円居挽のレビュー一覧
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ネタバレ百合作品といえば、ただただ男女の関係の男の方を女性に置き換えただけのものと思いがちだ。事実、私はこれを読むまでそう思っていた。
ただでさえ恋愛経験が少ないから、こういった感情の機微を理解するのは正直言って難しいところだけど、男女の関係以上に繊細なことだろうし、それぞれの心情の変化なんかもまったく違ったものになるだろう。それをそれぞれここまでうまく表現したものは他に類の見ないのではと思う。
私もまだまだ百合ビギナーであることを自覚したので、百合の教科を必修科目にしたうえで、教科書に全作品掲載して教師に解説したもらいたい。
特に好きな作品は5作品目、斜線堂有紀先生作の「百合である値打ちもない値 -
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1 2話はゲーム中のお話。3 4話はゲーム開始前のお話。5話はゲーム後のお話で構成されていた。
1話と2話であざみちゃんとジャスミン先輩の互いの思いが感じられてすごく良かった。ただいまゲーム2周目なのでその事を噛み締めながら楽しみたいと思う。
3話はきのことガスマスクの邂逅。とても青春って感じでゲームでどうしてあんな事にと切なさを感じながら、それでもゆったり流れる時間の描写が清々しく思った。
4話はもうひたすらに面白かった。期待以上だったかも。声出して笑ってしまった。
5話もすごく良かった。ただ、欲を言うならゲームラストに繋がる描写がもっと読みたかった。
それぞれの作者のあとがきとか -
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ネタバレ一番金がかかってそうなスピンオフ。全編著者違うし、表紙絵も描き下ろしだし、なんかステッカーもついてるし装丁もやばい。カバーはモコモコした手触り、本文も赤と黒。
全話別の人に書かれているわけだが、みんなキャラクターの理解度が高いのか、編集がしっかりしているのか、とにかくこの作品の最重要項目である、愛すべきキャラクターたちという軸がどれも通っているので、著者が違うというのは正直全く気にならなかった。
第一話からあざみーではなく、ジャスミンが主人公!そしてゲームの第一話のあとという時間軸。追加のオリジナルストーリーが読めるのはとにかく嬉しい。ユーテックとかも話題に出てくるし。
ただ、帯にも書いて -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作アンソロはエッジが効いた作品が多かった印象。個人的に百合は甘味を求めて嗜むのが好みなので、今作のほうが感覚にフィットした。とはいえミステリ作家が多いので、単に好き→好かれていちゃいちゃ、だけではない工夫?を面白く読んだ。
織守さんの「いいよ」は正に「こういうのでいいんだよ!」(孤独のグルメ的な)とゆっくりじっくり楽しみました。いい百合だった…。
収録順に感想
武田→オチは読めるとしても印象に残る作品。地味なイモ子が大人の女性に磨かれるとか、タイプ違いのかわいい親友に密かに思われてるとか、百合への目配せが嬉しい
円居→これも百合、そうか百合かぁ。面白い。
木爾→アイドル…。文章が今風
青崎→ -
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再読。前回、星4だったが、自身の中で評価は上昇。
シリーズ全作を揃えたので再読。
1度目はくどく感じた青龍•黄龍の応酬や、事件を知らない聴衆を納得させるためなら出鱈目を展開する手法が出来事の大枠を知っている読者からすると「それでいいのか?本当に可能か?」と感じていた部分が多くありました。また、何度も繰り返されるどんでん返しがくどく感じるところも多少。
しかし、再読では伏線やそれぞれの騙し合いが大変面白かった。また、キャラが立っている分感じるラノベ感が苦手と思う方もいるだろが、また彼らと会えたという懐かしい感じが世界感へのめり込む要因となれた。重箱の隅を突くような細やかな伏線からの展開や追求 -
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ここのところよくジュブナイルミステリをよく読むのだけれど、これは白眉と思います。というか好きですね。
キャラは立っているが、キャラ付けされすぎていない絶妙なバランス。
単に「事件を解いた」→「人間的に成長した」のような安易な成長譚にせず、謎そのものにしても、その解決方法にしても異なる意見・性格の友人と議論し(時にはしっくりとくる結論がでないこともある)、人生の答えを見つけ出そうともがく様を丁寧に描いている。
4人のメイン主人公たちの描きわけが巧みなのは、作中何度か2人×2チームで行動した(その組み合わせを変える)時に如実に現れます。また続編ではさらにそれが際立つ。
いずれにしても、子どもの