あらすじ
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
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自分まで追われている気持ちになってくる。息苦しくて身体が強張って心臓が縮み上がりそうだった。
ふたりの小学生の性格や言動が、育った環境を如実に表していてつらかった。心の中でほんの小さく「ん?」って思った部分がガッツリ回収されて素晴らしかった。
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『殺戮にいたる病』が非常に衝撃的であり、面白かったので、評判の高い本作も手にしてみた。
主人公は二人の小学生、心澄望と智樹なのだが、本作もまた衝撃的なストーリーと迫り来る恐怖に手に最後まで汗握った。
智樹の心澄望は警察官の父親から虐待を受けていた。夏休みのある日、二人は心澄望の弟の死体を始末している父親の姿を目撃する。怪物のような父親に追われる二人の運命は…
そして、迎える結末は…
評判に違わず、非常に面白い。
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非常に恐ろしい内容ではあるが、読む手が止まらないという点でも評価。
小学生が主人公なので多少ヤキモキする場面があるのも含めてのストーリーなのかなと。
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がいあを殺したのは茂雄ではなく、こすもだった展開は意外だった。終始、こすもの性格にはイライラしていたが、結局、父親と似た残虐性が芽生えてしまった罪の意識(?)から自殺してしまったのには胸が痛くなった。
茂雄があまりにも同情の余地のないゲスキャラすぎて、無期懲役に決まった時は安心した。
一気に読んでしまいました。
小学生の子供のお話。
どこまで話を膨らませられるのだろうかなどと、思いながら読んでいました。
読み終えた後の余韻にすごく浸っていました。
おもしろいと言う言葉では収まらない、衝撃的な作品でした。
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久々の我孫子作品だったが、やっぱり楽しめた。
主人公は小学5年生の智樹とそのクラスメイトである心澄望。
巻頭から2人が恐怖に怯えながら逃げるシーンが描かれているが、これが本作の重要なシーンでもある恐怖のリアル鬼ごっこ。
心澄望は警察官である父親から日常的に暴力を受けていて生傷が絶えない。
周りの大人達は心澄望に対する父親の虐待を疑いながらも、本人も父親も否定し、その事実を知るのは智樹だけ。
夏休みのある日、心澄望は弟の甲斐亜とあろう事か父親のパソコンを壊してしまう。
怯える心澄望はその事を智樹にはなし、父親殺害を企てて智樹と共に家に戻ると、そこで父親が弟である甲斐亜の死体を庭に埋めようとしているところを目撃してしまう。
このままでは自分も殺されてしまうと訴える心澄望と智樹の父親から逃げる為のリアル鬼ごっこはこうして始まっていく。
鬼に捕まる=殺される と思った2人は必死で考え、逃げる。
それを追う警察官である父親。
2人は無事に逃げ切れるのか⁈
迫りくる恐怖の足音はリアルな恐怖とし、子供ならではの心理描写も見事。
このまま逃げ切って、ハッピーエンド!とならないのが、我孫子作品の最大の魅力であり、そこに隠された真実への探訪は一気に物語の世界へ引き込んでくれる。
そしてここからが我孫子作品の本領発揮。
残念ながら2人は殺人鬼である父親に捕まってしまうが、そこで父親が語った驚愕の事実!
誰も想像しなかったラスト。
やはり一気読みでした。
説明
内容紹介
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
内容(「BOOK」データベースより)
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
我孫子/武丸
1962年兵庫県西宮市生まれ。京都大学文学部哲学科中退。’89年講談社ノベルス『8の殺人』で鮮烈デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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暴力をふるう父親を持つ少年と、その友達が父親から逃げるお話。
この父親は最低な男だ。逃げることができのか?見つかってしまうのか?のハラハラが楽しめる本。
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あれ?こんなポップな文章書く方でしたっけ!?山田悠介かよ!?
って思いましたが、元がYA小説向けのプロットとのこと(あとがきより)で納得。
一部グロい部分はあるので、ヤングにはお勧めはしない。
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小学生が主役なので彼の行動や心理にやきもきさせられることもあるが、終始ハラハラさせられる。
父親の外道っぷりには本気で虫酸が走るレベル。
後味は悪い。
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面白かった。我孫子武丸らしいギミックで纏められてる良作。
サイコパスから逃げ続けるパニックホラー作品なんだけど、本当に最後がどうなるかわからないって点がとても良い。我孫子武丸なら最低なバッドエンドにしてしまうかもしれないし、ある程度救いのある物語として完結するかもしれない。だけれど目の前は本当に真っ暗でこの道の向こうに何があるかは皆目見当がつかない。
あと暴力の描写が、本当に生々しい。気の狂ってる人間が背後からやってくる恐怖が、犯人の視点を通してうまく描かれている。
あとがきを読むと、またこういう作品を描きたいとのこと。是非お願いします。
Posted by ブクログ
「ミステリーランド」用に書いてたのを一般向けにしたようで、内容も展開も普通。
<あらすじ>
小5の智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。
母親は暴力に耐えかねて家を出てしまったらしい。
夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を庭に埋めてる父親の姿が。
慌てて家を飛び出した二人。見られたことに気付く父親。
とりあえず智樹の家に2人は逃げるが、心澄望の父は警察官だからすぐ所在を突き止めにくる。
そこで心澄望は、母親からもらった唯一の手紙の住所を頼りに、智樹と共に家を出た母親の元へ向かうことに。
心澄望の父も心澄望の女担任や智樹の親を騙して情報を聞き出し2人を追う。(しかも女担任をレイプする非道っぷり)
母親の住所地にたどり着いた2人。
しかしそこにいたのは以前からずっと住んでるというホステスだった。
手紙について聞くと、それはホステスが心澄望の父に金で頼まれて書いたものだという。
心澄望の父は、子供が家から逃げ出さないよう心の支えとなる『母親の手紙』をホステスに書かせたのだ。
心澄望の父は、その手紙を心澄望が持っていったことが判りホステスの家に向かう。
智樹と心澄望は路頭に迷い、家に戻ることに。
心澄望の父はホステスを半殺しにして2人が家に帰っていったことを聞き追う。
そしてついに智樹と心澄望は父親に捕まってしまう。
<オチ>
心澄望の母親は家を出たのではなく父親が殺して庭に埋めていた。
しかし弟の甲斐亜は父親ではなく心澄望が殺していた。
父親が保身のために弟を庭に埋めてるところを智樹に見せることで、父親に弟殺しの罪をなすりつけて、智樹と一緒に逃亡できると思ったと。
そして父親を殺そうと包丁を手に取る心澄望。
2人とも殺してやると余裕の父親が心澄望に、
「その包丁で智樹を殺せば、オマエは殺さないでやる」
と言われ、心澄望は智樹のほうを向く。。。
と、そこでホステス半殺し事件を追っていた警察がその場に突入!
心澄望の父が逮捕される。
が、心澄望は自ら包丁で自分の首を刺し、死んでしまう。
警察の取り調べに智樹は、心澄望とずっと一緒にいたから甲斐亜は父親が殺したと思う、と証言。
心澄望の父は2件の殺人で無期懲役の有罪となった。
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小学生の智樹が同級生の心澄望とその父親が弟の死体を埋めている現場を見てしまい父親から逃げる話。2人と一緒に父親から逃げてる気分になりしんどい。父親マジでクズすぎて嫌い度がどんどん跳ね上がる。そして最後の最後にまさかそんなことになるとは。
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読みやすくて一気に最後まで。そんなに謎解きやミステリという感じではなく、とにかく逃げる話。大きなどんでん返しもなく、なんとなく展開が読めた。面白かったけれど、最後あっさり終わってしまったので、読んだ達成感は特にない。
Posted by ブクログ
★4よりの★3
現実離れした胸糞な父親から逃げる小学生二人のお話。緊張感もありテンポもよくガシガシと一気読みした。
ただ、それ以上でもそれ以下でもなく、「うん、面白かった」という感じかな。
子供のころ、ワクワクドキドキしながら読んだ宗田理さんの「ぼくらのシリーズ」と似た感じがした。
もしかしたら若い層のほうが好まれる作品なのかな。
年と共に、心の躍動感が失われているんだろうな…
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この著者の本は「殺戮にいたる病」で知った。この本が自分のサイコホラー読書デビューで、衝撃的だったため、今回も「狼と兎のゲーム」を読んでみた。
前作と比較してしまうと面白さにはほんの少し欠けるが、テンポよく読むことができ、結末は流石に一切想像していなかった流れでやっぱり面白い。
〈以下ネタバレ含む〉
子供2人が東京で母親を探し、その後父親も追ってきたところはこっちもヒヤヒヤものだった。
結末のこすもは残念だが、人間性を欠いた父親が無期懲役になったのは、小説の中の世界とはいえ、現実の私もなんか安心した。
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DVされて育った少年コスモが友達と一緒に悪の権化”父”を倒そうとする物語。
話のテンポもよくサクサク読める。ガイアについてはまさかの大どんでん返しだった。読者としては今までの父の言動からガイアを殺したのもこいつだろうと信じていた人も多いはず。さすがは我孫子武丸といったところか。完全に騙された。アンナ先生のストーリーをもっと組み込んでほしかったのとプロローグはもっと長くてもよかったかなという印象。
Posted by ブクログ
友人から拝借。
うむ。
徹頭徹尾イライラした。
どうなるのかハラハラしたもしたけど、
山上一家のゲスぶりに超イラついた。
自分ではチョイスしない本だったので、
逆に良かったかも。
文章も簡潔明快でとても読みやすい。
状況も想像しやすく、良著だとおもう。
面白かった。