持つことは許されず
夢見に正しい判断を下すために
膨大な知識をおさめた天山の巫女。
ソニンが天山で過ごした12年は
下界で生きる者には計り知れないほどの
尊い時間なのかもしれない。
だからこそこの第4作は読み落とせない。
なぜならソニンは人間として成長を始め
今は「自分の幸せ」は何かを探し始めている。
私が「不吉な伏線」だと思っていた、
下界に戻されたもう1人の天山の巫女レンヒは
実はソニンが欲望や感情をその心に育みつつも
聡明な判断を見失わないために、
なくてはならない存在…ソニンの
鏡なのかもしれない。
いよいよ第5作。
この物語を読み始めてよかった。
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