円居挽のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
登録してレビュー書いていたのが電子書籍版であった。実際は文庫本につき再登録、レビューもコピペしました。
ルヴォワールシリーズのどうやら最終巻、シリーズ完結に相応しい終幕であった。
以下完全ネタバレにつき、ご注意ください!
このシリーズ当初からミステリの、ありとあらゆる騙しの仕掛けに満ち満ちていた、これ以上の仕掛けなんて果たしてあるものか?と思うほどだったのが、またしても仕掛けてきた。文庫本の体裁、構造をも使用したトリックであった。それは174pを境に分岐する構成だった。
その前にであるが、前作で城坂論語の離脱、撫子と論語の別れ、敵陣営への加担、 -
Posted by ブクログ
ミステリの骨格に少年まんがの肉付けをしたような作品。それもバトルまんがと呼ばれるもののノリがあります。
推理や論理は相手と対決するための武器となるのです。相手の裏の裏をかき、それすらかわされながらも最後に全てをひっくり返す。これも最近のバトルまんがの定石です。理屈に理屈を重ね最後に理屈を通したものが勝つ。そんなバトルミステリなのです。
探偵を養成する高校の新入生である成は、生徒会長との学園裁判でその実力を示す。その成が持つ秘密が明らかにされ、大切なものを奪った強敵との対決へと物語は流れます。
探偵養成学校、名探偵の頂点に立つ九哭将(ナインテイラーズ)、学園裁判、連続密室爆破事件。これもまた少 -
Posted by ブクログ
ネタバレ〇 総合評価 ★★★★☆
探偵養成学校,鷹司高校を舞台にした短編ミステリ。主人公は前作で,早夜川家事件を経て,特究生として鷹司学園に入学している剣峰成という少年
2作目となるこの作品では,プロローグからちょっとした叙述トリックが仕掛けられている。プロローグでは,学園にいる謎の犯罪者の告白がある。この告白をしている人物が剣峰達の担任である台場我聞(九哭将の1人,金田一剛助の好敵手であるゼノグラシアという犯罪者)だと思わなかった。円居挽らしい外連味であり、かなり驚かされた。
3つの短編はいずれもクオリティが高い。金田一剛助が,主人公剣峰成やヒロイン太刀杜からんよりインパクトがある活躍をしてい -
Posted by ブクログ
ネタバレルヴォワールシリーズを読んでから,すっかり気に入ってしまった円居挽の作品。この作品は,鷹司高校という日本に二つしかない探偵養成学校が舞台。エリートが集まる鷹司学園に「特究生」として入学した剣峰成が主人公
世界観は,キングレオシリーズと同じ。キングレオこと天親獅子丸が所属する探偵公社や十格官が存在する世界。双龍会が存在するルヴォワールシリーズとは異なる世界設定である。
剣峰成は,早夜川家殺人事件で父親を殺した妹を庇って犯人になろうとして失敗。九哭将の1人である探偵,鬼貫重明に見抜かれてしまう。そもそも,剣峰成は,自分が「早夜川家の子どもではない。」という記憶を持っている謎めいた存在。厨二病 -
Posted by ブクログ
ネタバレキングレオという通称を持つ日本探偵公社所属の名探偵,天親獅子丸の活躍を描く短編集の第2段
ルヴォワールシリーズのパラレルワールドのような世界観であり,ルヴォワールシリーズとシンクロする登場人物が出てくる。城坂論語はモリアーティの位置で,犯罪コンサルタント。天親獅子丸のライバルという別格の存在位置
公社の理事には龍樹山風の名前がある。ルヴォワールシリーズでは既に死んでいたので名前しか出ていないが,キングレオシリーズではいい味を出している。そのほか,鳥辺野有,天親雹平,税所密香,天親寅彦といった名前が登場。いずれもルヴォワールシリーズとシンクロさせる人物として描かれている。
個々の短編のデ -
Posted by ブクログ
ネタバレ○ 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★★☆☆
〇 インパクト ★★★☆☆
〇 キャラクター★★★★★
〇 読後感 ★★★★☆
京都市四条烏丸の一等地に本社オフィスを構える日本探偵公社。公社に所属する探偵は公的に警察と連携し,犯罪捜査に関わる。その公社に所属する探偵の中でも傑出した才能を誇る天親獅子丸の活躍を描く短編集
キングレオという異名の天親獅子丸の助手である天親大河が,公社の広報活動の一環として,キングレオが扱った事件を脚色して物語の原作を作る「スクリプトライター」として活動しているという設定となっている。
「探偵の会社」という設定は,作者で -
Posted by ブクログ
○ 総合評価 ★★★★☆
〇 サプライズ ★★★★☆
〇 熱中度 ★★★☆☆
〇 インパクト ★★☆☆☆
〇 キャラクター★★★★★
〇 読後感 ★★★★☆
京都を舞台とした円居挽のルヴォワールシリーズの第4弾にして最終作。物語の舞台は,双龍会に戻る。物語の冒頭で、龍樹落花が鴨川デルタで濁流に飲み込まれる。この事件で、落花の兄,龍樹大和を御贖(被告人)とした双龍会が開かれる。
先にネタバレをしてしまうと,この双龍会そのものが黄昏郷に引導を渡すために龍樹落花が仕込んだ罠だった。落花は双鴉の計を用いる。すなわち,「臥虎の間」と「蔵竜の間」に、それぞれ双龍会を用意し,黄昏郷である城坂慈