天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
殺すつもりがなかったとしても結果として相手が死んでしまえば殺人の加害者になってしまう。それが少年の頃に犯した罪でも生涯逃れられない。心葉の様に反省して生き直しても、殺人事件の第一発見者になったら犯人に疑われてしまうのもあり得る事なのだろう。
心葉に惹かれていた彩が信じたいけど怖いと思ってしまう心理状態はわかる気がする。しかし、仲の良い同僚が兄を殺した犯人だと知った時の千暁のショックは想像を絶する。それでも近くにいたからこそ心葉の後悔している様子を知る事が出来たのは遺族として少しは救われたのではないだろうか。
許せないのは当事者の気持ちなど関係なしに事実ではないことをさも事実の様にネットで拡 -
Posted by ブクログ
天祢涼『罪びとの手』角川文庫。
初読み作家。警察ミステリー。
どうにもこうにも、川崎少女連続殺人事件と無理矢理、中年男性の遺体発見事件と結び付けたような展開が不自然過ぎる。大体、刑事にたまたま葬儀屋の同級生が居て、事件に巻き込まれるなどあり得ない。その刑事の父親も警察官で、川崎少女連続殺人事件の捜査に関わり、左遷されていたとなると、開いた口が塞がらない。僅かな偶然なら承知出来るが、結末ありきの余りにも強引過ぎる展開では、ミステリーとしては成立しない。
川崎区の廃ビルで身許不明の中年男性の遺体が発見される。検死の結果、事件性なしと判断されるが、刑事の滝沢圭は死亡推定日時と遺品の壊れた腕時 -
Posted by ブクログ
ネタバレ74/100
んやー、星5にもいきそうではあって惜しかったな…っていう本でした。
心理的ストーリーが星5だった。仲良くなった人が、殺人事件を起こしたことがあると言われると、確かにこの感情になるよな…でもそんな簡単に割り切れないよな…と凄く辛くなり、読んでいて涙を流した。「過去は過去、今は今」この言葉では割り切れなくて自分もすごく悩んで辛かった時が実際にあったからこそ感情移入したセリフ。そしてラストの「いつの日か」。これは先程のように時間で割りきれないけど、時が解決してくれることもあると伝えている一言である。
その一方で、ミステリーのストーリー性があまりにも陳腐になってしまった。え?こいつ -
Posted by ブクログ
※
もし、一緒に働いている人に殺人の過去が
あったら……。
今傍にいて親しくしている人、
特別親密ではなくても身近にいる人、
その一人ひとりに自分の知らない過去があるし
その反対も然り。
その知らない、いくつもの過去の中に
万が一人を殺めた事実があったら。
自分は、今見ている相手にこれまでと同じ
対応ができるだろうか。
相手が自分にとって大切だと思える
相手であればあるほど、湧いてくる感情は
きっと複雑になるに違いない。
過去と今は切り離せない、同じように現在の
延長線上にある未来も今と分離できるもの
ではなくずっとずっと地続きに続いている。
そして、人の心や考え方は同じ場所にとど