鷹司高校という全寮制のエリート校の新入生である剣峰成(つるみね なる)。
彼は図書室でのちょっとしたトラブルから、同級生の太刀杜からんという少女と親しくなり、同時に三年生で生徒会長の大神五条と知り合います。
そして、新入生の歓迎の意味も込めた、この学校ならではの行事「星覧仕合」にて、成とからんはタ
...続きを読むッグを組み、五条に推理ゲームを挑みます。
(第1章 学園裁判と名探偵)
次に、第1章で少しだけ垣間見えた成の鷹司高校入学前の生い立ち、過去に関わることになった事件が語られます。
(第2章 暗号と名探偵)
そして、時代はまた現代!?に戻り、休日のある日に成とからんが巻き込まれる事件が描かれます。
(第3章 密室と名探偵)
といったように、それぞれが独立しても楽しめるような短編集でもあり、成とからんの鷹司高校での様子を切り取った連作短編集でもあります。
学園青春モノとしては、新入生は前述の「星覧仕合」後に3年間を過ごす寮が決定されるなどの設定が、「ハリー・ポッター」シリーズを彷彿とさせ、主人公たちの3年間が今後も語られていくのであろうと推察されます。
(というか、面白かったのでぜひ続けてほしいです)
探偵(とりわけ名探偵)の位置付け的には、清涼院流水さんを元歌とするJDCシリーズや、先日読んだ北山猛邦さんの「猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数」を思い起こさせられます。
ライトな装丁とは裏腹に、かなり論理的な推理の応酬や、犯人対名探偵の因縁の対決もあり、本格好きにはたまらない一冊に仕上がっています。
円居さん、ほんとに続編を希望します。