円居挽のレビュー一覧

  • 日曜は憧れの国

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    カルチャーセンターで出会った女子中学二年生の4人。各章毎に視点が変わり、お互いに自分にないものを持つ友人を羨ましく思っている。読むのを止めるほどつまらないわけじゃないけど、かと言って続編があっても読まないだろうな。

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    2021年04月24日
  • 誰が死んでも同じこと

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    ミステリー

    巨大グループ企業で起きた後継者連続殺人事件を、警察庁若手敏腕刑事と企業の美人社員が追う。その動機が個性的。
    凄惨な事件だが、二人の会話がテンポ良く、解決後お付き合いしたりしないかな、発展を期待したりする。

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    2021年02月10日
  • カイジ ファイナルゲーム 小説版

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    ネタバレ

    大好きな「カイジ」映画版ファイナルゲームのノベライズです。

    活字のみで「カイジ」を味わったのは初めてでしたが、ある意味で活字の方がいろいろ想像出来て楽しいかも。

    毎度パターンは同じですが、それでもやっぱり楽しめる。

    ヒーローなのか、単なるクズなのか。

    命をかけたギャンブルで「カイジ」が得たものは今回も巨額の富ではない。

    ダメダメなところも含めてやはり「カイジ」は名作だと思います。

    説明
    内容紹介
    シリーズ累計2100万部を誇るギャンブル漫画の金字塔『カイジ』藤原竜也主演映画化第3弾は、原作者福本伸行自ら脚本に携わり、オリジナルストーリーを考案。全く新しい4つのゲーム【バベルの塔】【最後の審判】【ドリームジャンプ】【ゴールドジャンケン】が登場し、ファン垂涎の手に汗握る展開が繰り広げられる。
    内容(「BOOK」データベースより)
    ギャンブル漫画の金字塔『カイジ』映画化第3弾は原作者福本伸行自ら脚本に携わり、オリジナルストーリーを考案。全く新しい4つのゲーム“バベルの塔”“最後の審判”“ドリームジャンプ”“ゴールドジャンケン”が登場し、ファン垂涎の手に汗握る展開が繰り広げられていく。そこでカイジを待ち受ける試練とは何か。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    円居/挽
    1983年、奈良県生まれ。京都大学卒業。京都大学推理小説研究会に所属。2009年『丸太町ルヴォワール』で講談社BOXよりデビュー

    福本/伸行
    1958年、神奈川県生まれ。’80年、『よろしく純情大将』でデビュー。’98年に『賭博黙示録カイジ』で第22回講談社漫画賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    2021年01月09日
  • その絆は対角線

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    特に気が合うわけでもなく、通う学校も違うのに何となく同じカルチャーセンターでの交流を続ける女子中学生4人組。という設定は今の時代にはかなり無理があると思う。彼女たちの話題や行動力、周りの大人の対応も然り。
    だけど単なる青春コージーミステリーじゃなく、彼女たちをかなりシビアな状況に追い込み、かつ安易なハッピーエンドに終わらせないことによって最後までちゃんと読める作品に仕上がっています。

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    2020年12月26日
  • キングレオの冒険

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    ネタバレ

    京都に本社をかまえる日本探偵公社。公社の探偵は公的に警察と連携し、犯罪捜査を行う。
    数いる探偵の中、断トツの才能をみせる美丈夫、天親獅子丸、通称・キングレオ。
    獅子丸の助手は従兄弟でもある、大河。
    大河は公社の広報活動を担う、脚本室で探偵の活躍を脚色してメディアに供給していたが、作家への夢も諦めきれず、獅子丸に振り回されてつつも執筆活動に励んでいた。

    赤影連盟
    踊る人魚
    なんたらの紐
    白面の貴公子
    脳虚堂の偏屈家

    言動が大袈裟なのが気になるけど、大河さんがメディア向けに書いた脚本なのかもしれない、なんて。
    ストーリーもだけど、バリツがちゃんと格闘技として成り立ってる世界なのも楽しい。七帝バリツとか!
    あれもこれも、聞いたような話でニヤニヤしながら読んで、あー、せめてジェレミー・ブレッドのドラマでも観ようかな!という気持ちに。
    それにしても、最近はモリアーティが人気。
    精神的にジワジワさせる展開が苦手なので、もういいかなー。

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    2020年10月15日
  • 日曜は憧れの国

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    ネタバレ

     カルチャーセンターを舞台として,性格も学校も違う暮志田千鶴,先崎桃,神原真紀,三方公子つという4人の女子中学生がちょっとした謎に遭遇する日常の謎系ミステリ。謎ときだけでなく,4人の少女がうちに秘める悩みなども描かれる青春ミステリとなっている。
     まずは5つの短編の内容を見て,全体を総括したい。
    ◯ レフトオーバーズ
     千鶴達4人が四谷にあるカルチャーセンターの料理教室で出会うところから,その料理教室で起こった3万円の現金の盗難事件が描かれる。料理教室での料理はカレー。料理教室の講師は旗手優という料理人。お店を潰してしまった彼は,新しい店を開く資金を稼ぐために料理教室の講師をしているという。講義は,食材をドラフト形式で選ぶという,ちょっと変わった形式で行われる。各グループに自由にカレーを作らせて,美味しければ褒めて,イマイチだったら手を加えて美味しくするという講義のやり方は好評。しかし,その最中,主婦世代グループと高校生グループでちょっとしたいさかいが起こる。そして,主婦グループの1人の財布から3万円がなくなり,その財布が千鶴達のグループの机の下から見つかる。
     色々な検討の末,千鶴達は,高校生グループが腹いせに主婦グループから現金を奪い,千鶴達のグループに罪をなすりつけようとしていたと推理する。場を沈めるために自腹を切って3万円を払った旗手に,高校生グループが謝罪して3万円を返していた場面を見たことから,千鶴達は自分たちの推理が合っていたのではないかとかんがえる。
     この話のヒロインは千鶴。千鶴は,引っ込み思案のことなかれ主義の自分が,自分だけが疑われないような言動をしていたことで自己嫌悪に陥る。最後は桃の提案で,また4人は,このカルチャーセンターで同じ講義を受けることにする。
    ◯ 一歩千金二歩厳禁
     4人が2つ目に選んだ講義は,将棋。講師は元プロ棋士の恩田敬一で,恩田は講師をしている将棋部の高校生と孫の駒子を連れてくる。将棋部員や講師を大局したり,将棋部員を参加させながら仲間内で対戦するという形での講義を行う。
     この作品は,主に先崎桃の視点で描かれる。レフトオーバーズでは千鶴が,事なかれ主義で引っ込み思案。自己中心的な性格であることに向き合うということが描かれる。これに対し,この2作めでは,先崎桃が,周囲のことを考え,気を使っているつもりで,近視眼的にしか物事を考えることができていないという事実に向き合うということが描かれる。
     ミステリとしては,1作目より趣向が凝らされている。桃達4人と多面刺しをする小学生の駒子との対戦でズルをしようとする桃の様子が倒叙的に描かれる。更に,ズルをしているのだから,当然勝とうとしているのだろうという思い込みを突いてくる。桃はズルをして負けようとしていたのだ。ここが叙述トリックになっている。
     桃のズルは氷を使って湯飲みが置いてあるトレイを落とし,音が鳴り,意識がその音に行っているスキに歩を置いて,二歩で負けようとするもの。このトリックに成功するが,駒子は泣き出してしまう。桃の気遣いは,かえって駒子を傷付けていた。
     千鶴が感じている悩みもそうだったが,桃が感じている悩みも,誰もが持っている悩みのように思える。身近に感じられる悩みと推理小説的な技巧。1作目に比べると短編としての完成度は高い。
    ◯ 維新伝心
     4人が受ける3つ目の講義は日本史の講義。この講義を選んだのは桃。ポスターを見て,面白そうな講義だと思って選ぶ。しかし,実際の講義は実直ではあるが面白みのない江戸幕府の成立から崩壊までの話。話の途中で講師の因幡は倒れてしまう。
     4人は途中で終わってしまった講義で,講師の因幡が何を話すつもりだったかを推理する。3作目真紀の視点で描かれる。真紀は要領よく,ゲーム感覚で人生を過ごしている。しかし,もっと地道に努力をして教養を高めていく必要があるのではないか。一緒に講義を受けている公子のように。そんな悩みに向かい合うことになる。
     この話では,ミステリ的な趣向は薄い。むしろカルチャーセンターの在り方について描かれる。生涯学習という観点から各地に開かれることになったカルチャーセンター。しかし,今はインターネットがあるから,その気になれば結論だけなら誰でも簡単に調べることができる。自分一人で何かを学ぶことができる。これからカルチャーセンターはどうあるべきか。日本史の講師の因幡は、このカルチャーセンターの元理事だった。今の理事である清澄は,短期的に利益を上げる施作をしているが,本当にカルチャーセンターの未来を考えているのか。カルチャーセンターと江戸幕府を重ね合わせ,あえて清澄が作ったポスターとは違う,実直な講義をするつもりだった。
     好きで選んでる道を進んでいるつもりが袋小路に進んでいる。そんな不幸にならないようにどうすればいいか。真紀の悩みも共感する人が多そう。とはいえ,ミステリとしては非常に弱い。単なる青春小説みたいになっている。
    ◯ 幾度もリグレット
     4にんが4つ目に選んだ講義は小説講座。公子が選んでいた。講師は奥石衣という純文学出身でファンタジー小説も書いていた女流作家。公子は奥石のファンだった。
     小説講座のテーマがそのままこの作品のミステリとテーマとなっている。それは,奥石が用意した小説の続きを書くこと。その小説は芸術家になりたかった木こりの話で,まるで奥石自身を木こりに置き換えたような話だった。
     講義で与えられた課題は小説の続きを書くこと。そして,それは奥石衣へのメッセージにもなる。公子はそう考える。
     桃,真紀,千鶴は課題を提出するが,公子は提出できなかった。そして,千鶴の作品が奥石から絶賛される。千鶴の作品は,次に何をするかをいうのではなく,ただ,次があると言っていただけ。それで救われたと。
     この作品のヒロインは公子。落ちこぼれたことがなく,悩みがない公子。今回は課題はていしゅつできなかったが,なかなかこの公子に感情移入できる人は少ないだろう。小説を書くということは送ってきた人生を問われるのと同じ。この先の人生にどんなに不本位なことが待ち受けていたとしても,小説のためなら堪えらえれる気がする。公子のそんな決意で終わる。
     これは完全無欠に見える公子に,千鶴が勝つことで,読者にカタルシスを与えようとしている作品にも思えるけど,あまり感情移入できなかった。やや説教臭い点もマイナス。読者が高校生くらいだったら得るものもあるのかな。永年社会人やってると,小説でそんな現実を突きつけなくてもよい気がする。ほとんどの人間はどこかで自分の限界を知って挫折して,まぁ,そこからだから。
     ミステリとしてはそこまででもない。トータルでは若いときに読むべき作品という評価で。
    ◯ いきなりは描けない
     最後の話は,助けてという文字が書かれた写生画が飛んできて,その写生画を描いた人を探すために,4人が協力するという話。千鶴は気象予報士の講座を受け,桃はペーパークラフトの講座を受ける。真紀はスケッチ講座を受け,スケッチを紙飛行機にして飛ばした人がいるたわーまんしょんを突き止める。
     小説講座の一件で,勉強ができるくらいではどうにもならないと感じていた公子だが,公子は部屋を突き止め,千鶴と部屋に向かう。その部屋で阿久津智恵という美術大学を受験している浪人生に出会い公子はチケットを智恵に渡す。
     短編集のラストとして,4人がそれなりに活躍をして,謎を解いて大団円。ただ,絵画を描いて紙飛行機にして飛ばした人はどこにいるのかという謎はそれなりに魅力的だし,解放に至る過程でカルチャーセンターを使うという展開も悪くない。ただ,ミステリとしては解決までの過程が弱く感じる。結果だけを示されているだけ,だからか。
     筆者は,公子寄りの人物だったのかもしれない。あとの3人は読者寄りだが,公子だけは読者にあまりいないイメージの存在。その人物に最後,スポットを当てる感じになっている。千鶴も活躍するが,千鶴と公子に比べ,桃と真紀の存在感が薄い。
    ◯ 総括
     ストーリーテラーとしての円居挽の魅力は発揮されている。しかし,本格ミステリ作家としての円居挽の魅力はあまり感じられない。せいぜい,一歩千金二歩厳禁くらいだ。4人の少女とその悩みもおおむね共感できるのだが公子だけが…。こんな出来る子に共感できる人は少ないと思うが,そこにスポットを当て過ぎているように感じる。
     トータルで見て,円居挽の話作りの旨さを充分に感じることができるデキに仕上がっている。しかし,その程度。ミステリとしては弱いし,ちょっと説教くさいところも割引き。円居挽の文体が好きなので雰囲気も好きなのだが,傑作まではもう一歩という感じ。

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    2020年08月17日
  • 河原町ルヴォワール

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    シリーズ最終作。
    衝撃の冒頭から始まり、何か違和感を含んだ中盤とどんでん返しの連続である後半という変化に富んだ構成でしたが、前作を読んでから時間が空きすぎて上手く世界観についていけなかった。
    もう一度一気読みしてみれば印象が変わるかも。

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    2020年07月11日
  • 京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ

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    普通の人には解けない謎を解決する幻のバーが京大の中にあるという設定は面白い。
    だけど、青河さんとの恋の行方は中途半端だし、もっと活躍しそうなキャラクターである灰原さんの扱いも中途半端なので、何かと不完全燃焼です。
    シリーズ化を前提とした前振りなのでしょうが、それなら次作への期待感を煽る結末にして欲しかったな。

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    2020年05月31日
  • 丸太町ルヴォワール

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    架空の私的法廷・双龍会を舞台にした法廷ミステリ。詭弁、捏造、騙し合い、その合間に伏線とロジック。解決を楽しみにするのではなく、それらが織りなす丁々発止の舞台を、傍聴席から眺めるのが醍醐味です。ただ、ラノベ文法に慣れてないと読み通すのは少々骨かも。

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    2020年02月23日
  • 京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ

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    京都大学の中に時々現れるバーでカクテルを飲むと、
    なぜか頭の回転がよくなってミステリーが解けてしまう、
    という話だった。
    バーの人の正体こそが一番のミステリーで、それが最後に分かるのも面白い。

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    2020年02月12日
  • 烏丸ルヴォワール

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    「ルヴォワール」シリーズ第2弾。

    「双龍会」にかけられることから免除されるという『黄母衣内記』を所有する綾織耕作が死去し、『黄母衣内記』は娘の繰子に相続されます。繰子を引き取ることになった耕作の弟の文郎は、もう一人の弟の武郎が耕作を殺害したのではないかといって、落花に仕事を依頼し、御堂達也たちは双龍会のための準備を開始します。他方瓶賀流は、落花のかつての師だという「ささめきの山月」という男に声をかけられ、彼とともに達也たちと対峙して、双龍会に参加することを決意します。

    前半は、流と彼女が預かることになった一人の少女との交流がていねいにえがかれており、キャラクターの個性に焦点があてられています。前作とおなじく、後半は次々に思いもかけないどんでん返しがくり広げられる展開になっていますが、推理の内容そのもののどんでん返しではなく、双龍会の展開自体が思いもかけない方向へ推移していくことに翻弄されます。といっても、けっして読みにくいということはなく、流たちのキャラクターの魅力が次々に提示されていく展開になっていて、おもしろく読みました。

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    2019年12月22日
  • 語り屋カタリの推理講戯

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    ネタバレ

    ○ 総合評価  ★★★☆☆
    〇 サプライズ ★★★☆☆
    〇 熱中度   ★★★☆☆
    〇 インパクト ★★★☆☆
    〇 キャラクター★★★☆☆
    〇 読後感   ★★★☆☆

     いわゆるデスゲームを描いた小説。設定についての説明がなく,いきなりゲーム真っ最中というところから始まり、何かのシリーズの途中の1作かと思わせる始まり方をする。第1話「フーダニット・クインテット」の中で,少しずつゲームの詳細が明かされる。
     プレイヤーは5W1Hの全ての謎を解けば望みがかなえられる。また,ゲーム終了後に精算されるメネアドルを集めることで財産を築くことができる。メネアドルは視聴者からの人気を得たり,ゲームを盛り上げれば獲得できる。すなわち,このデスゲームは放送されており,視聴者が存在する。
     ヒロインはノゾムというプレイヤーネームの少女。友人がガラテア症候群という重い病気を患っている友人の病気の治療法を解明するために,デスゲームに挑んでいる。ノゾムがカタリという人物に出会うところから,この物語は始まる。
     フーダニット,ハウダニット,ワイダニット,ウェアダニット,ウェンダニット,ワットダニットの6つの短編が存在する。物語が進む中で,ヒロインのノゾムもガラテア症候群であることが分かる。カタリと出会うことで成長をするノゾムの物語でもある。最後のホワットダニットでノゾムは,復活した(復活させられた?)カタリとの推理ゲームに挑むというところで物語が終わる。
     設定はそこまで練られているというわけではなく,デスゲームとしてはありがちな設定だといえる。個々の短編の謎は及第点ではある。ノゾムとカタリや,それぞれのゲームでのプレイヤーとして出会う人物も,そこまでしっかりと描かれているとは言えない。それでもそこそこの面白さと感じた。そこまで練られていない設定でも,それなりに面白く描けるところに,円居挽の物語づくりと語り方の上手さが感じられる。お約束といった展開であり,傑作とまではいえないが,デスゲーム小説として十分楽しめる作品ではある。★3で。
    〇 フーダニット・クインテット
     犯人が,物語の語り手=カメラマンだったというオチの小説。犯人であるサイトは本物のカメラマンを殺害し,カタリを殺害するために、カメラマンになりすましていた。神の視点で描かれていると見せ掛けて,カメラマンの視点で描かれているという叙述トリックが仕掛けられている。カタリからノゾムに対し,フーダニットについての講義も書かれている。説明不足の部分があり,いきなり物語が始まるので入り込むまで時間が掛かるのが難点。★3で。
    〇 ハウダニット・プリンシプル
     イスカと名乗っている人物がカタリだったという叙述トリックが仕掛けられている。
     カクライの推理。広大な半球の密室で起こった殺人。タンプクは多量の水を入れてファリスを殺害する。しかし,ファリスが多量の塩を水に溶かしたために,タンプクは沈むことができず,酸素ボンベの酸素が無くなり死亡したというもの。
     イスカ=カタリの推理は片栗粉を使ったウーブレック。ウーブレックに沈んでファリスは死に,ウーブレックの上を走ったタンプクは槍を踏んで死んだというモノ。
     視聴者の人気がカタリの推理を勝たせたというオチ。イスカ=カタリの叙述トリックなどは面白いが,実はカクライの推理が正しかったのかも・・・というオチは分かりにくい。★3で。
    〇 ワイダニット・カルテット
     焼死体が見つかる。その焼死体を殺害したのはオウンを殺害したマルイだった。マルイはバングルをすり替えるためにオウンを殺害し,オウンと入れ替わった。カタリがかつてオウンだったことから,オウンとマルイの入れ替わりを暴く。
     カタリがなぜ,5つクリアしたバングルをオウンに渡したのかといった謎も出てくる。物語としては既にイスカとカタリの入れ替わりがあったのでそこまで驚けない。入れ替わりのトリックが続くのは難点。それでも及第点ではある。★3で。
    〇 ウェアダニット・マリオネット
     自分達がどこにいるのかを解くという設定。真相は天井に張り付いていたというもの。ビデオは逆回転。水中花と思えば空中。そして逆さになっていたという全てが逆さまのラウンドだった。面白くないわけではないが,ウェアダニット=どこにいる?という謎がそこまで魅力的でないのが難点。★3で。
    〇 ウェンダニット・レクイエム
     カタリが殺害され,ノゾムが容疑者になる。探偵役はカクライ。カタリがいつ死んだのかが謎を解くポイントになる。真犯人はカタリ。死んだように生きていたカタリが自分の命の使い道を考えていたというのがノゾムの推理。ノゾムが推理で,手紙がダストボックスに捨てられていたことを見抜いたので,カクライが自分の犯行を認めた。面白くないわけではないが,明らかにネタ不足なっている。そもそもウェンダニット=いつ死んだのかという謎は面白い話にするのが難しいだろう。★3で。
    〇 ワットダニット・デットエンド
     ノゾムが,「愚か者による愚か者のためのショー。これこそがこのゲームの正体であり,隠されていたワットダニットです。」とこのゲームに隠されたワットダニットを暴いてゲームをクリアする。ノゾムは稼いだメネアドルを使ってガラテア症候群の治療プロジェクトを発足させ,5W1Hのクリア報酬としては,最初からゲームに参加させてほしいという。そして,ノゾムがゲーム続行を望む理由を,ノゾムから運営と視聴者に対して贈る謎とする。その謎の答えは忘れられないようにするため。誰かが謎を解こうとノゾムのことを思い浮かべる限り,ノゾムは死なないと考えた。そして,ノゾムと復活したカタリの再会と対戦を予期させるような終わり方をする(続編があるのか?)。
     面白くないとは言えないが,オチとしては想像の範疇。よくできた話ではあるが,よくできた話どまりのオチ。★3で。

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    2019年12月10日
  • 語り屋カタリの推理講戯

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    レクチャーミステリという触れ込みだったのでちょっと退屈な内容かもしれないと思っていたんだが想像より面白かった。それに「フーダニット」「ハウダニット」「ワイダニット」だけでなく「ウェアダニット」「ウェンダニット」「ワットダニット」を作中で謎と共にそれを解決させる方法を語ったところはミステリ初心者以外でもなかなか面白く読めると思う。

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    2019年10月05日
  • シャーロック・ノート―学園裁判と密室の謎―(新潮文庫nex)

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    この作者の別作品のキングレオの世界観と繋がっており、その探偵の卵たちを養成する鷹司高校が主な舞台。とはいっても今回の話は第一章以外は過去の話と学園外が舞台なので、本格的な学園物は次回に持ち越しかな?でも第一章の謎解きは中々に良かった。主人公の活躍に今後も期待大。

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    2019年10月05日
  • シャーロック・ノートII―試験と古典と探偵殺し―(新潮文庫nex)

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    第1弾より面白くなってきたけど、推理の根拠が前後の流れから分かりにくく、ミステリーとしてのおもしろさに欠けるかな。

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    2019年09月09日
  • 語り屋カタリの推理講戯

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    【収録作品】フーダニット・クインテット/ハウダニット・プリンシプル/ワイダニット・カルテット/ウェアダニット・マリオネット/ウェンダニット・レクイエム/ワットダニット・デッドエンド

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    2019年07月21日
  • 京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ

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    入学した大学には、謎と言う代金を持っていないと
    辿り着けないバーがある。

    連続短編で、謎を持ってバーに行くので
    カクテルが出てくるわ、作り方が題の下にあるわ。
    お酒好きな人は、そこも楽しいやもしれません?

    女の子に片思いをして、彼女の入ったサークルへ。
    よくある行動力ですが、先に入学していた
    友人にはばればれという現実。
    その友人も、2話目では己の恋愛を成就させてました。
    主人公のは…いつになる事やら。
    そもそも、気が疲れないとアウト?w

    1話目の二股語りには驚きですが、合理的です。
    確かにそれはばれない。
    しかしばれた時が…怖い。
    2話目の友人のおぜん立ても凄いですが。
    どこまで手を借りた!? と驚く手腕。
    逆手(?)に取った主人公に拍手。
    3話目にして、ようやく彼女をバーへ。
    水族館で出会った、妙な女性の謎。
    最後には良かったね、ですが、恋愛になると
    全てが悪かったり良かったり、な方向に
    思考回路が流れます。
    4話目にして、初めての…。
    違う方向に頑張ってる話です。
    努力の方向を間違えた男性の話?
    最後の5話目は、完璧に犯罪。
    疑われるわ、勧告だされるわ、主人公にとっては
    最悪な状況です。
    しかも犯人…も、驚きですが、ついにバーの謎も!

    けれど、主人公の恋の行方だけはそのまま(笑)
    最大の謎は解けたけれど、大事な所はまだまだ。
    取られないよう、気をつけねばなりません。

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    2019年07月03日
  • 丸太町ルヴォワール

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    「ルヴォワール」シリーズ第1弾。

    三年前に起こった一つの事件をめぐって、京都でひそかに開催された私的裁判「双龍会」での論戦と駆け引きを中心とする物語です。

    城坂論語(しろさか・ろんご)という少年に、祖父の城坂慈恩(しろさか・じおん)を殺害したのではないかという嫌疑がかけられます。その日、論語は屋敷に侵入した「ルージュ」と名乗る女性と会話を交わしていましたが、彼は睡眠薬で眠らされ、目覚めたときには彼女が存在していた証拠はすべて消失していました。

    大学に入学した御堂達也(みどう・たつや)は、中学時代の先輩である瓶賀流(みかが・みつる)に呼び出され、彼が双龍会で論語を弁護する「青龍師」の役を引き受けたことを知ります。一方、論語を告発する「黄龍師」には、流にとって頭の上がらない龍樹落花(たつき・らっか)の一族が立つことになります。こうして達也は、流とともに双龍会に出席し、論語を弁護しながら事件の謎に迫っていくことになります。

    法廷モノ特有の張りつめた空気に、思わず引き込まれていきます。また、キャラクター造形がライトノベル的なので、バトルもののようなカッコよさもあって、エンターテインメント作品としての魅力を十分に堪能できる内容だと感じました。

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    2019年12月22日
  • 今出川ルヴォワール

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    ネタバレ

    ○ 総合評価  ★★★☆☆
    〇 サプライズ ★★☆☆☆
    〇 熱中度   ★★★★☆
    〇 インパクト ★★☆☆☆
    〇 キャラクター★★★★☆
    〇 読後感   ★★☆☆☆

     「ルヴォワール」シリーズの第3弾。この作品では,御堂龍也の大怨寺に対する復讐が描かれる。大きく分けて,御堂達也が殺人の容疑で双龍会にかけられる前半パートと,大怨寺の権々会で行われる「鳳」というカードゲームについて描かれる後半パートに分かれる。更に,権々会は予選に当たる前盆と本戦に当たる後盆に分かれる。
     前半パートの双龍会は,大怨寺の水呪坊という僧侶を殺害した容疑で御堂龍也が御贖(被告人)となる。
     黄龍師(検察官)である天親家ナンバー2である天親雹平と青龍師(弁護人)である白澤=城坂論語による双龍会でのやり取りが見どころ
     しかし,円居挽らしい外連味のある叙述トリックはない。トリックは観相窓と自動撞木装置を利用したアリバイ工作。動機は水呪坊が、大怨寺への復讐を考える御堂龍也に余計なことを言うことを防ぐため(=口封じ)。真犯人が誰かという点は、少しぼかした感じで描かれるが,大怨寺七天狗の1人,破軍坊が自分が犯人であると自白して双龍会が終わる。この前半パートは,それなりに納得できる推理が示されるが鮮やかさに欠けるように感じた。
     続いて,権々会の前盆が描かれる。これは「天」という漫画の「東西戦編」と雰囲気が似ている。権々会の主催者側である大怨寺が予選全体をコントロールしている中,龍樹家の御堂達也,城坂論語,龍樹撫子,天親家の天親雹平,大怨寺七天狗の1人である虚空坊といったタレントが集う。大怨寺側からは,風天坊という定恩の後継者を自称する者が出てくる。更に天親寅彦が乱入。予選である前盆を突破したのは,天親雹平と城坂論語を破った御堂龍也,大怨寺七天狗の1人空摩坊を破った天親寅彦,かつて大怨寺を破滅直前まで追い詰めた「ジン」という博徒の息子であることを明らかにした虚空坊=犀義一,そしてテイラーとして序盤から登場していたが,その正体を現した定恩。定恩は風天坊を破って後盆に駒を進める。
     前盆は,タレント同士をぶつける小さい見どころが続く。御堂龍也はクリス・アカラベスからリークを受けた鳳のソートと自身の瞬間記憶を利用した力業で城坂論語を破る。デッキをシャッフルするという手段で力業を封じられた後は「勝たなくてもいい」という瓶賀流の声を聞いた後に運を天に任せる方法で天親雹平を倒す。
     虚空坊は鏡を使ったトリックで龍樹撫子を破る。大怨寺の用意したトリックはエッチング。触れることでカードの数字が分かるというトリックで権々会をコントロールしようとする・・・など
     そして,後盆。後盆では御堂龍也が外ウマで定恩に挑むことで大怨寺への復讐を目指す。一進一退の攻防が続くが,最後は観相窓を利用し、偽の大文字を見せるというトリックで時間を誤信させ,御堂龍也が大怨寺を破る。
     御堂龍也と瓶賀流がいい雰囲気になる。龍樹撫子の前に青龍家に出向いている龍樹大和が姿を見せ,城坂論語が青龍家の龍師になり,撫子の前から姿を消す。
     御堂龍也関係としては御堂龍也と御堂辺理が本当の姉弟なのかどうかという謎がある。真相は二人は従兄弟というもの。御堂龍也の母,御堂半と御堂辺理の母,御堂てう(丁)は双子だったという設定。これはさんざん引っ張って,ラストで明かされるが,そもそも魅力的な謎というほどでもなく,真相が明かされても不発気味
     「鳳」というカードゲームを使った知的ゲームは面白い。キャラクターもそれなりのタレントが描かれており,タレント同士の激突というシチュエーションは単純に面白い。ただし,円居挽らしいどんでん返しは見られない。天才的なタレント同士の激突としては,最後の部分はやや消化不良。傑作とまでは評価できない。★3止まりで。 
    〇 大怨寺
     鴨川の側に立つ不気味な寺。御堂龍也の復讐の対象となる。権々会という博打の会を行っている。
    〇 綾織文郎
     大怨寺に騙され不毛な土地を高額で買う。しかしこれが伏線の一部となり,権々会のラストでこの土地がトリックに使われる。
    〇 天親雹平
     天親家の№2と言われる龍師。前半パートの双龍会で黄龍師(検察側)として龍壇に立つ。
    〇 城坂論語
     前半パートの双龍会で青龍師(弁護側)として龍壇に立つ。
    〇 クリス・アカラベス
     「今出川ルヴォワール」の序盤で御堂龍也と出会う謎の人物。正体は龍樹大和
    〇 天親寅彦
     天親家の№1。
    〇 御堂雷蔵
     かつての越天学園の理事。現在は理事長。御堂龍也の父
    〇 御堂辺理
     御堂龍也の姉。鏡花の会の「はたたみ様」となっている。
    〇 定恩
     かつて大怨寺で最強の博打打ちと言われていた。
    〇 ジン
     九種で定恩の天保を流し差しウマを制する。大怨寺を破滅のギリギリまで追い込む。
    〇 本陣茂
     御堂龍也の祖父。かつては資産家だったが,大怨寺により資産を奪われる。
    〇 本陣半
     御堂龍也の母。黄昏郷からはカラオクルスと呼ばれる。謎を解き明かす理外の力を持っていた。
    〇 虚空坊
     大怨寺七天狗の1人。本名犀義一。
    〇 風天坊
     大怨寺七天狗の1人。定恩の後継者を自称する。
    〇 鳳のルール
     第2章と第3章で行われるカードゲーム「鳳」のルールは以下のとおり
     ・1~16までのカードを使う。
     ・大きいカードを出した方が勝利
     ・勝ったら45点
     ・子は共闘できる。
     ・共闘した場合,勝ち点は分け合う。
     ・親は対戦する相手を選べる。
     ・子は親にカードを見せて10点貰える。
     ・子は降りることができる。
     ・降りた場合,カードは持ち越せる。
     ・合計17点になれば鳳。大きい数字が負ける。
     ・鳳のときは点数を全て失い,ばらまく。
     ・親は1ゲームに1回,「受けの鳳」ができる。
     ・受けの鳳が失敗すると持ち点の半分をばらまく。

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    2019年05月05日
  • 語り屋カタリの推理講戯

    Posted by ブクログ

    謎を解き、6個の鍵を満たした者は願いがかなえられる。
    そんなゲームに挑戦している少女の話。

    プレイヤーはそこに隠された謎を解いていく、という
    巨大謎解きゲーム、みたいなものでしょうか?
    お金を集めて、知人の男の子を救いたい、という
    高尚な願いを持った少女が頑張っています。
    次の話では、どうしてそこまで頑張るのか、が
    分かりますが。

    偶然知り合った人と、また再会、またまた再会、と
    その都度どういう謎なのか、どこに視点をおくか、と
    レクチャーされていきます。
    そうして少女は成長していき…そして最後の謎。
    いや、最後というか、おわかれの謎?

    最初から最後まで、驚きの推理だったり
    打ちのめすための推理だったり。
    ここまで分類してくるのもすごい、と思いますが
    言われている事には納得です。
    いやでも、全部そろっていた方が
    推理ものは楽しいやも??

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    2019年03月26日