菅野雪虫のレビュー一覧
-
巫女失格と里に帰されたソニンは、口のきけぬ王子の声を聞き侍女として城に赴く。
巫女や夢見というファンタジー要素と、宮廷の陰謀や戦争という生々しい出来事との融合が面白い。
純粋で真っ直ぐだけど、世界の暗部の陰りもある物語に惹かれる。Posted by ブクログ -
まず、夢見の力というのが限定的な力なのがちょうどいいものでした。未来を見通すのではなく、夢で魂を飛ばしてある場所のことを視る。ただそれだけなのです。でも、それはどういう状態だったのか、何がおこっていたのか、場所はどこなのか。というのを知識でもって判断し伝えるということを巫女は行っているというとこです...続きを読むPosted by ブクログ
-
『天山の巫女ソニン』シリーズ最終巻。巨山国と江南国の同盟、巨山から沙維国への侵攻、そして三国の和平までが描かれ、未来への仄かな希望を見せて物は閉じる。
一番大切なのは「夢見であれ現実であれ、自分の目でしっかり観察することと、自分で考えることです。それはどこの国であろうと、いかなる世界であろうと変わ...続きを読むPosted by ブクログ -
『天山の巫女ソニン』第4巻。
舞台は江南国。沙維、江南、巨山の微妙な緊張関係が、経済問題と災害からの復興を下敷きにして緻密に、しかし分かりやすく描かれていて読み応えがある。
ソニンとイウォル王子だけでなく、江南国のクワン王子と巨山国のイェラ王女という食えないふたりに関しても、成長が丁寧に描かれていて...続きを読むPosted by ブクログ -
『天山の巫女ソニン』第3巻。
舞台は巨山国へ。3巻かけて、物語世界における三国を回りきったことになり、主要な人物も出揃った印象。
今巻では、それぞれに成長の途上にあるソニンとイウォル王子が、お互いの内面に踏み込んでいく場面もあり、丁寧な描写に説得力を感じさせられる。それだけに、各巻が短いのが残念で、...続きを読むPosted by ブクログ -
『天山の巫女ソニン』第2巻。
舞台は沙維国を離れ、江南国へ。物語世界が広がり、ますます今後が楽しみ。
ソニンは生きる道を自ら選び始め、イウォル王子は他者を知ろうとすることをおぼえるなど、登場人物たちの成長が垣間見えるから読後感も爽やか。Posted by ブクログ -
俗世を離れて夢見を行う天山の巫女、燕に入り込む魂や、それを呼び戻す香など、象徴的な人物や物事が、穏やかな語り口で、しかし決して平板ではなく語られる。
初めて読むのになぜか懐かしいような、古き良き児童文学の香りがどことなく漂う、良質なファンタジー小説。Posted by ブクログ -
読みやすい文章ですが、深かった。ソニンの行動には心が洗われました。クワン王子がかっこよくてびっくり。彼の活躍もまた楽しみです。すごく良かった。Posted by ブクログ
-
さて、いよいよ最終巻に入る。
この間、イェラ王女は江南へ3度目の訪問を果たし、巨山と江南は急速に接近。沙維だけが蚊帳の外という状況の中、遂にイェラ王女が沙維へ訪れることになるという発端。
そして巨山の侵攻から収束までスピーディーで怒涛の展開は、あっという間に読み終えた(こんなに面白いのに、勿体な~い...続きを読むPosted by ブクログ