我孫子武丸のレビュー一覧
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小学校の頃、大好きで繰り返し遊んだSFCソフト「かまいたちの夜」。そのシナリオ担当であった我孫子武丸氏。本屋でその名前を久しぶりに見つけ、どんな作品を書いているのか読んでみました。
設定は8の字の形をした館で起こる殺人事件の謎を解いていくという話。物語自体は主人公の刑事(恭三)とその部下(木下)の2人で館の住民に聞き込みをしながら進み、謎解きについては恭三と、その家族である弟と妹を交えながら進みます。この弟と妹が推理オタクであり、密室やトリックの解説ではやや長ったらしくなるところもあったんですが、全体的にはテンポよく読みやすかったです。
推理小説としてはトリックは王道な感じで驚きは少 -
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人形探偵四作目。二作目、三作目は長編でしたけど、今回は短編集です。書き下ろしを含めて6編が収録されています。
青春ユーモア・ミステリーと紹介されているとおり、一作目から恋愛要素が強めでミステリとしてはライトな雰囲気ではあったのですが、本作は文章自体も軽くなっているような印象を受けます。もちろん、度の過ぎたものではないのだけど、個人的にはもう少し抑えても良かったかなと感じました。
物語はプロポーズに始まり、最後は多分親御さんに挨拶へ向う途中の車中でのお話なんだろうと思います。サスペンスは今まで通り弱く、ミステリというか、ミステリを絡めた恋愛小説、という感じなので、殺伐とした雰囲気が苦手という方 -
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人形探偵シリーズ三作目。女性視点のほのぼのとした語り口で日常が綴られてゆくせいか、サスペンスはなく、どちらかというと恋愛小説のような趣の本シリーズですが、三作目はこの色合いが強いような気がします。
「放火魔」、「予告状」、「密室」等々といったタイトルを持つ章で構成されているもののあくまで本筋は恋愛もの、といった感がありますね。
あとがきにありますが、作者さんもそういった視点で書いているとのことなので、恋愛小説にミステリ、というつもりで読むと納得でしょうか。
そんなわけなので、サスペンス一杯のミステリを読みたいという人にはお勧めしないです。一応、最後の最後にちょっとだけ怖いオチがあるのですが… -
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ネタバレ通称『8の字屋敷』と呼ばれる屋敷で、不可思議な事件が起こる。
その謎に、速水警部補と推理マニアの弟、妹の3人が挑む話。
序盤は『8の字屋敷』の説明があったり、部屋の位置関係を図付きで説明していたりと正直ちょっと面倒。
中盤からラストにかけてスピード感があってなかなか良かったけど、ある程度ミステリを読んでる人には謎解きは楽かも!?
それなりにドンデン返しはあるけど……って感じです。ちょっと物足りない。
先に『殺戮にいたる病』を読んでしまったのがいけなかったのかもしれませんね(汗)
続編があるようなので、そちらも読んでみようと思います。 -
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新作の撮影中に失踪した映画監督。
結末を知るのは監督のみという状況での失踪に、残されたスタッフと出演者はパニックになってしまう!
監督探しをしたりみんなであれこれ会議をするのだが、結局撮影済みのシーンから映画の犯人を推理する事に。
何故監督は失踪しなければいけなかったのか?その理由と映画の意外な結末とは!?
僕はそこそこ好きです!
何だかんだその結末に騙され、20年も前の小説なのに今読んでも違和感がないことに驚きましたしね。
だけど映画のうんちくが随所にあり、もう少しどうにかならなかったのかな?と。
それでも、普通に面白い作品だと思います! -
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「狩人は都を駆ける」
京都で探偵事務所を営む私のもとに久々にやってきた仕事の依頼は、なんと誘拐事件の解決。もっとも誘拐されたのは家で飼われていたドーベルマンで、つまりは犬の捜索が仕事なのだった。私は犬も猫も苦手だ!
著者は我孫子武丸。京都大学在籍時、推理小説研究会に所属していた彼は、「8の殺人」でデビュー以降、新本格派に加わる人物です。ということで、本作も新本格派に属するもんだと思っていたら、どうやらハードボイルドらしい。しかも、犬猫嫌いな探偵が犬猫捜索に精を出す、こりゃ、ユーモア小説でもありそうだぞ。むむっ、これは、新本格派の意識は飛ばして読まないといけないようだ。
と思ったけれど、