ネタバレ
Posted by ブクログ
2020年05月16日
久々の我孫子作品だったが、やっぱり楽しめた。
主人公は小学5年生の智樹とそのクラスメイトである心澄望。
巻頭から2人が恐怖に怯えながら逃げるシーンが描かれているが、これが本作の重要なシーンでもある恐怖のリアル鬼ごっこ。
心澄望は警察官である父親から日常的に暴力を受けていて生傷が絶えない。
周...続きを読むりの大人達は心澄望に対する父親の虐待を疑いながらも、本人も父親も否定し、その事実を知るのは智樹だけ。
夏休みのある日、心澄望は弟の甲斐亜とあろう事か父親のパソコンを壊してしまう。
怯える心澄望はその事を智樹にはなし、父親殺害を企てて智樹と共に家に戻ると、そこで父親が弟である甲斐亜の死体を庭に埋めようとしているところを目撃してしまう。
このままでは自分も殺されてしまうと訴える心澄望と智樹の父親から逃げる為のリアル鬼ごっこはこうして始まっていく。
鬼に捕まる=殺される と思った2人は必死で考え、逃げる。
それを追う警察官である父親。
2人は無事に逃げ切れるのか⁈
迫りくる恐怖の足音はリアルな恐怖とし、子供ならではの心理描写も見事。
このまま逃げ切って、ハッピーエンド!とならないのが、我孫子作品の最大の魅力であり、そこに隠された真実への探訪は一気に物語の世界へ引き込んでくれる。
そしてここからが我孫子作品の本領発揮。
残念ながら2人は殺人鬼である父親に捕まってしまうが、そこで父親が語った驚愕の事実!
誰も想像しなかったラスト。
やはり一気読みでした。
説明
内容紹介
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
内容(「BOOK」データベースより)
智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。慌てて家を飛び出した二人は、迫り来る怪物から逃げ切ることができるか?
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
我孫子/武丸
1962年兵庫県西宮市生まれ。京都大学文学部哲学科中退。’89年講談社ノベルス『8の殺人』で鮮烈デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)