あらすじ
「あなた、京都市民ではないですよね?」
”よそ者”にはたどり着けない世界が、京都にはあるらしい──。
閉じた田舎から出て、黒髪の乙女と出会う青春を夢見て京都の大学に進学した青年、神田祟。
なのに四回生の冬になっても、何の役も、何の縁も、何の物語も得られなかった。
そんな彼に唯一垂らされた蜘蛛の糸。
裏の仕事を斡旋する妖しげな古道具屋の女主人との出逢いにより、祟の奇妙なバイト生活が始まる。
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Posted by ブクログ
モキュメンタリーかと思いきや全く違う切り口からなる小説だった。
主人公の孤独と弱さが深村堂を通じて出会った人と繋がることで、人間的にも成長していく京都を舞台とした青春物語だった。
単なるホラーではなく、怪異的な案件をこなしていくうちに科学的に証明出来るというか理屈で説明できる展開になっていく。ただ、分からないという恐怖や人為的な恐怖、実体のない恐怖も様々で、地続きで物語は繋がっているけど、一つ一つのテーマも読み応えがあった。
主人公に限らず、キャラクター性が個性的でちゃんと目立っていたし、最後の話では京都の地名を使ったお話で読みやすかった。
思ったより世界観に没入してしまった、続編を出して欲しいと思った。
Posted by ブクログ
いい意味で裏切られた。『近畿地方のある場所について』のようなモキュメンタリー系ホラー小説かと思って手に取ったら、全く違ってた。
でも、内容としてはこちらの方が断然好き。
続きが読みたい。続編出たら絶対即買う。
Posted by ブクログ
モキュメンタリーかと思ったらぜんぜん違った。軽いミステリーとあり、ホラーもあり京都青春小説でもあり、盛りだくさんで久しぶりの円居さん作品楽しめた。
主人公の祟が、どんどん頼れる人になっていき変わっていく様もよかった。
京都のネガティブなイメージをうまく練り込んであって話の構成もおもしろい。
うわー、本当にありそうって思わせる。
京都botの話は本当に都市伝説っぽくて怖かった。
京都の町ならではで、良かった。
Posted by ブクログ
【収録作品】
第一部 三途の河
第0話 蜘蛛の糸
第1話 深村堂
第2話 墓場荘
第3話 ささめきの間
幽霊についての貼雑
第4話 ヨモツミハシラ
呪いについての貼雑
第5話 書楼祇陀林
深村堂についての貼雑
第6話 百歩の家
第二部 地獄の淵
第7話 きしもじ講
第8話 再会
第9話 滓滓縷縷
第10話 沌蘭寺のあれ
リアル京都市民.botについての貼雑
第11話 リアル京都市民.bot
第12話 釈迦の掌
ホラー×ミステリ
いってしまえば、ぼっちをこじらせた男子大学生・祟が、「偶然」出会った女子高生や得体の知れない少女、訳ありのイケメン高校生に気に入られ、怪異に挑むうちに耐性がついて自己肯定感がアップするという、ラノベ的物語。
最後にラスボス的存在も出てきて、王道の展開。
「祟」という名前も伏線になっていて、ホラーとミステリのバランスがいい。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙から得られるイメージと内容がかなり違った。若干表紙詐欺感が否めない。主人公の名前に無理がある。主人公はその弱さ故の強みを持っている。ヒロインの呼び方が途中で変わるのは違和感。舞台が京都である必然性はいまいち感じなかった。
Posted by ブクログ
ジャケ買い+作者買いで読んでみた。
タイトルから、今流行りのモキュメンタリー作品のようなものを想像していたが、実際には作者の作風がしっかり感じ取れる物語だった。
謎解き要素も用意はされているものの、主眼は事件そのものよりも、「イメージとしての京都」に存在する怪異や不思議さを描いた点にある一作。
連作形式のため、他の地域であれば成立しなかっただろうが、京都であればぎりぎり想像できてしまう。その絶妙なラインの世界観がこの作品の肝だと思う。
歴史と共に現実と伝承、噂話の境界線を曖昧にしたまま、数多くの物語を積み重ねてきた土地だからこそ、こうした設定が成立するのだろう。
キャラクターや物語の運びはややライトノベル寄りの印象もあるが、その分読みやすさは十分。
もし自分がもっと若く、京都に住んでいない頃で、なおかつ京都に特別な憧れを持っていたなら、刺さり方は違ったかもしれない。
それでも最後まで飽きずに楽しく読めた一冊だった。