【感想・ネタバレ】修羅の家のレビュー

あらすじ

女の毒が体内に入り、蝕まれていく--

簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。
そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。
おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。
一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。
北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。

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Posted by ブクログ

晴男は、優子という女に殺人の瞬間を目撃されてしまうが、なぜか彼女は晴男を自分の家へ招き入れる。しかし、そこに広がっていたのは、家族が家族を痛めつけ、優子のためだけに金を稼ぐという、まるで地獄のような光景だった。

『殺戮にいたる病』の我孫子武丸による作品。読む前から一筋縄ではいかないだろうと覚悟していたが、想像以上に容赦のない内容だった。

まず、怖い。怖すぎる。エロからグロまで描写に抜かりがないのはいつも通りだが、それ以上に、家庭の中で繰り広げられる「倫理の外側」の出来事に血の気が引いてしまう。どうしてそんなことをさせるのか、どこからそんな発想が出てくるのか、胸を痛めつけられながらも、ページをめくる手が止まらなかった。

そして、現実離れした出来事ばかりが描かれるというのに、なぜか不思議と他人事とは思えないリアリティがあった。まるでカルト宗教に洗脳され、絡め取られていく過程を見ているような、ダークウェブでスナッフフィルムを見つけてしまったような、そんな感覚に近い。こんな家族が意外と身近にも潜んでいるのではないかと思わせるほど、家族たちは丁寧に、確実に、そして的確な方法で洗脳されていく。

しかし、この作品の最大の魅力は、ただのサイコスリラーに留まらず、ミステリーとしても十分に面白いところだろう。こんな地獄を一体どうやって抜け出すつもりなんだ…と読み進めているうちに、物語は全く予想もしない方向へと転がっていく。「そこが繋がっていたのか」「まさかそんな事実があったのか」と次々に驚かされた。

決して『殺戮にいたる病』ほど鮮やかな叙述トリックや伏線回収ではないものの、ふつふつと湧いてくる違和感や疑問を、物語そのものの面白さが凌駕してくるのが素晴らしい。ずっと地獄のような光景を見せられてきただけに、少しずつ希望が見え、天国へと近づいていくような終盤の展開は圧巻だった。「スパイ映画」さながらの緊張感を保ちながらも、着実に出口へ導いていくストーリーテリングに息を呑んだ。

まだ2作しか読めていないけれど、我孫子武丸は間違いなく大好きな作家になりそうだ。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の1行からサクサクと読み進められてしまう、、そして後半の引き込まれて具合がハンパない。さすが武丸さん、、晴男?ハルオ?時間軸どうなってる、、?もう1回読みたい!!

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2025年01月13日

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物語に引き込まれて2.5時間で読破。
残酷な描写と作中の人物の心情がわかりやすく、サクサク読めました。

暴力と洗脳怖すぎる!!

ただラストが意外と尻窄みとご都合主義ありですが、全体としては素晴らしかったと思います。

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2024年02月26日

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ネタバレ

気持ち悪い。恐らく、これが我孫子武丸先生にとっての最上級の褒め言葉であると思う。

人間の肉を食べる行為については、それを習慣とる部族もいる点で、たんに文化の違いであるというのを念頭におくと、ある種の人間以外(悪魔)の境界として描かれていることには、ちょっと物足りなさも感じる。

少なくとも何も知らずに食べてしまった犬は、最初から最後まで何の罪もないので、せめてそこは助けてあげよう、とも思う。

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2023年12月09日

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貧困や孤独といった現実的な問題を背景に、神谷優子の支配する異常な「家族」の世界が不気味に描かれていた。
キャラクターたちの絶望と抵抗、そして人間関係の歪みが、深く心に刺さる。
結末は予想を裏切りつつ、テーマの重さをしっかりと残す。我孫子武丸の心理描写と構成力の巧妙さに圧倒される、読み応えのある一冊だった。
ただ、叙述トリックの部分は非常に分かりづらく、正直言って理解できない部分も多かった。2、3回読み返せば分かるかもしれないが、あまりに重たい物語なため、なかなか再読には勇気がいる。

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2025年06月11日

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ネタバレ

最後の最後までは面白かったんですよ、かなり。
最初のシーンからなんかモヤモヤするというか違和感があって
北島=ハルオなの!?すごっ!!と思ったんだけどラストが好きじゃなさすぎて、、、残念。

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2025年05月27日

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いったん読み終わったら答え合わせのように読み返したくなる。反面、エログロ要素強めで結構疲れる。精神的に元気な時に読んだ方が良い。
かまいたちの夜でも思ったけれど、我孫子先生はちょっと情けなくて憎めなくてかわいらしさのある「ぼく」を描くのが上手いですね。

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2025年05月05日

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殺戮にいたる病がドンピシャだったので我孫子さん2作品目。

これも大好きです。
ただインパクは上げすぎたせいかそこまで。
ラストもよく分からない終わり方。

けどやっぱり我孫子さんの作品好きなので違う作品も読みます!

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2025年04月22日

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我孫子さんの小説はかなりきつい表現や胸糞悪い場面が多く、とても好きとは言えないが続きが気になり一気読みしてしまった。面白かったが読み返したいとは思わないが、我孫子さんの小説でしか得られない体験が出来るので良かったです。

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2024年10月01日

匿名

ネタバレ 購入済み

ずっと嫌な気もち

物語のスタートはなかなか強烈で、嫌悪感を抱きました。自分なら、と想像してしまい、気もち悪くなりました。
後半では、あれ?この晴男ってどの晴男?と無駄に深読みしてしまいました。
結末は好みが分かれそうですが、私は好きでした。
何かあったら嫌だなぁと最後の最後まで心配しましたが、ひとまずほっとできて良かったです。

#ドキドキハラハラ #怖い #ダーク

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2024年08月27日

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らしさ全開。読みやすさ抜群。
殺戮に至る病には届かないが、我孫子作品の中ではかなり上位に入るくらい良かった。

なんかかまいたちの夜から我孫子武丸作品に入ったからか。登場人物がどんな表情をしてるとか、どんなキャラクターなのかをあまり深く考えなくても良いんだ。と錯覚させられる。強制的に全員半透明の影でイメージできるのが読みやすさの秘訣なのかも。

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2024年06月21日

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な〜んでこの人の文章はこんなにすらすらと読めるんだろうなあ。それでいて情景描写がわかりやすい。グロいシーンも鮮明に!
ストーカー気質チー牛男の思想の歪みに対する解像度が高くて笑った。

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2024年06月05日

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描写がきついけど、止まらなくなり早く読み終えた。
夢にまで小説の内容が出てきたくらいなかなか衝撃的な内容だった。

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2024年03月20日

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これはこれでいい終わり方なのかもしれない。

所々に目を背けたくなるシーンはあったけど
面白かった。
精神的に追い詰められた人間は怖い。

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2024年02月01日

購入済み

思ったよりもライト

洗脳系の作品は何作も読んだのですが、その中では描写がかなりライトだなあという印象です。
なのでグロ耐性がない人でも読みやすいんじゃないかな?

ラストが少し「えー?!」と言う感じでサクサクっとご都合主義なのが残念だったが、途中の叙述トリックがわりかし良かったので星3!

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2025年08月06日

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同著者の殺戮にいたる病を先に読んでしまうとどうしても物足りなさが残ってしまいました。
中盤でトリックが概ね読めてしまい、その予測を覆してくれることを期待しましたが…

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2025年07月21日

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我孫子さん2作目!めっちゃ気持ち悪い!エログロが強すぎる…。耐性ある方だけど結構気分悪くなりました。実際にあった事件をモチーフにしてるみたいですが、胸糞すぎて感情移入も難しい…。我孫子さん特有どんでん返しと人間の支配の怖さがすごく面白かった

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2025年07月04日

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ネタバレ

★3.5
最高に胸くそ悪くてずっとずっと最後まで気持ち悪かった…
ただグロいだけじゃなくて、人が人を支配する、洗脳する怖さとおぞましさ。作者にハマりそう。

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2025年06月04日

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日本史上に残る残酷な事件
『北九州監禁殺人事件』と
『尼崎連続変死事件』を
彷彿とさせる様なストーリー。

良作なのだが、
帯に書いてあった
『殺戮にいたる病』を凌ぐと
いうのは正直言い過ぎ。

帯なんて当てにならないと
分かっていても、一縷の望みに
賭けてしまうのが
活字中毒の悲しい性ですね。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

殺戮にいたる病が面白かったのでこちらも読んでみることに。
相変わらず読みやすくどんどん読み進めてしまうけど、内容は気持ちのいいものではないですね。
異様すぎて、個人的には殺戮にいたる病よりキツかった。
でも読んじゃうんだよなー。
結局、他の作品も読んでみたいと思わされてしまった。

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2025年03月03日

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ネタバレ

殺戮が好きすぎて同じ作者さんの作品を読みたくてこちらを読みました。しかし、越えられませんでした。ハルオと晴夫、登場人物が絶妙にみんな気持ち悪い。いい意味で。最後の片桐は何者だったのか、愛香と晴夫もとい北島はどうなったのか煮え切らない終わり方をしたのがモヤっとする。個人的に1番気持ち悪いのは個人的には北島です。愛香への執着があまりにも気持ち悪いですが、そういう人を書くのが我孫子先生のよさでもあるな、と。

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2025年02月05日

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殺戮にいたる病が面白かったので、読んでみた。相変わらず終始胸糞悪い感じ、結末もハッピーエンドではない。途中おお!となる箇所はあるが、殺戮にいたる病ほどではないかな。勝手に期待値高めてただけではあるかも。

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2025年01月19日

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中途半端なところで終わった。登場人物の誰にも感情移入できないけれど、どう着地するのか気になって読み進めた。『殺戮にいたる病』は越えられなかった印象。

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2024年12月05日

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表現がかなりグロテスクだった。こんな家が他にもあると思うと、かなりぞっとするし、実際にあった事件を参考にしてるっていうのを聞くと、より臨場感が増す。最後の結末のその後がかなり気になった。

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2024年11月20日

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文章は相変わらず読みやすく2日で読めた。

途中からアレ?アレ?と思い、2人の人がごちゃごちゃになる。どうなるのかな、どうなるのかやと先が気になる展開。

このマインドコントロールを解くためには最後どうなるのかというところが知りたかった。

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2024年11月10日

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ん〜。最初のグロさに惹きつけられて、一気に読みましたが最後に進むにつれて、『もしかして最後はこうなる?』と、予想ができてしまった。結末も『え、終わり?』という感想です。タイトルに魅了されて読んでみましたが、イマイチでした。

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2024年09月10日

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「とにかくまともじゃないの。まともな人は誰もいない。狂ってるの、うちの家族は。壊れちゃったの、何もかも」
昔リアルにあった事件のオマージュ
恐ろしく、もし当事者ならどうすべきなのか?
何が最良か?
確かにリアリティがある分「殺戮に至る病」よりも衝撃。

真実は小説よりも奇なり

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

我孫子武丸先生の「殺戮にいたる病」を凌ぐ衝撃作で凄く怖かったです。
これはちょっとね!!
もうヤバかったですよ。
終始悍ましさが有り、ラストも驚愕しましよ。

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2024年03月22日

Posted by ブクログ

途中から晴男①と晴男②がごちゃごちゃになってしまった、別の人物が同じシチュエーションを何回も経験することありえる??て思ってしまった、居酒屋に入って殴られたのは晴男②だけ??
なんかよくわかんなかったけど痛々しい表現が多かった

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

内容がキツくて読むのが大変・・・
しかし、ストーリーとリズムが良くてサクサクと読めてしまう。

この話、元となる事件があります。
世に言う『尼崎事件』!
→気になる人はWikipediaにて
→複雑です

ストーリーに触れるとネタバレの危険性があるので、事件の方の感想を述べると、主犯の女性に対して非常に嫌悪感を感じるのと、世の中にスキあらば狙っている人は少なからずいるんだろうなぁと思います。
主犯の女性は緻密な計算と経験則に基づき相手を暴力と虐待で洗脳していき最終的に裏切れない状況に追い込む!?
芸能人の洗脳事件が過去にあったように、悪の心理学というか、人の心をコントロールする方法に恐怖を感じます。
自分自身は現在、色んな人の助けがあり満足のいく生活を送る事が出来ておりますが、主犯のような女性に目をつけ込まれる事なく、慎ましく平穏な人生を送れるよう気を付けていきたいです。

レイプの現場!?を目撃された主人公は、目撃した中年女性の自宅へ連れていかれることに・・・
その家には似たような格好をした老若男女が多数いて奇妙な『家族生活』を送っていた???
一方で区役所で働く北島は、中学校の同級生で初恋の愛香と再開するものの、愛香の悲惨な現状を知ることになる。
物語の随所に心を折られそうになる表現があります(冒頭から)
心が荒んでいる人や疲れている人にはお勧めできません。心を万全にしてお読みください・・・

倫理的に映像化出来ない作品!!!

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際にあった事件がモチーフ。
尼崎の家族乗っ取り事件。
洗脳がテーマ。
実際の事件がとてもエグい

後半2人が混同して時系列がよくわかんなくなった。

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2023年11月02日

Posted by ブクログ

さすが我孫子武丸!!
でも殺戮に至る病が凄すぎて…ちょっと物足りなかったかなあ〜
やっぱり実際に会った事件をモチーフにすると生々しさがあって怖さが増します。
叙述トリックもあって、後半からは畳み掛けが凄いです。
ラストの胸糞は強烈笑
ただやっぱり色々とツッコミどころは多かったかな。

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2023年10月23日

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