我孫子武丸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犯罪捜査ため被害を追体験すると、どんなリスクがあるか… 近未来SF&サスペンス #ライフログ分析官
■あらすじ
検察事務官であり、他人の「生きる記録」を分析するライフログ分析官、高藤望。ライフログには映像と音声が記録されており、犯罪捜査に協力することが仕事である。しかし殺害被害を追体験することで犯人を探し当てるという精神的に過酷なものであった…
■きっと読みたくなるレビュー
近未来SF&サスペンス、きっと技術的にはそんなに遠い話ではなさそうなお話。契約者が人体にデバイスを装着し、視覚や聴覚をログとして保存する。何かあった時、そのデータを基に分析、捜査するという世界観ですね。
えっーーて思うかもですが、考え方はドライブレコーダーと同じですよね。またボディハッキングは急速に発展していて、人体にチップを埋め込んでる人は既にたくさんいるんです。健康管理やより便利な暮らしに役立っているようですよ、自分も若ければ挑戦してたかもしれない。
ただ、そのライフログデータを分析するときに問題がある。当然プライバシーに関わることなのでセキュリティや閲覧権限はしっかり制御しなければなりません。検察官という立場であっても、他人のログを見れるのは犯罪捜査に関わる場合のみなのです。
さらにもっと問題なのは、ライフログ分析官「殺害被害を追体験する」ということ。のぞき見根性だけでは決してやりきれない、精神的に過酷な仕事なのです…
針の筵ともいえる精神的な悲痛っぷりが深々と描かれていくんですよ。我孫子武丸先生と言えば『殺戮にいたる病』が有名。あれほどの残酷描写ではないですが、胃にくるレベルとしては本作もなかなか強烈です。
そして中盤以降、さらなるテクノロジーにビックリ。容量や処理速度など相当なコストがかかりそうですが、将来的には可能でしょうね。さらには悪用する奴らが現れることも当然ある話で、すごい時代になりつつあると鼻水が出そうになりました。
しかしこんなにも捜査技術が進歩しても、犯罪はなくならないんでしょう。どんなことにも光と影があるのが常。技術が発展し、より良い暮らしができるほど、逆に辛い暮らしをしている人へのしわ寄せも深まっていく。そう、経済格差が広がるとどうなるのか、我々は見てきていますよね…
最先端技術も、AIも、不幸な人たちを救う技術であってほしいなーと思いました。
■ぜっさん推しポイント
まったく私事ですが、スマートグラスが欲しいんです。Ray-BanのMeta AIグラスがデザインも洗練されてきてクールだからイチ推しなんですが、ちとお高いのよね。
でも一番やりたいのは、スマートグラスに本の中身をうつして、手ぶらで読書をしてみたいんです。と、まぁ全然関係ないですね。
ただ本書を読むと、刺激的な未来が近づきつつあることを感じられることは間違いないと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ殺戮にいたる病だと思って借りたら違った。騙された。
でも普通に面白かった。
忘れないように1つずつ軽くメモ。
○切断にいたる病/我孫子武丸
AV作成会社で起こった殺人事件の犯人を見つける物語。
本家の殺戮にいたる病読んでないけど、なんとなくこういう感じの叙述トリックなんだろうなーってわかる話だった。
死体の描写がしっかりグロめですごいなーって感心した。
○欲動にいたる病/神永学
教室で同級生を刺殺した男の子。何があったのか取り調べを交えながら過去について明かされていく。
これ一番好きだった。
最後全てがわかってから読み直したら、たしかに辻褄合っててうまい!ってなった。
○怪談にいたる病/背筋
映画研究会のカップルの話し。仲違いして別れた後、不気味なことが主人公に起こる。
これも面白かった。不穏な空気があって、何が起こってるのかわからなくてドキドキしながら読み進めていった。
あー、なるほどね!ってなる。
○コンコルドにいたる病/真梨幸子
叙述トリックを題材にしたミステリーを書くように作家の元に依頼が来る話。
うーん。個人的には好きじゃなかった。コメディチックだし、オチ読んでも、ふーん。って感じ。驚きとかあんまない。
でも口コミで、これが好き!って人多くてびびった。改めて、好みって人それぞれなんだなって思った。
○拡散にいたる病/矢樹純
ラジオ局で読み上げている怪談が、盗作ではないかとクレームが入る。調査をし、実際にクレームを入れた相手に謝罪をしにいくのだが…。
面白い感じはあるのに、最後まで読んでもわからなかった。叙述トリックだけのアンソロジーなんだよね?私の理解力が足りないのか。
話自体は面白くて真相が知りたくて読み進めたのにモヤモヤが残った。誰か教えて。
○幸せにいたらぬ病/歌野晶午
訪問看護師が家を訪ねると、親子が部屋の中で亡くなっていた。真相を探るお話し。
これも割と好きだった。でも、悲しい真相だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ例に漏れずわたくしも、殺戮にいたる病の、我孫子武丸先生の大変なファンでありますので、見つけた瞬間流れるように素早い動作でレジへ運んだ覚えのある本作ですが、我孫子武丸先生以外は皆初見の先生で、全編我孫子節だと勝手に解釈していたわたしは本を開く前から大きく狼狽えることとなりました。そしてその我孫子武丸先生こそが初手というのもわたしには、まるで寝起きドッキリをくらわされたような気分といいますか。そろそろと、激しく振ってしまった炭酸を開封するかのように慎重にページをめくることとなりました。
が、我孫子先生ごめんなさい、背筋先生のお話が一番好きでした。わたしだって先生へのトリビュート作でこんな思いしたくないですよ。でも、背筋先生の怪談にいたる病、まじでほんと何事?てぐらい面白かった。どういうことですか実話?てぐらい匂い立つような生々しさがあって非常に良かったです。まさにこれこそが「うまい」ですね、あっぱれです。
そして我孫子先生、本の内容全く関係ないですが、どうかいつまでもお元気でいてください。他の100冊よりもわたしは、先生の一冊を愛しています。
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Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】「吉原幻鏡」 高田崇史
「暖炉神の恩寵」 高田大介
「ともしびの花」 歌野晶午
「家族を守るためだった」 宮西真冬
「黄金の森の神様」 風森章羽
「悪魔」 丸木文華
「燃えろ恋ごころ」 米澤穂信
「蠟燭と竜」 須藤古都離
「プロクリャーチエ村の業火」 篠原美季
「怪物どもの棲家」 島田荘司
「回答」 神林長平
「書物の罪」 潮谷験
「マザー・ジン」 古泉迦十
「レヴナント」 多崎礼
「失われた史料、的外れな再建」 市塔承
「やなやつを燃やす遊び」 黒澤いづみ
「消えない炎」 我孫子武丸
「ファンの鑑」 秋吉理香子
「比翼」 河村拓哉
「人形供養」 矢樹純
「忌物を燃やす」 三津田信三
「不完全怨燃」 五十嵐律人
「全滅館の殺人」 似鳥鶏
「焚書により資料なし」 恒川光太郎
「ayashii romaji okashii futari」 皆川博子
「それはそれはよく燃えた」という1行から始まる、25の物語を収録する。 -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
書物、人形、恋ごころ。人の噂も燃え盛る。炎ゆらめく25編!
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』『だから捨ててと言ったのに』『新しい法律ができた』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第六弾!
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25編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第6弾とのこと。第1~5弾までは未読。とりあえず最新作から読んでみようと思い手に取った。
最初の一文は必ず「それはそれはよく燃えた」で始めなければならない、という括りがある。
25編、つまり25人の筆者の作品が掲載されており、予想通り玉石混交といった感じ。面白そうな作者を発見するためのカタログ的な一冊として読んでみた。全25名中、他の作品も読んでみたいな、と思わせてくれたのは以下の9名。
米澤穂信
須藤古都離
神林長平
潮谷験
多崎礼
市塔承
似鳥鶏
恒川光太郎
皆川博子
このうち神林長平と皆川博子は既に他の作品も読んでおり、好きな作家でもある。
不遜な書き方かもしれないけれど、残りの作家も決してつまらないわけではない。ただ、オチが読めてしまったり、ベタな内容だったりで、それほど心には残らなかった。
最初の1行が決められていること、そしてショートショートという分量の制限があることを考えると、この1冊で作者の力量を判断するのは難しいとも感じた。