菅野雪虫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「チポロ」でのヤイレスーホが不憫に思えたので、彼が救われる物語かと思った。
仲良しこよしにはなれなくとも、チポロやイレシュと普通に会話できるくらいの間柄にはなっていてほしいと思っていた。
だがそれはあいつも悪気がなかったんだから許してやれよ、と関係のない第三者が被害者に向かって言うのと同じことだ。
一度異端になった者は狭い村には完全に溶け込めなくなるし、残された家族も深い傷を負う。
イレシュが連れ去られた3年間はなかったことにはならないし、帰ってきたからといって元のままに戻ることなどできない。
納得できず、楽しめず、前に進めない出来事が起こった者はそれを片付けるしかない。そう言ったチポロ -
Posted by ブクログ
ネタバレ力も弱く、狩りも上手ではなかった少年チポロが連れ去られた幼馴染の女の子を探すために強くなり、旅に出る物語。
アイヌ神話をモチーフに、人間が大好きな神様や失望した神様も出てくる。
旅の道連れになった小さな神様の「いつも大きくて強くてなにかをほどこし助けてくれる、そんな神様ばっかり望んでる」というセリフにドキッとした。
神様が与え恵んでくれるのをいいことに努力を怠り恵みばかりを期待するようになる。
人間を嫌いになる神様はそこに絶望するのだろうし、そういった人間を含めて愛しいと思い寄り添ってくれる神様もいる。
少年が勇気を出し成長し、いろいろな人の助けを借りながら大切な女の子を取り戻そうと旅をす -
Posted by ブクログ
アイヌに伝わる神話をもとにしたファンタジー。おばあちゃんと二人暮らし、ちいさくて狩りがへたくそだったチポロが、魔物にさらわれた幼なじみを助けるべく旅にでる。
こんなにやさしい文章で、これだけの世界観を描けるってすごいと思う。最初に国のはじまりの神話があり、それからチポロの旅がはじまってゆく。物語がすすむにつれて、神話とチポロの旅がだんだんリンクしてくる。自然のなかに神々があたりまえのように存在する世界。神さまという存在が身近に感じられる。冒頭で初めてツルを仕留めてから、どんどんたくましくなっていくチポロの成長がうれしい。アイヌの空気を感じられる物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのシリーズは
天山の巫女だったソニンが
多くの人との関わりの中で
自分になかったものを
どんどん吸収して成長しながらも
彼女の芯にある無私の純粋さは
失われないところが魅力だ。
少女の成長物語であり
平易な言葉遣いはまさしく
児童文学なのだが。
興味深いのは
心の中の言葉が
ほとんど余すところなく
書き尽くされているところ。
ソニンの内面の成長の過程が
手に取るように分かる。
閑話休題。
この物語も
中盤に差し掛かっているが
第1作からずっと不吉な伏線が
あちこちに顔を出してくる。
天山の巫女…というタイトルの
本当の意味が、いずれ明らかに
なる時が来るのかもしれない。
読みや -
Posted by ブクログ
今年はいいファンタジーに
たくさん巡り会えています。
この作品も素晴らしかった。
息をつく間もなく読み終えました。
ソニンは特別な人間です。
おおよそ普通の人間には
手も届かぬほどの清廉な人間です。
それは天山が与えたものでも
下界で育まれたものでもない。
彼女を愛した家族と友だちが
彼女の優しさと強さと清らかさを
彼女のものにしたのです。
ソニンのような清廉さに触れた
普通の人間たちは 善か悪か必ずどちらかに
振り分けられてしまうことでしょう。
さながら最後の審判のように。
さらりと物語に溶け込めました。
こんなにすんなりとこの物語が
大好きになれたことに驚いています。 -
Posted by ブクログ
これで一応本編は終わり。外伝も楽しみだなぁー。
相変わらずイェラがイケメンすぎて、他の空気感!!←
でも、最初の頃に比べて、イウォル王子、かっこ良くなりましたね。
手も足も大事にしてください。そこに恋心はないのか!!←
解説読んでて気づいたんですが、この本はファンタジーとしては、毛色が変わってるんですね。
なにせ、ソニンは「落ちこぼれ」として、天山から…きつい言い方すれば、放逐されてるわけですから、よくあるファンタジーの…あなたは伝説の魔法使いなのです!生き残った男○子万歳!…とかではないですよね。
ま、元気出せよ、人生天山ばかりじゃねぇよ、世界でたった12人しかなれない、エリート中のエリート -
Posted by ブクログ
ネタバレ祖母と二人暮らしの貧しい家の子チポロは、ある日見事な鶴を射止めます。その事から自信をつけた彼は、諦めることなく努力や工夫をするようになります。
ある日チポロは、村を訪ねてきた、人間に近い神シカマ・カムイから、魔物の襲来に気をつけるように言われます。だが、魔物が現れた時、チポロから教えられた呪文を唱えた友だちのイレシュはさらわれていきました。
チポロはイレシュを連れ戻すために、力を蓄え、魔物がいると言われる北の港を目指すのでした。
国造りの神兄弟の弟とアカダモの女神チキサニとの間の男児オキクルミ。そのオキクルミと妹と、人間たちとの関わりの中から生まれた冒険話。
ストーリーはとても面白く