円居挽のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ○ 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★★☆☆☆
〇 熱中度 ★★★★☆
〇 インパクト ★★☆☆☆
〇 キャラクター★★★★☆
〇 読後感 ★★☆☆☆
「ルヴォワール」シリーズの第3弾。この作品では,御堂龍也の大怨寺に対する復讐が描かれる。大きく分けて,御堂達也が殺人の容疑で双龍会にかけられる前半パートと,大怨寺の権々会で行われる「鳳」というカードゲームについて描かれる後半パートに分かれる。更に,権々会は予選に当たる前盆と本戦に当たる後盆に分かれる。
前半パートの双龍会は,大怨寺の水呪坊という僧侶を殺害した容疑で御堂龍也が御贖(被告人)となる。
黄龍師(検察官)である天親家ナンバー2である天親雹平と青龍師(弁護人)である白澤=城坂論語による双龍会でのやり取りが見どころ
しかし,円居挽らしい外連味のある叙述トリックはない。トリックは観相窓と自動撞木装置を利用したアリバイ工作。動機は水呪坊が、大怨寺への復讐を考える御堂龍也に余計なことを言うことを防ぐため(=口封じ)。真犯人が誰かという点は、少しぼかした感じで描かれるが,大怨寺七天狗の1人,破軍坊が自分が犯人であると自白して双龍会が終わる。この前半パートは,それなりに納得できる推理が示されるが鮮やかさに欠けるように感じた。
続いて,権々会の前盆が描かれる。これは「天」という漫画の「東西戦編」と雰囲気が似ている。権々会の主催者側である大怨寺が予選全体をコントロールしている中,龍樹家の御堂達也,城坂論語,龍樹撫子,天親家の天親雹平,大怨寺七天狗の1人である虚空坊といったタレントが集う。大怨寺側からは,風天坊という定恩の後継者を自称する者が出てくる。更に天親寅彦が乱入。予選である前盆を突破したのは,天親雹平と城坂論語を破った御堂龍也,大怨寺七天狗の1人空摩坊を破った天親寅彦,かつて大怨寺を破滅直前まで追い詰めた「ジン」という博徒の息子であることを明らかにした虚空坊=犀義一,そしてテイラーとして序盤から登場していたが,その正体を現した定恩。定恩は風天坊を破って後盆に駒を進める。
前盆は,タレント同士をぶつける小さい見どころが続く。御堂龍也はクリス・アカラベスからリークを受けた鳳のソートと自身の瞬間記憶を利用した力業で城坂論語を破る。デッキをシャッフルするという手段で力業を封じられた後は「勝たなくてもいい」という瓶賀流の声を聞いた後に運を天に任せる方法で天親雹平を倒す。
虚空坊は鏡を使ったトリックで龍樹撫子を破る。大怨寺の用意したトリックはエッチング。触れることでカードの数字が分かるというトリックで権々会をコントロールしようとする・・・など
そして,後盆。後盆では御堂龍也が外ウマで定恩に挑むことで大怨寺への復讐を目指す。一進一退の攻防が続くが,最後は観相窓を利用し、偽の大文字を見せるというトリックで時間を誤信させ,御堂龍也が大怨寺を破る。
御堂龍也と瓶賀流がいい雰囲気になる。龍樹撫子の前に青龍家に出向いている龍樹大和が姿を見せ,城坂論語が青龍家の龍師になり,撫子の前から姿を消す。
御堂龍也関係としては御堂龍也と御堂辺理が本当の姉弟なのかどうかという謎がある。真相は二人は従兄弟というもの。御堂龍也の母,御堂半と御堂辺理の母,御堂てう(丁)は双子だったという設定。これはさんざん引っ張って,ラストで明かされるが,そもそも魅力的な謎というほどでもなく,真相が明かされても不発気味
「鳳」というカードゲームを使った知的ゲームは面白い。キャラクターもそれなりのタレントが描かれており,タレント同士の激突というシチュエーションは単純に面白い。ただし,円居挽らしいどんでん返しは見られない。天才的なタレント同士の激突としては,最後の部分はやや消化不良。傑作とまでは評価できない。★3止まりで。
〇 大怨寺
鴨川の側に立つ不気味な寺。御堂龍也の復讐の対象となる。権々会という博打の会を行っている。
〇 綾織文郎
大怨寺に騙され不毛な土地を高額で買う。しかしこれが伏線の一部となり,権々会のラストでこの土地がトリックに使われる。
〇 天親雹平
天親家の№2と言われる龍師。前半パートの双龍会で黄龍師(検察側)として龍壇に立つ。
〇 城坂論語
前半パートの双龍会で青龍師(弁護側)として龍壇に立つ。
〇 クリス・アカラベス
「今出川ルヴォワール」の序盤で御堂龍也と出会う謎の人物。正体は龍樹大和
〇 天親寅彦
天親家の№1。
〇 御堂雷蔵
かつての越天学園の理事。現在は理事長。御堂龍也の父
〇 御堂辺理
御堂龍也の姉。鏡花の会の「はたたみ様」となっている。
〇 定恩
かつて大怨寺で最強の博打打ちと言われていた。
〇 ジン
九種で定恩の天保を流し差しウマを制する。大怨寺を破滅のギリギリまで追い込む。
〇 本陣茂
御堂龍也の祖父。かつては資産家だったが,大怨寺により資産を奪われる。
〇 本陣半
御堂龍也の母。黄昏郷からはカラオクルスと呼ばれる。謎を解き明かす理外の力を持っていた。
〇 虚空坊
大怨寺七天狗の1人。本名犀義一。
〇 風天坊
大怨寺七天狗の1人。定恩の後継者を自称する。
〇 鳳のルール
第2章と第3章で行われるカードゲーム「鳳」のルールは以下のとおり
・1~16までのカードを使う。
・大きいカードを出した方が勝利
・勝ったら45点
・子は共闘できる。
・共闘した場合,勝ち点は分け合う。
・親は対戦する相手を選べる。
・子は親にカードを見せて10点貰える。
・子は降りることができる。
・降りた場合,カードは持ち越せる。
・合計17点になれば鳳。大きい数字が負ける。
・鳳のときは点数を全て失い,ばらまく。
・親は1ゲームに1回,「受けの鳳」ができる。
・受けの鳳が失敗すると持ち点の半分をばらまく。 -
Posted by ブクログ
謎を解き、6個の鍵を満たした者は願いがかなえられる。
そんなゲームに挑戦している少女の話。
プレイヤーはそこに隠された謎を解いていく、という
巨大謎解きゲーム、みたいなものでしょうか?
お金を集めて、知人の男の子を救いたい、という
高尚な願いを持った少女が頑張っています。
次の話では、どうしてそこまで頑張るのか、が
分かりますが。
偶然知り合った人と、また再会、またまた再会、と
その都度どういう謎なのか、どこに視点をおくか、と
レクチャーされていきます。
そうして少女は成長していき…そして最後の謎。
いや、最後というか、おわかれの謎?
最初から最後まで、驚きの推理だったり
打ちのめすための推理だったり。
ここまで分類してくるのもすごい、と思いますが
言われている事には納得です。
いやでも、全部そろっていた方が
推理ものは楽しいやも?? -
Posted by ブクログ
京都が舞台の本を見つけると、つい手に取ってしまう。
一浪して京都大学に入った、遠近倫人(とおちかりんと)は友人の誘いでお散歩サークル『賀茂川乱歩』に入った。
週末に京都の観光地を巡るのが活動。
そこで出会った気になる女性は、青河幸(あおかさち)
そして、もう一つの出会い。
大学構内に神出鬼没の不思議なバー「三号館」は謎を持つ人しか辿りつけないという。
「三号館」のマスター、蒼馬実希(そうまみき)が作るカクテルが謎解きの鍵。
京都初心者で恋愛初心者の倫人は、学業と恋愛と謎解きで、充実したキャンパスライフを送る。
いいなあ~キャンパスライフ!楽しそう。
守る価値はある。
『クローバー・リーフをもう一杯』
サークルの新入生歓迎コンパの待ち合わせ場所へ。
タクシーに乗ってる人が入れ替わった?!
『ジュリエットには早すぎる』
「五月の三条を楽しむツアー」は鴨川の川床から“鴨川をどり”へ。
席が入れ替わった?!
『ブルー・ラグーンに溺れそう』
京都水族館で出会った謎の女性とイルカショーの謎。
『ペイルライダーに魅入られて』
京都が最大に盛り上がる祇園祭。
宵山初日に青河さんの身に起きた重大な出来事と、招かれざる客。
『名無しのガフにうってつけの夜』
「三号館」の危機?!最後に倫人は最大の謎を解く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデビュー作だからか、そこはかとない野心と作者の若々しさを感じる。
ちょっと面妖なファンタジーっぽい邂逅シーンに始まって(この部分はとても好きだった)、厨二臭漂う古典部的ノリになり、そのうち逆転裁判が始まったと思ったら、どんでん返しの応酬、なんなんだよまだどんでん返るのかよ!って突っ込み入れてたら、結局ラブストーリーだった、みたいな話。
読む前にあらすじを確認した時に、京都の伝統「双龍会」に関わるって時点で何故か厳かでシリアスなストーリーを想像してしまい、ギャップに苦しんだ。
群生累集とかちょっと痛かった。古典部ほど拒否反応は出なかったけど。
解くべきネタは2つ、慈恩の死の真相と、ルージュの正体。
慈恩の死は至極真っ当な結論で納得できたけど、二転三転したルージュの正体の方は、まさかの葵説が真実ならどうしようかと思った。老女の肌質は流石に触れば分かるだろ…。
全体としては推理合戦モノってことでいいんだろう。論理的なら真偽は問わないってところが『その可能性はすでに考えた』みたいだった(本作品の方が成立が早いけど)。
厨二っぽいのに本歌取りに溢れてて頭でっかちな感じなのは、京大推理研出身者の一傾向と言っていいのだろうか。
伏線の張り方があまり達者でないので、回収時の「そうだったのか!」って衝撃がやや力不足だった。
特に、流の女子カミングアウトは、あまり効果的でなかったような。
登場人物が天才ばかりで、流の凡人的感情に激しく同意。
京大生って世界をこんな風に見てるのかな…
でも、読む側だって天才ばかりではないから、もう少し親切に説明した方がいいと思う。