菅野雪虫のレビュー一覧

  • ぎりぎりの本屋さん

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    レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    五人の児童文学作家の届ける、競作リレー小説です。

    この本屋さんにやってくる人たちには共通点があります。
    「ぎりぎり」
    どの人もみんな「ぎりぎり」状態のせっぱつまった人ばかり。
    店員は小学五年生くらいにみえるけど「300年くらいやってます」と笑って答える男の子。

    ごく普通の子どもの世界だけど、ちょっと異世界ファンタジー的な要素があります。
    そして、各お話の作家さんは違いますが、全部ひとつづきのお話です。
    小学五年生だけど、初恋あり、友情あり、いじめあり、別れあり。

    最後の『桜の守の狐』に出てくるこりんに、健介くんは、もう一度会えたの

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    2020年11月18日
  • アトリと五人の王

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    ソニンと同じく、賢く思慮深い女の子の物語。雪虫さんの描く賢くやさしく平らかな目を持つ女の子は大好きです。

    東琴の第一王女アトリは、第一王女でありながら城で虐げられて暮らしていました。
    まともな教育を受けることすらなく、人との関わりもほとんどなかったために言葉を発することもなく内気に育ちます。
    厄介払いのごとく、僻地の領主でありながら病床にある「月王」のもとへ弱冠9歳で嫁がされることになりますが、その「月王」との出会いがこれからのアトリを大きく変えるのでした。

    「月王」によって"知識"と"常識"と"愛情"を与えられ、人間として大きく

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    2020年11月19日
  • ぐるぐるの図書室

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    「ぎりぎりの本屋さん」がおもしろかったのでこちらも読んでみた。司書さんのキャラクターが思っていたより冷たい(そっけない?)感じだった。
    工藤さんの『時のラビリンス』と濱野さんの『秘境ループ』が好きだった。好きな男の子に誕生日プレゼントを渡すために何度も昨日をやり直す、便利だけど時は戻れないからこそ大切なんだよな〜と思った。秘境ループの2人のやりとりはほほえましかったけど、最後は少し切なかった。
    登場人物がリンクしてるのもおもしろいし、舞台は同じなのに作家さんがちがうから雰囲気も変わって良い。

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    2020年07月05日
  • 天山の巫女ソニン(4) 夢の白鷺

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    さて、ここまでで沙維・江南・巨山、それぞれの国の事情が分かったところで第4巻に入る。

    そこで本作では、江南が未曽有の大嵐に見舞われ、その復興を巡って色々な思惑が交錯する。
    図らずも江南の王宮に、クワン王子はもとより、その妹リアン王女を訪ねたソニン、江南の状況を確認する役割になったイウォル王子、巨山からの使者イェラ王女が勢揃い。
    クワン王子vsイェラ王女はまさに竜虎相打つ(本の中では虎と狼だが…)。
    どちらも国を思い民を護らんとする気持ちは強く、しかし立場は異なるが故のぶつかり合いだけに、なかなかの見物だが、事情は違えど身を置く立ち位置や複雑な心境は似た者同士ってところがミソ。
    間に立つソニン

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    2020年06月13日
  • アトリと五人の王

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    知識、常識、愛情、何も持っていなかった幼い姫が
    それらを得て、世界を知り、成長してゆく物語。

    ちょいちょい泣いちゃったので、涙もろい人は
    外で読まないほうがいいです☆

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    2020年04月10日
  • 女王さまがおまちかね

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    本好きにはたまらない物語でした。書きたいけど書けない苦しみとか向き不向きとか描かれているのも良かったな。

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    2020年03月28日
  • 女神のデパート (1)小学生・結羽、社長になる。

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    「女神のデパート 1」
    ちょっと何、この本、めっちゃ面白い。
    めっちゃ面白いです。大人向けで出せばいいよ。あ、でもポプラ社か…。児童書のみなんかな。

    以前、「和パティシエール」のマリエちゃん編が収録されているということで、「キラキラ」と、いうポプラ社アンソロジーを借りたのだけど、そのときに出会った話。

    アンソロジーでは、弁天堂百貨店のルーツであるさらの話やったのだけど、冒頭にもその話がちらっと出てた。

    小学生が社長になるっちゅうトンデモ設定なので、軽い感じのドタバタコメディかと思ったら、侮るなかれ。

    侮るなかれ。(二度いう)

    重い。重すぎた、この話は!!

    諸事情が重なって弁天堂百貨

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    2020年03月13日
  • 天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

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    読みやすい物語だった。
    天山や貧しい家、城の暮らしなど想像しやすい文章だった。
    ただ小学生・中学生くらいには良いかもしれないが40代の私には物足りなかった。
    天山で感情をコントロールするように鍛えられたとは言え、登場人物全員の感情の機微が詳しく描かれていないので感情移入をしにくい。
    目的地にはあっという間に着いてしまう(他のファンタジーだと道中も一緒に旅をしている様な物語がある)し、登場人物も皆良い人風な感じ。
    (善人と悪人に二分してしまうと個性を感じられない。
    善人の闇も私は読みたい)
    特に違和感があったのがイルギが詳細な心の動きがないまま簡単にソニンの味方になってしまったこと。
    さらさら読

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    2020年03月03日
  • 天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

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    広告にあった堂場瞬一の「雪虫」を検索したら、一緒にこの作者の本がズラッと出て来て、こちらの方が面白そうだったので方針変更。

    書き振りは子ども向けの感じだし、話に深味もないけれど、絵本のように情景が目に浮かび、スピーディーな展開でズンズン読ませて、読み心地も良い。
    外伝も含めてあと6冊あるようで、北上次郎の解説を読むと尻上がりに面白くなりそうだし、引き続き読んでみたいと思う。

    ただ、「スカーレット・ウイザード」もそうだけど、これから古いシリーズの続巻を中古本屋で探すのが大変。

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    2020年02月15日
  • 女王さまがおまちかね

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    生徒に紹介しようと思って読んでみた。
    小学校高学年向けだが、中学生でも読めるだろう。
    親が忙しくて、時間を持て余し気味の今どきの子どもの雰囲気がよく分かる。
    また、物語を紡ぐことの大変さも異世界での様子を通して感じる事ができる。
    異世界好きの生徒に勧めたい。

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    2019年12月06日
  • アトリと五人の王

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    ネタバレ

    主人公はアトリ。数える歳で10才の初婚から9年間で5回も結婚する事となる、波乱万丈な姫君の物語。

    中世の異国を思わせるよな架空の世界、東の小国〈東琴・とごん〉から物語ははじまる。昔話やファンタジーのようでいて、魔法などはない。
    アトリの は東琴の第一子のお姫様ではあったが、美しかった産みの王妃はアトリを産んですぐに亡くなった。留守がちの王の代わりに、城で権力を持つ現在の王妃の娘のカティンはアトリの半年後に生まれ、美しく、賢く、皆に可愛がられている。けれどアトリは誰にも構ってもらう事もなく、話かけられる事もなく、話しかけられてもまともに答えないため、育ちが遅いのかとも思われていた。
    現在の王妃

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    2019年07月29日
  • 天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

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    物語はですます文体で進み、絵本を読んでいるような柔らかさ、読みやすさ。
    その一方で、ソニンが山を下されるところから始まり、世の厳しさ、政に伴う駆け引きや暗殺等、なかなかシビアな内容となっており、そのギャップが新しい。
    心情や展開、情景はそこまで細やかに描写されているわけではないけれど、自分で補完しながらもどんどんページを読み進めてしまう魅力がこの本にはある。
    特に、王子との出会いは(恋愛的なシーンではない)何かが始まると予感させるわくわく感があった。

    これからの王子との絆や、ソニンがどのように活躍するのか楽しみ!

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    2019年04月09日
  • ヤイレスーホ

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    ネタバレ

    前作「チポロ」でのヤイレスーホが不憫に思えたので、彼が救われる物語かと思った。
    仲良しこよしにはなれなくとも、チポロやイレシュと普通に会話できるくらいの間柄にはなっていてほしいと思っていた。
    だがそれはあいつも悪気がなかったんだから許してやれよ、と関係のない第三者が被害者に向かって言うのと同じことだ。

    一度異端になった者は狭い村には完全に溶け込めなくなるし、残された家族も深い傷を負う。
    イレシュが連れ去られた3年間はなかったことにはならないし、帰ってきたからといって元のままに戻ることなどできない。
    納得できず、楽しめず、前に進めない出来事が起こった者はそれを片付けるしかない。そう言ったチポロ

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    2019年02月23日
  • チポロ

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    ネタバレ

    力も弱く、狩りも上手ではなかった少年チポロが連れ去られた幼馴染の女の子を探すために強くなり、旅に出る物語。
    アイヌ神話をモチーフに、人間が大好きな神様や失望した神様も出てくる。

    旅の道連れになった小さな神様の「いつも大きくて強くてなにかをほどこし助けてくれる、そんな神様ばっかり望んでる」というセリフにドキッとした。
    神様が与え恵んでくれるのをいいことに努力を怠り恵みばかりを期待するようになる。
    人間を嫌いになる神様はそこに絶望するのだろうし、そういった人間を含めて愛しいと思い寄り添ってくれる神様もいる。

    少年が勇気を出し成長し、いろいろな人の助けを借りながら大切な女の子を取り戻そうと旅をす

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    2019年02月09日
  • 猫ミス!

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    猫が出てくるアンソロジー。どれも良かった。全部猫目線かと思ったらほとんどが人間目線。「オッドアイ」の少年二人が爽やかでよかった。死んだ猫の目の色を確かめるのがお話のポイントだけど、白猫のオッドアイの確率は高いと思うのでどうなんだろ。

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    2018年04月16日
  • 女王さまがおまちかね

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    本好きあるあるがいっぱい。
    子供向けの明るく楽しいお話なのに、物語を作る側の苦悩とかシビアさみたいなものが所々で垣間見えてひやっとさせられた。

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    2018年01月31日
  • チポロ

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    ネタバレ

    面白かった。子供のための物語という感じ。
    負け続けると卑屈になってしまいそうなものだけど、チポロはバカにされながらも力を蓄えてきた。
    信じる力の強い子供だった。
    反対に自分も人も信じずにだいぶ歪んでしまったヤイレスーホ…たった一度、無条件で助けられたことが彼をほんの少し変えたのだとしても、結局イレシュに届かなかったのが切ない。
    あの後どうなっちゃったんだろう。
    イレシュの気持ちも複雑なまま残りそう。
    続編が読みたい。

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    2018年01月19日
  • 猫ミス!

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    猫が絡んだミステリー集。小松エメルの「一心同体」が面白かったかな。秋吉理香子の「呪い」はオチが予想できるけど、それでもじわりと来るイヤミス。さすがですね。

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    2017年11月29日
  • 天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕

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    ソニンの突っ込みが面白かったです。
    児童書なんだけど、政治の陰謀や駆け引きに巻き込まれた話ってのもなかなか厚みのある話でした。何より、恋愛が絡んでなのがいいね。次の巻がすぐに読みたかったけど、なかった……残念。

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    2017年11月12日
  • 猫ミス!

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    猫とミステリーの相性がいいのはその内面が謎に満ちている(何考えてるかわからん)からではないでしょうか。
    アンソロジーなのでどれもミステリーとしては薄味ですが、ストーリーに猫である必然性が(ある程度は)あるので、猫小説としては全然ありでしょう。
    でも恒川氏の『猫どろぼう猫』はホラーです。すげー浮いてる。怖い。
    あと、表紙がダサい。

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    2017年10月21日